健康・医療
【発明の名称】介護服
【出願人】
【識別番号】308010103
【氏名又は名称】粕谷 智子
【住所又は居所】愛知県北名古屋市高田寺東の川8番地 マーベラス堀場506号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100073287
【氏名又は名称】西山 聞一
【発明者】
【氏名】粕谷 智子
【住所又は居所】愛知県北名古屋市高田寺東の川8番地 マーベラス堀場506号
【要約】
【課題】
着脱し易く、着心地の良い介護服を提供する。
【解決手段】
プルオーバー形式の袖1a付き上衣1において、脇下1e(5e、6e)から裾5f、6fに掛けて前身頃5と後ろ身頃6とを分け隔つ様に脇開き部11を設け、後ろ身頃6において、その側縁に前身頃5の腹部5g上で重ね合わせ保持される腹帯8を延設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プルオーバー形式の袖付き上衣において、脇下から裾に掛けて前身頃と後ろ身頃とを分け隔つ様に脇開き部を設けたことを特徴とする介護服。
【請求項2】
脇開き部を袖下の適所まで延長させ、アームホールを拡開させたことを特徴とする請求項1記載の介護服。
【請求項3】
後ろ身頃において、その側縁に前身頃の腹部上で重ね合わせ保持される腹帯を延設したことを特徴とする請求項1又は2記載の介護服。
【請求項4】
上衣の展開状態の原型は、袖付き前身頃と袖付き後ろ身頃とが、一直線上で連続する袖山及び肩山を境目として前後に連続する一枚生地から成り、前記前身頃と後ろ身頃との袖下のみを縫着したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の介護服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、高齢者・病人など、主に介護が必要な被介護者を対象にした介護服に関する。
【背景技術】
従来、この種の介護服は、多種多様なのものが見受けられる。
例えば、特許文献1には、つなぎ服の前面において、襟元、各足裾の夫々から胸部へ向かってオープンファスナを設けると共に、袖付け寸法を通常より広げた介護服が開示されている。
この介護服では、その着脱に際しては各ファスナを全開し、着用時には袖に腕を通して各ファスナを閉じ、脱衣時には袖から腕を抜き出す。
そして、袖付け寸法が広がっていることで袖への腕の挿脱を容易と成す様に構成している。
【特許文献1】
特開平11−61522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記介護服では、着脱時には、前身頃をオープンファスナにて開放するために、当然に後ろ身頃側に腕を通すアームホールがあるので、着用時では、その着用者の肩に服の肩先を掛けてから袖に腕を通すか、一方の袖に片腕を通してから他方の袖にもう片方の腕を通すしかなく、そのためには腕を上げたり、曲げたりせねばならないし、脱衣時では、着用者の肩を服の肩先から外した上で腕をまわしにくい背後へ伸ばさねばならないから、結局通常の前開きと変わらない動作を余儀なくされ、袖付け寸法を広げて腕を袖に通し易くしても、腕や肩が上がらなかったり、腕を折り曲げることなどが困難な人にとっては、自力で着脱することは難しく、例え介護者による介助があったとしても、肩や腕の筋肉に無理な負担がかかるし、介護者にとっても着脱させるのに熟練を要する作業となるといった課題を有している。
又、オープンファスナが服の身丈に渡って取り付けられているため、肌触りや着心地が悪い欠点も有している。
そこで、本発明では、着脱し易く、着心地の良い介護服を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明の介護服は、頭からかぶって着るプルオーバー形式の袖付き上衣からなり、該上衣において、脇下から裾に掛けて前身頃と後ろ身頃とを分け隔つ様に脇開き部を設けたことを特徴とする。
又、脇開き部を袖下の適所まで延長させ、アームホールを拡開させたことを特徴とする。
又、後ろ身頃において、その側縁に前身頃の腹部上で重ね合わせ保持される腹帯を延設したことを特徴とする。
そして、上衣の展開状態の原型は、袖付き前身頃と袖付き後ろ身頃とが、一直線上で連続する袖山及び肩山を境目として前後に連続する一枚生地から成り、前記前身頃と後ろ身頃との袖下のみを縫着したことを特徴とする。
【発明の効果】
要するに本発明は、プルオーバー形式の袖付き上衣において、脇下から裾に掛けて前身頃と後ろ身頃とを分け隔つ様に脇開き部を設けたので、前身頃と後ろ身頃が繋がっているのが、従前のセーターの様に身頃の裾からではなく、脇下より上方の上身頃となるため、腕と頭を潜らせる身頃寸法を極端に短くできる。
