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【発明の名称】貯留装置および貯留装置を用いた発光システム
【出願人】
【識別番号】503304599
【氏名又は名称】田中 武成
【住所又は居所】愛知県名古屋市北区成願寺1−6 ザ・シーン城北A4204
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100064344
【氏名又は名称】岡田 英彦
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100087907
【氏名又は名称】福田 鉄男
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100095278
【氏名又は名称】犬飼 達彦
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100125106
【氏名又は名称】石岡 隆
【発明者】
【氏名】田中 武成
【住所又は居所】愛知県名古屋市北区成願寺1−6 ザ・シーン城北A4204
【要約】
【課題】
装飾性を持たせて遠くからの視認性を高めるとともに、装飾の内容に変化を持たせるようにする。
【解決手段】
いわゆる球箱やドル箱等のようなの貯留装置に関し、電力を供給する蓄電池14(電源部)と、蓄電池14から供給される電力によって発光するLED18(発光体)と、所定の表示パターンに従ってLED18の表示を制御する表示制御部とを有する。蓄電池14を内蔵しているので、貯留装置を持ち運んでいるときでも発光させることができる。またLED18が光を発するので、その発光色や発光パターン等によって装飾を行うことが可能になる。よって、遊技で大当たりした際に貯留装置を積み重ねたりすれば、見栄えがよくなって目立つ。表示制御部によってLED18を所定の表示パターンに従って表示させる。こうして発光内容が変化するので、時間が経過しても装飾の内容に興味を持って見るようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場で用いる遊技媒体を一時的に貯留でき、かつ持ち運べるように構成した貯留装置であって、
電力を供給する電源部と、
前記電源部から供給される電力によって発光する発光体と、
所定の表示パターンに従って前記発光体の表示を制御する表示制御部とを有する貯留装置。
【請求項2】
請求項1に記載した貯留装置であって、
持ち運ぶ際に把持する把手部および貯留装置本体の底部のうちでいずれか一方または双方に電源部を収容する構成とした貯留装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した貯留装置であって、
電源部が充電可能に構成されているとき、外部から供給された電力を前記電源部に充電する充電回路を有する貯留装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載した貯留装置であって、
断面において、二枚のうちで少なくとも一枚の樹脂板は光を透過可能な素材で形成し、かつ樹脂板を対面させて設けた隙間に発光体を挟んで固定する構成とした貯留装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載した貯留装置であって、
断面において、二枚のうちで少なくとも一枚の樹脂板は光を透過可能な素材で形成し、かつ樹脂板を対面させて設けた隙間に光を拡散させる光ファイバを挟んで固定するとともに、当該光ファイバの端部と発光体とを対向させる構成とした貯留装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載した貯留装置であって、
発光体が発した光を反射させる反射部材を備えた貯留装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載した貯留装置であって、
貯留された遊技媒体の数量が基準量に達したか否かを検出する基準量検出手段を備え、
表示制御部は、前記基準量検出手段によって遊技媒体の数量が前記基準量に達したことを検出したとき、発光体を表示する貯留装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載した貯留装置であって、
貯留された遊技媒体の数量を検出する数量検出手段を備え、
表示制御部は、前記数量検出手段によって検出した数量に応じて表示パターンを異ならせて発光体を表示する貯留装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載した貯留装置であって、
隣接させた他の貯留装置または表示具との間で通信を行うための通信手段を備え、
表示制御部は、前記他の貯留装置または前記表示具に備えた表示制御部と前記通信手段を通じて通信を行うことにより、発光体の表示を連携して制御する構成とした貯留装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載した貯留装置であって、
積み重ねられる一以上の貯留装置の重量を検出する重量検出手段を備え、
表示制御部は、前記重量検出手段によって検出した重量に応じて発光体による表示内容を異ならせる貯留装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載した貯留装置であって、
外部の装置から送信された信号を受信する受信手段を備え、
表示制御部は、前記受信手段によって受信した信号の内容に従って発光体を表示する貯留装置。
【請求項12】
請求項11に記載した貯留装置であって、
表示制御部は、受信手段によって非常用の信号を受信したときは、全ての発光体を発光させる制御を行う貯留装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載した貯留装置であって、
壁部の上端面より上方および当該壁部の下端面より下方のうちで一方または双方よりも突出させて、積み重ね可能にする嵌合部を備えた柱部を有する貯留装置。
【請求項14】
電力を供給する電源部を備えた外部装置と、
遊技場で用いる遊技媒体を一時的に貯留でき、かつ持ち運べるように構成するとともに、前記電源部から供給される電力によって発光する発光体と、所定の表示パターンに従って前記発光体の表示を制御する表示制御部とを有する貯留装置とからなる貯留装置を用いた発光システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、遊技媒体を一時的に貯留でき、かつ持ち運べるように構成した貯留装置(いわゆるドル箱や球箱等)に関する。
【背景技術】
従来、この種の発明としては、パチンコ球の数量を多く見せかけるのを目的とした貯留装置や(例えば特許文献1を参照)、パチンコ球がこぼれるのを防止する等を目的とした貯留装置などが知られている(例えば特許文献2を参照)。
【特許文献1】
特開2002−219268号公報(第2頁,図3)
【特許文献2】
