健康・医療
【発明の名称】立体型マスク
【出願人】
【識別番号】509184302
【氏名又は名称】清水 千代子
【住所又は居所】千葉県長生郡長生村七井土1577−8
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100124316
【氏名又は名称】塩田 康弘
【発明者】
【氏名】清水 千代子
【住所又は居所】千葉県長生郡長生村七井土1577−8
【要約】(修正有)
【課題】
1枚の連続したシートに複数の谷折り線と山折り線が中心線方向に交互に入れられ、端部寄りの位置で綴じられる立体型マスクにおいて、マスクを使用状態にしたときに、両端部以外の部分が湾曲状態となり、両端部の部分が頬に密着した状態を維持することを可能にする。
【解決手段】
1枚の連続したシート2に中心線Cに関して対称に山折りと谷折りの複数の折り曲げ線が中心線C方向に交互に入れられ、中心線Cに垂直な長さ方向両端部において綴じられる立体型のマスクにおいて、全折り曲げ線の内、中心線C方向に隣接し、少なくとも対となる2本の折り曲げ線を、シート2を表面側から見たとき、中心線Cに垂直な垂直線Nに関し、シート2の中心線C方向の一方側に傾斜させ、対となる2本の折り曲げ線で囲まれた帯状領域5における中心線C上の長さL0を、長さ方向両端部の中心線Cに平行な直線の長さL1より小さくする(L0<L1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の連続したシートに対し、そのシートの中心線に関して対称に山折りと谷折りの複数の折り曲げ線が前記中心線方向に交互に入れられ、前記シートが前記中心線に垂直な長さ方向両端部において綴じられることで、立体形状に形成される立体型マスクであり、
前記全折り曲げ線の内、前記中心線方向に隣接し、少なくとも対となる2本の折り曲げ線は前記シートを表面側から見たとき、前記中心線に関して対称で、且つ前記2本の折り曲げ線の内の少なくともいずれか一方は前記中心線に垂直な垂直線に対して前記シートの中心線方向の一方側に傾斜し、
前記対となる2本の折り曲げ線で囲まれた帯状領域における中心線上の長さは、長さ方向両端部の中心線に平行な直線の長さより小さく、
前記シートの折り畳み時に前記帯状領域はその上下に形成される前記帯状領域以外の領域間に折り込まれ、前記帯状領域以外の領域の背面側に回り込んで重なっていることを特徴とする立体型マスク。
【請求項2】
中心線上の長さが長さ方向両端部の中心線に平行な直線の長さより大きい中間領域が前記帯状領域に隣接していることを特徴とする請求項1に記載の立体型マスク。
【請求項3】
前記帯状領域と前記中間領域は前記中心線方向に交互に配列していることを特徴とする請求項2に記載の立体型マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は1枚の連続したシートに谷折りと山折りの複数の折り曲げ線が中心線方向に交互に入れられ、シートの中心線に垂直な長さ方向の端部寄りの位置で綴じられることにより使用時に立体形状に形成される立体型マスクに関するものである。
【背景技術】
1枚の連続したシートに長さ方向を向いた谷折りと山折りの複数の折り曲げ線が中心線方向に交互に入れられ、使用時に立体形状に形成される立体型のマスクは、シートが谷折りの折り曲げ線(谷折り線)と山折りの折り曲げ線(山折り線)の位置で交互に折り畳まれた状態で、中心線から最も遠い、長さ方向両端部位置の、中心線に平行な縁部分で綴じられる(縫合される)ことにより完成する(特許文献1〜3参照)。
マスクを構成するシートの全体は谷折り線と山折り線が中心線方向に交互に入れられることで、中心線に垂直な(直交する)方向である長さ方向に連続し、中心線方向に一定の幅を持った帯状領域に区分される。
マスクの完成状態では、シートは長さ方向に見た断面上、長さ方向に連続し、中心線方向に一定の幅を持った帯状領域単位で中心線方向にジグザグ状に折り畳まれ、長さ方向の端部位置において綴じられるため、マスクを表面側から見たときには、中心線方向に一定の幅を持った帯状領域が長さ方向に連続して配列した形になる(特許文献3の図1)。
この形状から、マスクの使用時には、端部が綴じられたまま、折り畳まれているシートの中心線寄りの部分が中心線方向両側に引っ張られ、拡張させられることにより、隣接する折り曲げ線で囲まれた帯状領域が紙風船状に膨らみ、使用状態で立体的な形状を維持する(特許文献3の図2)。シートの中心線寄りの部分が膨らむことに伴い、長さ方向両端部がシートの背面側へ反り、背面側において互いに接近する向きに、中心線に関して対称に折り曲げられようとし、端部寄り以外の部分の表面側が凸となるように湾曲する。
このようにシートの中心線方向に区分された各帯状領域が中心線方向に一定の幅を持って長さ方向に連続した帯状に配列する結果として、使用時に立体的な形態を維持できるため、この種のマスクは1枚のシートに対して中心線に垂直な折り曲げ線を平行に入れておくだけで、使用時に長さ方向両端部以外の部分を湾曲させることができ、立体形状に形成する上での製作性がよい利点がある。
但し、シートの中心線付近は顔面の中で最も高さの大きい鼻の部分に位置するのに対し(特許文献2の図8)、中心線から最も遠い両端部寄りの部分は高さの小さい口の脇(頬)の部分に位置するため、鼻の部分では各領域が中心線方向に拡張するのに対し、長さ方向の端部位置では収縮した状態を維持する必要がある。
