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【発明の名称】移動式太陽光発電装置
【出願人】
【識別番号】514169459
【氏名又は名称】曽我部 功
【住所又は居所】福岡県嘉麻市下山田844−1
【代理人】
【識別番号】100132964
【弁理士】
【氏名又は名称】信末 孝之
【発明者】
【氏名】曽我部 功
【住所又は居所】福岡県嘉麻市下山田844−1
【要約】
【課題】電源が必要な場所に運んで便利に使用することができるとともに、発電量を多くすることの可能な移動式太陽光発電装置を提供する。
【解決手段】運搬可能な本体部10と、本体部10の上面に載置された上面ソーラーパネル11,12と、本体部10の側面に折り畳み可能に連結された側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52とを有し、本体部10の設置後に側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52を広げて、上面ソーラーパネル11,12及び側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52により発電するようにした。
【選択図】図1
太陽光発電装置 選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬可能な本体部と、前記本体部の上面に載置された上面ソーラーパネルと、前記本体部の側面に折り畳み可能に連結された側面ソーラーパネルとを有し、本体部の設置後に前記側面ソーラーパネルを広げて、前記上面ソーラーパネル及び前記側面ソーラーパネルにより発電するようにしたことを特徴とする移動式太陽光発電装置。
【請求項2】
前記本体部を吊り下げて運搬するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の移動式太陽光発電装置。
【請求項3】
前記本体部と前記側面ソーラーパネルとを、着脱可能なヒンジ部により連結したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動式太陽光発電装置。
【請求項4】
前記本体部の内部に予備電源装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1つに記載の移動式太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動式の太陽光発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の太陽光発電装置は、太陽電池をいくつも並べて相互接続しパネル状にしたソーラーパネルを、家屋の屋根や地上に固定して使用する固定式のものが主流であった。
【0003】
一方、特許文献1及び特許文献2には、走行輪を有する架台に折り畳み式のソーラーパネルを搭載した、移動式太陽光発電機に関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3169441号公報
【特許文献2】特開2013−191728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の固定式の太陽光発電装置は、設置に時間を要し、いったん設置してしまうとすぐには移動できない。従って、例えば災害時に電源供給が必要な場合に、現地に運んで使用することはできない。
【0006】
一方、特許文献1及び特許文献2に記載された移動式太陽光発電機は、電源が必要な場所に運んで使用することはできるが、折り畳み式のソーラーパネルを架台の上に搭載したに過ぎず、ソーラーパネルの面積が限られるため発電量が多いとは言い難い。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、電源が必要な場所に運んで便利に使用することができるとともに、発電量を多くすることの可能な移動式太陽光発電装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の移動式太陽光発電装置は、運搬可能な本体部と、前記本体部の上面に載置された上面ソーラーパネルと、前記本体部の側面に折り畳み可能に連結された側面ソーラーパネルとを有し、本体部の設置後に前記側面ソーラーパネルを広げて、前記上面ソーラーパネル及び前記側面ソーラーパネルにより発電するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また好ましくは、前記本体部を吊り下げて運搬するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また好ましくは、前記本体部と前記側面ソーラーパネルとを、着脱可能なヒンジ部により連結したことを特徴とする。
【0011】
