| 健康・医療 |
| 【発明の名称】石鹸 【出願人】 【識別番号】500484320 【氏名又は名称】秋月 定良 【住所又は居所】福岡県福岡市東区唐原5丁目7番8−204号 【発明者】 【氏名】秋月 定良 【住所又は居所】福岡県福岡市東区唐原5丁目7番8−204号 【要約】 【課題】 従来、海藻特有の成分が人体に有効であることは判明していたが、海藻成分の抽出方法又は使用方法、製法等に問題が有り、石鹸成分として海藻の有効成分を充分に含有せる石鹸は見られなかった。 【解決手段】 褐藻アカモク(学名Sargassum horneri)より得ることが出来たフコイダンを含む粘状を帯びた抽出液と水酸化ナトリウム(NaOH)と石鹸素材である動物性油脂又は植物性油脂とを加えて反応、成形させて石鹸を得ること。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 褐藻アカモク(学名Sargassum horneri)より得ることが出来た抽出液と水酸化ナトリウム(NaOH)と石鹸素材である動物性油脂又は植物油脂とを加えて反応成形させたことを特徴とする石鹸。 【請求項2】 前記褐藻アカモクが成熟した生殖器床を有する褐藻アカモクであることを特徴とした請求項1記載の石鹸。 【請求項3】 前記抽出液及び又は前記石鹸素材に添加剤や添加物を加えて反応成形させた事を特徴とする請求項1又は2記載の石鹸。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は褐藻アカモク(学名Sargassum horneri)(以下学名を略す)より得ることが出来たフコイダンを含む粘状を帯びた抽出液を含有した石鹸に関する。 【背景技術】 石鹸の歴史は古く又その製造方法成分等は極めて広範囲で大量生産システムから家庭に於ける手作り石鹸に至まで多岐多様である。 石鹸成分としては動物油脂や植物油脂と水酸化ナトリウム(NaOH)のいわゆる石鹸素材と水が主成分であって、この外に竹炭、茶、柿葉、ハーブ、朝鮮人参、桃種油等の植物の抽出成分や馬油、牛乳、蜂蜜、骨油等動物性抽出成分、アオサ、ワカメ、コンブ、キリンサイ等海藻類の抽出液又粉末などの添加剤、さらにはグリセリン、グルコン酸Na、ステアリン酸Mg等の化学製品から着色剤、香料に至るまで極めて多種多様の添加剤や添加物が用いられ、石鹸レシピーは無限でありそれぞれその効用等使用目的に依り製造されてそれなりの目的は達せられているのが現状である。 近来、とげきりんさい、きりんさい、いぎす等紅藻類から抽出された抽出液の研究が行われ、その抽出液をクリームやローション石鹸に配合した場合、老人性乾皮症、アトピー性皮膚、アレルギー皮膚症等に効果がある技術が開示されている。(例えば特許文献1参照)。 又褐藻類(コンブ、カジメ、アラメ等)から得ることが出来た高粘性のフコイダンを分離、精製、乾燥して得た粉末に水を加えてフコイダンの水溶液として擦りおろした市販の石鹸にふりかけてへらで切る様にしてよく練り込んでフコイダンを均一に混和した後形を整えてから風乾すると云う石鹸の製法が開示されている。(例えば特許文献2参照)。 上記以外にも褐藻類のワカメのメカブを粉末にして育毛料や化粧クリームの成分として用いたもの(例えば特許文献3参照)や海藻抽出粘性液に洗浄剤を添加した人体用洗剤の技術が開示されている。(例えば特許文献4参照)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【特許文献1】 特許第2766594号公報 【特許文献2】 特許第2981602号公報 【特許文献3】 特開2006−8599号公報 【特許文献4】 特許第3114048号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 以上述べた特許文献1、2、3、4には海藻に含まれている成分を石鹸又は洗剤に配合したり添加してその効用を得ようとしているが、その方法や構成は海藻から抽出した抽出液を希釈液にして他成分を混合するとか、既成の石鹸を粉状にした後、精成したフコイダン水溶液を添加するとか、その製法が複雑であり、製造に至っては手間と経費がかさむものである。そして製造工程に於いても抽出液を希釈するとか粉末にする等の方法を用いるので海藻成分の有効性を減少させると云う欠点があった。 本発明はこの様な従来の方法や構成が有していた問題点を解決し、簡単な方法で海藻抽出液を海藻成分の有効性を損なうことなく多量に石鹸成分として包含させた石鹸を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 本発明は上記目的を達するため、褐藻アカモクより得ることが出来たフコイダンを含む粘状を帯びた抽出液に水酸化ナトリウムと石鹸素材である動物性油脂又は植物性油脂とを加えて反応成形させた石鹸を提供するものである。 