換言すれば、上記帯状領域は本来、谷折り線と山折り線が互いに平行に配列することで、シートの長さ方向の全長に亘って一様に、中心線方向に拡縮することができる能力を有しているものの、シートの長さ方向両端部位置においては収縮した状態を維持できるようにする必要から、複数の帯状領域が重なった状態で綴じられざるを得なくなっている(特許文献1の図2、特許文献2の図7、特許文献3の図1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
実登第3062095号公報(図2、図3)
【特許文献2】
特開2006−314642号公報(図7、図8)
【特許文献3】
特開2007−61536号公報(図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
複数の折り曲げ線が互いに平行である関係で、シートの中心線寄りの部分はシート全体を中心線に関して対称形になるように(中心線に垂直な垂直線が曲線になるように)湾曲させようとすれば、中心線方向に拡張可能である。一方、シートの長さ方向両端部寄りの部分では複数の帯状領域が重なって綴じられることから、中心線方向の拡張が拘束された状態にあり、中心線方向に自由に伸縮することができない(特許文献3の図2)。
結果的にシートの中心線付近部分はマスクが装着される顔面の形態(凹凸形状)に応じて自由に拡張し、シートの背面側に想定される長さ方向の直線を軸とする回転体形状を形成するように湾曲することができるが、長さ方向両端部寄りの部分は綴じられていることで、中心線寄りの部分の変形に倣い、表面側が凸となるように円弧状に変形しようとする(特許文献2の図8)。
すなわち、マスク(シート)の中心線付近の部分は拡張して湾曲しようとするのに対し、長さ方向両端部は拡張することができないため、中心線付近部分の変形に追従しようとすることで、曲線状にならざるを得ない。結局、従来の立体型マスクではマスクの着用時に長さ方向両端部寄りの部分が円弧状に変形することで、マスクの長さ方向両端部が頬の表面から浮き易く、頬との間に空隙が生じ易いため(特許文献2の図8)、この頬から浮いた端部位置から埃や雑菌の侵入を許容することになる。
本発明は上記背景より、マスクの長さ方向両端部を互いに背面側において接近する向きに折り曲げようとし、マスクを使用状態にしたときに、両端部以外の部分が湾曲状態となりながらも、両端部の部分が頬に密着した状態を維持する形態のマスクを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明の立体型マスクは、1枚の連続したシートに対し、そのシートの中心線に関して対称に山折りと谷折りの複数の折り曲げ線が前記中心線方向に交互に入れられ、前記シートが前記中心線に垂直な長さ方向両端部において綴じられることで、立体形状に形成される立体型マスクにおいて、
前記全折り曲げ線の内、前記中心線方向に隣接し、少なくとも対となる2本の折り曲げ線は前記シートを表面側から見たとき、前記中心線に関して対称で、且つ前記2本の折り曲げ線の内の少なくともいずれか一方は前記中心線に垂直な垂直線に対して前記シートの中心線方向の一方側に傾斜し、
前記対となる2本の折り曲げ線で囲まれた帯状領域における中心線上の長さは、長さ方向両端部の中心線に平行な直線の長さより小さく、
前記シートの折り畳み時に前記帯状領域はその上下に形成される前記帯状領域以外の領域間に折り込まれ、前記帯状領域以外の領域の背面側に回り込んで重なっていることを構成要件とする。
「折り曲げ線がシートの中心線方向の一方側に傾斜する」とは、図9、図10に示すように折り曲げ線が中心線Cに垂直な垂直線Nに対して傾斜することを言う。「中心線方向の一方側」は中心線C方向を高さ方向に向けたときの上側、もしくは下側を指す。折り曲げ線は必ずしも直線である必要はなく、曲線の場合の他、波形(ジグザグ状)の線の場合もある。
図9−(a)、図10−(a)に示すように中心線C方向に交互に配列する山折りの折り曲げ線(山折り線3)と谷折りの折り曲げ線(谷折り線4)は2本で対(一組)になることで、シート2の長さ方向に連続し、中心線C方向に幅を持った帯状領域5を構成する。ここで、図9−(b)、図10−(b)に示すように帯状領域5における中心線C上の長さL0が、長さ方向両端部の中心線Cに平行な直線の長さL1より小さいことで(L0<L1)、帯状領域5の中心線C方向の幅は必ずしも長さ方向には一定にならない。
図1、図2に示すようにシート2を中心線Cに関して対称に、中心線Cが稜線を形成するように(中心線Cを結ぶ線が多角形に近似した形状をなすように)折り曲げようとしたときに、シート2が中心線Cの表面側が凸になるように屈曲、あるいは湾曲するには、後述のように帯状領域5の中心線C上の長さL0が、長さ方向両端部の中心線Cに平行な長さL1以下の大きさであることが条件になる(請求項1)。
「中心線に関して対称に折り曲げる」とは、シート2の背面の長さ方向両端部が互いに接近する向きにシート2を折り曲げることを言う。帯状領域5の中心線C上の長さL0が、長さ方向両端部の中心線Cに平行な長さL1より小さいことは、帯状領域5を構成する山折り線3が図9−(a)に示すように帯状領域5の上側に位置するか、図10−(a)に示すように帯状領域5の下側に位置するかに関係なく妥当する。