また好ましくは、前記本体部の内部に予備電源装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、運搬可能な本体部と、本体部の上面に載置された上面ソーラーパネルと、本体部の側面に折り畳み可能に連結された側面ソーラーパネルとを有しているので、例えば災害時に電源が必要な場所に運んで設置し、自由に使用することができる。そして、本体部の設置後に側面ソーラーパネルを広げて、上面ソーラーパネル及び側面ソーラーパネルにより発電するようにしたので、太陽光を受光するソーラーパネルの面積を容易に広くすることができ、太陽光による発電量を多くすることができる。
【0013】
また、本体部を吊り下げて運搬するようにしたことにより、クレーン等で吊り上げてトラックの荷台等に載せて運搬することができ、運搬しやすい。
【0014】
また、本体部と側面ソーラーパネルとを、着脱可能なヒンジ部により連結したことにより、側面ソーラーパネルを容易に交換することができる。また、設置場所の状態に応じて、側面ソーラーパネルの枚数を容易に変更することができる。
【0015】
また、本体部の内部に予備電源装置を備えたことにより、夜間や雨天・曇天時の電源を確保して、安定的に電源供給を行うことができる。また、本体部の内部を有効に利用することができる。
【0016】
以上、本発明によれば、電源が必要な場所に運んで便利に使用することができるとともに、太陽光による発電量を多くすることの可能な移動式太陽光発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る移動式太陽光発電装置の使用時の状態を示す平面図である。
【図2】移動式太陽光発電装置の使用時の状態を示す正面図である。
【図3】移動式太陽光発電装置の運搬時の状態を示す平面図である。
【図4】移動式太陽光発電装置の運搬時の状態を示す正面図である。
【図5】吊り下げ部を示す図である。
【図6】ヒンジ部を示す図である。
【図7】ヒンジ部を示す図である。
【図8】ヒンジ部材を示す図である。
【図9】ヒンジ部材を示す図である。
【図10】側面ソーラーパネルの固定構造を示す図である。
【図11】固定用ブラケットを示す図である。
【図12】側面ソーラーパネルの支持構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図1乃至図12を参照して、本発明の実施形態に係る移動式太陽光発電装置について説明する。まず、図1乃至図4を参照して、本実施形態に係る移動式太陽光発電装置100の全体構成について説明する。図1及び図2は、移動式太陽光発電装置100の使用時の状態を示す平面図及び正面図である。また、図3及び図4は、移動式太陽光発電装置100の運搬時の状態を示す平面図及び正面図である。
【0019】
図1乃至図4に示すように、本実施形態に係る移動式太陽光発電装置100は、中央に配置された箱状の本体部10を有している。本体部10の上面には、上面ソーラーパネル11,12が載置されている。また、本体部10の4つの側面には、側面ソーラーパネル21,22が載置された架台20、側面ソーラーパネル31,32が載置された架台30、側面ソーラーパネル41,42が載置された架台40、側面ソーラーパネル51,52が載置された架台50が、それぞれヒンジ部2を介して連結されている。
【0020】
架台20の端部は、本体部10の1つの側面の上部に、ヒンジ部2を介して90度回動するように連結されている。そして、図3及び図4に示す運搬時においては、架台20(側面ソーラーパネル21,22)が本体部10の側面に沿うように垂直方向に折り畳まれる。また、図1及び図2に示す使用時においては、架台20(側面ソーラーパネル21,22)が本体部10の上面と面一になるように水平方向に広げられる。架台30、架台40、架台50についても同様である。そして、上面ソーラーパネル11,12及び側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52により発電が行われる。
【0021】
このように、移動式太陽光発電装置100は、運搬時にはコンパクトに折り畳まれるとともに、使用時には大きな面積のソーラーパネルにより発電を行うことができるようになっている。
【0022】
本体部10の上面の四隅には、吊り下げ部1が設けられている。吊り下げ部1は、図5に示すように、本体部10の上面に固定された貫通孔を有する部材であり、4つの吊り下げ部1に各々フックを引っ掛けて、ワイヤーにより4点吊りにより吊り上げて、トラックの荷台等に載せることができるようになっている。
【0023】
なお、図1における符号3は、増設スペースを示しており、必要に応じて別途ソーラーパネルを並べることのできるエリアになっている。
【0024】
また、図2における符号4は、支持部材を示しており、使用時に広げた架台の下面と地面との間に取り付けて、側面ソーラーパネルを支えるようになっている。
【0025】
