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機械器具
 
【発明の名称】デリバリーホースの打設構造
【出願人】
【識別番号】597014316
【氏名又は名称】前田 実夫
【住所又は居所】大阪府大阪市平野区西脇2丁目9番7号メゾンド辻堂102号室
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100076406
【氏名又は名称】杉本 勝徳
【発明者】
【氏名】前田 実夫
【住所又は居所】大阪府大阪市平野区西脇2丁目9番7号 メゾンド辻堂102号室
【要約】
【課題】
デリバリーホースの先端からの調整用ロープの不用意な外れを確実に防止するとともに、調整用ロープの断裂を確実に防止することができるデリバリーホースの打設構造を提供する。
【解決手段】
生コンクリートポンプ車から圧送される生コンクリートを、ブーム車の第1貫通管、第1鉄製配管、第2貫通管、第2鉄製配管、第3貫通管、第3鉄製配管、第4貫通管、第4鉄製配管27及びデリバリーホース28を順に介して打設現場X1まで送給する。そして、デリバリーホース28の先端に、その先端の外径を拡径させた鍔状の拡径部282を一体的に形成する。更に、デリバリーホース28の先端に、当該デリバリーホースの先端から吐出される生コンクリートの打設方向を調整する調整用ロープ41〜44を脱着可能に取り付けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプから鉄製配管を介して圧送される生コンクリートを前記鉄製配管の先端に基端が固定された可撓性を有するデリバリーホースを介して打設するようにしたデリバリーホースの打設構造であって、
前記デリバリーホースの先端には、その先端の外径を拡径させた鍔状の拡径部が一体的に形成されており、
前記デリバリーホースの先端には、当該デリバリーホースの先端から吐出される生コンクリートの打設方向を調整する調整用ロープが脱着可能に取り付けられていることを特徴とするデリバリーホースの打設構造。
【請求項2】
前記デリバリーホースの先端には、基端及び先端の外径をそれぞれ一体的に拡径させた鍔状の拡径部を有する延長用デリバリーホースの基端が固定具を介して取り付けられており、
前記調整用ロープは、前記延長用デリバリーホースの先端に取り付けられている請求項1に記載のデリバリーホースの打設構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、コンクリートポンプ車から圧送される生コンクリートをデリバリーホースを介して建築現場などの所望する箇所に吐出してコンクリート打設を行うようにしたデリバリーホースの打設構造に関する。
【背景技術】
従来より、ブームを備えたコンクリートポンプ車にあっては、そのコンクリートポンプ車からの生コンクリートを鉄配管を介して圧送し、その鉄配管の先端に可撓性を有するデリバリーホースの基端を固定することで、このデリバリーホースの先端を建築現場などの所望する打設場所に自在に導いて生コンクリートを打設するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
特開平11−182044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、デリバリーホースの先端から吐出される生コンクリートを打設場所においてコントロールしながら満遍なく打設しなければならない。そのため、打設作業に従事する作業者が使い勝手性を重視して、デリバリーホースの先端に調整用ロープを取り付け、先端から吐出される生コンクリートの打設方向を調整するようにしている。その一例としては、全長が8メートルのデリバリーホースの場合には、その先端から吐出される生コンクリートの打設方向を調整する4〜5本の調整用ロープを先端に取り付けている。そして、調整用ロープの取り付けは、打設作業に従事する作業者自らがデリバリーホースの先端に取り付けた調整用ロープの上から生コンクリートを塗り固めたりして行うことがある。
しかしながら、デリバリーホースの先端は調整用ロープを取り付けることを前提とした構造ではなく、デリバリーホースの外径が先端に至るまで同一径に形成されたものであるため、調整用ロープがデリバリーホースの先端から不用意に外れてしまうおそれがある。