特開平11−137834号公報(第2頁,図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の貯留装置では装飾性がなく、遊技で大当たりした際に貯留装置を積み重ねたとしても見栄えがよくなかった。見栄えをよくするには、建造物や動植物等を模した装飾を貯留装置に施す技術が考えられる。ところが、単に装飾を施しただけでは遠くからの視認性が低かったり、変化がないので時間の経過とともに見飽きてしまう。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、装飾性を持たせて遠くからの視認性を高めるとともに、装飾の内容に変化を持たせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(1)課題を解決するための手段(以下では単に「解決手段」と呼ぶ。)1は、遊技場で用いる遊技媒体を一時的に貯留でき、かつ持ち運べるように構成した貯留装置であって、電力を供給する電源部と、前記電源部から供給される電力によって発光する発光体と、所定の表示パターンに従って前記発光体の表示を制御する表示制御部とを有することを要旨とする。
解決手段1によれば、電源部を内蔵しているので、貯留装置を持ち運んでいるときでも発光させることができる。また発光体が光を発するので、その発光色や発光パターン等によって装飾を行うことが可能になる。光(特に赤色光等のような波長が長い光)は、遠くから見たときでも視認性が良い。よって、遊技で大当たりした際に貯留装置を積み重ねたりすれば、見栄えがよくなって目立つ。表示制御部(例えばシーケンサ,CPUで構成した制御基板等)によって発光体を所定の表示パターンに従って表示させる。こうして発光内容が変化するので、時間が経過しても装飾の内容に興味を持って見るようになる。所定の表示パターンには、発光の有無や発光色等を規則的に行うパターンに限らず、発光の有無や発光色等を不規則(ランダム)に行うパターンを含む。装飾を行うための複雑な手続きを表示制御部に行わせることにより、簡単でしかも正確な表示が行える。
なお「遊技媒体」は、遊技に直接的または間接的に用いる媒体であれば任意であり、例えばパチンコ球(遊技球),メダル,コイン,トークン,トランプ,ダーツ等が該当する。「電源部」は発光体に電力を供給可能な小型電源装置であればよく、例えば充電不能な蓄電池(鉛蓄電池,アルカリ蓄電池等)や、充電可能な蓄電池(リチウムイオン電池,ニッケル水素電池等)やコンデンサ、あるいは燃料電池などが該当する。「発光体」には、例えば単発光の表示器(すなわちLED,ブラックライト,電球等)や、文字や絵柄を表示可能なドットマトリクス表示器(すなわち液晶表示器や電光掲示板等)、エレクトロルミネセンス表示器等のようなフィルム状表示器、プラズマ表示器、ネオン管などが該当する。当該発光体の数は、一つであってもよいが、二以上で数を増やしてゆくにつれて発光量が増すので視認性がより高まる。発光体は表示制御部と一体に形成してもよく、この場合には二枚の樹脂板を対面させて設けた隙間に固定し易くなるので製造効率が向上する。
(2)解決手段2は、請求項1に記載した貯留装置であって、持ち運ぶ際に把持する把手部および貯留装置本体の底部のうちでいずれか一方または双方に電源部を収容する構成としたことを要旨とする。
解決手段2によれば、持ち運ぶ際に把持する把手部に電源部を収容するか、貯留装置本体の底部に電源部を収容するか、あるいは把手部および底部の双方に電源部を収容する。把手部は把持するための機能を果たすために設けられ、底部は遊技媒体を貯留するための機能を果たすために設けられているが、各部位における中空の空間は利用されていない。こうした空間に電源部を収容することで、当該空間を有効に活用することができる。
なお、電源部を収容する部位は把手部や底部に限らず、これ以外の部位(例えば側壁等)に中空の空間が貯留装置にあれば、その空間に電源部を収容してもよい。
(3)解決手段3は、請求項1または2に記載した貯留装置であって、電源部が充電可能に構成されているとき、外部から供給された電力を前記電源部に充電する充電回路を有することを要旨とする。
解決手段3によれば、充電回路は外部から供給される電力を電源部に充電する役割を果たす。よって電源部が放電してしまっても、充電回路によって電力を蓄えることができるので、繰り返し電源部から電力の供給を受けて発光させることができる。なお、一般的には電源部を継続して使用すると蓄電能力が低下してゆくので、長期に渡って発光させるためには電源部を交換可能な構造とするのが望ましい。
(4)解決手段4は、請求項1から3のいずれか一項に記載した貯留装置であって、断面において、二枚のうちで少なくとも一枚の樹脂板は光を透過可能な素材で形成し、かつ樹脂板を対面させて設けた隙間に発光体を挟んで固定する構成としたことを要旨とする。
解決手段4によれば、二枚の樹脂板を対面させて設けた隙間に発光体を挟んで固定すればよいので、簡単に発光体を内蔵した貯留装置を製造できる。発光体と接触可能な樹脂板の表面は、発光体(あるいは発光体を実装した基板)の形状に合わせて凹凸を設けると、ガタつかずに固定し易くなる。二枚のうちで少なくとも一枚の樹脂板は光を透過させるので、遠くからみたときに発光状態を認識し易い。また、二枚の樹脂板を用いて隙間を持たせているので、全体として軽量化できる。
なお樹脂板には、例えばアクリル樹脂やプラスチック等の合成樹脂板が該当する。熱硬化性の素材を用いて樹脂板を形成すれば、耐久性を向上できる。また二枚の樹脂板を対面させた相互間の空間には、充填剤(例えば油脂やグリース状のシリコン等)を充填したり、接着剤を充填して接着すると、剛性が向上する。光を拡散させる粒体(例えば金属粒やガラス粒等)を充填剤に混入すると、発光体から発した光が粒体に反射して拡散(あるいは散乱)するので、発光量を増大させることが可能になる。本例では二枚の樹脂板を用いて形成したが、必要があれば三枚以上の複数枚を用いて形成することも可能である。
(5)解決手段5は、請求項1から3のいずれか一項に記載した貯留装置であって、断面において、二枚のうちで少なくとも一枚の樹脂板は光を透過可能な素材で形成し、かつ樹脂板を対面させて設けた隙間に光を拡散させる光ファイバを挟んで固定するとともに、当該光ファイバの端部と発光体とを対向させる構成としたことを要旨とする。
解決手段5は、発光体に加えて光ファイバを備える点で解決手段4と相違する。当該解決手段5によれば、光ファイバ(例えばプラスチック光ファイバや石英光ファイバ等)は発光体が発した光を拡散(あるいは散乱)させるので、装飾的な効果が得られる。この場合でも遠くから見たときでも視認性が良く、発光色や発光パターン等を変化させれば時間が経過しても装飾の内容に興味を持って見るようになる。その他は解決手段4と同様の作用効果を得る。
(6)解決手段6は、請求項1から5のいずれか一項に記載した貯留装置であって、発光体が発した光を反射させる反射部材を備えたことを要旨とする。
解決手段6によれば、単に発光体が発した光を放つだけでなく、反射部材によって反射させた光も放つ。少数の発光体を備えた場合であっても、貯留装置全体から放つ光量を増大させることができる。よって、遠くから見たときの視認性が向上する。
(7)解決手段7は、請求項1から6のいずれか一項に記載した貯留装置であって、貯留された遊技媒体の数量が基準量に達したか否かを検出する基準量検出手段を備え、表示制御部は、前記基準量検出手段によって遊技媒体の数量が前記基準量に達したことを検出したとき、発光体を表示することを要旨とする。
解決手段7によれば、貯留装置に貯えた遊技媒体の数量が基準量に達して初めて、表示制御基板は発光体の表示を制御する。逆に言えば、遊技媒体の数量が基準量に達しなければ、表示制御部は発光体の表示を制御しないので光らない。よって、不要な発光体の表示を抑えて節電でき、発光体の表示時間を延ばせる。また、発光体が光っているか否かを一目見れば、遊技媒体の数量が基準量に達したか否かを簡単に判別できる。基準量検出手段は、遊技媒体が導電性素材(例えば金属)で形成されている場合には、通電するか否かで検出できる。なお基準量をどのような数量(分量)に設定するかは任意であって、例えば貯留装置のほぼ満杯状態に設定してもよく、ほぼ半数に設定してもよい。
