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家庭用品T
 
【考案の名称】携帯用局部洗浄器
【実用新案権者】
【識別番号】513223976
【氏名又は名称】工藤 秀雄
【住所又は居所】足立区東京都千住桜木1−10−21−201
【代理人】
【識別番号】100154210
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 宏
【考案者】
【氏名】工藤 秀雄
【住所又は居所】足立区千住桜木1−10−21−201
【要約】
【課題】洗浄液が逆流することのない携帯性に優れた携帯用局部洗浄器を提供する。
【解決手段】操作部材2eを操作して容器2aの空間2a4と容器2bの空間とを連通する開口を開放することにより容器2b内の圧縮空気が空間2a4に送られ、送られた気体により仕切り板2fがノズル3側に向かって移動することで空間2a4に貯えられた浄水液がノズル3から噴出される。洗浄液(空間2a3)と圧縮気体(空間2a4)との間に仕切り板2fが介在することで、洗浄液が容器2bに逆流することなく、また圧縮空気がノズル3から噴出されることなく、携帯用局部洗浄器1を使用することができる。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を噴出して局部を洗浄するための携帯可能な携帯用局部洗浄器であって、
洗浄液を吐出するノズルと、
前記洗浄液が貯えられ、前記ノズルに連なるタンク室と、該タンク室に送る気体が圧縮されて貯えられるポンプ室と、前記タンク室と前記ポンプ室とを連通する流路を開放する開放弁と、を有する本体とを備え、前記タンク室内に前記ノズルに連なる一側と前記ポンプ室に連なる他側とを仕切る可動式の仕切り部材が設けられることを特徴とする携帯用局部洗浄器。
【請求項2】
前記本体は、該本体外から前記開放弁を操作する操作部材をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の携帯用局部洗浄器。
【請求項3】
前記本体は、前記ポンプ室に気体を圧縮して送るポンプをさらに有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の携帯用局部洗浄器。
【請求項4】
前記本体は、該本体外に前記ポンプ室の気体を抜くための開放弁をさらに有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の携帯用局部洗浄器。
【請求項5】
前記本体は、前記タンクに前記洗浄液を給液するための開閉可能な給液口を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の携帯用局部洗浄器。
【請求項6】
前記本体に可動に固定され、前記ノズルを覆うカバーをさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の携帯用局部洗浄器。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、洗浄液を噴出して局部を洗浄するための携帯可能な携帯用局部洗浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
外出時等においても用便後に肛門等の局部を洗浄することのできる携帯式の局部洗浄器が開発されている。例えば、特許文献1に記載の携帯用局部洗浄器では、洗浄水が貯えられたペットボトルの口部に、洗浄水を吐出するノズルとボトル内とを連通する第1チューブと、ボトルの内外を連通しボトル外から空気をボトル内に送る第2チューブとが装着されたキャップを取付けることで構成される。しかし、係る構成の局部洗浄器では、洗浄水が第2チューブを介してボトル外に漏れるおそれがあり、携帯するに適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−305068号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