次に、図6乃至図9を参照して、ヒンジ部2の構造について説明する。ここでは、本体部10と架台20とを連結するヒンジ部2について説明するが、架台30,40,50についても同様である。図6は、架台20を折り畳んだ状態のヒンジ部2の部分を示す正面図であり、図7は左側面図である。
【0026】
図6及び図7に示すように、ヒンジ部2は、本体部10に取り付けられたヒンジ部材13と、架台20に取り付けられたヒンジ部材23とを組み合わせて構成されている。ヒンジ部材13は、本体部10の側面上部にねじ止め等により固定されている。また、ヒンジ部材23は、架台20の骨組材24にねじ止め等により固定されている。
【0027】
図8は、本体部10側のヒンジ部材13を示す(a)正面図、(b)左側面図、(c)平面図である。ヒンジ部材13は、板状の基部13aと、基部13aに対して垂直に形成された係止部13bとから構成されている。基部13aには、本体部10への固定用のネジ止め孔13dが形成されている。係止部13bには、後述するヒンジ部材23の係止ピン23cが嵌着される係止溝13cが形成されている。図8(a)に示すように、係止溝13cは、入口側から奥側に向けて下部が深くなるように形成されている。
【0028】
図9は、架台20側のヒンジ部材23を示す(a)正面図、(b)左側面図、(c)平面図である。ヒンジ部材23は、板状の基部23aと、基部23aに対して垂直に形成された2つの係止部23b,23bとから構成されている。基部23aには、架台20の骨組材24への固定用のネジ止め孔23dが形成されている。2つの係止部23b,23bは平行に配置されており、両者の間には、前述したヒンジ部材13の係止溝13cに嵌着される係止ピン23cが設けられている。なお、係止ピン23cは上面が平らなかまぼこ型の断面形状になっている。
【0029】
架台20を本体部10に連結するには、ヒンジ部材23の係止ピン23cを、ヒンジ部材13の係止溝13cの入口から挿入し、係止溝13cの奥側の深くなっている部分に嵌着させる。これにより、架台20(側面ソーラーパネル21,22)が本体部10に折り畳み可能に連結される。また、架台20を取り外す場合には、架台20を持ち上げながら、係止ピン23cを係止溝13cから外せばよい。このように、ヒンジ部2は、着脱可能に構成されている。
【0030】
次に、図10及び図11を参照して、運搬時における架台(側面ソーラーパネル)の固定構造について説明する。図10は、側面ソーラーパネルの固定構造を示す図であり、図11は、固定用ブラケットを示す図である。ここでは、架台20の固定構造について説明するが、架台30,40,50についても同様である。
【0031】
運搬時において架台20は、本体部10の側面に沿うように垂直方向に折り畳まれる。このとき、架台20を固定しないと不安定となり運搬時の破損等の恐れがあるため、架台20の下端部を本体部10の側面に固定する。固定には、固定用ブラケット5を使用する。
【0032】
図10及び図11に示すように、固定用ブラケット5は、板状の基部5aと、基部5aに対して垂直に形成された支持部5bと、支持部5bに対して垂直に形成された押さえ部5cとから形成されている。基部5aには、本体部10への固定用のネジ止め溝5dが形成されている。
【0033】
運搬時に架台20を折り畳んだのち、図10に示すように、架台20の下端部と骨組材25に合わせて固定用ブラケット5を装着し、基部5aを本体部10にボルトナット6により固定する。これにより、架台20を安定的に固定し運搬時の破損等を防止することができる。なお、図10における符号7は、ゴムパッキン等の緩衝材である。
【0034】
次に、図12を参照して、使用時における架台(側面ソーラーパネル)の支持構造について説明する。側面ソーラーパネルの支持構造は、図2に示すような垂直な支持部材4を用いてもよいが、図12に示すような支持構造とすることもできる。ここでは、架台20の支持構造について説明するが、架台30,40,50についても同様である。
【0035】
図12に示す支持構造は、支持部材8及び支持部材9を使用したものである。支持部材8は、上端が架台20の骨組材24にねじ止め等により固定され、下端が本体部10の側面の下部にねじ止め等により固定されている。そして、支持部材8の中間部分と支持部材9の上端部が接続され、支持部材9の下端部が地面に接している。以上の構成により、使用時に架台20を安定的に支持することができる。
【0036】
なお、本体部の内部は空きスペースであるので、パワーステーション、分電盤、電力切替ユニット、バックアップ用住宅分電盤、リモコン設定器、リチウムイオン蓄電池ユニット、マルチ接続箱、エンジン発電機等の装置を収納しておくことができる。特に、蓄電池ユニットや発電機等の予備電源装置を備えておくことにより、夜間や雨天・曇天時の電源を確保して、安定的に電源供給を行うことができる。
【0037】