帯状領域5はシート2の折り畳み時には後述のように帯状領域5の上下に形成される上部領域6と下部領域7、または隣接する帯状領域5、5間に形成される中間領域8の下側(背面側)に回り込むようにこれらの領域に折り込まれる(図9−(a)、図10−(a))。このことから、中心線Cが稜線を形成するように、中心線Cの表面側が凸になるようにシート2が屈曲、あるいは湾曲(以下、屈曲等)するとは、シート2を長さ方向に(側面から)見たときに、シート2の表面に露出する上部領域6と下部領域7、または中間領域8の表面が凸になるようにシート2の少なくとも一部、またはシート2全体が屈曲等することを言う。
シート2の中心線C上の少なくとも一部が表面側に凸となるようにシート2の少なくとも一部が屈曲等することで、長さ方向両端部が綴じた状態を維持しながらも、中心線C寄りの部分が屈曲等することが可能になる。この結果、シート2全体は長さ方向両端部において綴じられたまま、中心線Cに関して対称に折り曲げられた状態を維持し易くなる。
帯状領域5を上部領域6と下部領域7間、または上部領域6と中間領域8間、及び中間領域8と下部領域7間に折り込みながら、シート2を中心線Cに関して対称に折り畳んだ状態のときに、シート2の両端部が綴じられると、シート2の両端部寄りの部分は綴じられた状態で拘束されるから、シート2の形態は折り畳まれた状態で最も安定する。シート2の折り畳み状態では、表面に露出している上部領域6と下部領域7、または中間領域8の中心線C上の表面が図1、図2に示すように多角形に近似した形状を形成している。
シート2が折り畳まれ、両端部が綴じられた状態で安定することで、シート2を折り畳み状態から開放しようとするときには、多角形を形成している、上部領域6と下部領域7、または中間領域8の中心線C上の表面が直線に近い形状になろうとする。同時に、垂直線Nも直線になろうとするため、上部領域6と下部領域7、及び中間領域8の表面は垂直線N方向に引っ張られようとし、顔面、特に鼻の周辺部分への密着の度合いが高まる。
シート2の折り畳み時、シート2は両端部において図2に示すように下部領域7から上部領域6にかけ、両者間に帯状領域5、または帯状領域5と中間領域8を挟み込みながら、重なって綴じられる。このことから、シート2は両端部において下部領域7と帯状領域5、及び上部領域6、または下部領域7と帯状領域5、及び中間領域8と上部領域6を同時に貫通する、あるいは挟持等する拘束手段10によって綴じられることになる。
拘束手段10としては例えば帯状領域5、または帯状領域5と中間領域8を含め、下部領域7から上部領域6までを同時に貫通する留め具や縫合等の手段、あるいはこれらの全領域を表面側と背面側から挟持、もしくは把持するクリップ(スナップ)等の手段が使用される。図2は中心線Cと同心円状の軌跡を描くように縫合により下部領域7から上部領域6までを綴じた場合を示している。
例えば拘束手段10が留め具である場合、帯状領域5を含む全領域には留め具が貫通する貫通孔が形成されることになるが、シート2を折り畳み状態から開放させようとするときに、帯状領域5を含む全領域の表面が垂直線N方向に張力を受けることから、貫通孔は図2に示す湾曲(屈曲)した中心線Cと同心円状の長孔状に形成されることもある。
貫通孔が長孔状に形成された場合には、シート2の折り畳み状態からの開放に伴う帯状領域5等への張力作用時に、拘束手段10による帯状領域5を含む全領域に対する拘束の度合いが調整されるため、シート2と拘束手段10、及びマスク1としてのシート2を耳に保持させるための耳掛け材9に無理な力を加えずに済む利点がある。
図9−(a)、図10−(a)は1枚のシート2に1本の帯状領域5が形成され、その上下にそれぞれ上部領域6と下部領域7のみが存在する場合の、シート2の折り曲げ状況を示している。帯状領域5の数が増えれば、中心線C方向(上下)に隣接する帯状領域5、5間に、複数の帯状領域5を中心線C方向に配列させるためのつなぎの中間領域8が形成されるだけで(請求項2)、最上部の帯状領域5の上側に上部領域6が形成され、最下部の帯状領域5の下側に下部領域7が形成されることに変わりはない。
中間領域8は中心線C上の長さが長さ方向両端部の中心線Cに平行な直線の長さより大きい領域であり、帯状領域5に隣接して形成される(請求項2)。帯状領域5はシート2の長さ方向に連続した領域であるから、中間領域8は帯状領域5に、中心線C方向に隣接して形成される。帯状領域5と中間領域8の境界に位置する山折り線3、または谷折り線4は帯状領域5と中間領域8を兼ねる。
帯状領域5と中間領域8がシート2内に複数配列する場合は、図4〜図8に示すように帯状領域5と中間領域8が中心線C方向に交互に配列する(請求項3)。中心線C方向に複数の帯状領域5が配列する場合には、中間領域8は帯状領域5、5間に形成される(介在する)ことで、後述のようにシート2の折り畳み時に帯状領域5が帯状領域5以外の領域の背面側に回り込ませる(隠れさせる)働きをする。
中間領域8は図4に示すように中心線C位置から長さ方向両端部へかけて中心線C方向の距離が次第に縮小する形状をしていればよいから、中間領域8を構成する上側の折り曲げ線と下側の折り曲げ線との間の距離が中心線C位置から両端部へかけて次第に縮小する関係にあればよい。この中間領域8は中心線C方向の距離が中心線C位置から長さ方向両端部位置へかけて漸次、小さくなる領域である、とも言い換えられる。この意味で中間領域8は縮小領域とも言える。