本考案は、洗浄液が漏れることなく使用することのできる携帯用局部洗浄器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本考案は、洗浄液を噴出して局部を洗浄するための携帯可能な携帯用局部洗浄器であって、洗浄液を吐出するノズルと、前記洗浄液が貯えられ、前記ノズルに連なるタンク室と、該タンク室に送る気体が圧縮されて貯えられるポンプ室と、前記タンク室と前記ポンプ室とを連通する流路を開放する開放弁と、を有する本体と、を備え、前記タンク室内に前記ノズルに連なる一側と前記ポンプ室に連なる他側とを仕切る可動式の仕切り部材が設けられることを特徴とする。
【0006】
これによれば、開放弁を操作してタンク室とポンプ室とを連通する流路を開放することによりポンプ室内の圧縮された気体がタンク室の他側に送られ、送られた気体により仕切り部材がタンク室の一側に向かって移動することで一側に貯えられた浄水液がノズルを介して吐出される。洗浄液と気体との間に仕切り部材が介在することで、洗浄液がポンプ室に逆流することなく、また圧縮された気体がノズルから噴出されることなく、使用することができる。
【0007】
本考案の携帯用局部洗浄器は、前記本体は、該本体外から前記開放弁を操作する操作部材をさらに有することを特徴とする。
【0008】
これによれば、操作部材を用いて本体外から開放弁を操作することができる。
【0009】
本考案の携帯用局部洗浄器は、前記本体は、前記ポンプ室に気体を圧縮して送るポンプをさらに有することを特徴とする。
【0010】
これによれば、ポンプを用いることでポンプ室に圧縮された気体を貯えることができる。
【0011】
本考案の携帯用局部洗浄器は、前記本体は、該本体外に前記ポンプ室の気体を抜くための開放弁をさらに有することを特徴とする。
【0012】
これによれば、携帯用局部洗浄器の使用後に気体を抜くことができる。
【0013】
本考案の携帯用局部洗浄器は、前記本体は、前記タンクに前記洗浄液を給液するための開閉可能な給液口を有することを特徴とする。
【0014】
これによれば、タンク室に洗浄液を給液することができる。
【0015】
本考案の携帯用局部洗浄器は、前記本体に可動に固定され、前記ノズルを覆うカバーをさらに備える。
【0016】
これによれば、携帯時にノズルをカバーして携帯用局部洗浄器を携帯することができる。
【考案の効果】
【0017】
本考案の携帯用局部洗浄器によれば、洗浄液が漏れることなく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1(A)〜(E)は、それぞれ、本実施形態に係る携帯用局部洗浄器の構成を示す上面図、底面図、正面図、側面図、及び背面図である。
【図2】図2(A)〜(C)は、それぞれ、本実施形態に係る携帯用局部洗浄器の内部構成を示す図1(D)の基準線AAに関する断面図、図1(A)の基準線BB及びCCに関する断面図である。
【図3】図3は、キャップを空けた使用時の状態における携帯用局部洗浄器の内部構成を示す図1(A)の基準線BBに関する断面図である。
【考案を実施するための形態】
【0019】
以下、本考案の一実施形態について、図1〜3を用いて説明する。
【0020】
図1に、本実施形態に係る携帯用局部洗浄器1の構成を示す。図1(A)〜(E)は、それぞれ、上面図、底面図、正面図、側面図、及び背面図である。図2に、携帯用局部洗浄器1の内部構成を示す。図2(A)〜(C)は、それぞれ、図1(D)の基準線AAに関する断面図並びに図1(A)の基準線BB及びCCに関する断面図である。
【0021】
携帯用局部洗浄器1は、本体2(仕切り板2fを含む)、ノズル3、及びカバー4から構成される。
【0022】
本体2は、2つの容器2a,2bから構成される。
【0023】
容器2aは、底面が開いた円筒状の形状を有する。ここで、容器2aの底に上面に円環状の凸部が形成された蓋部材2a1を嵌入することにより、容器2aの内部が間隙なく密封される。それにより、容器2aの内部が洗浄水を貯えるタンク室の役割を果たす。
【0024】