(8)解決手段8は、請求項1から7のいずれか一項に記載した貯留装置であって、貯留された遊技媒体の数量を検出する数量検出手段を備え、表示制御部は、前記数量検出手段によって検出した数量に応じて表示パターンを異ならせて発光体を表示することを要旨とする。
解決手段8によれば、貯留装置に貯えた遊技媒体の数量が変化(増加または減少)すると、その数量の変化に対応して表示制御部は表示パターンを変えて発光体の表示を制御する。逆に言えば、遊技媒体の数量が変化しなければ、表示制御部は同じ表示パターンで発光体の表示を制御し続ける。こうすれば、発光体の表示パターンが変化すれば、貯えた遊技媒体の数量が変化したことが一目で分かる。なお表示パターンをどのように設定するかは任意であって、例えば発光色を変化させるパターンや、点滅パターン、ランダムに発光させるパターンなどが該当する。
(9)解決手段9は、請求項1から8のいずれか一項に記載した貯留装置であって、隣接させた他の貯留装置または表示具との間で通信を行うための通信手段を備え、表示制御部は、前記他の貯留装置または前記表示具に備えた表示制御部と前記通信手段を通じて通信を行うことにより、発光体の表示を連携して制御する構成としたことを要旨とする。
解決手段9によれば、隣接する貯留装置または表示具に備えた表示制御部どうしが相互に通信することにより、発光体の表示を連携して行う。例えば、複数の貯留装置を用いて全体で一つの文字や絵柄を表示したり、発光する貯留装置やその部分を移動させる表示を行ういわゆるウェーブ表示や流れ表示などが該当する。よって装飾内容を多様化することができ、時間が経過しても興味を持って見るようになる。
なお、通信方式は有線通信であってもよく、無線通信であってもよい。通信手段は表示制御部と別体に構成してもよく、表示制御部に組み込んで一体化してもよい。複数の貯留装置を積み重ねて隣接させる場合に限らず、複数の貯留装置を並べて隣接させる場合にも同様に適用できる。
(10)解決手段10は、請求項1から9のいずれか一項に記載した貯留装置であって、積み重ねられる一以上の貯留装置の重量を検出する重量検出手段を備え、表示制御部は、前記重量検出手段によって検出した重量に応じて発光体による表示内容を異ならせることを要旨とする。
解決手段10によれば、重量検出手段により検出できた重量に従えば、上側にいくつの貯留装置が積み重なっているのかを特定することができる。重量検出手段には圧力センサ(例えば圧電素子等)を用いる。例えば遊技媒体で満杯になった貯留装置を5キログラムと仮定すると、重量検出手段が15キログラム分を検出したときは上側に三つの貯留装置が積み重なっていることが分かる。表示制御部は、積み重ねられた貯留装置の数に応じて発光体による表示内容を異ならせて、例えば「1」「2」等のように上からの順番等を発光体で表示する。こうすれば、貯留装置を積み重ねる数によって表示内容が変化してゆくので、時間が経過しても興味を持って見るようになる。
(11)解決手段11は、請求項1から10のいずれか一項に記載した貯留装置であって、外部の装置から送信された信号を受信する受信手段を備え、表示制御部は前記受信手段によって受信した信号の内容に従って発光体を表示する制御を行うことを要旨とする。
解決手段11によれば、受信手段によって受信した信号の内容について発光体で表示を行う。受信手段は表示制御部と別体に構成してもよく、表示制御部に組み込んで一体化してもよい。信号の内容は任意であり、例えば遊技場の営業情報や、遊技中の台番号や遊技情報等が該当する。外部の装置は信号を送信可能であれば任意であり、例えば遊技場のホールコンピュータや島コンピュータ、遊技機(テレビゲーム機,パチンコ機,スロットマシン,雀球遊技機等)、貯留装置を運ぶ台車などが該当する。こうすれば、信号によって表示内容が変化してゆくので、時間が経過しても興味を持って見るようになる。
(12)解決手段12は、請求項11に記載した貯留装置であって、表示制御部は、受信手段によって非常用の信号を受信したときは、全ての発光体を発光させる制御を行うことを要旨とする。
解決手段12によれば、非常用の信号を受信すると、表示制御部は全ての発光体を発光させる。例えば停電等のような緊急事態が発生した場合には、非常用の信号により貯留装置に備えた全ての発光体が光って懐中電灯の代わりになり、防災面で役に立つ。
(13)解決手段13は、請求項1から12のいずれか一項に記載した貯留装置であって、壁部の上端面より上方および当該壁部の下端面より下方のうちで一方または双方よりも突出させて、積み重ね可能にする嵌合部を備えた柱部を有することを要旨とする。
解決手段13によれば、柱部は貯留する部位よりも突出しているので、積み重ねる貯留装置の相互間には隙間ができて余裕が生ずる。したがって、大盛りに遊技媒体を貯留装置に貯留したとしても、確実に貯留装置を積み重ねることができる。
(14)解決手段14は貯留装置を用いた発光システムであって、電力を供給する電源部を備えた外部装置と、遊技場で用いる遊技媒体を一時的に貯留でき、かつ持ち運べるように構成するとともに、前記電源部から供給される電力によって発光する発光体と、所定の表示パターンに従って前記発光体の表示を制御する表示制御部とを有する貯留装置とからなることを要旨とする。
解決手段14によれば、貯留装置自体に電源部を内蔵していない点が解決手段1と相違し、電源部がない分だけ軽量化できる。この場合でも、外部装置に備えた電源部から電力の供給を受けることにより、発光体を発光させることが可能となる。外部装置としては、遊技場内の備品(例えば貯留装置を運ぶ台車等)や設備(例えば島設備の置き台等)が該当する。その他は解決手段1と同様の作用効果を得る。
なお、貯留装置には上述した解決手段2から13までの各技術を適用することができ、この場合には各解決手段で示したと同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
本発明によれば、発光体の発光により装飾性を持たせたので、遠くからの視認性を高めることができる。また、装飾の内容に変化を持たせたので、時間が経過しても装飾の内容に興味を持って見るようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、実施例に従って説明する。
【実施例1】
実施例1は貯留装置としてパチンコ球を貯留するいわゆる球箱に本発明を適用し、発光体にLEDを用いた例である。当該実施例1は、図1〜図6を参照しながら説明する。ここで、球箱の構成例を図1には斜視図で示し、図2には底面図を示す。図3には、球箱の側壁部にかかる構造例を断面図で示す。図4には、表示制御基板を中心にした概略構成をブロック図で示す。図5には、表示制御処理の手続き例をフローチャートで示す。図6には、三つの球箱10を積み重ねたときの表示例を示す。
なお図1〜図3では、見易くするために配線を省略する。また以下の説明で単に「接続する」という場合には、特に明示しない限り電気的に接続することを意味する。