よって、着用に際し、腕を袖に通す時に身頃の裾からでなく、脇下(脇開き部上端)の間に有する上身頃の開口部から腕を前に伸ばして袖に通し、次いで頭を同様に前記開口部から襟ぐりへ通しながら上身頃を下ろすだけで着用でき、腕や肩が上がらない人でも何ら無理な姿勢をとることもなく、簡単容易に着衣でき、寝たきりの人でも、介護者が上半身を起こして上記手順で行えば熟練を要することなくスムーズに着付けできる。
又、脱衣も上記と逆の手順で行うことで、簡単容易に成し得るので、腕や肩が上がらない人や寝たきりの人にとっても、又介護者にとっても、便利この上ない上衣となる。
しかも、診察の際には、前身頃又は後ろ身頃の裾を捲り上げれば、身体の腹部又は背部を容易に露出させられ、診察を受けることができる。
脇開き部を袖下の適所まで延長させ、アームホールを拡開させることにより、上身頃の上記開口部から通した腕の自由度が増し、袖に通した腕が閊えることなく袖に腕をより一層に通し易くなり、着用者や介護者の着脱の負担を極力低減できる。
後ろ身頃において、その側縁に前身頃の腹部上で重ね合わせ保持される腹帯を延設したので、脇開き部を有することによって前身頃と後ろ身頃の下方が捲れることを防止でき、着崩れがなく、着用者の身体にしっくり合わせた着こなしができると共に、腹冷えを防ぐ腹巻としての役割をも果たすことができ、着心地も良い。
そして、診察の際には、前身頃上での腹帯の重ね合わせを解き放し、前身頃又は後ろ身頃の裾を捲り上げれば、身体の腹部又は背部を容易に露出させられ、診察を受けることができる。
上衣の展開状態の原型は、袖付き前身頃と袖付き後ろ身頃とが、一直線上で連続する袖山及び肩山を境目として前後に連続する一枚生地から成り、前記前身頃と後ろ身頃との袖下のみを縫着したので、上衣の作製が極めて容易であると共に、着用時において縫い目が肌に接触し難い箇所のため着心地が良い等その実用的効果甚だ大である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る介護服は、図1に示す様に、頭からかぶって着るプルオーバー形式の袖1a付き上衣1である。
この上衣1はニットや綿など肌触りの良い布地製にして、着用者の膝上辺りに及ぶ身丈を有し、全体的に着用者の体型よりやや大きめのゆとりを有するサイズで以て形成されている。
上衣1の縫成前の展開状態の原型2は、図2に示す様に、一直線上に連続する袖山3及び肩山4を境目(図2において、破線で示す。)としてその前後にT字状の袖5a付き前身頃5とT字状の袖6a付き後ろ身頃6とが連続した一枚生地から成る。
原型2において、肩山4の中央には前身頃5に対し所定の襟前下りを、後ろ身頃6に対し所定の襟後ろ下りを有する襟ぐり7を開設している。
又、後ろ身頃6の左右側縁(図2において二点鎖線で示す。)の夫々には、その脇下6eから裾6fに渡る丈と後ろ身頃6の身幅の半分程度の横幅を有し、且つ前身頃5の腹部5g上で重ね合わせ保持される略方形状の腹帯8を延設しており、各腹帯8の上端には、腹帯8の腹部5g上での重ね合わせ保持手段9としての付け紐を設け、腹部5gの上方中央には各付け紐9を通すループ10を設けている。
そして、上記構成の原型2において、前身頃5と後ろ身頃6との袖下1b(5b、6b)のみを縫着することにより、脇下1e(5e、6e)から裾5f、6fに掛けて前身頃5と後ろ身頃6とを分け隔つ様に脇開き部11を設けて成る上衣1が縫成される。
尚、脇開き部11は、図示例の様に脇下1e(5e、6e)よりも上方の袖下1b(5b、6b)適所まで延長するのが望ましい。
即ち、袖下1b(5b、6b)は、上記の様に袖端(袖口)1c(5c、6c)から脇下1e(5e、6e)へ至る袖下1b(5b、6b)全体を縫着するよりも、着衣に支障ない程度に袖端1c(5c、6c)から脇下1e(5e、6e)上部の脇1d(5d、6d)近傍に渡ってより一層短く縫着するのがより良い(図3参照)。
この様に袖端1c(5c、6c)からの縫着長さが短い袖1aを縫成することにより、袖下1b全体を縫着した場合に比し、図3において二点鎖線で示す様にアームホール12を拡開させられる。
尚、上記保持手段9は、図示例では、腹部5g上で相互に結ぶことで保持される付け紐と成したが、かかる付け紐9に拘らず、腹部5gの左右上で各腹帯8を重ね合わせ保持できれば良いので、例えば付け紐9に代えて各腹帯8の裏側の適所に一方の面ファスナを設け、他方の面ファスナを腹部5g上の適所に設けて各腹帯8を腹部5gに対し着離自在と成す様に成しても良い。
次に、上記介護服の一部を変形した第二実施例を図6〜8に基づき説明する。
この介護服は、上記実施例(以下、第一実施例と称する。)における腹帯8を主に変形したものであり、その他の構成は第一実施例と同様なため、上記と同一又は相当部分には同一の符号を図中に付し説明は省略する。
又、本実施例における腹帯は、第一実施例と同様に左右対称であるが、便宜上左右を区別するために腹帯8、8aとする。