帯状領域5は図4に示すように中心線C方向の距離が中心線C位置から長さ方向両端部位置へかけて次第に大きくなる領域でもあり、図11に示すようにシート2の折り畳み時に上記のように山折り線3が山になるように上部領域6と下部領域7間に折り込まれ、帯状領域5以外の領域の背面側に回り込む(隠れる)ことで、帯状領域5以外の領域をシート2の表面側が凸となるように屈曲等させる役目を持つ。
帯状領域5は中心C線位置から長さ方向両端部へかけて中心線C方向の距離が拡大する形状をしていればよいから、帯状領域5を構成する上側の折り曲げ線と下側の折り曲げ線との間の距離が中心線C位置から両端部へかけて次第に増大する関係にあればよい。帯状領域5は中心線C方向の距離が中心線C位置から長さ方向両端部位置へかけて漸次、大きくなる領域である、とも言い換えられる。この意味で帯状領域5は拡大領域とも言える。
従って帯状領域5を構成する折り曲げ線は図9−(b)、図10−(b)に示すように上側の折り曲げ線が垂直線Nに対して上向きに傾斜し、下側の折り曲げ線が垂直線Nに対して下向きに傾斜する場合の他、図4の中心線C方向中段下に示すように一方の折り曲げ線(山折り線3)が垂直線Nに平行で、他方の折り曲げ線(谷折り線4)が垂直線Nに対して傾斜する場合と、図4の中心線C方向上段に示すように両折り曲げ線(山折り線3と谷折り線4)が共に垂直線Nに対して傾斜する場合がある。図4では山折り線3を太線で、谷折り線4を細線で示している。
「両折り曲げ線が垂直線に対して傾斜する」とは、例えば両折り曲げ線が共に垂直線Nに対して同一の側に傾斜しながら、両折り曲げ線間距離が中心線位置から両端部位置にかけて次第に増大することを言う。
例えば図11に示すようにシート2の上側から順次、上部領域6、帯状領域5、中間領域8、帯状領域5、下部領域7が配列する場合、シート2が折り畳まれたとき、シート2の表面には上側から上部領域6、中間領域8、下部領域7が表れ、2箇所ある帯状領域5は上部領域6と中間領域8、及びこの中間領域8と下部領域7に挟まれた状態で、上部領域6と中間領域8の背面側に隠れる。前記のように上部領域6の下側に隣接する帯状領域5が上部領域6の背面側に回り込む図9−(a)場合には、帯状領域5の山折り線3が下側を向き、下部領域7の上側に隣接する帯状領域5が下部領域7の背面側に回り込む図10−(a)場合には山折り線3が上側を向く。
図9−(a)に示すように1枚のシート2に1本の帯状領域5が形成され、その上下にそれぞれ上部領域6と下部領域7のみが存在する場合において、帯状領域5の上側に山折り線3が位置し、下側に谷折り線4が位置する(帯状領域5が上側の山折り線3と下側の谷折り線4とで構成される)場合、山折り線3が山となるように帯状領域5がシート2の一部に折り込まれるとすれば、シート2は帯状領域5がその上側に位置する部分(上部領域6)の背面側に入り込むように折り畳まれるため、山折り線3は下方を向く。
シート2の折り畳み時には、図11に示すように帯状領域5はその上側に位置する上部領域6に対して屈曲した(折れ曲がった)状態で、その上部領域6の下側(背面側)に入り込んで重なり、帯状領域5の下側に位置する下部領域7が帯状領域5に対して屈曲した(折れ曲がった)状態で、すなわち上部領域6と同一面を向き、シート2の表面に露出した状態で、帯状領域5の下側(背面側)に入り込んで重なる。シート2は中心線Cに関して対称形に折り畳まれるが、図11では手前側の一部を切り欠いて示している。
図11はシート2が中心線C方向に2本の帯状領域5、5を有する場合のシート2の折り畳み状態を示している。この場合、シート2の中心線C方向には上側から下側へかけて上部領域6、帯状領域5、中間領域8、帯状領域5、下部領域7が配列し、折り畳まれた状態ではシート2の表面には上部領域6と下部領域7、及び中間領域8が露出し、上側の帯状領域5は上部領域6の背面側に重なって隠され、下側の帯状領域5は中間領域8の背面側に重なって隠される。
図11の場合、シート2を長さ方向に見れば、下部領域7の表面にその上に隣接する帯状領域5の表面がシート2の背面側を向いて重なり、中間領域8を飛ばしてシート2の表面側を向いている帯状領域5の背面に上部領域6の背面が重なり、その上部領域6の表面がシート2の表面側を向いた状態になる。シート2は図11に示す状態でシート2の長さ方向両端部が綴じられる。
図10−(a)に示すように1枚のシート2に1本の帯状領域5が形成され、その上下にそれぞれ上部領域6と下部領域7のみが存在する場合において、帯状領域5の上側に谷折り線4が位置し、下側に山折り線3が位置する場合には、シート2は帯状領域5がその下側に隣接する下部領域7の背面側に入り込むように折り畳まれるため、山折り線3は上方を向く。
図10−(a)に示す状態は図9−(a)に示す状態の上下を反転させた状態に該当するため、反転によって上部領域6と下部領域7は入れ替わる。同様に上部領域6と下部領域7との間に複数の中間領域8が表れる図3−(a)のマスク1は(c)に示すように上下を反転させ、上部領域6と下部領域7が入れ替わった状態で使用されることもある。
図9−(a)に示すように山折り線3が下方を向く場合には、その山折り線3を含む上部領域6とその下の山折り線3を含む下部領域7との間、すなわち帯状領域5への埃等の堆積が回避される利点がある。図11の場合で言えば、上部領域6と中間領域8との間(の帯状領域5)、及び中間領域8と下部領域7との間(の帯状領域5)への埃等の堆積が回避される。
