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【発明の名称】風力発電装置
【出願人】
【識別番号】514229731
【氏名又は名称】小澤 寿雄
【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】特許業務法人大貫小竹国際特許事務所
【発明者】
【氏名】小澤 寿雄
【要約】
【課題】 本発明は、簡易な構造で、ブレードの強度が高く、回転も円滑である風車を提供する。
【解決手段】 本発明に係る風力発電装置1は、車両等の移動手段に装着可能な装着プレート2と、該装着プレート2に設けられる風車3と、該風車3に空気を導入する空気導入ガイド4と、前記風車3の回転軸30の少なくとも一方に設けられる発電機5によって構成され、前記風車3が、軸方向の両端部30a,30bから中央に向けて漸次径が減少するような凹曲面31を有する回転軸30と、該回転軸30の凹曲面31に沿って接着される内側凸状縁部61から回転方向に突出する凸面形状を有し、前記回転軸30の両端部30a,30bから回転軸30の中央部分に向けて回転軸30の径方向の突出する円弧状の外側縁部62とを有する受風部63とによって構成される複数のブレード6によって構成される。
【選択図】 図1
風力力発電装置図 選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両等の移動手段に装着可能な装着プレートと、該装着プレートに設けられる風車と、該風車に空気を導入する空気導入ガイドと、前記風車の回転軸の少なくとも一方に設けられる発電機によって構成され、前記風車が、軸方向の両端部から中央に向けて漸次径が減少するような凹曲面を有する回転軸と、該回転軸の凹曲面に沿って接着される内側凸状縁部から回転方向に突出する凸面形状を有し、前記回転軸の両端部から回転軸の中央部分に向けて回転軸の径方向の突出する円弧状の外側縁部とを有する受風部とによって構成される複数のブレードによって構成されることを特徴とする風力発電装置。
【請求項2】
前記空気導入ガイドは、前記風車の回転範囲の上面を所定の範囲で閉塞すると共に、前記風車の上流側と下流側に開口部を有する上面ガイド部と、前記上面ガイド部の上流側の開口部の前面に位置し、下方から導入空気の風車への導入をガイドする前方ガイド部とによって構成されることを特徴とする請求項1記載の風力発電装置。
【請求項3】
前記前方ガイド部は、前記上流側の開口部を開閉可能であることを特徴とする請求項2記載の風力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、船舶等の移動手段に装着され、移動体の移動に伴う空気の流れを受けて回転する風車によって効率的に発電することのできる風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2007−32550号公報)は、日照時間外も走行することが可能となるように、太陽光発電機と共に風力発電機を搭載した太陽光発電機自動車を開示する。
【0003】
特許文献2(特開2011−117400号公報)は、走行時の風力エネルギーを電気エネルギーに変換し、蓄電した電気エネルギーの消費を最小限にし、蓄電池の搭載量の個数を最小個数にして、外部充電の必要が無く、長い走行距離の確保を可能にする自動車用風力発電機ユニットを開示する。この自動車用風力発電機ユニットにおいて、車両の始動時、運転席に設けられたスタートスイッチを入れてアクセルを踏んだ時に駆動用蓄電池からコントローラを介して電力の供給を受け、駆動モータが回転し走行が開始されて、車速が低速、例えば10km/h程度になれば風力発電が開始され、コントローラで安定した電力に制御されてから駆動モータに供給され、この時点で駆動用蓄電池からの電力供給が、風力発電機により発電された電力に切り替わり、コントローラを介して直接駆動モータに供給されて走行が継続され、走行及び電装品に消費される電力を上回った電力は、駆動用蓄電池或いは電装用蓄電池の充電に供給されるものである。
【0004】
特許文献3(特開2012−82769号公報)は、水素ガスエンジンを搭載した省エネ自動車を開示する。この水素ガスエンジンでは、風力により電力を発生させる風力発電機を備え、この風力発電機によって発生する電力によってガス発生装置での電気分解を行うことが開示されている。
【0005】