腹帯8、8aは、その基端(図7において二点鎖線で示す。)が後ろ身頃6の左右側縁においてその脇下6eから裾6fに渡る丈を有し、先端へ向かうに従い徐々に丈が短く成る様に先細り三角状に形成されている。
腹帯8、8aの幅(基端から先端までの長さ)は、後ろ身頃6の身幅と同幅又は図示例の様にその身幅より若干短く設定し、前身頃5の腹部5g上で右側の腹帯8、左側の腹帯8aの順で交互に重ね合わせる様に成している。
このため、腹帯8、8aの夫々に付随する保持手段9、9a…としての付け紐は次の様に構成される。
即ち、各腹帯8、8aの先端に付け紐9、9aを設け、右側腹帯8先端の付け紐9と結ばれる付け紐9bを左側腹帯8aの裏側基端中央に設け、左側腹帯8a先端の付け紐9aと結ばれる付け紐9cを右側腹帯8の表側基端中央に設け、図8に示す様に着衣する。
尚、上記保持手段9、9a…は、第一実施例と同様に、図示例の様な付け紐9、9a…に代えて面ファスナを腹部5gや腹帯8、8aの適所に取付けて腹帯8、8aを腹部5g上で交互に重ね合わせ保持する様に成しても良い。
又、本実施例では、後ろ身頃6の裾6fを前身頃5の裾5fより長くしているが、両身頃5、6の丈を第一実施例と同様に同長と成しても良く、逆に第一実施例における両身頃5、6の丈を本実施例の様に後ろ身頃6の方を長くする様にしても良い。
上記の様に構成された介護服にあっては、前身頃5と後ろ身頃6が繋がっているのが、従前のセーターなどのプルオーバーの様に身頃の裾からではなく、図3にも示す様に、脇下1eより上方(図示例では脇1dより上方)の上身頃1Aとなるため、腕と頭を潜らせる上身頃1Aの身頃寸法(肩山4から脇1dまでの丈)が極端に短くなると共に、アームホール12を拡開させられる。
よって、着用に際しては、腕を袖1aに通す時に上衣1の裾5f、6fからでなく、脇開き部11の上端となる脇1d間に有する上身頃1Aの開口部Mから拡開したアームホール12を介して腕を曲げたり上げたりすることなく単に前に伸ばして袖1aに通し、次いで頭を同様に開口部Mから襟ぐり7へ通しながら上身頃1Aを下ろすだけで上衣1を纏える。
又、腕がアームホール12を通る時には、これが通常よりも拡開しているので、腕の自由度が増し、袖1aに通した腕が閊えることなく袖口1cまで抵抗なくスムーズに通ずるので、途中で腕を曲げる必要もない。
次いで、第一実施例のものでは、前身頃5の腹部5g上に左右の腹帯8を重ね合わせると共に、ループ10に左右の付け紐9を通して該付け紐9を結ぶことにより、着衣を完了する(図4参照)。
又、第二実施例のものでは、前身頃5の腹部5g上で先ず右側腹帯8を重ね合わせ、その先端の付け紐9と左側腹帯8a裏側の付け紐9bとを結んで重ね合わせ保持し、次いで右側腹帯8上で左側腹帯8aを重ね合わせ、その先端の付け紐9aと右側腹帯8表側の付け紐9cとを結び、着衣を完了する(図8参照)。
尚、いずれの介護服も脱衣は、上記と逆の手順で行うことで成し得る。
上記の様に着用された介護服は、縫着箇所が着用時において肌(腕)の接触し難い袖下1bのみであるため、その縫い目が肌に常時触れて気になることが少なく着心地が良い。
又、上衣1は、脇開き部11を有することで、前身頃5の腹部5g及び後ろ身頃6の背部6gが捲り易くなっているが、後ろ身頃6の左右より延設された腹帯8、8aが前身頃5の腹部5g上に重ね合わせ保持されるため、腹部5g及び背部6gが乱れることを防止して身体にフィットさせられると共に、着用者の腹部には、前身頃5の腹部5g上に、第一実施例のものでは、左右の腹帯8とで二層に重ね合わされ、第二実施例のものでは、左右の腹帯8、8aが中央で打合されることで三層に重ね合わされ、腹冷えを防いでいる。
又、後ろ身頃6の背部6gが、着用者の臀部を覆って腰の冷えを防いでいる。
そして、診察の際には、付け紐9、9a…の結びを解いて前身頃5上での腹帯8、8aの重ね合わせを解き放し、前身頃5又は後ろ身頃6の裾5f、6fを持って腹部5g又は背部6gを捲り上げれば、着用者の腹部又は背部を露出させて診察を受けられる(図5参照)。
【図面の簡単な説明】
【図1】介護服の正面図である。
【図2】介護服の原型の展開図である。
【図3】後ろ身頃を捲り上げた状態の介護服の背面図である。
【図4】着衣状態を示す正面図である。
【図5】診察時の着衣状態の一例を示す正面図である。
【図6】第二実施例を示す正面図である。
【図7】同上原型の展開図である。
【図8】同上着衣状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 上衣
1b(5b、6b) 袖下
1e(5e、6e) 脇下
5 前身頃
5f、6f 裾
5g 腹部
6 後ろ身頃
8、8a 腹帯
11 脇開き部
12 アームホール
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
介護服 商品WEBページ
http://www.rakuten.co.jp/ichidou/