図10−(a)の場合、シート2の折り畳み時、帯状領域5はその下側に位置する中間領域8、または下部領域7に対して屈曲した(折れ曲がった)状態で、その中間領域8等の下側(背面側)に入り込んで重なり、帯状領域5の上側に位置する中間領域8、または上部領域6が帯状領域5に対して屈曲した(折れ曲がった)状態で、すなわち下側の中間領域8等と同一面を向いた状態で、帯状領域5の下側(背面側)に入り込んで重なる。
谷折り線4が帯状領域5の下側に位置する図9−(a)の場合には、シート2の折り曲げに伴う帯状領域5の折り畳みにより帯状領域5がそれより上側の中間領域8等の背面側に回り込み、下側の中間領域8等を構成する谷折り線4がシート2の背面側へ引き寄せられようとする。
このとき、(b)に示すように帯状領域5の中心線C上の長さL0が、長さ方向両端部の中心線Cに平行な長さL1より小さいことで(L0<L1)、帯状領域5の中心線C寄りの部分より長さ方向両端部寄りの部分が多くシート2の背面側へ引き寄せられることになる。これは帯状領域5の中心線C上の区間の折り畳み量が小さいのに対し、長さ方向両端部寄りの中心線Cに平行な区間の折り畳み量が次第に大きくなることによる。
この結果、シート2が中心線Cに関して対称(左右対称)に折り曲げられようとすると同時に、帯状領域5の上下に位置する中間領域8等が帯状領域5(の垂直線Nに平行な中心線)に関して対称(上下対称)に折り曲げられ、シート2は長さ方向両端部寄りの部分において綴じた状態を維持しながらも、帯状領域8内の中心線C上部分で、表面側に凸に屈曲等することになる。
シート2が中心線Cに関して対称に折り曲げられた状態のときには、図11に示すように上部領域6の山折り線3と、その下側に隣接して表れる中間領域8の山折り線3との間における、長さ方向両端部側の距離L2が中心線側の距離L3より小さくなる(L2<L3)。
シート2が長さ方向両端部位置において綴じた状態を維持しながらも、中心線C寄りの部分において表面側に凸に屈曲等しようとすることで、シート2の中心線C寄りの部分が表面側に凸に屈曲等しようとしても、綴じている両端部位置が中心線C寄りの変形(屈曲等)に追従して変形する(湾曲しようとする)ことがないため、シート2が使用状態で屈曲状態(湾曲状態)になっても、両端部が顔面の頬から浮くことがなくなる。
従ってシート2(マスク1)の使用状態で長さ方向両端部と頬との間に空隙が発生することがないか、小さくて済むため、シート2の長さ方向両端部と頬との間からの埃や雑菌の侵入を阻止することが可能になる。
山折り線3が帯状領域5の下側に位置する図10−(a)の場合には、シート2の折り曲げに伴う帯状領域5の折り畳みにより帯状領域5がそれより下側の中間領域8等の背面側に回り込み、上側の中間領域8等を構成する谷折り線4が図9−(a)の場合と同様にシート2の背面側へ引き寄せられようとする。
この場合も、図10−(b)に示すように帯状領域5の中心線C上の長さL0が、長さ方向両端部の中心線Cに平行な長さL1より小さいことで、帯状領域5の中心線C寄りの部分より長さ方向両端部寄りの部分が多くシート2の背面側へ引き寄せられることになる。この結果、シート2が中心線Cに関して対称(左右対称)に折り曲げられると同時に、帯状領域5に関して対称(上下対称)に折り曲げられ、シート2は帯状領域5内の中心線C上部分で、表面側に凸に屈曲する(折り曲げられる)ことになる。
図9−(a)、図10−(a)のいずれの場合も、シート2が少なくとも1本の、中心線C方向の距離が中心線C位置から両端部位置にかけて拡大する帯状領域5を有し、この帯状領域5の中心線C上の幅と長さ方向両端部寄りの中心線C方向の幅が相違していることで、シート2が中心線Cに関して対称に折り畳まれるとき、帯状領域5の、長さ方向両端部寄りの部分がシート2の背面側へ引き寄せられようとする。シート2の折り畳みに伴い、長さ方向両端部寄りの部分がシート2の背面側へ引き寄せられようとすることで、シート2を湾曲させるときにシート2全体が立体形状を形成し易くなる。
具体的には、図5〜図8に示すようにシート2を表面側から見たとき、例えば帯状領域5を構成する一方の(シート2の上側に位置する)折り曲げ線が垂直線Nに対して上向きに傾斜し、他方の(シート2の下側に位置する)折り曲げ線が垂直線Nに対して下向きに傾斜した場合において、シート2の上側に位置する折り曲げ線が山折り線3で、下側に位置する折り曲げ線が谷折り線4である場合、シート2を湾曲させようとするとき、山折り線3は下向きになるため、山折り線3から谷折り線4までの帯状領域5は山折り線3の下側に回り込もうとする。
このとき、帯状領域5の端部寄りの幅が大きいことで、帯状領域5はシート2の背面側へ引き込まれようとするため、シート2の湾曲に伴い、中心線C部分がシート2の表面側に凸の立体形状になろうとする。
帯状領域5が中心線C方向に複数、配列する場合には(請求項3)、シート2の表面側の屈曲、あるいは湾曲の度合いが強まるものの、長さ方向両端部寄りの位置では複数の帯状領域5の端部が重なるだけであるから、綴じた状態にあっても帯状領域5とそれに隣接する中間領域8等との間、または隣接する帯状領域5、5間の間隔が広がることはないため、綴じた状態にあること自体は帯状領域5がシート2の中心線C方向に単数の場合と変わりはない。
従ってシート2が使用状態で屈曲状態(湾曲状態)になっても、長さ方向両端部が頬から浮かない状態は保たれ、両者間からの埃や雑菌の侵入を阻止する状態は維持される。