本発明に用いる褐藻アカモクは成熟した生殖器床を有する褐藻アカモクであることが好ましい。 又上記石鹸に於いて、石鹸素材や前記抽出液に添加剤又は添加物を加えて反応・成形をしても良い。 本発明に用いる動物性油脂や植物性油脂とは、常温で固形をなす脂肪と液状をなす脂肪油等、動・植物界に広く存在するもので、牛脂、豚脂、魚油等の動物性油脂、オリーブ油、大豆油、菜種油、紅花油、パーム油等の植物性油脂類であり、家庭に於いて天ぷら料理等に使用した後のいわゆる廃油を含めていずれの油脂も使用出来る。 水酸化ナトリウムとしては化学記号がNaOHを示すものであればフレーク状又はペレット状等のその形状を問うものではない。 上記した石鹸素材以外の主成分である褐藻アカモクより得る事が出来た抽出液としては、例えば褐藻アカモクを水や湯あるいは各種溶剤に浸して抽出した液や本願特許出願人がすでに取得している特許第3930509号の方法に依り生殖器床を有する褐藻アカモクに熱湯を散布して抽出した液などを用いる事が出来るが、経済性、有効性、手法、流通性等を充分考慮すると特許第3930509号の方法に依り採集した抽出液を用いる事が好ましい。 本発明で使用可能な褐藻アカモクより得た抽出液の粘度は特に限定しないが、後述するオズワルド粘度計を用いた粘度で、15秒〜30秒の範囲の抽出液が好ましく用いることが出来る。 粘度が15秒以下になると石鹸使用後の肌のスベスベ感や泡立ちが少なくなり、30秒を越えると石鹸中より抽出成分が析出し易くなる為である。 添加剤としては竹炭、茶、ハーブ、糸瓜水等の植物性のもの、牛乳、蜂蜜等の動物から得ることが出来る種々の成分又はグリセリン、ステアリン酸Mg等の化学製品から香料まで多種多様の物質を少量添加することが出来る。 【発明の効果】 上述した様に、褐藻アカモクより得る事が出来た粘状を帯びた抽出液を石鹸素材成分と反応成形させることに依り抽出液の有効成分が液状の油脂成分と均等に容易に混ざる。 従って石鹸の製法が簡単で多量の抽出液の有効成分を失うことなく均等に含有させることが出来、粘糸状を呈し、発泡性に富む極めて良質の石鹸を安価に得ることが出来る。 又、前記のように石鹸製造における初期工程で、褐藻アカモクより得る事が出来た抽出液に水酸化ナトリウムと石鹸素材とを石鹸の主要成分として液状のままで混合して用いるので、石鹸への後添加となる従来の製法に比較して、石鹸素材としての油脂の絶対量を少なくすることが出来、石鹸中に抽出液の有効成分を毀損することなく多量に含有させることが出来る。 【発明を実施するための形態】 以下、本発明を実施例に依り説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。 本発明に於いて石鹸成分となる各素材の配合の範囲としては以下の様である。 褐藻アカモクより得ることが出来た抽出液の粘度は次の通りである。 (1) 粘度計 粘度計オストワルド(相対粘度計) 毛細管内径 1.25mm 球客量 3mL (2) 測定方法 抽出液と水との毛細管通過時間を対比する。 (3) 測定条件 抽出液、水、共に30℃ (4) 測定結果 通過時間 水 6秒 抽出液 15秒、20秒、25秒、30秒 誤差 ± 1秒 上記結果の抽出液を選択して使用した。 【実施例1】 この実施例に於いて石鹸成分となる各素材の配合の例は次の様である。 ・植物性油(市販の菜種油) 480cc ・褐藻アカモク抽出液(粘度20秒) 410cc ・水酸化ナトリウム(フレーク状のもの) 110g 先ず褐藻アカモク抽出液に水酸化ナトリウムを遂次攪拌しながら添加し、水酸化ナトリウムが完全に溶解するのを確認する。(この時の温度は約60℃に達している)。 次にその溶液に菜種油を徐々に攪拌しながら添加した。 添加が終ってから2〜3時間攪拌することに依り、混合液が反応して増粘し、表面にトレース(線跡)が残る様になった時点で成形容器に入れ約72時間室温で放置して成形した。その後成形容器より取出し約30日間自然乾燥して固形石鹸を得ることが出来た。 【実施例2】 褐藻アカモクより得ることが出来た抽出液の粘度は、実施例1に記載のものを使用した。油脂としては市販の牛脂を熱処理して得ることが出来た液状牛脂を使用した。 ・液状牛脂 500cc ・褐藻アカモク抽出液(粘度20秒) 400cc ・水酸化ナトリウム(フレーク状のもの) 100g 作業の手順としては実施例1と同様で、抽出液に水酸化ナトリウムを遂次攪拌しながら添加し、完全に溶解させた。 つづいて液状牛脂を攪拌しながら前記の溶液に添加した。 約1時間〜2時間後に混合液が反応して増粘し、表面にトレースが確認されたので実施例1と同様成形容器に入れ室温で約48時間放置後、成形容器より取出し約30日風乾して固形石鹸を得ることが出来た。 なお、石鹸の素材成分として液状牛脂を用いた場合、植物性油を使用した場合に比べてトレースが出来る時間は短くなった。 