本実施形態に係る移動式太陽光発電装置100によれば、運搬可能な本体部10と、本体部10の上面に載置された上面ソーラーパネル11,12と、本体部10の側面に折り畳み可能に連結された側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52とを有しているので、例えば災害時に電源が必要な場所に運んで設置し、自由に使用することができる。そして、本体部10の設置後に側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52を広げて、上面ソーラーパネル11,12及び側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52により発電するようにしたので、太陽光を受光するソーラーパネルの面積を容易に広くすることができ、太陽光による発電量を多くすることができる。
【0038】
また、本体部10を吊り下げて運搬するようにしたことにより、クレーン等で吊り上げてトラックの荷台等に載せて運搬することができ、運搬しやすい。
【0039】
また、本体部10と側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52とを、着脱可能なヒンジ部2により連結したことにより、側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52を容易に交換することができる。また、設置場所の状態に応じて、側面ソーラーパネル21,22,31,32,41,42,51,52の枚数を容易に変更することができる。
【0040】
また、本体部10の内部に予備電源装置を備えたことにより、夜間や雨天・曇天時の電源を確保して、安定的に電源供給を行うことができる。また、本体部10の内部を有効に利用することができる。
【0041】
以上、本実施形態に係る移動式太陽光発電装置100によれば、電源が必要な場所に運んで便利に使用することができるとともに、太陽光による発電量を多くすることができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態に係る移動式太陽光発電装置について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、本体部は、箱状に限らず、上面と側面を有する形状であればよい。
【0043】
また、側面ソーラーパネルは、すべての側面に連結することが好ましいが、側面ソーラーパネルを連結しない側面があってもよい。
【0044】
また、本体部の上面や、1つの架台に載置するソーラーパネルの枚数は、特に限定されない。
【0045】
また、本体部の運搬方法は、吊り下げに限らず、例えばフォークリフト等により持ち上げるようにしてもよい。
【0046】
また、使用時に上面ソーラーパネル及び側面ソーラーパネルが、太陽に向いて傾斜して配置されるように、本体部や支持部材の形状を変更してもよい。
【0047】
また、運搬時の固定方法や使用時の支持方法についても、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 吊り下げ部
2 ヒンジ部
3 増設スペース
4 支持部材
5 ブラケット
6 ボルトナット
7 緩衝材
8 支持部材
9 支持部材
10 本体部
11 ソーラーパネル
12 ソーラーパネル
13 ヒンジ部材
20 架台
21 ソーラーパネル
22 ソーラーパネル
23 ヒンジ部材
24 骨組材
30 架台
31 ソーラーパネル
32 ソーラーパネル
40 架台
41 ソーラーパネル
42 ソーラーパネル
50 架台
51 ソーラーパネル
52 ソーラーパネル
100 移動式太陽光発電装置
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る移動式太陽光発電装置の使用時の状態を示す平面図である。
【図2】移動式太陽光発電装置の使用時の状態を示す正面図である。
【図3】移動式太陽光発電装置の運搬時の状態を示す平面図である。
【図4】移動式太陽光発電装置の運搬時の状態を示す正面図である。
【図5】吊り下げ部を示す図である。
【図6】ヒンジ部を示す図である。
【図7】ヒンジ部を示す図である。
【図8】ヒンジ部材を示す図である。
【図9】ヒンジ部材を示す図である。
【図10】側面ソーラーパネルの固定構造を示す図である。
【図11】固定用ブラケットを示す図である。
【図12】側面ソーラーパネルの支持構造を示す図である。
【図1】
太陽光発電装置 図1
【図2】
太陽光発電装置 図2
【図3】
太陽光発電装置 図3
【図4】
太陽光発電装置 図4
【図5】
太陽光発電装置 図5 
【図6】
太陽光発電装置 図6 
【図7】
太陽光発電装置 図7 
【図8】
太陽光発電装置 図8 
【図9】
太陽光発電装置 図9 
【図10】
太陽光発電装置 図10 
【図11】
太陽光発電装置 図11 
【図12】
太陽光発電装置 図12 
太陽光発電装置 写真1 
太陽光発電装置 写真2 
太陽光発電装置 写真3 
 
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