また帯状領域5と中間領域8がシート2内に複数配列する場合(請求項3)には、図1〜図3に示すようにシート2を折り畳んだときに、上部領域6と下部領域7との間の表面に複数の中間領域8が表れる。このとき、上部領域6と下部領域7、及び中間領域8の中心線Cは図2に示すように多角形状の稜線を形成するため、中間領域8の数が多い程、多角形の数が増え、それだけ眉間から顎までにかけて顔面を覆う範囲(領域)が広がることになる。
同時に、中間領域8の数が多い程、シート2の中心線C方向の中間に位置する中間領域8の稜線(中心線C)と、上部領域6と下部領域7の稜線(中心線C)のなす角度が大きくなる結果、上部領域6が鼻と眉間の間に回り込み、下部領域7が顎の下に回り込もうとするため(図2)、シート2(マスク1)が眉間と顎の下に密着しようとする傾向が強まる。
従って帯状領域5と中間領域8がシート2内に複数配列する場合(請求項3)には、シート2の長さ方向(垂直線N方向)両端部と頬との間への空隙の発生がなくなる上、シート2の中心線C方向上端部と眉間との間、及び中心線C方向下端部と顎下との間への空隙の発生がなくなるか、空隙が小さくなるため、シート2の四方の顔面への密着の度合いが高まることになる。
特に前記のようにシート2(マスク1)の使用状態では上部領域6と下部領域7、及び中間領域8の表面は垂直線N方向に引っ張られようとすることで、鼻の周辺部分への密着の度合いが高まることから、シート2の全周が顔面に密着しようとするため、シート2の全周と顔面との間からの埃や雑菌の侵入を阻止することが可能になる。
【発明の効果】
帯状領域における中心線上の長さが長さ方向両端部の中心線に平行な直線の長さより小さいことで、シートが中心線に関して対称(左右対称)に折り曲げられようとするときに、帯状領域の中心線寄りの部分より長さ方向両端部寄りの部分が多くシートの背面側へ引き寄せられるため、シートは長さ方向両端部寄りの部分において綴じた状態を維持しながらも、帯状領域内の中心線上部分で、表面側に凸に屈曲等することができる。
シートが長さ方向両端部位置において綴じた状態を維持しながらも、中心線寄りの部分において表面側に凸に屈曲等しようとすることで、シートの中心線寄りの部分が表面側に凸に屈曲等しようとするときに、綴じている両端部位置が中心線寄りの変形(屈曲等)に追従して変形する(湾曲しようとする)ことがないため、シートが使用状態で屈曲状態(湾曲状態)になっても、両端部が顔面の頬から浮くことがない。
従ってシート(マスク)の使用状態では長さ方向両端部と頬との間に空隙が発生することがないか、小さくて済むため、シートの長さ方向両端部と頬との間からの埃や雑菌の侵入を阻止することができる。特に帯状領域と中間領域がシート内に複数配列する場合には、上部領域が鼻と眉間の間に回り込み、下部領域が顎の下に回り込もうとする結果、シートの全周と顔面との間からの埃や雑菌の侵入を阻止することができる。
【発明を実施するための形態】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は図4に示すような1枚の連続したシート2に対し、そのシート2の中心線Cに関して対称に、複数の山折りの折り曲げ線(以下、山折り線)3と、複数の谷折りの折り曲げ線(以下、谷折り線)4とが中心線C方向に交互に入れられ、シート2が中心線Cに垂直な長さ方向両端部において綴じられることで、立体形状に形成される立体型マスク(以下、マスク)1の具体例を示す。
シート2は主に紙、不織布の他、ガーゼ等の織布等、通気性を有する柔軟な材料から成型されるが、素材は特に問われない。シート2は図2に示すように中心線C方向に折り畳まれた状態で、長さ方向両端部において後述の拘束手段10によって綴じられる。
前記全折り曲げ線3、4の内、中心線C方向に隣接し、少なくとも対となる2本の折り曲げ線3、4は図4に示すようにシート2を表面側から見たとき、中心線Cに関して対称で、且つ前記2本の折り曲げ線3、4の内の少なくともいずれか一方は中心線Cに垂直な垂直線Nに対してシート2の中心線C方向の一方側(上側、もしくは下側)に傾斜し、対となる2本の折り曲げ線3、4で囲まれた帯状領域5における中心線C上の長さL0は、長さ方向両端部の中心線Cに平行な直線の長さL1より小さい(L0<L1)。
図4に示すシート2は図5〜図8に示すように折り曲げ線3、4において中心線C方向に折り畳まれると共に、中心線Cに関して対称に折り畳まれ、長さ方向両端部において綴じられることによりマスク1を形成する。マスク1は図2に示すように折り畳まれ、長さ方向両端部において綴じられたシート2の長さ方向両端部に耳掛け材9が接続されることにより製作される。
帯状領域5は図4に示すように中心線C上の長さL0が長さ方向両端部における中心線Cに平行な直線の長さL1より小さいことの条件を満たせばよく、帯状領域5を構成する折り曲げ線が垂直線Nに平行であるか、傾斜しているかは一切問われない。
図4は図1、図2に示すマスク1の展開図、すなわちシート2の展開図を示している。ここではシート2が長方形状をしているが、マスク1の原形となるシート2の形状には特に制限はなく、周囲(縁)の部分は長さ方向両端部における綴じ方によって決まる。例えばシート2を折り畳み、帯状領域5を含む各領域の両端部を重ねて綴じたときに、その端部の縁が揃うように、方形の長さ方向両端部が曲線状に切り欠かれることもある。またマスク1としての使用時にめくれや折れ曲がり等の変形を防止するために、シート2の四隅位置を切り欠く(切り落とす)こともある。
