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飲食・調理
 
【考案の名称】液体容器
【実用新案権者】
【識別番号】504316735
【氏名又は名称】石田 ひろ子
【住所又は居所】静岡県御殿場市川島田928
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100101742
【氏名又は名称】麦島 隆
【考案者】
【氏名】石田 ひろ子
【住所又は居所】静岡県御殿場市川島田928
【氏名】前田 文雄
【住所又は居所】静岡県三島市芝本町6−25−402
【要約】
【課題】
炭酸飲料、ジュース、コーヒーなどの飲料等を飲み易く、醤油や酒などを注ぎ易くするなどして、使用性を高めた液体容器を提供する。
【解決手段】
ペットボトル1の本体部2の中心軸L1と所定の角度をもつ傾斜した中心軸L2上に口部3を設け、該口部3を該本体部2に対して斜めに延びた構成とする一方、本体部2の中心軸L1を鉛直にした状態で上側に位置する口部3周壁に空気孔6を設け、この空気孔6に嵌合可能な空気孔用栓部7をスクリューキャップ4に一体に連接している。飲料などがスムーズに緩やかに出るため、飲み易いし、飲料などをこぼしてしまうこともなく、注ぎはねも少ない。空気孔6が開いているため、飲料などがスムーズに流れ、口部3から空気が入るゴボゴボという耳障りな音もなくなり、さらに、ペットボトル1内部の飲料などが少なくなってきた場合には、ペットボトル1をそれ程傾けなくとも良く、腕への負担も軽減できる。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
大径筒状の本体部の一端部に小径筒状の口部を備え、該口部は着脱可能なキャップにより開閉される液体容器において、
前記本体部の中心軸と所定の角度をもつ傾斜した中心軸上に前記口部を設け、該口部を該本体部に対して斜めに延びた構成とする一方、
前記本体部の中心軸を鉛直にした状態で上側に位置する口部周壁に空気孔を備え、
かつ、前記キャップに連接されると共に、前記空気孔に嵌合可能で、前記キャップにより口部を閉じた際には、前記空気孔に嵌合させて該空気孔を閉鎖し、口部から液体を排出する際には前記空気孔から取り外される空気孔用栓部を備えることを特徴とする液体容器。
【請求項2】
前記本体部の中心軸を鉛直にした状態で上側に位置する口部周壁の稜線を、液体容器の略山形状の首部の稜線と一致させたことを特徴とする請求項1記載の液体容器。
【請求項3】
前記空気孔用栓部を空気孔に嵌合させた際に、該空気孔用栓部を口部周壁に固定するため、空気孔用栓部の外面を被覆して貼られるシール部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器。
【請求項4】
前記口部に、該口部外面から膨出する位置と内面に凹んで格納される位置とに選択的に折曲変形される上面が開放された略三角錐のくちばし形状をなした注ぎ部を一体形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の液体容器。
【請求項5】
前記液体容器は、ペットボトルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の液体容器。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、炭酸飲料、ジュース、コーヒー、酒、醤油などを収容するペットボトル等の液体容器に関し、より詳しくは、液体の飲み易さ、注ぎ易さを追求した液体容器に関する。
【背景技術】
例えば、炭酸飲料、ジュース、コーヒーなどの飲料を入れた液体容器として、ペットボトルが良く知られており、店頭や自動販売機で手軽に購入することができ、多量に消費されている。通常のペットボトル20は、図5に示すように、大径の円筒状本体部21の一端部に小径の円筒状口部22を備え、該口部22は、着脱可能にねじ嵌合されるスクリューキャップ23により開閉される。
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
かかるペットボトル20において、図5に示すように、従来では、本体部21の中心軸上に口部22が設けられており、該口部22が真っ直ぐ延びているのが通例である。このように口部22が真っ直ぐ延びていると、飲料を飲む場合や他の容器に注ぐ場合に、注意しないと、飲料が勢いよく飛びだし、飲みにくいし、飲料をこぼして、テーブルや床などを汚す。また、注ぐときに口部22から空気が入るゴボゴボという耳障りな音もする。さらに、口部22が本体部21に対して真っ直ぐ延びているため、ペットボトル20内部の飲料が少なくなってきた場合に、飲料を飲んだり、他の容器に注ぐときに、ペットボトル20をかなり傾けなければならず、腕への負担も大きいという欠点もあった。
本考案は上記した点に鑑みなされたものであり、炭酸飲料、ジュース、コーヒーなどの飲料等を飲み易く、醤油や酒などを注ぎ易くするなどして、使用性を高めた液体容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の本考案では、大径筒状の本体部の一端部に小径筒状の口部を備え、該口部は着脱可能なキャップにより開閉される液体容器において、
