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土木・建設
 
【考案の名称】デザイン障子
【実用新案権者】
【識別番号】395003615
【氏名又は名称】望月 貞秋
【住所又は居所】山梨県塩山市上於曽948
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100080654
【氏名又は名称】土橋 博司
【考案者】
【氏名】望月 貞秋
【住所又は居所】山梨県甲州市塩山上於曽948番地
【要約】
【課題】
この考案が解決しようとする課題は、障子全体の装飾性を簡単な構成において高めることである。
【解決手段】
障子の左右の縦かまちおよび上下かまちで構成される障子紙貼付面内に障子紙を貼付するに際し、障子両面に障子紙貼付面を設けてそれぞれ障子紙を貼付するとともに、片方の障子紙に所望のデザインのカッティングを施し、1重の障子紙と2重の障子紙との濃淡の違いで模様を現出させるようにしたことを特徴とするデザイン障子。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
障子の左右の縦かまちおよび上下かまちで構成される障子紙貼付面内に障子紙を貼付するに際し、障子両面に障子紙貼付面を設けてそれぞれ障子紙を貼付するとともに、片方の障子紙に所望のデザインのカッティングを施し、1重の障子紙と2重の障子紙との濃淡の違いで模様を現出させるようにしたことを特徴とするデザイン障子。
【請求項2】
障子の左右の縦かまちおよび上下かまちで構成される障子紙貼付面内に所定形状の中桟を組付けた上、中桟の両面に障子紙を貼付したことを特徴とする請求項1に記載のデザイン障子。
【請求項3】
片方の障子紙が所定形状の中桟に沿ってカッティングを施され、1重の障子紙と2重の障子紙との濃淡の違いで模様を現出させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のデザイン障子。
【請求項4】
所定形状の中桟が、変形自由なひごからなることを特徴とする請求項1または2に記載のデザイン障子。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、従来にないデザイン表現が可能なデザイン障子に関するものである。
【背景技術】
従来の障子は、障子の左右の縦かまちおよび上下かまちで構成される障子紙貼付面内に格子状の中桟を組付け、中桟の片面に障子紙を貼付したものであった。
ところで、障子紙が通気性を持つので冷暖房の効果が低いという問題があり、冷暖房の効果を高めるために上記中桟の両側に障子紙を貼付して空気層を形成するようにした二重障子が、実開昭57−1291号公報(特許文献1参照)に提案されている。
また、実公昭3−12421号公報(特許文献2参照)には、障子の手をかける部分の1桝に相当する位置に貼付する障子紙用手掛紙が示されている。この手掛紙は、厚薄一対の表紙及び裏紙を貼付して合体させたものであり、薄い裏紙に透かし模様を切り抜いて手掛部分に相応しい模様を現出させるようにしたものである。
しかしながら、実開昭57−1291号公報(特許文献1参照)の冷暖房の効果を高めるために上記中桟の両側に障子紙を貼付して空気層を形成するようにした二重障子においては、前者の冷暖房の効果を達成しようという目的から見て、本願考案のようなデザイン障子に想到することは、当業者においても到底考えられないことである。
また実公昭3−12421号公報(特許文献2参照)の手掛部分に使用する障子紙用手掛紙は、あくまで障子の中桟で仕切られた1桝分の範囲内の考案であり、障子全体の装飾性を課題とする本考案のデザイン障子を上記考案から想到することは、当業者においても到底できないことである。
【特許文献1】
実開昭57−1291号公報
【特許文献2】
実公昭3−12421号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
この考案が解決しようとする課題は、障子全体の装飾性を簡単な構成において高めることである。
【課題を解決するための手段】
本考案のデザイン障子は、障子の左右の縦かまちおよび上下かまちで構成される障子紙貼付面内に障子紙を貼付するに際し、障子両面に障子紙貼付面を設けてそれぞれ障子紙を貼付するとともに、片方の障子紙に所望のデザインのカッティングを施し、1重の障子紙と2重の障子紙との濃淡の違いで模様を現出させるようにしたことを特徴とするものである。
本考案のデザイン障子は、前記障子の左右の縦かまちおよび上下かまちで構成される障子紙貼付面内に所定形状の中桟を組付けた上、中桟の両面に障子紙を貼付したことをも特徴とするものである。
また本考案のデザイン障子は、前記片方の障子紙が所定形状の中桟に沿ってカッティングを施され、1重の障子紙と2重の障子紙との濃淡の違いで模様を現出させるようにしたことをも特徴とするものである。
さらに本考案のデザイン障子は、前記所定形状の中桟が、変形自由なひごからなることをも特徴とするものである。
【考案の効果】
本考案のデザイン障子は以上のように構成しているので、従来にない自由なデザイン表現が可能なデザイン障子を提供することができるようになった。
【考案を実施するための最良の形態】
以下この考案のデザイン障子の実施の形態を、図面に基いて詳細に説明する。
図1はこの考案のデザイン障子の1実施例を示す正面図、図2は図1のイ−イ断面図、図3はこの考案のデザイン障子の他の実施例を示す説明図、図4はさらに別の実施例を示す説明図、図5は種々の実施例のデザイン障子を組み合わせた状態の説明図である。
【実施例1】
図1および図2は、この考案のデザイン障子の1実施例を示す正面図であって、1,1は障子の左右の縦かまち、2は上かまち、3は下かまちである。
