健康・医療
【発明の名称】木製健康器具、及びその製造方法
【出願人】
【識別番号】303000475
【氏名又は名称】有限会社ドゥー
【住所又は居所】三重県津市大字垂水11番地8
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100108280
【氏名又は名称】小林 洋平
【発明者】
【氏名】岡山 大成
【住所又は居所】三重県津市大字垂水11番地7
【氏名】瀧井 康朗
【住所又は居所】三重県名張市矢川982
【要約】
【課題】
使用感の良好な木製健康器具を提供すること、及びそのような木製健康器具の製造方法を提供すること。
【解決手段】
木製健康器具1〜3は、少なくとも二個以上のものを掌内に収めた状態で手指の運動によって、適当に動かすことができる。この木製健康器具1〜3は、ヒノキ材を切削加工することにより形成されており、その寸法は、約8mm〜約30mmの間に設定されている。また木製健康器具1〜3において、隣り合う面の交線部分の角部4、及び頂点部5は、R状とされている。なお、木製健康器具3のうちの少なくとも一面(一面のみ、または二面以上の多面でも可)には、焼き印6が施されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二個以上のものを掌内に収めた状態で手指の運動によって、適当に動かすことの可能な大きさの多面体からなるものであって、隣り合う面の交線部分の角部がR状とされていることを特徴とする木製健康器具。
【請求項2】
請求項1に記載の木製健康器具を製造する方法であって、角部を備えた角柱状の角柱材を押し込み可能、かつ前記角部に対応する位置に切断部材を設けた押し込み孔部に前記角柱材を押し入れることにより、角部を削る角部切削工程を含むことを特徴とする木製健康器具の製造方法。
【請求項3】
前記角部切削工程の後に、ほぼ前記木製健康器具の大きさとなった木材の複数個を研磨空間内に収容し、前記研磨空間を所定の方向に回転させる回転研磨工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の木製健康器具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木製健康器具、及びその製造方法に関するものである。
【従来の技術】
従来より、手の平の内側に握り込みながら、気分転換・健康増進・握力向上等の機能を持たせた健康器具が知られている。例えば、特許文献1には、二つの球形状の部材間を連結部材で連結し、その球形状部材の外表面に適当数のピンを立設したものが開示されている。
【特許文献1】
特開平10−137320号公報
【特許文献2】
特開平7−256611号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の健康器具は、構造が複雑であり生産に手間がかかる。また、このような健康器具に用いる材料としては、特に木製のものが人体に対して馴染みやすく、使用感も良好である。しかしながら、単に木材を適当な大きさにカットしただけでは、角部分が尖ったり、小さな棘が残っていることから、健康器具として用い難い。これを回避するには、木材をカットした後に、角部分を丸く仕上げる必要があるが、手作業でヤスリをかける製造方法では、効率が悪く生産性に乏しい。
特許文献2には、角部分を丸くした木材玩具の製造方法が開示されている。この製造方法は、木材片に加熱蒸気を噴射して軟化させた状態で、プレス加工するものである。しかし、この製造方法では、蒸気によって木材そのものの香りが蒸発・変化してしまうことも懸念されるため、特にヒノキ等の芳香を大事にしたい場合には、好ましい方法であるとは言い難い。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用感の良好な木製健康器具を提供すること、及びそのような木製健康器具の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段、発明の作用、及び発明の効果】
上記の課題を解決するために第1の発明に係る木製健康器具は、少なくとも二個以上のものを掌内に収めた状態で手指の運動によって、適当に動かすことの可能な大きさの多面体からなるものであって、隣り合う面の交線部分の角部がR状とされていることを特徴とする。
「木製健康器具」の材料としては、スギ、ヒノキ、ケヤキ等の木材を用いることができるが、特にヒノキを用いることが好ましい。ヒノキは、日本では古来より高級な浴槽の材料に使用されており、その香りが好まれている。また、質感としても良好であることから、本発明の木製健康器具の材料として好適である。