前記本体部の中心軸と所定の角度をもつ傾斜した中心軸上に前記口部を設け、該口部を該本体部に対して斜めに延びた構成とする一方、
前記本体部の中心軸を鉛直にした状態で上側に位置する口部周壁に空気孔を備え、
かつ、前記キャップに連接されると共に、前記空気孔に嵌合可能で、前記キャップにより口部を閉じた際には、前記空気孔に嵌合させて該空気孔を閉鎖し、口部から液体を排出する際には前記空気孔から取り外される空気孔用栓部を備えることを特徴とする液体容器を提供する。
請求項2記載の本考案では、前記本体部の中心軸を鉛直にした状態で上側に位置する口部周壁の稜線を、液体容器の略山形状の首部の稜線と一致させたことを特徴とする請求項1記載の液体容器を提供する。
請求項3記載の本考案では、前記空気孔用栓部を空気孔に嵌合させた際に、該空気孔用栓部を口部周壁に固定するため、空気孔用栓部の外面を被覆して貼られるシール部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器を提供する。
請求項4記載の本考案では、前記口部に、該口部外面から膨出する位置と内面に凹んで格納される位置とに選択的に折曲変形される上面が開放された略三角錐のくちばし形状をなした注ぎ部を一体形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の液体容器を提供する。
請求項5記載の本考案では、前記液体容器は、ペットボトルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の液体容器を提供する。
【考案の効果】
本考案は、ペットボトルなどの液体容器の本体部の中心軸と所定の角度をもつ傾斜した中心軸上に口部を設け、該口部を該本体部に対して斜めに延びた構成とする一方、前記本体部の中心軸を鉛直にした状態で上側に位置する口部周壁に空気孔を設けている。また、この空気孔に嵌合可能な空気孔用栓部をキャップに一体に連接している。
口部が本体部に対して斜めに延びていると、飲料などを飲む場合や他の容器に注ぐ場合に、飲料などがスムーズに緩やかに出るため、飲み易いし、飲料などをこぼしてしまうこともなく、注ぎはねも少ない。また、空気孔が開いているため、飲料などを飲む場合や他の容器に注ぐ場合に、空気孔から液体容器内に空気が入り、飲料などがスムーズに流れ、口部から空気が入るゴボゴボという耳障りな音もなくなる。さらに、口部が本体部に対して斜めに延びているため、液体容器内部の飲料などが少なくなってきた場合には、飲料などを飲んだり、他の容器に注ぐときに、液体容器をそれ程傾けなくとも良く、腕への負担も軽減することができる。
また、本考案の液体容器は、口部が傾斜しているため、使用時においては、本体部は口部の傾斜方向に傾けて使用することになるが、空気孔は斜めに延びた口部の上側に形成されている。このため、使用時において空気孔が下側になることはなく、使用中、該空気孔から液体が漏れ出ることもない。
また、空気孔用栓部がキャップに一体に連接されているため、キャップを外せば、容易に空気孔を開栓することができる一方で、非使用時においては、キャップで口部を閉じると共に、空気用栓部を空気孔に嵌合させることで、非使用時に誤って倒れた場合でも、空気孔を介しての液体の流出を防止できる。
【考案を実施するための最良の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づき本考案をさらに詳細に説明する。図1および図2は、第1の実施形態の液体容器としてのペットボトル1を示す図である。ペットボトル1は、炭酸飲料、ジュース、コーヒー、酒、醤油などの液体を入れるものであり、大径円筒状の本体部2の一端部に小径円筒状の口部3を備え、該口部3はねじ嵌合により着脱可能な樹脂製のスクリューキャップ4により開閉される。この場合、口部3の外周面にはおねじ部3aが設けられ、スクリューキャップ4の内周面にめねじ部4aが設けられている。また、本体部2の口部3側の端部の首部5は、例えば略円錐形や略三角錐形などの略山形状に形成されている。
ここで、本体部2の中心軸L1と所定の角度をもつ傾斜した中心軸L2上に口部3が設けられており、該口部3が該本体部2に対して斜めに延びた構成となっている。また、本実施形態では、本体部2の中心軸L1を鉛直にした状態で上側に位置する口部3周壁の稜線を、ペットボトル1の首部5の稜線と一致させるようにしている。
さらに、本体部2の中心軸L1を鉛直にした状態で上側に位置する口部3周壁には、空気孔6が形成されている。また、スクリューキャップ4には帯状の薄肉片4Aが連接されており、この薄肉片4Aの一端に空気孔6に嵌合可能な空気孔用栓部7が設けられている。空気用栓部7は、図2に示すように、スクリューキャップ4により口部3を閉じた際には、空気孔6に嵌合せしめられて該空気孔6を閉鎖し、口部3から液体を排出する際には、図1に示すように、空気孔6から取り外される。空気孔用栓部7は、具体的には、ボール部7aを備えた棒状のつまみ部7bと、つまみ部7bの中途に設けられたフランジ部7cとを備えて構成され、ボール部7aが空気孔6から内部に挿入され、フランジ部7cを口部3の周壁外面に当接させて装着される。