図1に示す球箱10は、パチンコ球を一時的に貯留できるように壁部10a,10bを含めた箱状に形成し、かつ持ち運べるように取っ手12を備える。さらに球箱10は、蓄電池14、通信接続端子16、LED18、圧力センサ20、球検出センサ22、受信素子24などを備える。これらのうちで取っ手12は把持部に相当し、蓄電池14は電源部に相当し、圧力センサ20は重量検出手段に相当し、球検出センサ22は基準量検出手段および数量検出手段に相当し、受信素子24は受信手段に相当する。
蓄電池14は一方の取っ手12aの中空の空間に収容し、受信素子24は他方の取っ手12bの表面に備える。当該蓄電池14には例えばリチウムイオン電池を用い、受信素子24はアンテナを用いる。一方の取っ手12にのみ蓄電池14や受信素子24を備えたが、双方の取っ手12に蓄電池14および受信素子24を備える構成としてもよい。
他の球箱との間で通信を行うための通信接続端子16や、上積みする球箱の重量を検出する圧力センサ20は、それぞれ壁部10a,10bの上面に備える。壁部10a,10bの上面については、図1に示すように対角線上に備える。この構成によれば、取っ手12の左右を逆にして球箱10を積み重ねても通信できるようになる。
また通信接続端子16については、水平方向の並びに対応して壁部10a,10bの外側面にも備え、上下方向の積み重ねに対応した位置(図2に示す外側の底面10cの位置)にも備える。この構成によれば、球箱10をどのように隣接させても通信可能となる。
図1に戻って、多数のLED18は壁部10a,10bの外側面に分散して備える。発光色は例えば白色,青色,赤色,緑色,紫色等があり、適宜に配分する。二色以上を切り換えて発色可能なLEDを用いると、装飾性がより高まる。赤色,緑色,青色の各LEDを近接させて一組(一体化したものを含む)にすれば、各色の輝度を調整することにより様々な色を表現できる。長い波長(例えば赤色)を発するLED18の割合を多くすれば、遠くから見たときの視認性が高まる。全てのLED18は、図3(A)に示すように表示制御基板28に実装する。当該表示制御基板28は表示制御部に相当する。この表示制御基板28はシート状の反射板26で覆ったうえ、樹脂製の外面プレート10dおよび内面プレート10eを対面させて設けた隙間に固定する。反射板26は反射部材に相当する。図3には壁部10aの形成例を示すが、壁部10bや他の壁部についても同様にして形成する。このような過程を経て、LED18を内蔵した球箱10を簡単に製造できる。
LED18に対応する部分の反射板26には穴があけられており、図3(B)に模式的に示すようにLED18が発した光を反射する。この反射により、LED18単体よりも光量を増大させることができる。
壁部10a,10bは二枚の樹脂製プレート(すなわち外面プレート10dおよび内面プレート10e)で形成し、しかもプレート相互間に隙間を設けたので、全体として軽量化できる。二枚のプレートのうち、少なくとも外面プレート10dはLED18が発した光を透過可能な素材(例えばアクリル樹脂やプラスチック等の合成樹脂)で形成する。この構造により、外側に向けてLED18を発光させることができる。外面プレート10dは、図3(C)に示すようにLED18や表示制御基板28の形状に合わせて凹凸を設けると、ガタつかずに固定し易くなる。
プレート相互間の隙間には、充填剤(例えば油脂やグリース状のシリコン等)を充填したり、接着剤を充填して接着すると、剛性が向上する。光を拡散させる粒体(例えば金属粒やガラス粒等)を充填剤や接着剤に混入すると、LED18から発した光が粒体に反射して拡散(あるいは散乱)するので、発光量を増大させることが可能になる。
再び図1に戻って、球箱10の内側面には、球検出センサ22を備える。図1の例では壁部10aおよび壁部10bの双方について、細長い三本の金属板をそれぞれ対応する位置(高さ)の内側面に備える。球検出センサ22は、球箱10に貯留したパチンコ球の数量を検出する。ただし、厳密な数量を検出するのは困難であるので、球箱10に対してほぼ満杯か、ほぼ8割程度か、ほぼ半分か等を検出する。どの程度の数量を基準量とするかは任意である。例えば球箱10のほぼ半分を満たした状態を基準量とし、当該基準量を球検出センサ22aが検出する。同様にして、ほぼ満杯やほぼ8割程度は球検出センサ22bが検出する。本例の場合には、球検出センサ22aが基準量検出手段に相当し、球検出センサ22bが数量検出手段に相当する。通常のパチンコ球は金属で形成されるので、壁部10aおよび壁部10bの相互間に備えた金属板を通じて通電できるか否かで数量を検出できる。なお本例では壁部10a,10bの内側面に球検出センサ22を備えたが、他の壁部の内側面に球検出センサ22を備える構成としてもよく、一以上の壁部の内側面に球検出センサ22を備える構成としてもよい。
次に、LED18の発光表示を実現するべく構成した基板や装置等の接続例について図4を参照して説明する。当該図4に示す球箱10(すなわち球箱10A)の表示制御基板28は、CPU(プロセッサ)32を中心に構成し、ROM36、RAM38、入力処理回路30、出力処理回路34、通信制御回路40、受信回路42、充電回路44などを備える。これらのうちで通信制御回路40は上述した通信接続端子16とともに通信制御部に相当し、受信回路42は受信素子24とともに受信手段に相当する。
CPU32は、ROM36に格納された表示制御プログラムに従って、LED18の発光表示や、他の球箱(図4では球箱10B)との通信などを制御する。ROM36には、当該表示制御プログラムやLED18の表示パターン等を格納する。当該表示パターンには、発光の有無や発光色等を規則的に行うパターンや、発光の有無や発光色等を不規則(ランダム)に行うパターン等が該当する。RAM38には、受信データや検出データ等のような一時的データを格納する。入力処理回路30は圧力センサ20や球検出センサ22等からの信号を入力し、所定のデータ形式に変換してCPU32に伝達する。出力処理回路34は、CPU32からの発光指令に従ってLED18を発光させるだけの信号(電圧または電流)を出力する。通信制御回路40は、他の球箱(または外部の装置)との間で通信を制御する。受信回路42は、受信素子24を通じて電波信号を入力する。充電回路44は、外部の装置から供給された電力を蓄電池14に充電する。
上述のように構成した球箱10において、本発明を実現するために実行する手続きについて図5を参照しながら説明する。まず、停電や災害が発生した時などに発せられる非常用の信号を受信したときは(ステップS10でYES)、球箱10に備えた全てのLED18を最大輝度で発光させる〔ステップS30〕。球検出センサ22aの検出によって球箱10に貯留しているパチンコ球が基準量に達していなければ(ステップS10でNO)、球箱10に備えた全てのLED18を消灯する〔ステップS32〕。
球箱10に貯留しているパチンコ球が基準量に達したときは(ステップS12でYES)、球検出センサ22bで検出するパチンコ球の数量(ほぼ満杯やほぼ8割程度等)に応じて表示パターンを切り換えて設定し〔ステップS14〕、圧力センサ20で検出した球箱10の数(1箱や2箱等)に応じて表示パターンを切り換えて設定する〔ステップS16〕。例えばパチンコ球でほぼ満杯になった球箱10が5キログラムである仮定するとき、圧力センサ20が10キログラム分を検出したときは二箱の球箱10が上積みされ、同じく20キログラム分を検出したときは四箱の球箱10が上積みされていると判別できる。球検出センサ22を備えた球箱10はどれだけの分量が貯留されているのかを把握できるので、通信により当該分量を受信することにより、各球箱が満杯でない場合でも上積みされた球箱10の数を正確に導き出せる。ステップS14,S16では、予めROM36に格納された複数の表示パターンの中から、一以上の表示パターンを選択して設定する。その選択結果は同一の表示パターンでもよく、異なる表示パターンでもよい。