また、生コンクリートの成分が悪影響を及ぼして調整用ロープを断裂させてしまうこともある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デリバリーホースの先端からの調整用ロープの不用意な外れを確実に防止することができるとともに、生コンクリートの悪影響を及ぼす成分による調整用ロープの断裂を確実に防止することができるデリバリーホースの打設構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、ポンプから鉄製配管を介して圧送される生コンクリートを前記鉄製配管の先端に基端が固定された可撓性を有するデリバリーホースを介して打設するようにしたデリバリーホースの打設構造を前提とする。そして、前記デリバリーホースの先端に、その先端の外径を拡径させた鍔状の拡径部を一体的に形成する。更に、前記デリバリーホースの先端に、当該デリバリーホースの先端から吐出される生コンクリートの打設方向を調整する調整用ロープを脱着可能に取り付けている。
この特定事項により、生コンクリートの打設方向を調整する調整用ロープは、デリバリーホースの先端に取り付けられた際にその先端の拡径部によって止められる。これにより、デリバリーホースの先端からの調整用ロープの不用意な外れを確実に防止することが可能となる。しかも、デリバリーホースの先端に取り付けた調整用ロープの上から生コンクリートを塗り固めて固定する必要がなくなり、生コンクリートの悪影響を及ぼす成分による調整用ロープの断裂を確実に防止することが可能となる。
また、前記デリバリーホースの先端に、基端及び先端の外径をそれぞれ一体的に拡径させた鍔状の拡径部を有する延長用デリバリーホースの基端が固定具を介して取り付けられており、その延長用デリバリーホースの先端に前記調整用ロープを取り付けることが好ましい。
この延長用デリバリーホースは、所望する打設場所にデリバリーホースがほんの少し届かないときに取り付けられる。これは、所望する打設場所にデリバリーホースがほんの少しでも届かなければ、従来では鉄製配管を別途追加してデリバリーホースの先端を前記打設場所に届かせる手法が採られるが、これでは、鉄製配管を別途追加するに当たり、打設作業に従事する作業者に過度の負担が強要されてしまうからである。つまり、打設場所の近くでは、デリバリーホースの敷設経路が複雑に入り組んでいることが多々あるため、前記既存の鉄製配管の先端とデリバリーホースの基端との間において、前記敷設経路のコーナー部ではコーナー用鉄製配管をつなぐ必要がある上、直線部では直線用鉄製配管をつなぐ必要があり、打設作業に手間を要して時間が嵩み、打設作業に従事する作業者に過度の負担(疲労)を与えるからである。この傾向は、敷設経路が曲がりくねるなどしているほど顕著に現れる。
しかも、打設現場の特定箇所、例えば厨房、トイレや浴室などでは、特殊な生コンクリートを打設する必要がある。この特殊な生コンクリートは少量でよいものの、打設現場X1においてその特定箇所に少量ずつ振り分けて打設しなければならないため、その都度、コーナー用鉄製配管及び直線用鉄製配管をつなぎ直していると、打設作業に大幅な手間を要して時間が大幅に嵩み、打設作業に従事する作業者に極めて大きな負担が掛かってしまう。
そこで、所望する打設場所にデリバリーホースがほんの少し届かないときに、デリバリーホースの先端に延長用デリバリーホースの基端をつなぐことで、コーナー用鉄製配管及び直線用鉄製配管を別途追加することなく、所望する打設場所や打設現場の特定箇所に円滑に延長用デリバリーホースの先端が導かれる。このため、所望する打設場所や打設現場の特定箇所に延長用デリバリーホースの先端を導く上で、その敷設経路が複雑に入り組んでいても、延長用デリバリーホースの可撓性によりコーナー部が円滑にクリアされ、敷設経路に応じたコーナー用鉄製配管及び直線用鉄製配管をつなぐ作業が全く不要となる。これにより、打設作業に要する手間を削減して時間の短縮化を大幅に図ることができる上、打設作業の従事者への過度の負担(疲労)を飛躍的に軽減することができる。しかも、打設作業に要する時間の短縮化が図れることから、生コンクリートミキサー車により混練りしながら打設現場まで運ばれてきた生コンクリートを所望する打設場所や特定箇所に迅速に打設することができる。
また、調整用ロープが、延長用デリバリーホースの先端に取り付けられているので、デリバリーホースでは届かない所望する打設場所や打設現場の特定箇所においても、延長用デリバリーホースの先端をコントロールしながら満遍なく生コンクリートを打設することができる。