上記縦かまち1,1および上下のかまち2,3で構成される障子紙貼付面内には所定形状の中桟4が組付けてある。図においてこの中桟4,4・・・はそれぞれ左下から右上方向に向かってアーチ状に形成されている。もちろん、この中桟4,4・・・は場合によって省略することができる。
上記中桟4の前面側にはその全面に障子紙5が貼付してあり、通常の目隠し効果及び通気効果を奏することができるようになっている。
また、上記中桟4の後面側にも障子紙6が貼付してあるが、この障子紙6には所望のデザインのカッティングを施してあり、カッティングを施して1重となっている障子紙5部分(A)と、それ以外の2重の障子紙5,6部分(B)との濃淡の違いで模様を現出させることができるようになっているのである。
また上記実施例においては、前記後面側の障子紙6のカッティングをアーチ状に形成した中桟4,4・・・に沿って施してあるので、中桟4,4・・・と障子紙6のカッティングとが同調し、1重の障子紙5部分(A)と2重の障子紙5,6部分(B)との濃淡の違いによる模様が一体感を備えたものとなっている。
もちろん、このカッティングは障子紙貼付面に貼付した後、あるいは予め障子紙に施しておくことが可能である。また、中桟4,4・・・に沿って、あるいは中桟4,4・・・に沿うことなく形成したものとすることができる。
【実施例2】
図3および図4は、それぞれこの考案のデザイン障子の異なる実施例を示す説明図である。
図3の実施例では、障子紙貼付面内に円弧状のカッティングを対面させて、レンズ状とした1重の障子紙5部分(A)と、それ以外の2重の障子紙5,6部分(B)との濃淡の違いで模様を現出させることができるようになっている。
【実施例3】
図4の実施例では、障子紙貼付面内に格子状の中桟4,4・・・が配設してあり、また一方の側の中桟4の端部を起点にして他方の側の上下の中桟4,4を終点とする円弧状のカッティングが施してある。
この実施例においても、1重の障子紙5部分(A)と、それ以外の2重の障子紙5,6部分(B)との濃淡の違いで模様を現出させることができるようになっている。
この考案のデザイン障子は、前記所定形状の中桟4,4・・・として、あるいは中桟4,4・・・に代えて変形自由なひごを利用することもできる。例えば図3および図4におけるカッティング部分にこのようなひご7を利用することにより、カッティングを施された障子紙6の端部の強度が大幅に向上し、カッティング部分が風ではためいて騒音を発したり、破損しやすくなるのを防止することができる。
もちろん、中桟4,4・・・やひご7は上記縦かまち1,1および上下のかまち2,3で構成される障子紙貼付面内に取り付けた状態で障子紙5,6を貼付することができ、また予めひご7に障子紙6を貼付した上で、前記障子紙貼付面内に取り付けることも可能である。
【実施例4】
図5は、種々の実施例のデザイン障子を組み合わせた状態の説明図である。
この実施例では、図中の左側の障子においては、障子紙貼付面内に格子状の中桟4,4・・・が配設してあり、中桟4,4・・・とは無関係に、多数の小さい円形のカッティング8が施されている。この円形のカッティング8部分は1重の障子紙部分(A)であり、それ以外の部分は2重の障子紙部分(B)である。
中央の障子においては、障子紙貼付面内に格子状の中桟4,4・・・が配設してあり、中桟4,4・・・とは無関係に、円弧状のカッティング9による1重の障子紙部分(A)と、それ以外の2重の障子紙部分(B)が形成されている。
右側の障子においては、障子紙貼付面内に格子状の中桟4,4・・・が配設してあり、中桟4,4・・・に沿って形成されたカッティング10による1重の障子紙部分(A)と、それ以外の2重の障子紙部分(B)が形成されている。
この実施例においても、1重の障子紙部分(A)と、それ以外の2重の障子紙部分(B)との濃淡の違いで模様を現出させることができるようになっている。
このように、上記縦かまち1,1および上下のかまち2,3からなる単一のデザイン障子としての利用のみならず、複数の障子を組み合わせて所定のモチーフを表現することができ、より多様なデザイン表現を行なうことが可能である。
この考案のデザイン障子は、当然新規の障子として利用することができるが、すでに使用している障子のリニューアルのためにも利用することが可能である。
障子は長期間にわたって使用するものであり、使用中に飽きてしまった場合等には障子そのものを廃棄するしかなかったのである。
しかしながら、この考案のデザイン障子を利用すれば、障子を新たな感覚のものにリニューアルすることができる。
また上記縦かまち1,1および上下のかまち2,3を残して中桟4,4・・・のみを自由に入れ替えることができるので、従来の障子を簡単に自由度の高いデザイン障子とすることができるようになる。
【産業上の利用可能性】
この考案のデザイン障子は、通常の和風障子のみならず、ガラス等を組み込んだ洋風の障子にも適用することができ、その用途も間仕切りや窓等に制限されるものではなく、多様な用途に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案のデザイン障子の1実施例を示す正面図である。
【図2】図1のイ−イ断面図である。
【図3】この考案のデザイン障子の他の実施例を示す説明図である。
【図4】さらに別の実施例を示す説明図である。
【図5】種々の実施例のデザイン障子を組み合わせた状態の説明図である。
【符号の説明】
1 縦かまち
2 上かまち
3 下かまち
4 中桟
5,6 障子紙
7 ひご
8 円形のカッティング
9 円弧状のカッティング
10 中桟に沿って形成されたカッティング
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
写真1
写真2
写真3
写真4
 
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