ただし、ステップS14,S16で表示パターンを設定したとしても、他の球箱10との間で連携して表示を行う場合には(ステップS18でYES)、連携して表示する内容を優先して設定する〔ステップS20〕。外部装置から受信素子24を通じて表示信号を受信したときは(ステップS22でYES)、当該表示信号に含まれている内容を優先して設定する〔ステップS24〕。ほぼ同時に信号を受信したとき、連携表示の信号を優先するか、外部装置からの表示信号を優先するかは任意である。いずれか一方の信号を選択する構成としてもよく、双方の信号内容を同時に表示するように構成してもよい。
ステップS14,S16で設定した表示パターンか、ステップS20,S24で優先して設定する表示内容のいずれかに従ってLED18を発光させる〔ステップS26〕。三つの球箱10A,10B,10Cを積み重ねた場合には、ステップS16により最上位の球箱10Aを「1」とした順番を表示する例を図6(A)に示し、ステップS20により全体として一つの意味ある語句(例えば「大当り」等)を表示する例を図6(B)に示し、ステップS24により遊技している台番号(例えば「123番台」等)や大当たり図柄(例えば「777」等)等を表示する例を図6(C)に示す。その他には、三つの球箱間で文字や絵柄等を伝播させながら表示するウェーブ表示や、長い文章等を順番にずらしながら表示する流れ表示等を行うことも可能である。こうした装飾を行うための複雑な手続きを表示制御基板28に行わせることにより、簡単でしかも正確な表示が行える。
上述した実施例1によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(a1)球箱10には、蓄電池14から供給される電力によって発光するLED18と、所定の表示パターンに従ってLED18の表示を制御する表示制御基板28とを備えた{図1等を参照}。蓄電池14を内蔵しているので、球箱10を持ち運んでいるときでも発光させることができる。またLED18が光を発するので、その発光色や発光パターン等によって装飾を行うことが可能になる。よって、遊技で大当たりした際に球箱10を積み重ねたりすれば、見栄えがよくなって目立つ。表示制御基板28によってLED18を所定の表示パターンに従って表示させる。こうして発光内容が変化するので、時間が経過しても装飾の内容に興味を持って見るようになる。
(a2)球箱10は、持ち運ぶ際に把持する取っ手12に蓄電池14を収容した{図1等を参照}。こうした中空の空間に蓄電池14を収容することで、当該空間を有効に活用することができる。
(a3)球箱10は、外部から供給された電力を蓄電池14(すなわちリチウムイオン電池)に充電する充電回路44を備えた{図4を参照}。もし蓄電池14が放電してしまっても、充電回路44によって電力を蓄えることができるので、繰り返し蓄電池14から電力の供給を受けて発光させることができる。
(a4)図3(A)の断面図に示すように、少なくとも外面プレート10dは光を透過可能な素材で形成し、かつ外面プレート10dおよび内面プレート10eを対面させて設けた隙間にLED18を挟んで固定する構成とした。外面プレート10dは光を透過させるので、遠くからみたときに発光状態を認識し易い。また、二枚のプレートを用いて隙間を持たせているので、全体として軽量化できる。
(a5)図3(A)の断面図に示すように、球箱10にはLED18が発した光を反射させる反射板26を備えた。単にLED18が発した光を放つだけでなく、反射板26によって反射させた光も放つので、球箱10全体から放つ光量を増大させることができる。よって、遠くから見たときの視認性が向上する。
(a6)球箱10には貯留されたパチンコ球の数量が基準量に達したか否かを検出する球検出センサ22aを備え、球検出センサ22aによってパチンコ球の数量が基準量に達したことを検出したときにのみLED18を発光させた{図1,図5のステップS12を参照}。パチンコ球の数量が基準量に達していなければLED18は発光しないので不要な表示を抑えて節電でき、LED18の表示時間を延ばせる。またLED18が光っているか否かを一目見れば、パチンコ球の数量が基準量に達したか否かを簡単に判別できる。
(a7)球箱10には貯留されたパチンコ球の数量を検出する球検出センサ22bを備え、球検出センサ22bによって検出した数量に応じて表示パターンを異ならせてLED18を表示した{図1,図5のステップS14を参照}。LED18の表示パターンが変化すれば、貯えたパチンコ球の数量が変化したことが一目で分かる。
(a8)球箱10には通信制御回路40を備え、隣接させた他の球箱10との間で通信を行うことによりLED18の表示を連携して制御した{図5のステップS18,S20、図6(B)を参照}。図6(B)に示す例のように、三つの球箱10を用いて全体で一つの語句(本例では「大当り」)を表示できる。その他にはウェーブ表示や流れ表示等も行うえるので、装飾内容に面白味を持たせることができる。
(a9)球箱10には一以上の球箱10の重量を検出する圧力センサ20を備え、当該圧力センサ20によって検出した重量に応じてLED18による表示内容を異ならせた{図5のステップS16、図6(A)を参照}。図6(A)に示す例のように、三つの球箱10について上位から下位に向けて順番を表示した。球箱10を積み重ねる数によって表示内容が変化してゆくので、時間が経過しても興味を持って見るようになる。
(a10)球箱10には、外部の装置から送信された信号を受信する受信手段(すなわち受信素子24および受信回路42)を備え、受信した信号の内容に従ってLED18を表示する制御を行なった{図5のステップS22,S24、図6(C)を参照}。図6(C)に示す例のように、遊技者が遊技している遊技機から送信された信号に基づいて、遊技している台番号や大当たりした図柄等を表示する。信号によって表示内容が変化してゆくので、時間が経過しても興味を持って見るようになる。
(a11)非常用の信号を受信したときは全てのLED18を発光させる制御を行う構成とした{図5のステップS10,S30を参照}。例えば停電や災害等のような緊急事態が発生した場合には、非常用の信号により球箱10に備えた全てのLED18が光って懐中電灯の代わりになり、防災面で役に立つ。
【実施例2】
実施例2は実施例1と同様にいわゆる球箱に本発明を適用し、LEDのほかに光ファイバを用いる例である。当該実施例2は図7,図8を参照しながら説明する。なおドル箱の構成等は実施例1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施例2では実施例1と異なる点について説明する。よって実施例1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図7には、図1に代わる球箱10の外観を斜視図で示す。LED18に加えて光ファイバ50を壁部10a,10bに備えた点で実施例1と異なる。当該光ファイバ50には例えばプラスチック光ファイバや石英光ファイバ等を用い、光を拡散(あるいは散乱)させる。光ファイバ50の本数に対応してLED18を備える点でも実施例1と異なる。