【発明の効果】
以上、要するに、デリバリーホースの先端において外径を拡径させた鍔状の拡径部に、前記デリバリーホースの先端から吐出される生コンクリートの打設方向を調整する調整用ロープを脱着可能に取り付けることで、デリバリーホースの先端からの調整用ロープの不用意な外れを確実に防止することができる。しかも、調整用ロープを生コンクリートで塗り固めて固定する必要がなく、生コンクリートの悪影響を及ぼす成分によるデリバリーホースの断裂を確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施の形態に係るデリバリーホースの敷設構造を適用したブーム車両の概略構成について説明する。
図1に示すように、1はブーム車両であって、このブーム車両1は、4つのブーム11〜14が順次連結され、それぞれ個別に連結された油圧シリンダ15〜18により伸縮される。前記各ブーム11〜14は、前記ブーム車両1の荷台10に第1軸部101を介して基端が支持された第1ブーム11と、この第1ブーム11の先端に第2軸部111を介して基端が支持された第2ブーム12と、この第2ブーム12の先端に第3軸部121を介して基端が支持された第3ブーム13と、この第3ブーム13の先端に第4軸部131を介して基端が支持された第4ブーム14とからなる。また、前記各油圧シリンダ15〜18は、前記荷台10と前記第1ブーム11の基端側(第1軸部101よりも中央寄り)とにそれぞれ支持された第1油圧シリンダ15と、前記第1ブーム11の略中央位置と前記第2ブーム12の基端とにそれぞれ支持された第2油圧シリンダ16と、前記第2ブーム12の略中央位置と略半円弧状のリンク19を介して前記第3ブーム13の基端(第3軸部121よりも中央寄り)とにそれぞれ支持された第3油圧シリンダ17と、前記第3ブーム13の略中央位置と前記第4ブーム14の基端とにそれぞれ支持された第4油圧シリンダ18とからなる。前記リンク19は、その両端が前記第2ブーム12の基端(第3軸部121よりも中央寄り)と前記第3ブーム13の基端とに支持され、その中央位置に第3油圧シリンダの先端が支持されている。そして、図1に示すように、建設現場において建物Xの打設現場X1が屋上である場合には、第1〜第3油圧シリンダ15〜17を伸張させて第1〜第3ブーム11〜13を上方へ向かってほぼ直線状に伸ばしてから、第4油圧シリンダ18を伸張させて第4ブーム14を建物X側に伸ばすことによって、後述するデリバリーパイプ28が打設現場X1まで導かれるようにしている。
また、ブーム車両1には、図示しない生コンクリートポンプ車から圧送される生コンクリートを打設現場X1まで導く配管2が設けられている。この配管2は、前記第1軸部101内を貫通し、かつ生コンクリートポンプ車からの生コンクリート送出管の先端が一端に接続される第1貫通管20と、この第1貫通管20の他端に一端が接続され、前記第1ブーム11の右側面(図1では紙面奥側の面)に沿って基端から先端に亘って延びる鉄製の第1鉄製配管21と、この第1鉄製配管21の他端に一端が接続され、前記第2軸部111内を貫通する第2貫通管22と、この第2貫通管22の他端に一端が接続され、前記第2ブーム11の左側面(図1では紙面手前側の面)に沿って基端から先端に亘って延びる鉄製の第2鉄製配管23と、この第2鉄製配管23の他端に一端が接続され、前記第3軸部121内を貫通する第3貫通管24と、この第3貫通管24の他端に一端が接続され、前記第3ブーム13の右側面に沿って基端から先端に亘って延びる鉄製の第3鉄製配管25と、この第3鉄製配管25の他端に一端が接続され、前記第4軸部131内を貫通する第4貫通管26と、この第4貫通管26の他端に一端が接続され、前記第4ブーム14の左側面に沿って基端から先端に亘って延びる鉄製の第4鉄製配管27と、この第4鉄製配管27の先端に一端が接続され、前記第4ブーム14の先端から導出される可撓性のある合成樹脂製のデリバリーホース28とからなる。そして、生コンクリートポンプ車から圧送される生コンクリートは、第1貫通管20、第1鉄製配管21、第2貫通管22、第2鉄製配管23、第3貫通管24、第3鉄製配管25、第4貫通管26、第4鉄製配管27及びデリバリーホース28を順に介して送給され、このデリバリーホース28の先端から生コンクリートが吐出されるようになっている。この場合、デリバリーホース28としては、全長8メートルの定尺サイズのものが適用されている。