特許文献4(特開2014−80956号公報)は、車両が走行中に受ける空気の流れを車載された風力発電機内へ受け入れ、回転軸に一定間隔で放射状に固定された大きさの異なる複数枚の羽根が回転軸を高速回転させることで、高効率の発電力を発揮することを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−32550号公報
【特許文献2】特開2011−117400号公報
【特許文献3】特開2012−82769号公報
【特許文献4】特開2014−80956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車両等の移動手段に風力発電機を設けて、駆動電力等の補助をすることは、例えば特許文献1乃至3から公知である。しかしながら、特許文献4に開示されるように、低速時でも大きな発電能力を有する風車を採用することは、この技術分野における大きな課題である。
【0008】
また、本出願人は、特願2014−184029において、簡易な構造で、ブレードの強度が高く、回転も円滑である風車を提案した。この特願2014−184029で開示した風車は、ブレードの強度が高いことから、高速回転に耐えられるという特徴を有している。
【0009】
このため、本発明は、車両等の移動手段に装着可能であると共に、高速回転に耐えられる構造を有する風車を採用し、高回転で回転可能な風力発電装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る風力発電装置は、車両等の移動手段に装着可能な装着プレートと、該装着プレートに設けられる風車と、該風車に空気を導入する空気導入ガイドと、前記風車の回転軸の少なくとも一方に設けられる発電機によって構成され、前記風車が、軸方向の両端部から中央に向けて漸次径が減少するような凹曲面を有する回転軸と、該回転軸の凹曲面に沿って接着される内側凸状縁部から回転方向に突出する凸面形状を有し、前記回転軸の両端部から回転軸の中央部分に向けて回転軸の径方向の突出する円弧状の外側縁部とを有する受風部とによって構成される複数のブレードによって構成されることを特徴とするものである。
【0011】
それぞれのブレードの内側凸状縁部と回転軸との接着距離が大きいことから、ブレードの回転軸への接着強度が高いため、ブレードの高速回転が可能となるものである。また、この本出願人による風車を採用することにより、発電機を高速回転させることができるので、発電機の発電能力を向上させることができるものである。また、装着プレートは、磁性体プレートであり、車両の屋根上等に磁力によって接着可能な状態となるものである。
【0012】
また、前記空気導入ガイドは、前記風車の回転範囲の上面を所定の範囲で閉塞すると共に、前記風車の上流側と下流側に開口部を有する上面ガイド部と、前記上面ガイド部の上流側の開口部の前面に位置し、下方から導入空気の風車への導入をガイドする前方ガイド部とによって構成されることが望ましい。
【0013】
これによって、風車に効率的に空気を導入することができるものである。尚、前記前方ガイド部は、上流側に向かって凹状に形成され、前記上面ガイド部との相関関係によって、前記風車に効率的に空気が導入されるものである。また、前記上面ガイド部は、上流側に向かって開く方向に拡大されることが望ましい。
【0014】
さらに、前記前方ガイド部は、前記上流側の開口部を開閉可能であることが望ましい。この場合、前方ガイド部は、手動又は自動によって上流側の開口部を開閉することが望ましい。風車に導入される空気量を変化させることができるため、移動手段の速度に対応して空気導入量を調整することができるものである。さらに、前方ガイド部によって、上流側開口部を完全に閉鎖することもできるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、それぞれのブレードの支持力が高いことから、高回転可能であるため、発電機を高回転で回転させることができるために、十分な発電力を得ることができるものである。
【0016】
また、風車に導入される空気量を、前方ガイド部によって調整可能であることから、風車に必要な風量若しくは風速を確保できるため、十分な発電力を得ることができるものである。また、前方ガイド部によって前面を完全に閉鎖することも可能であることから、雪などが風力発電装置内に入り込むことによる不具合が防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は本発明に係る風車の側面断面図であり、(b)は本発明に係る風車の正面図である。
【図2】前方ガイド部によって上流側の開口部が閉鎖された状態を示した説明図である。
【図3】風車の説明斜視図である。