図4はシート2の中心線C方向に4本の帯状領域5が配列した場合の例を示しているが、帯状領域5は図9、図10に示すようにシート2に少なくとも1本、配置されていればよい。帯状領域5が1本配置された場合は、その帯状領域5の中心線C方向両側(上側と下側)に上部領域6と下部領域7が形成される。
図4に示すように帯状領域5が中心線C方向に複数本、配置される場合には、シート2を上下方向に向けたときの最上部の帯状領域5の上側に隣接して上部領域6が、最下部の帯状領域5の下側に隣接して下部領域7が形成されることに加え、中心線C方向に隣接する帯状領域5、5間に中間領域8が形成(配置)される。中心線C方向に4本の帯状領域5が配置された図4の場合、帯状領域5の中間には3本の中間領域8が配置され、上部領域6と帯状領域5、帯状領域5と中間領域8、帯状領域5と下部領域7は互いに交互に配列する。
中間領域8は帯状領域5、5に挟まれた位置に形成され、帯状領域5、5の間に位置することで、シート2の折り畳み時に帯状領域5のいずれかの側に位置する上部領域6、または中間領域7の背面側に帯状領域5を折り込みながら、入り込む。中間領域8は上部領域6等の背面側に入り込むことで、帯状領域5を挟んで隣接する上部領域6の山折り線3と中間領域8の山折り線3間の距離が長さ方向両端部側から中心線側へかけて次第に大きくする働きをする。
すなわち、帯状領域5の中心線C上の区間の折り畳み量より長さ方向両端部寄りの中心線Cに平行な区間の折り畳み量が大きいことで(L0<L1)、図11に示すようにシート2が折り畳まれた状態では、上部領域6の山折り線3とその下側に隣接して表れる中間領域8の山折り線3との間の、長さ方向両端部側の距離L2が中心線側の距離L3より小さくなる(L2<L3)。これは上部領域6と帯状領域5との重なり代がシート2の中心線C側より長さ方向両端部側で大きくなることに基づく。
中間領域8は帯状領域5を上部領域6、または中間領域8の背面側へ折り込みながら、これらの背面に回り込むことで、シート2の折り畳み状態では上部領域6と中間領域8、及び下部領域7を表面に露出させる働きをする。
また中間領域8は上部領域6と帯状領域5との重なり代、及び中間領域8と帯状領域5との重なり代がシート2の中心線C側より長さ方向両端部側で大きくなるようにする機能を有するから、中間領域8の中心線C上の長さL4は長さ方向両端部の中心線Cに平行な直線の長さL5より大きくなっている(L4>L5)。すなわち、中間領域8における中心線C方向の距離は中心線C位置から長さ方向両端部位置へかけて漸次、小さくなっている。
上記のように帯状領域5がL0<L1の関係を有し、中間領域8がL4>L5の関係を有することで、帯状領域5がその上下に隣接する中間領域8、8の間に折り込まれ、上側の中間領域8が下側の中間領域8の上に重なるときに、上側の中間領域8の中心線C側の重なり代より、長さ方向両端部側の重なり代が大きくなる。
シート2の全体形状が図4に示すような長方形状であり、シート2の長さ方向(垂直線N方向)両端の端縁が中心線Cに平行な方向を向いている場合、相対的に上側の中間領域8が下側の中間領域8に重なったときには、図2に示すように上側の中間領域8の端縁はその下側に隣接する中間領域8の端縁に対し、中心線C側を向く角度θ1が付く。
同様に上部領域6の端縁とその下に隣接する中間領域8の端縁との間、及び下部領域7の端縁とその上に隣接する中間領域8の端縁との間にも角度θ2、θ3が付く。θ1とθ2、θ3は等しい場合と異なる場合があり、それぞれの大きさは帯状領域5と中間領域8を構成する山折り線3と谷折り線4の垂直線Nに対する角度によって任意に決められる。
図4に示す展開図のシート2を図4に示す状態のまま、すなわち図4に示す上下関係を維持したまま、帯状領域5を上部領域6と中間領域8との間、及び中間領域8と下部領域7との間に折り込みながら、シート2を中心線Cに関して対称に折り畳むときの様子を図5、図6に示す。
図5は上部領域6を鉛直面に向けたまま、それより下に位置する帯状領域5と中間領域8、及び下部領域7を折り畳み始めたときの様子を、図6は上部領域6を折り畳み、図5の折り畳み状態を更に進めた状態を示している。図6中、破線は帯状領域5がその上に隣接する中間領域8の背面側に回り込んでいる様子を示している。
図4に示す展開図のシート2の上下を反転させた状態で、帯状領域5を上部領域6と中間領域8との間、及び中間領域8と下部領域7との間に折り込みながら、シート2を中心線Cに関して対称に折り畳むときの様子を図7、図8に示す。図7は下部領域7を鉛直面に向けたまま、それより上に位置する帯状領域5と中間領域8、及び上部領域6を折り畳み始めたときの様子を、図8は下部領域7を折り畳み、図7の折り畳み状態を更に進めた状態を示している。図8中、破線は帯状領域5がその下に隣接する中間領域8の背面側に回り込んでいる様子を示している。
図9−(a)は前記の通り、1枚のシート2の中心線C方向中間部に1本の帯状領域5が形成され、その上下にそれぞれ上部領域6と下部領域7のみが存在する場合に、シート2を中心線Cに関して折り曲げると共に、垂直線Nに関しても折り曲げているときの様子を示している。図9−(a)に示すシート2は帯状領域5を構成する山折り線3が下を向いた状態で使用される。
図10−(a)は図9−(a)に示すシート2の上下を反転させた状態を示している。この場合のシート2は帯状領域5を構成する山折り線3が上を向いた状態で使用される。図9と図10、並びに図3−(a)と(c)に示すようにシート2は帯状領域5を構成する山折り線3が下を向いた状態でも、下を向いた状態でも使用される。