図7に示す例では、軸心をほぼ水平にした複数本の光ファイバ50を一列に並べている。この場合における壁部10aの断面は、図8(A)のようになる。すなわち、外面プレート10dおよび内面プレート10eを対面させて設けた隙間に、一列状に並べた光ファイバ50を固定する。図8(B)の断面図で示すように、各光ファイバ50の端部はLED18と対向させ、LED18で発した光は光ファイバ50に導かれるようにする。当該図8(B)の例では、一つのLED18に対して1本の光ファイバ50を対向させたが、光ファイバ50の直径に応じて複数本(数本や数十本)を束ねて対向させてもよい。図示しないが、実施例1と同様にして光ファイバ50と内面プレート10eとの間に反射板26を介在させたうえで固定すると、光ファイバ50の光を反射させることができる。
上述した実施例2によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(b1)図8(A)の断面図に示すように、少なくとも外面プレート10dは光を透過可能な素材で形成し、かつ外面プレート10dおよび内面プレート10eを対面させて設けた隙間に光ファイバ50を挟んで固定する構成とした。外面プレート10dは光を透過させるので、遠くからみたときに発光状態を認識し易い。また、二枚のプレートを用いて隙間を持たせているので、全体として軽量化できる。光ファイバ50はLED18が発した光を拡散(あるいは散乱)させるので、装飾的な効果が得られる。この場合でも遠くから見たときでも視認性が良く、発光色や発光パターン等を変化させれば時間が経過しても装飾の内容に興味を持って見るようになる。本例では光ファイバ50を直線状に備えたが、曲げられる光ファイバの場合には可能な範囲で曲げると装飾性が広がる。
(b2)その他の要件,構成,作用,作動結果等については実施例1と同様であるので、当該実施例1と同様の作用効果を得ることができる{上述した事項(a1)〜(a3),(a5)〜(a11)を参照}。
【実施例3】
実施例3は貯留装置としていわゆる球箱に本発明を適用し、外部の装置から電力の供給を受けて発光させるシステムの例である。当該実施例3は図9,図10を参照しながら説明する。なおドル箱の構成等は実施例1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施例3では実施例1と異なる点について説明する。よって実施例1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図9には、図1に代わる球箱10の外観を斜視図で示す。図9(A)に示すように、壁部10a,10bの上面に電源接続端子52を備えた点で実施例1と異なる。当該電源接続端子52は上下に積み重ねる球箱10に電力を伝達するため、図9(B)に示すように壁部10a,10bの上面に対応した位置の底面10cにも備える。
電力を供給する外部の装置としては、図10に示すように球箱10を運搬する台車54を適用する。図10には、複数の球箱10を運搬する台車の外観を斜視図で示す。
図10(A)に示す例の台車54には、三段ずつ二列に積み重ねた球箱10を積んでいる。当該台車54は、図10(B)に示すように荷台54aに蓄電池56を内蔵する。蓄電池56は電源部に相当する。荷台54aには蓄電池56に接続した電源接続端子を備え、球箱10の電源接続端子52と接することで電力を供給する。したがって、台車54に球箱10を積むだけで当該球箱10のLED18を発光させることができる。
上述した実施例3によれば、電力を供給する蓄電池56を備えた台車54と、当該蓄電池56から供給される電力によって発光するLED18や当該LED18の表示を制御する表示制御基板28とを有する球箱10とからなる発光システムを実現した{図9,図10を参照}。この場合の球箱10は、蓄電池56を内蔵していない分だけ軽量化できる。蓄電池56から電力の供給を受ける点を除けば、実施例1と同様の作用効果を得ることができる{上述した事項(a1)〜(a11)を参照}。
【実施例4】
実施例4は貯留装置としていわゆる球箱に本発明を適用し、光ファイバを用いて文字等を装飾する例である。当該実施例4は図12を参照しながら説明する。なおドル箱の構成等は実施例1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施例4では実施例1と異なる点について説明する。よって実施例1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図12(A)には、図1に代わる球箱10の外観を斜視図で示す。球検出センサ22aに代えて接点スイッチ74を内側の底面10fに備えた点で実施例1と異なる。当該底面10fには接点スイッチ74の他に、パチンコ球を受けるプレート70を支持する弾性部材72を備える。プレート70は、図に示す矢印のように上方から弾性部材72に乗せるように置く。弾性部材72は、所定の重量(基準量)がプレート70にかかると接点スイッチ74をオンするような素材を用いる。例えば図示するようなバネを用いてもよく、ゴムやスポンジ等を用いてもよい。また、LED18の他に、複数本の光ファイバを用いて構成した装飾体78を壁部10aに備えた点で実施例1と異なる。本例では壁部10aに装飾体78を備えたが、壁部10bに備えたり、底面10cや他の壁部に備えてもよい。
装飾体78は、図12(B)に示すように各光ファイバの一端面が壁部10aの外側表面やその近傍に位置するように外側に向け、全体として「Z」の文字を装飾する。他の「E」「N」「T」等の文字についても同様に構成する。装飾する対象は文字に限らず、記号,図形,キャラクタ等を対象としてもよく、二以上の種類を混在させてもよい。
LED群76は、複数個(数個または数十個)のLED76aを並べて構成する。本例では一列に並べているが、LED76aの大きさによっては複数列に並べてもよい。
装飾体78を構成する光ファイバを側面から見た状態を図12(D)と図12(E)に示す。すなわち図12(D)の構成例では、光ファイバ78aの他端面をLED76aに対向させて上方に延ばし、L字状に曲げて一端面を外側に向ける。
図12(E)の構成例では、直線状の光ファイバ78b,78cを用い、二本の光ファイバ78b,78cが交差する部位を約45度で切断し、切断した端面を合わせるか一体化する。なお図12(E)の例において、LED76aが十分な光量を発する場合には、光ファイバ78cを無くして光ファイバ78bのみで構成してもよい。
いずれの構成にせよ、球箱10の外側からは装飾する文字が全体として光るように見える。LED群76を構成している複数個のLED76aについては、文字ごとに対応して点灯(次第に明るくしてゆくフェイドインの点灯を含む),消灯(次第に暗くしてゆくフェイドアウトの消灯を含む),点滅等を制御すれば、文字ごとの表示を行える。本例では分かり易くするために、一つのLED76aに対して1本の光ファイバを対向させたが、光ファイバの直径に応じて複数本(数本や数十本)を束ねて対向させてもよい。
上述した実施例4によれば、パチンコ球の自重により所定の重量以上がプレート70にかかったときにのみ装飾体78を光らせるので、電力消費を少なく抑えて表示時間を延ばせる。装飾体78は光ファイバの一端面を外側に向けたので、LEDが発した光の減衰を抑えて、明るく表示することができる。これらの点を除けば、実施例1と同様の作用効果を得ることができる{上述した事項(a1)〜(a11)を参照}。
【実施例5】