「少なくとも二個以上のものを掌内に収めた状態で互いに動かすことの可能な大きさ」とは、平均的な日本人が用いる場合には、一辺が、約8mm〜約60mmの範囲で構成することが好ましく、更に約8mm〜約30mmの範囲で構成することが好ましい。そのような大きさであれば、複数個(例えば、2個〜5個)のものを掌内に保持しつつ、指を動かすことにより、互いの位置を変更させることが可能である。
「多面体」とは、少なくとも四面を備えた立体を意味しており、好ましくは六面体、更に好ましくは平行六面体、更にさらに好ましくは直方体である。また、多面体が平行六面体(或いは直方体)である場合には、互いにほぼ同じ長さを備えた三対の辺(縦・横・奥行)のうち、少なくとも一対の辺長は、残りの二対の辺長とは異なっていることが好ましい(つまり、三対の辺の長さが互いに等しい立方体ではない方が好ましい)。本発明者らの研究によれば、全ての辺長が等しい立方体に比べると、互いに辺長が異なる立体のほうが、指の運動に好ましいように感じられるためである。
「R状」とは、隣り合う面の交線部分の角部が、手指に当たったときに痛みを感じない、或いは怪我などを起こさない程度に丸みが付けられているという形状を意味する。更に、隣り合う線の交点部分である頂点部をR状とすることが好ましい。
第1の発明によれば、複数の木製健康器具を掌内に収めた状態で、例えば、互いの位置を動かすといった手指の運動を行うことにより、気分転換・健康増進・握力向上等の機能を発揮することができる。また、角部はR状とされているので、安全に使用することができる。また、木製健康器具には、平面部分が残されているので、ここに屋号等の焼き印を施すこともできる。そのようにすれば、高級感を醸し出すこともできる。
第2の発明は、第1の発明に記載の木製健康器具を製造する方法であって、角部を備えた角柱状の角柱材を押し込み可能、かつ前記角部に対応する位置に切断部材を設けた押し込み孔部に前記角柱材を押し入れることにより、角部を削る角部切削工程を含むことを特徴とする。
第2の発明によれば、木材を角柱状の角柱材として加工しておき、これを押し込み孔部に押し入れる。押し込み孔部において、角柱材の角部に対応する位置には、切断部材が設けられているので、角柱材が押し込み孔部を抜ける間に角部が削り取られる。なお、角柱部材は、(1)予め木製健康器具の大きさに切断したものを角部切削工程にかけても良く、また(2)角部切削工程を経た角柱部材を木製健康器具の大きさに切断してもよい。
第3の発明は、第2の発明において、前記角部切削工程の後に、ほぼ前記木製健康器具の大きさとなった木材の複数個を研磨空間内に収容し、前記研磨空間を所定の方向に回転させる回転研磨工程を含むことを特徴とする。
第3の発明によれば、ほぼ木製健康器具の大きさとなった木材を回転研磨することにより、互いの角部が研磨され、更にR状とすることができる。なお、本発明において、研磨空間を形成する部材としては、木製であることが好ましい(更に、木製健康器具と同じ材質であることが好ましい)。そうすれば、回転研磨工程中に、木製健康器具に他の材質(例えば、金属材など)の臭いが付着する事態を回避して、良質な木製健康器具を提供することができる。
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
<木製健康器具の構成>
図1には、本実施形態における木製健康器具1〜3の斜視図を示した。この木製健康器具1〜3は、少なくとも二個以上のものを掌内に収めた状態で手指の運動によって、適当に動かすことができる。例えば、掌内の木製健康器具1〜3のうちの任意の一つを回転運動させたり、複数のものの位置を互いに移動させるように動かすことができる。
木製健康器具1〜3は、ヒノキ材を切削加工することにより形成されている。各木製健康器具1〜3は、ほぼ直方体とされており、その縦・横・奥行寸法は、図示左上のもの(符号1)がそれぞれ約15mm、約15mm、約30mm、右上のもの(符号2)がそれぞれ約12mm、約15mm、約25mm、中央下のもの(符号3)がそれぞれ約8mm、約23mm、約25mmである。なお、各寸法は、本発明の単なる実施例であり、様々な寸法のものを組み合わせて製造することができることは勿論である。
各木製健康器具1〜3において、隣り合う面の交線部分の角部4及び、頂点部5は、R状とされている。また、木製健康器具3のうちの少なくとも一面には、焼き印6が施されている。この焼き印6は、一面または二面以上の多面に設けることができる。