容器2aには、2つの開口が設けられている。1つ目の開口(給水口)は、容器2aの上面の一側(前面側)に設けられている。給水口には、手指で開閉可能な開閉部材2a2が取り付けられている。携帯用局部洗浄器1を使用する際に、後述するようにカバー4を開け、開閉部材2a2を開けて、給水口から容器2a内に洗浄水を入れることができる。
【0025】
2つ目の開口は、容器2aの側面に設けられ、容器2a内のタンク室と後述する容器2b内のポンプ室とを連通する。この開口には、開放弁(不図示)が取り付けられている。この開口の役割については後述する。
【0026】
容器2aの内部には、可動式の仕切り板2fが含まれる。仕切り板2fは、円管状の部材とその内部の一端側(後述するノズル3側)に固設された円板状の部材とから構成される。円管状の部材は、容器2aの内径にほぼ等しい又は若干小さい外径を有する。それにより、仕切り板2fは、容器2a内の空間を一側(後述するノズル3側)の空間2a3と他側(上述の2つ目の開口側)の空間2a4とに仕切るとともに、容器2a内を一側と他側との間で移動することができる。
【0027】
容器2bは、正面側の側面及び底面が開いた角柱形状を有する。容器2bの2つの側面の先端(開放端)には、内向きのテーパ面が形成されている。その2つのテーパ面を互いに背向する容器2aの側面の一側と他側にそれぞれ当接し、容器2bの上面の先端を容器2aの上面上に重ね、容器2bの側面と容器2aの側面との間に底板2cを入れて、溶接、接着等を施すことで、本体2が一体的に形成される。それにより、容器2bが圧縮された気体(空気)を貯えるポンプ室の役割を果たす。
【0028】
容器2bには、3つの開口が設けられている。1つ目の開口は、容器2bの上面に設けられている。開口には、逆止弁(不図示)を介して圧縮ポンプ2dが取り付けられている。携帯用局部洗浄器1を使用する際に、圧縮ポンプ2dを用いて、容器2b外から気体(空気)を圧縮して容器2b内に入れることができる。逆止弁(不図示)により、容器2b内の気体は漏れることなくその内部に貯えられる。
【0029】
なお、圧縮ポンプ2dを着脱可能に取り付けることとしてもよい。すなわち、逆止弁(不図示)のみを容器2bの1つ目の開口に設け、使用時に、携帯用局部洗浄器1と独立に構成される圧縮ポンプを開口に取り付けて容器2b内に気体(空気)を圧縮して入れ、気体を入れた後、圧縮ポンプを取り外す構成を採用することもできる。また、圧縮ポンプに限らず、圧縮された気体(例えば酸素等)が封入されたガスボンベを開口に取り付けて、容器2b内にその気体を入れる構成を採用することもできる。
【0030】
2つ目の開口は、容器2bの底板2cの一側に設けられている。開口には、開放弁2c1が取り付けられている。使用後、開放弁2c1を開けて容器2b内の圧縮された気体を抜き、気体が抜けた状態で携帯用局部洗浄器1を携帯することができる。
【0031】
3つ目の開口は、容器2bの側面に形成された凹部2e0内に設けられている。開口には、先述の容器2aと容器2bとを連通する開口に設けられた開放弁(不図示)の開閉を操作する操作部材2eが取り付けられている。
【0032】
操作部材2eは、容器2b(凹部2e0)外に突出するボタン部2e1と、ボタン部2e1を付勢するスプリング(不図示)と、ボタン部2e1と開放弁(不図示)とを連接する連接部2e2とを有する。手指を用いてボタン部2e1を凹部2e0内に押すことにより連接部2e2を介して開放弁(不図示)が開けられ、容器2aの開口が開放される。ボタン部2e1から手指を離すと、スプリング(不図示)の付勢によりボタン部2e1が凹部2e0外に戻り、連接部2e2を介して開放弁(不図示)が閉じられ、容器2aの開口が閉じられる。
【0033】
ノズル3は、本体2の上面に着脱可能に取付けられている。詳細には、容器2aの上面と容器2bの上面とを連通して形成された開口に逆止弁(不図示)を介してその基端部が取り付けられている。ノズル3は、例えばゴム等から構成される可撓性のチューブである。なお、後述するカバー4の開閉に伴って屈曲可能に構成されていれば、その材質、構成の詳細は特に限定されない。
【0034】