なお、空気孔用栓部7を空気孔6に嵌合させた際に、該空気孔用栓部7を口部3の周壁に固定するため、図2に示すように、空気孔用栓部7の外面を被覆して貼られるシール部材8を備えるのが好ましく、空気孔6のシール性をより向上することができる。但し、図1及び図2に示した空気孔用栓部7にはつまみ部7bが突出形成されているため、シール部材8を貼着する際に邪魔になる。そこで、この場合には、シール部材8に切り込み(図示せず)を設けるなどして、シール部材8を貼着する際には、つまみ部7bの側方から、該つまみ部7bが切り込み内に位置するようにしてフランジ部7cの外面を被覆して貼着する。
スクリューキャップ4としては、図3に示したような空気孔用栓部7’を備えたものを用いることもできる。この空気孔用栓部7’は、空気孔6内に挿入されるボール部7’aと、ボール部7’aを支持し、口部3の周壁外面に当接する板状部7’bとを備えたもので、板状部7’bの表面がほぼ平坦であるため、シール部材8として切り込みのない単なる四角形や円形のものを用い、そのまま板状部7’bの外面を被覆して貼着することができる。
かかるペットボトル1から飲料などを飲んだり、他の容器に注ぐ場合には、先ず、シール部材8を剥がしてから、スクリューキャップ4を緩めて外せば、該スクリューキャップ4に連接されている空気孔用栓部7が引っ張られて空気孔6から外れ、該空気孔6が容易に開栓される。そして、本体部2を口部3の傾斜方向に傾けて、飲料などを飲んだり、他の容器に注ぐ。
このように、ペットボトル1の口部3が本体部2に対して斜めに延びていると、飲料などを飲む場合や他の容器に注ぐ場合に、飲料などがスムーズに緩やかに出るため、飲み易いし、飲料などをこぼしてしまうこともなく、注ぎはねも少ない。
また、空気孔6が開いているため、飲料などを飲む場合や他の容器に注ぐ場合に、空気孔6からペットボトル1内に空気が入り、飲料などがスムーズに流れ、口部3から空気が入るゴボゴボという耳障りな音もなくなる。なお、空気孔6は斜めに延びた口部3の上側に形成されているため、使用時において空気孔6が下側になることはなく、ペットボトル1から飲料などを飲んだり、注いだりするときに、空気孔6から飲料が漏れ出ることはない。さらに、口部3が本体部2に対して斜めに延びているため、ペットボトル1内部の飲料などが少なくなってきた場合には、飲料などを飲んだり、他の容器に注ぐときに、ペットボトル1をそれ程傾けなくとも良くなり、腕への負担も軽減することができる。
一方、ペットボトル1を使用しないときは、スクリューキャップ4を締めて口部3を閉じると共に、空気用栓部7を空気孔6に嵌合させれば良い。この場合、誤って倒れても、空気孔6を介しての飲料の流出が防止される。
図4は、第2の実施形態に係る液体容器としてのペットボトル11を示す図である。このペットボトル11は、その口部12に、該口部12外面から膨出する位置と内面に凹んで格納される位置とに選択的に折曲変形される上面が開放された略三角錐のくちばし形状をなした注ぎ部13を一体形成したものである。注ぎ部13は、口部12に締められたスクリューキャップ14の軸方向長さの略半分位の位置に下端位置がくるように設けることが好ましい。これにより、スクリューキャップ14を口部12に締めたときに、注ぎ部13がスクリューキャップ14により完全に塞がれ、注ぎ部13から飲料などが漏れ出ることを効果的に防止できる。
ペットボトル11から酒や醤油などを他の容器に注いだりするときには、注ぎ部13を図4(b)の実線で示すように口部12外面から膨出する位置にし、注がないときには、注ぎ部13を図4(b)の破線で示すように内面に凹んで格納される位置にして、スクリューキャップ14によって塞ぐ。
このように、口部12に注ぎ部13を一体形成したことにより、酒や醤油などを他の容器に注ぐ場合に、酒や醤油などがこぼれることなく、より注ぎ易くなる。また、注ぎ部13は、膨出位置と格納位置とに折曲変形できるように設けられているため、簡単に素早く使用形態に変形できると共に、スクリューキャップ14も何ら支障なく口部12に装着することができる。
なお、上記の実施形態では、ペットボトルを例にとって説明したが、他の液体容器でも本考案を適用することができるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本考案の液体容器としてのペットボトルの第1の実施形態を示す一部を断面にした正面図で、口部と空気孔を開いた状態を示す図である。
【図2】図2は、同上の第1の実施形態を示す一部を断面にした正面図で、口部と空気孔を閉じた状態を示す図である。
【図3】図3は、空気孔用栓部の他の態様を示す図である。
【図4】図4は、本考案の液体容器としてのペットボトルの第2の実施形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)中A矢視図である。
【図5】図5は、従来のペットボトルを示す正面図である。
【符号の説明】
1 ペットボトル
2 本体部
3 口部
4 スクリューキャップ
5 首部
6 空気孔
7 空気孔用栓部
8 シール部材
11 ペットボトル
12 口部
13 注ぎ部
14 スクリューキャップ
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
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