上記のような木製健康器具1〜3を製造するには、ヒノキ材を適当な大きさの木片とした後に、角部4及び頂点部5をR状に形成する。この製造工程においては、もちろん全体を手作業で製造することもできるが、次のような治具を用いることが生産性等の点で好ましい。
<角部切削用治具の構成及び作用>
図2〜図4を参照しつつ、角部切削用治具7の構成について説明する。角部切削用治具7には、基台部8と、この基台部8の溝部9に装着されるカッター10(本発明における切断部材に該当する)とが設けられている。図2中には、図示の都合上、一枚のカッター10のみを示したが、実際には溝部9の本数に併せて、四枚のカッター10が装着されている。
基台部8は、例えば略角柱状の木材から構成されている。基台部8におけるほぼ中央には、表裏両面に貫通する押し込み孔部11が開放されている。この押し込み孔部11の孔径は、木製健康器具において、削るべき角部を備えた平断面よりも僅かに大きな略長方形状とされている。また、押し込み孔部11が開放する面のうちの一つの面側(図2に示す面側)には、押し込み孔部11の四隅付近を横切るようにして、四本の溝部9が設けられている。各溝部9は、基台部8の側端面12に開放されている。また、溝部9は、側端面12の高さ方向のほぼ中央付近にまで設けられており、その深さは、カッター10の高さ寸法の二倍以上とされている。
カッター10は、切断刃を溝部9の開放面側に向けて、各溝部9に装着されている。また、四本のカッター10は、まず互いにほぼ並行するように走る一対の溝部9のそれぞれカッター10が装着された後に、残りの二本の溝部9にカッター10が装着される。こうして、四本のカッター10は、四本の溝部9について、二段に積み重ねて配置されている。
図4には、角部切削用治具7を用いて、角柱材13の角部4を削る操作(角部切削工程)を示したものである。角柱材13は、木製健康器具1〜3を製造する途中のものであり、木材を所定の平断面を備えた角柱状に形成した後に、適度な長さに切断した木片である。角柱材13の角部4は、ほぼ直角状とされており、このままでは木製健康器具1〜3として用いるには、必ずしも適当ではない。
この角柱材13を角部切削用治具7の押し込み孔部11に押し入れると、その押し込み操作に伴って、角部4がカッター10によって切削される。角柱材13を反対面側の押し込み孔部11から押し出すと、角部4全体がR状に成形される。
<回転研磨機の構成及び作用>
次に、図5及び図6を参照しつつ、回転研磨機14の構成について説明する。回転研磨機14には、最終工程前までに形成された木製健康器具1〜3を収容可能な樽部15と、この樽部15を支える支持台部16と、この支持台部16の下方に設けられたモータ17と、同じく支持台部16において樽部15の下方に設けられた器具取出用坂部18とが設けられている。
樽部15は、そのほとんどが木材によって構成されたものであり、内部は中空状の研磨空間19とされている。なお、樽部15を構成する材質としては、金属・木材等を用いることができるが、好ましくは木材を用いる。本実施形態では、木製健康器具1〜3の材質には、芳香を重要な要素とするヒノキ材を用いたため、金属で樽部15を構成した場合には、このヒノキ材に金属臭が付着することが懸念されるためである。また、更に好ましくは、木製健康器具1〜3を構成する木材によって構成する。
より詳細には、樽部15は、それぞれ軸部20を備えた一対の端部板21と、両端部板21の間を架橋するようにして設けられた側部板22とから形成されている。樽部15は、モータ17とベルト28を介して接続されており、モータ17の回転によって、軸部20を回動中心として、図6中の矢印A方向(或いは、逆方向)に回転することができる。
端部板21の一面側(互いに対向する面側)には、軸部20と同心位置に、正八角形状の補助板23が取り付けられている。側部板22は、補助板23の正八角形の一辺とほぼ等しい長さの幅長を備えている。各側部板22は、両端部板21に設けられた補助板23の各辺に接触させつつ取り付けられている。八枚の側部板22のうち、七枚は両端部板21及び補助板23に対して固定されている。また、残りの一枚の開閉用側部板22Aは、隣接する側部板22に対してヒンジ部材26によってヒンジ止めされており、図中の矢印Bの方向に回転移動することができる。また、開閉用側部板22Aにおいて、ヒンジ部材26が設けられている端部とは逆の端部には、固定部材25が設けられている。この固定部材25は、隣接する側部板22に設けられた固定部材24と互いに係合することができる。樽部15の研磨空間19に対して、木製健康器具1〜3を出し入れするには、固定部材24,25の係合を解除し、開閉用側部板22Aを開けて、出入口部27を開放した状態としておく。また、木製健康器具1〜3の回転研磨を行う際には、固定部材24,25を係合して、出入口部27を閉止しておく。