【図4】風車の説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施例について図面により説明する。
【実施例】
【0019】
本発明に係る風力発電装置1は、図1(a),(b)に示されるように、自動車等の車両、船舶など所定の速度で走行する移動手段に装着される装着プレート2と、装着プレート2に設けられる風車3と、風車3に空気を導入する空気導入ガイド4と、前記風車3の回転軸30の両側若しくは一方の側に配置される発電機5とによって構成される。尚、50a,50bは、前記発電機5及び風車3を支持するための支持部である。
【0020】
前記装着プレート2は、この実施例では、例えば自動車の屋根等の車体に装着可能なように、磁性体によって形成されるものである。しかしながら、接着剤等によって移動手段に装着されるものであっても良い。
【0021】
前記風車3は、例えば図3及び図4で示されるように、その軸方向の両端部30a,30bから中央に向けて漸次径が減少するような凹曲面31を有する回転軸30と、この回転軸30の凹曲面31に沿って接着される内側凸状縁部61から回転方向に突出する凸面形状を有し、前記回転軸30の両端部30a,30bから回転軸30の中央部分に向けて回転軸の径方向の突出する円弧状の外側縁部62とを有する受風部63とによって構成される複数のブレード6を有する。この実施例では、ブレード6は回転軸30の周方向に90°間隔で均等に配置される。
【0022】
前記空気導入ガイド4は、図1及び図2に示されるように、前記風車3の回転範囲の上面を所定の範囲で閉塞すると共に、前記風車3の上流側と下流側に開口部7a,7bを有する上面ガイド部7と、前記上面ガイド部7の上流側の開口部7aの前面に位置し、下方から導入空気の風車3への導入をガイドする前方ガイド部8とによって構成される。
【0023】
前記上面ガイド部7は、前記風車3に回転範囲に沿って下流側に、下流側の開口部7bを開口するように延出する下流側ガイド71と、前記風車3の上流側に前記上流側の開口部7aを開口するように広がる上流側ガイド72とによって構成される。また、この上面ガイド部7は、前記装着プレート2から円弧状の上方に延出する形状を有するものである。
【0024】
また、前記前方ガイド部8は、前記装着プレート2から前記風車3の前方に立ち上がるように下方から延出して形成されるもので、上流側に向かって凹面状となるように形成されるものである。
【0025】
さらに、この実施例では、前記前方ガイド部8は、前記開口部7aに対して開閉可能に構成されるものである。通常は、図1に示されるように、前記開口部7aは開放されているもので、この開口部7aの開口面積は、例えば手動によって開閉可能とするものである。この場合、例えば雪などが予想される場合には、手動にて前記前方ガイド部8を移動させて開口部7aを閉じるようにし、雪によって風車3の回転が阻害されることを防止することができるものである。また、移動手段の想定される巡航速度に対応して開口部7aの大きさを調整することもできるものである。
【0026】
また、前記前方ガイド部8による開口部7aの開閉を、自動によって行うようにすることも可能である。この場合、前記前方ガイド部8の開閉動作を、移動手段の移動速度に対応して実行するようにしても良いものである。
【0027】
以上の構成によって、例えば移動手段としての車両の走行によって、前記風力発電装置1に、開口部7aから空気が導入された風車3が回転することによって、発電機5によって発電することができるものである。この風力発電装置1の上述したような風車3の構造によれば、導入された空気によって効率的に回転することが可能であり、さらに風車3が高速回転に耐えうる構造を有していることから、回転速度の上限を高く設定できるため、発電機5の発電能力を向上させることができるものである。
【0028】
また、前記前方ガイド部8を移動させて開口部7aの開口面積を変化させることができるため、前記開口部7aの開口面積を、最適な空気導入量に対応して最適化することも可能となるものである。
【符号の説明】
【0029】
1 風力発電装置
2 装着プレート
3 風車
4 空気導入ガイド部
5 発電機
6 ブレード
7 上面ガイド部
7a,7b 開口部
8 前方ガイド部
30 回転軸
30a,30b 両端部
31 凹曲面
61 内側凸状縁部
62 外側縁部
63 受風部
【図1】
風力力発電装置図1
【図2】
風力力発電装置図2
【図3】
風力力発電装置図3
【図4】
風力力発電装置図4
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