【実施例3】 実施例3では家庭で使用されたいわゆる家庭廃油を用いた。 褐藻アカモクより得た抽出液の粘度は、実施例1、2に比較して低いものを使用した。 ・家庭廃油 550cc ・褐藻アカモク抽出液(粘度15秒) 450cc ・水酸化ナトリウム(フレーク状のもの) 100g この場合、家庭廃油は新油に比較して鹸化が早いと言うことを考慮して、廃油の量を(全体量として)若干多くした。 実施例1、2と同様の手順で素材成分を投入して攪拌を行い、1時間後にトレースが現れたので成形容器に入れ室温で48時間放置した。 その後成形容器より取出し1ヶ月間風乾して固形石鹸を得ることが出来た。 【実施例4】 この実施例では、工業用や営業用石鹸の素材として広く用いられている油椰子の実 から採取したパーム油を用いると共に、渇藻アカモク抽出液は粘度の少し高い液を用いた。 ・パーム油 400cc ・褐藻アカモク抽出液(粘度25秒) 400cc ・水酸化ナトリウム(フレーク状のもの) 80g 石鹸素材としてパーム油を使用した場合、パーム油にはパルミチン酸やオレイン酸のグリセリンエステルが多く含有されているため、実施例1、2、3と同様の手順反応させたが、鹸化反応が早くてトレース状を呈する時間が極めて短く、作業開始後約50分で型入れを行うことが出来た。 45時間後には脱型し、約30日間自然乾燥して固形石鹸を得た。 【実施例5】 この実施例では、下記のように油脂としてパーム油と粘度の高い渇藻アカモク抽出液を用いて石鹸を作成した。 ・パーム油 400cc ・褐藻アカモク抽出液(粘度30秒) 400cc ・水酸化ナトリウム(フレーク状のもの) 80g 実施例4と同様の手順で鹸化を行ったが、型入れして約1時間後から型枠内に抽出液が染み出し、24時間後に排出液を検量したら全体重量の約10%に達していた。 3日後に脱型して約30日間自然乾燥して固形石鹸を得た。 この実施例の石鹸の重量は実施例1〜4で作成した石鹸に比べて約85%の重量であった。 【実施例6】 この実施例では、下記の様に油脂としてパーム油を用い、添加剤として牛乳とグリセリンと糸瓜水を添加して石鹸を作成した。 ・パーム油 400cc ・褐藻アカモク抽出液(粘度20秒) 270cc ・添加剤 ・牛乳(市販品) 50cc ・グリセリン(液状) 30cc ・糸瓜水(自家製) 50cc ・水酸化ナトリウム(フレーク状のもの) 80g 上記の配合により前記実施例1〜5の手順に従い反応させた。 約70分間でトレース状を呈したので型入れし、5日間放置後脱型し、30日間自然乾燥して固形石鹸を得た。 添加剤を加えた為、実施例1〜5に比べ、液状物がトレース状を呈するまでには約20分間程度永く掛かったが、他の反応状況に大差はなかった。 【比較例】 本発明の石鹸と比較のため市販されている手作り石鹸に関する書籍に基づき石鹸を作成した。 開業医今井龍次著、マキノ出版社発行「手作り美肌石鹸」に依る石鹸素材の配合割合は次の通りであった。 ・油 100g ・水道水 50cc ・苛性ソーダ(フレーク状のもの) 14g 従来の石鹸と本発明の石鹸に用いた成分の比較は「表1」の様である。 【表1】 ![]() 〔抽出液粘度の測定方法〕 ・粘度計 粘度計オストワルド(相対粘度計) 毛細管内径 1.25mm 球客量 3mL ・測定方法 抽出液と水との毛細管通過時間を対比する。 ・測定条件 抽出液、水、共に30℃ 「表1」から見られる様に比較例と実施例1、2、3、4、5では実施例の方が比較例に比べて少量の油脂でも石鹸を製成することが出来るので、石鹸中に多くの褐藻アカモクより抽出した成分を含有していることが理解出来る。 また、実施例6では石鹸成分のほかに添加剤(牛乳、グリセリン、糸瓜水など)を混入しても石鹸製造には何等の支障の無いことがわかる。 また、各実施例3、4、6で得られた石鹸の使用感を調査するため、5〜10才代の子供(保護者了解)、20〜50才代の女性、60〜80才代の熟年者の各5名を被験者として選定し、各自が従来から常用している石鹸とこの発明の実施例3、4、6の石鹸を15日間比較使用してもらい、アンケートにより石鹸の使用感を効果として調査した。 結果は、「表2」に示すように、実施例3と実施例4の石鹸は被験者が従来使用している石鹸よりも潤い感やスベスベ感にすぐれ、特に子供に関しては使用後のムズガリが少なく、安眠し易いことも解った。 【表2】 ![]() 結果の判定は以下の様に示した。 ◎ : 非常に良い ○ : 良い ◇ : 普通 △ : 余良くない × : 悪い 以上の結果から見られるように、褐藻アカモクより得たフコイダンを含む成分を石鹸中に多く含有させることで石鹸の基本的な性質である使用時の泡立ち、肌に対する突張感や刺激性を抑えることが出来る。 特に子供や熟年者が有するムズガリや黒班などの特有の現象に対しては有効であることが判明した。 |