実施例5は貯留装置としていわゆる球箱に本発明を適用し、少ない数のLED(発光体)を用いて文字等を装飾する例である。当該実施例5は図13を参照しながら説明する。なおドル箱の構成等は実施例1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施例5では実施例1と異なる点について説明する。よって実施例1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図13(A)には、図1に代わる球箱10の外観を斜視図で示す。球箱10の少なくとも外側面を不透明にした点で実施例1と異なる。不透明にするには、透明(半透明を含む。以下同じ。)以外の素材で形成するか、あるいは透明の素材で形成したものをメッキ等で塗装する。ただし、装飾する部分は光を透過可能に構成する。
図13(A)の例に示す壁部10aは、文字「Z」「E」「N」「T」等を浮き立たせるように表示するために形成した装飾透過部80と、分散させた複数のLED84を光らせるために星状に形成した散点透過部82とを外面プレート10dに備える(図3(A)を参照)。上述した実施例4と同様に、装飾の対象は文字に限らず、記号,図形,キャラクタ等を対象としてもよく、二以上の種類を混在させてもよい。外面プレート10dは、装飾透過部80および散点透過部82を除けば、図3(A)と同様に構成する。よって装飾透過部80および散点透過部82以外の部分は、不透明な素材で形成したりメッキ等で塗装しているので、LED18が発した光を外部に透過させない。
図13(B)には、装飾透過部80のうち文字「Z」の部分に配置したLEDの例を示す。本例では文字「Z」について3個のLED80aを配置しており、他の文字についても同様にそれぞれ複数個のLEDを配置する。このように少ない個数のLEDを用いた場合でも、文字以外の部分が光らないので、確実に文字を表示して装飾できる。
上述した実施例5によれば、装飾する部分のみを光が透過可能に構成したので、少数のLEDでも明るく浮き立たせることができる。またLEDの数を減らせるので、電力消費を少なく抑えて表示時間を延ばせる。これらの点を除けば、実施例1と同様の作用効果を得ることができる{上述した事項(a1)〜(a11)を参照}。
【実施例6】
実施例6は貯留装置としていわゆる球箱に本発明を適用し、パチンコ球を大盛りに貯留した場合でも積み重ねられる例である。当該実施例6は図14を参照しながら説明する。なおドル箱の構成等は実施例1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施例6では実施例1と異なる点について説明する。よって実施例1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図14(A)には、図1に代わる球箱10の外観を斜視図で示す。大盛りに貯留したパチンコ球が他の球箱(具体的には図2に示す底面10c)に当たらないようにするため、球箱10の四隅に柱部90を備えた点で実施例1と異なる。当該柱部90は、壁部10a,10bの上端面より上方に突出させるとともに、壁部10a,10bの下端面より下方に突出させる。図14(A)には上下に突出させた例を示したが、上方および下方のうちでいずれか一方のみを突出させる構成としても同様の効果は得られる。
柱部90の両端部には、上下に積み重ね可能にするべく嵌合部92を備える。当該嵌合部92は、例えば一方側の端部を凹状に形成し、他方側の端部を凸状に形成する。図14(B)に示す嵌合部92は、凹状に形成した凹部92aを上側端部に備え、当該凹部92aに嵌合する凸部92bを柱部90の下側端部に備える。これらの凹部92aおよび凸部92bは、上下に積み重ねた球箱10に電力を伝達するための電源接続端子94を備える。その他、柱部90に中空の空間があれば蓄電池を収容してもよく、LED等の発光体を柱部90に備えて光らせてもよい。
このように構成した球箱10(例えば球箱10Aと球箱10B)を2段に積み重ね、かつ遊技場内のフロアに設けた台座96に置いた例を図14(C)に示す。当該図14(C)の側面図では、球箱10Aと球箱10Bとの間に距離Lの隙間が生ずるので、球箱10Bにパチンコ球を大盛りに貯留したとしても、球箱10Aをぐらつかさせることなく確実に積み重ねられる。なお、上記電源接続端子94と接続可能な電源接続端子を台座96に設けた場合には、球箱10Aおよび球箱10Bの双方に電力を供給できる。本例では2段に積み重ねた例を示したが、3段以上を積み重ねるのは当然に可能である。
上述した実施例6によれば、壁部の端面から少なくとも一方側に柱部90を突出させたので、パチンコ球を大盛りに貯留した場合でも複数の球箱10を確実に積み重ねることができる。また、柱部90に備えた電源接続端子94により、積み重ねた球箱10に電力を伝達することができる。これらの点を除けば、実施例1と同様の作用効果を得ることができる{上述した事項(a1)〜(a11)を参照}。
【実施例7】
実施例7は貯留装置としていわゆる球箱に本発明を適用し、光ファイバの端面が光る現象を利用して表示を行う例である。当該実施例7は図15を参照しながら説明する。なおドル箱の構成等は実施例1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施例7では実施例1と異なる点について説明する。よって実施例1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図15(A)には、図1に代わる球箱10の外観を斜視図で示すとともに、光ファイバ群100について拡大して示す。壁部10a,10bは、多数の光ファイバからなる光ファイバ群100と、当該光ファイバ群100に向けて光を発する複数のLEDからなるLED群102とを有する。光ファイバ群100を構成する多数の光ファイバ100aは、軸心を鉛直状に立て、隙間が無くなるように最密充填している。各光ファイバ100aの長さは一律ではなく、全部または一部の光ファイバ100aにかかる一端側の端面を斜めに切断している(切断する角度は任意)。充填する際には斜めに切断した端面(すなわち切断面)を有する光ファイバ100aを不規則に配置するとともに、当該切断面を可能な限り外側に向ける。光ファイバ群100の一部を拡大して表す図15(B)の例では、外側に向けられた光ファイバ100aの切断面を黒点で表している。この場合、外側から見ると当該黒点部分が光ることになる。なおLED群102は、図12(C)に示すLED群76と同様にして構成すればよい。
上述した実施例7によれば、切断面を持たない光ファイバを用いた実施例2(図9(A)を参照)と比べると、LED群102が発した光をより多く拡散させて表示することができる。この点を除けば、実施例1と同様の作用効果を得ることができる{上述した事項(a1)〜(a11)を参照}。
【他の実施例】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例に従って説明したが、本発明は当該実施例に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することが可能である。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