図11はシート2の上側から下側へかけ、順に上部領域6、帯状領域5、中間領域8、帯状領域5、下部領域7が配列した場合の、シート2の折り畳み状態を示している。この場合、シート2の表面には上部領域6と中間領域8、及び下部領域7が露出し、上側の帯状領域5は上部領域6の背面側に入り込んで重なり、下側の帯状領域5は中間に位置する中間領域8の背面側に入り込んで重なる。図11に示すシート2の上下が反転した場合には、上側の帯状領域5は中間領域8の背面側に重なり、下側の帯状領域5は下部領域7の背面側に重なる。
帯状領域5における中心線C上の長さL0が長さ方向両端部の中心線Cに平行な直線の長さL1より小さいことで(L0<L1)、上部領域6、もしくは下部領域7、あるいは中間領域8に重なって隠れる帯状領域5の重なり代はシート2の中心線C側から長さ方向両端部側へかけて次第に大きくなる。この関係で、上部領域6の下側に隣接して露出する中間領域8の中心線C上の長さL3は図3、図11に示すように長さ方向両端部の中心線Cに平行な直線の長さL2より大きくなっている(L3>L2)。同じことはその中間領域8の下側に隣接して露出する中間領域8にも言える。
図2に示すようにシート2が中心線Cに関して対称に折り畳まれた状態では、破線で示すように上部領域6の下半分寄りの背面に、下側に隣接する中間領域8の上半分寄りの部分が重なり、その中間領域8の下半分寄りの背面に、下側に隣接する中間領域8の上半分寄りの部分が重なり、下部領域7の上半分寄りの部分がその上側に隣接する中間領域8の下半分寄りの背面に重なる。
図2中、互いに重なっている上部領域6の下半分寄りの実線と、その上側にある、中間領域8の上半分寄りの部分を示す破線とで囲まれた範囲には帯状領域5が重なっている。同様に中間領域8の下半分寄りの実線と、その上側にある、中間領域8の上半分寄りの部分を示す破線とで囲まれた範囲、及び中間領域8の下半分寄りの実線と、その上側にある、下部領域7の上半分寄りの部分を示す破線とで囲まれた範囲にも帯状領域5が重なっている。
図2より、シート2が中心線Cに関して対称に折り畳まれた状態では、中間領域8を含む上部領域6から下部領域7までの全領域を同時に貫通し得る部分が限られ、帯状領域5と中間領域8の幅によっては全領域を貫通する部分が生じないこともあることが分かる。このことから、図2では全領域を綴じた状態にするための拘束手段10として、扇形の曲線状の軌跡を描く縫合、あるいは扇形の曲線状に配列する留め具を使用している。但し、全領域を分離しない程度に保持することができれば、拘束手段10、あるいは留め具の具体例は問われない。
拘束手段10が扇状に配列する理由は、マスク1の開閉時に拘束手段10に均等に力(張力)を作用させる上では、マスク1の表面に露出する上部領域6、中間領域8、下部領域7の中心線上の部分が多角形状を形成していることに対応し、その多角形に近似した形状と同心円(同心角)をなすように配列させることが合理的と考えられることによる。
上記のように例えば全領域を同時に貫通する部分が確保された場合において、その範囲に全領域を貫通する貫通孔を形成し、その貫通孔に留め具等の拘束手段10を挿通させた場合に、その貫通孔に連続する扇状の長孔を形成しておけば、拘束手段10に過大な力が作用することを回避することが可能である。
図2では紐状の耳掛け材9の両端を上部領域6と下部領域7に縫い付け、あるいは止める等の手段によって固定(接続)しているが、耳掛け材9の形態、及びそのシート2への固定方法は自由である。例えば耳掛け材9を環状に閉じた形状に形成し、シート2の全領域に亘って耳掛け材9が挿通する筒状の挿通孔を形成し、その挿通孔に耳掛け材9を挿通させることもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスクを顔面に装着したときの様子を示した側面図である。
【図2】図1に示すマスクを示した側面図である。
【図3】(a)は図1に示すマスクを正面側から見たときの様子を示した斜視図、(b)は(a)に示すマスクを上側から見たときの様子を示した斜視図、(c)は(a)に示すマスクの上下を反転させて使用するときの様子を示した斜視図である。
【図4】図3に示すマスクを構成するシートを示した展開図である。
【図5】図4に示すシートを、帯状領域を構成する山折り線が下向きになるように折り曲げたときの様子を示した正面図である。
【図6】図5に示すシートの折り曲げの程度を更に進めたときの様子を示した正面図である。
【図7】図4に示すシートを、帯状領域を構成する山折り線が上向きになるように折り曲げたときの様子を示した正面図である。
【図8】図7に示すシートの折り曲げの程度を更に進めたときの様子を示した正面図である。
【図9】(a)は1本の帯状領域が形成されたシートを、帯状領域を構成する山折り線が下向きになるように折り曲げたときの様子を示した斜視図、(b)はその帯状領域を示した正面図である。
【図10】(a)は1本の帯状領域が形成されたシートを、帯状領域を構成する山折り線が上向きになるように折り曲げたときの様子を示した斜視図、(b)はその帯状領域を示した正面図である。
【図11】2本の帯状領域を有するシートを折り畳んでいるときの様子を示した一部断面斜視図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】