また、側部板22,22Aには、木製健康器具1〜3よりも小径の開孔29が設けられている。この開孔29は、側部板22,22Aの幅方向のほぼ中央位置に、長さ方向(両端部板21を架設する方向)に沿って均等に配置されている(より詳細には、図示3個のものが、均等位置に設けられている)。開孔29は、側部板22,22Aを厚さ方向に貫通している。回転研磨機14が研磨作業を行うと、研磨空間19内には、熱がこもってくる(例えば、本実施形態の回転研磨機14では、約1時間程度の研磨作業が継続される)。開孔29は、この熱を外部に放出することができる。特に、木製健康器具1〜3の材料として、ヒノキ材を用いた場合には、熱によって芳香が落ちる事態が懸念される。このため、研磨空間19内に熱をこもらせないことによって、良質な木製健康器具1〜3を提供することができる。また、これに加えて、研磨作業の進行に伴って、研磨空間19内には、木製健康器具1〜3からの研磨屑が溜まってくる。余りに研磨屑が溜まりすぎると、木製健康器具1〜3の研磨作業が良好に行われない事態も発生し得る。開孔29は、研磨中に発生した研磨屑を研磨空間19から外部に排出する機能も有している。
ほぼ木製健康器具1〜3の大きさまで形成した木材を、上記回転研磨機14の研磨空間19内に投入して、モータ17を駆動することにより、ベルト28を介して樽部15が所定の方向に回転され、木製健康器具1〜3の回転研磨がなされる(回転研磨工程)。このとき、各木製健康器具1〜3は、他の木製健康器具1〜3及び側部板22と衝突することにより、角部4及び頂点部5が研磨され、さらに滑らかなR状となる。
なお、回転研磨後の木製健康器具1〜3を研磨空間19から取り出すには、固定部材24,25の係合を外し、開閉用側部板22Aを回して出入口部27を開放し、出入口部27が下方を向くようにして樽部15を回す。このとき出入口部27から落ちた木製健康器具1〜3は、器具取出用坂部18を転がり落ちるので、所定の位置に受け皿(図示せず)などを配置しておけばよい。
このように本実施形態によれば、木材を角柱状の角柱材13として加工しておき、これを角部切削用治具7の押し込み孔部11に押し入れる。押し込み孔部11において、角柱材13の角部4に対応する位置には、カッター10が設けられているので、角柱材13が押し込み孔部11を抜ける間に角部4が削り取られて、R状となる(角部切削工程)。
次いで、ほぼ木製健康器具1〜3の大きさに加工された木材を回転研磨機14の研磨空間19内に投入した後に、回転研磨することにより、互いの角部4が研磨され、R状とすることができる。本実施形態では、研磨空間19を形成する部材は木製であるため、回転研磨工程中に木製健康器具1〜3に他の材質(例えば、金属材など)の臭いが付着する事態を回避して、良質な木製健康器具1〜3を提供することができる。
また、本実施形態の木製健康器具1〜3の複数個を掌内に収めた状態で、例えば、互いの位置を動かすといった手指の運動を行うことにより、気分転換・健康増進・握力向上等の機能を発揮することができる。また、木製健康器具1〜3の角部4はR状とされているので、安全に使用することができる。また、木製健康器具1〜3には、平面部分が残されているので、ここに屋号等の焼き印6を施すことにより、高級感を醸し出したり、広告として用いることもできる。
また、木製健康器具1〜3は、ヒノキ材から構成されているので香りも良く、質感も良好なものが提供される。更に、木製健康器具1〜3の寸法は、三対の辺(縦・横・奥行)のうち、少なくとも一対の辺長は、残りの二対の辺長とは異なっているので、全ての辺長が等しい立方体よりも、指の運動にとって好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における木製健康器具の斜視図である。
【図2】角部切削用治具の分解斜視図である。
【図3】角部切削用治具の平面図である。
【図4】角部切削用治具の押し込み孔部に角柱材を押し入れたときの斜視図である。
【図5】回転研磨機の全体斜視図である。
【図6】角筒体の内部を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2,3…木製健康器具
4…角部
5…頂点部
10…カッター(切断部材)
11…押し込み孔部
13…角柱材
19…研磨空間
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】