(c1)実施例1〜7では、パチンコ球を貯留する球箱10に本発明を適用した。この形態に代えて、他の貯留装置であって遊技媒体を一時的に貯留でき、かつ持ち運べるように構成したものにも同様に本発明を適用することができる。他の貯留装置としては、球箱10と同様にパチンコ球(遊技球),メダル,コイン,トークン等を貯留可能ないわゆるドル箱や、図11に示すようにサイコロやダーツ等を入れるカップ60等が該当する。カップ60は、光ファイバ50を胴体部62に備え、蓄電池66および当該蓄電池66から電力の供給を受けて発光するLED18や表示制御基板28(図示せず)を底部64に収容する。光ファイバ50とLED18とは図8(B)に示すように対向させる。このように当該他の貯留装置であっても、LED18の発光により装飾性を持たせるので、遠くからの視認性を高めることができる。また、装飾の内容に変化を持たせるので、時間が経過しても装飾の内容に興味を持って見るようになる。
(c2)実施例3では、電力を供給する外部の装置としては台車54を適用した{図10を参照}。この形態に代えて、島設備の置き台(すなわち下皿にあふれたパチンコ球等を移すために球箱10を置くスペース)に電源接続端子を設け、当該電源接続端子を通じて球箱10も電力を供給するように構成してもよい。その他、球箱10を置くだけで電力を供給可能な設備に電源接続端子を設ける構成としてもよい。これらの場合でも、球箱10に蓄電池を内蔵させなくても、LED18を発光させることができる。
(c3)実施例1では発光体として多数のLED18を適用し{図1を参照}、実施例2では発光体として複数の光ファイバ50を適用した{図7を参照}。この形態に代えて、他の単発光の表示器(例えばブラックライトや電球等)を適用したり、文字や絵柄を表示可能なドットマトリクス表示器(例えばフィルム状表示器,液晶表示器,電光掲示板等)を適用したり、プラズマ表示器を適用したり、ネオン管などを適用してもよい。ドットマトリクス表示器やプラズマ表示器を適用した場合には、多彩な文字や絵柄等を表示できるので装飾性が高まり、時間が経過しても興味を持って見るようになる。当該発光体の数は任意であり、一つであってもよいが、二以上で数を増やしてゆくにつれて発光量が増すので視認性がより高まる。
(c4)実施例1〜7では、球箱10に内蔵する蓄電池14としてリチウムイオン電池を用い、外部装置から信号を受信する受信素子24としてアンテナを用いた{図1等を参照}。この形態に代えて、電源部には例えば充電不能な蓄電池(鉛蓄電池,アルカリ蓄電池等)や、充電可能な蓄電池(ニッケル水素電池等)やコンデンサ、あるいは燃料電池などを用いてもよい。同様にして、受信手段には赤外線受信器等を用いてもよい。他の電源部や他の受信手段を用いた場合でも、各実施例と同様の作用効果を得る。
(c5)実施例1〜7では、CPU32を中心に構成した表示制御基板28によってLED18の発光表示を制御した{図4,図5を参照}。この形態に代えて、マルチバイブレータやシーケンサ等のようにCPUを有しない制御回路によってLED18の発光表示を制御してもよく、ワンチップマイコン等を用いて制御してもよい。この場合でも発光内容が変化するので、時間が経過しても装飾の内容に興味を持って見るようになる。
(c6)実施例1,2,3では、パチンコ球の導通性を利用して、金属板からなる球検出センサ22を備えた{図1等を参照}。実施例4では、パチンコ球の自重を利用して、接点スイッチ74を備えた{図12を参照}。これらの形態に代えて、他の検出センサを備えてもよい。当該他の検出センサとしては、例えば電磁誘導作用を利用した近接センサや、光の反射を利用した光センサ、誘電率の変化や導電率の変化を利用した静電容量センサ、圧力を利用した圧力センサ、マイクロスイッチ等が該当する。これらの検出センサを用いた場合でも、パチンコ球の数量や基準量等を確実に検出することができる。
(c7)実施例1〜7では、隣接させた他の球箱10との間で通信を行うことにより連携表示を行い{図5のステップS18,S20、図6(B)を参照}、外部の装置から送信された信号の内容に従って表示を行なった{図5のステップS22,S24、図6(C)を参照}。連携表示を行う対象や信号を受信する対象は、球箱10と通信が可能であれば任意の装置であってもよい。図16に示す例では、表示具110を対象とする。当該表示具110は、発光可能な複数のLED112と、当該複数のLED112の表示を制御する表示制御基板114とを備える。表示具110は、球箱10に備えた取付部118に取り付ける。表示具110と球箱10との間は通信接続端子116,120を通じて通信を行う。この通信により、表示具110と球箱10とを連携して表示したり、一方から他方に信号を伝達して当該信号の内容を表示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】球箱の構成例を示す斜視図である。
【図2】球箱の構成例を示す底面図である。
【図3】側壁部の構造例を示す断面図である。
【図4】表示制御基板を中心にした概略構成を示すブロック図である。
【図5】表示制御処理の手続き例を示すフローチャートである。
【図6】複数の球箱を積み重ねたときの表示例を示す図である。
【図7】球箱の構成例を示す斜視図である。
【図8】側壁部の構造例を示す断面図である。
【図9】球箱の構成例を示す斜視図である。
【図10】発光システムの構成例を示す図である。
【図11】コップ状の貯留装置に適用した例を説明する図である。
【図12】球箱の構成例を示す図である。
【図13】球箱の構成例を示す図である。
【図14】球箱の構成例を示す図である。
【図15】球箱の構成例を示す図である。
【図16】表示具との連携表示等を実現する例を示す図である。
【符号の説明】
10(10A,10B,10C) 球箱(貯留装置,発光システム)
10a,10b 壁部
10c 底面
10d 外面プレート(樹脂板)
10e 内面プレート(樹脂板)
12(12a,12b) 取っ手(把持部)
14,56,66 蓄電池(電源部)
16,116,120 通信接続端子
18,76a,80a,112 LED(発光体)
20 圧力センサ(重量検出手段)
22 球検出センサ(基準量検出手段,数量検出手段)
24 受信素子(受信手段)
26 反射板(反射部材)
28,114 表示制御基板(表示制御部)
30 入力処理回路
32 CPU
34 出力処理回路
36 ROM
38 RAM
40 通信制御回路(通信手段)
42 受信回路(受信手段)
44 充電回路
50,78a,78b,78c,100a 光ファイバ
52,94 電源接続端子
54 台車(発光システム)
60 カップ(貯留装置)
62 胴体部
64 底部
70 プレート
72 弾性部材(弾性体)
74 接点スイッチ
76,102 LED群(発光体)
78 装飾体
80 装飾透過部
82 散点透過部
90 柱部
92 嵌合部
92a 凹部
92b 凸部
96 台座
100 光ファイバ群
110 表示具
118 取付部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
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【図8】
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【図9】
図9
【図10】
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【図11】
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【図12】
図12
【図13】
図13
【図14】
図14
【図15】
図15
【図16】
図16
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