カバー4は、略半球状の形状を有し、本体2の上面に固設された支持部材4aに回転軸4bを中心に回転可能に取り付けられている。携帯時には、カバー4を閉じることで、その内側にノズル3を収容する(図1及び図2参照)。使用時には、回転軸4bを中心に回転してカバー4を開けることで、ノズル3の先端をカバー4外に向ける(図3参照)。
【0035】
携帯用局部洗浄器1の使い方を説明する。図3に、使用時における携帯用局部洗浄器1の内部の状態を示す。
【0036】
携帯用局部洗浄器1を使用するに先立って、カバー4を開けて開閉部材2a2を出し、開閉部材2a2を開けて給水口から洗浄水を容器2a内に入れる。これにより、図3に示すように、仕切り板2fにより仕切られた容器2a内の空間2a3に洗浄水が充填される。充填後、開閉部材2a2を閉じ、カバー4を閉じて、携帯用局部洗浄器1を携帯する。なお、使用する直前に洗浄水を容器2a内に入れることとしてもよい。
【0037】
使用する際には、まず、カバー4を閉じた状態において、圧縮ポンプ2dを用いて気体(空気)を圧縮して容器2b内に入れる。これにより、容器2b内に圧縮空気が充填される。容器2b内に充填される圧縮空気の気圧は、仕切り板2fに加わる圧力(後述)に等しい。通常は、ノズル3の径が1mm程度であり、該気圧は1.5気圧程度で十分に局部洗浄可能である。しかし、局部に当たる水圧の強弱は使用者の好みがある。使用者は、自己の好みに応じて容器2b内に充填される圧縮空気の気圧を変えることができ、局部に当たる水圧の強弱を調整することができる。
【0038】
次に、カバー4を開け、本体2を握持してノズル3の先端を局部に向ける。
【0039】
次に、手指により操作部材2eのボタン部2e1を押す。それにより、連接部2e2を介して開放弁(不図示)が開き、仕切り板2fにより仕切られた容器2a内の空間2a4と容器2b内の空間とが開口を介して連通する。その結果、図3に矢印を用いて示すように、容器2b内の圧縮空気が開口を介して空間2a4に移動する。空間2a4内に圧縮空気が充填されることで、仕切り板2fに白抜き矢印の方向の圧力が加わり、ノズル3側に向かって移動する。仕切り板2fが移動することで、空間2a3内に充填された洗浄水が、黒塗り矢印を用いて示すように、ノズル3の先端から噴出される。それにより、局部が洗浄される。
【0040】
洗浄終了後、ボタン部2e1から手指を離すことで、開放弁(不図示)が閉じ、容器2b内から容器2a内の空間2a4への圧縮空気の移動が止まることで、洗浄水の噴出が止まる。使用後は、カバー4を閉じ、ノズル3をその内側に収容する。さらに、開放弁2c1を開けて容器2b内の圧縮空気を抜いて、携帯用局部洗浄器1を携帯する。
【0041】
以上詳細に説明したように、操作部材2eを操作して容器2aの空間2a4と容器2bの空間とを連通する開口を開放することにより容器2b内の圧縮空気が空間2a4に送られ、送られた気体により仕切り板2fがノズル3側に向かって移動することで空間2a4に貯えられた浄水液がノズル3から噴出される。洗浄液(空間2a3)と圧縮気体(空間2a4)との間に仕切り板2fが介在することで、洗浄液が容器2bに逆流することなく、また圧縮空気がノズル3から噴出されることなく、携帯用局部洗浄器1を使用することができる。
【0042】
なお、本実施形態では洗浄液として水を用いるものとしたが、これに限らず、洗浄用の薬液を含む液体を用いることとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本考案の携帯用局部洗浄器によれば、携帯性に優れるとともに、洗浄液が漏れることなく使用することができる。多くの個人による利用が考えられる。
【符号の説明】
【0044】
1 携帯用局部洗浄器
2 本体
2a,2b 容器
2a2 開閉部材
2d 圧縮ポンプ
2e 操作部材
2f 仕切り板
3 ノズル
4 カバー
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
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