そして、図2に示すように、前記デリバリーホース28の基端には、前記第4鉄製配管27の先端に形成された拡径部271と同様に外径を拡径させた鍔状の拡径部281が一体的に形成されている。このデリバリーホース28基端の拡径部281と、前記第4鉄製配管27先端の拡径部271とは、固定具としてのワンタッチジョイント3によって固定されている。このワンタッチジョイント3は、図3に示すように、互いの拡径部281,271を抱き合わせた状態で外方から包囲する断面略コ字状の包囲部30をそれぞれ有する半円弧状の2つの包囲部材31,32を備えている。この各包囲部材31,32は、互いの一端同士がヒンジ33を介して開閉自在に支持されている。また、一方(図3では右下側)の包囲部材31の他端には、軸34を介してボルト部材35が回動自在に支持され、このボルト部材35の先端にナット36が螺着されている。他方(図3では左上側)の包囲部材32の他端には、前記両包囲部材31,32の閉塞時に前記ボルト部材35の先端側が挿通されるように間隙を存して対峙する一対の挿通壁37,37が突設されている。そして、前記ワンタッチジョイント3は、前記デリバリーホース28の基端及び第4鉄製配管27の先端の拡径部281,271を抱き合わせた状態で外方から包囲するように包囲部材31,32により閉塞し、前記ボルト部材35の先端側を一対の挿通壁37,37間の間隙に挿通させ、各挿通壁37の裏面371に対しナット36を締め付けることで、前記両拡径部281,271を強固に固定するようにしている。
また、図4に示すように、前記デリバリーホース28の先端にも、その基端の拡径部281と同様に外径を拡径させた鍔状の拡径部282が一体的に形成されている。そして、このデリバリーホース28の先端には、当該デリバリーホース28の先端から吐出される生コンクリートの打設方向を調整する4本の調整用ロープ41〜44が脱着可能に取り付けられている。この各調整用ロープ41〜44は、デリバリーホース28の先端に結わえられた2本のロープ45,46の結び目451,461からそれぞれ派生するものである。
したがって、前記第1の実施の形態では、生コンクリートの打設方向を調整する調整用ロープ41〜44は、デリバリーホース28の先端に取り付けられた際にその先端の拡径部282によって止められる。これにより、デリバリーホース28の先端からの調整用ロープ41〜44の不用意な外れを確実に防止することができる。しかも、デリバリーホース28の先端に取り付けた調整用ロープ41〜44の上から生コンクリートを塗り固めて固定する必要がなくなり、生コンクリートの悪影響を及ぼす成分による調整用ロープ41〜44の断裂を確実に防止することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図5に基づいて説明する。
本実施の形態では、デリバリーホースの先端に延長用デリバリーホースを連結している。なお、延長用デリバリーホースを除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
すなわち、図5に示すように、デリバリーホース28の先端と、基端及び先端の外径をそれぞれ一体的に拡径させた鍔状の拡径部291,292を有する延長用デリバリーホース29の基端とは、ワンタッチジョイント3を介して固定されている。この延長用デリバリーホース29も、デリバリーホース28と同様に可撓性のある合成樹脂よりなり、全長が3〜4メートルのものが適用されている。そして、前記延長用デリバリーホース29の基端を固定するに当たってデリバリーホース28の先端から取り外された調整用ロープ41〜44は、その延長用デリバリーホース29の先端に取り付けられている。
前記延長用デリバリーホース29は、所望する打設場所にデリバリーホース28がほんの少し届かないときに取り付けられる。これは、所望する打設場所にデリバリーホース28がほんの少しでも届かなければ、従来では鉄製配管を別途追加してデリバリーホース28の先端を前記打設場所に届かせる手法が採られるが、これでは、鉄製配管を追加するに当たり、打設作業に従事する作業者に過度の負担が強要されてしまうからである。つまり、打設場所の近くでは、デリバリーホースの敷設経路が複雑に入り組んでいることが多々あるため、前記第4鉄製配管27の先端とデリバリーホース28の基端との間において、前記敷設経路のコーナー部ではコーナー用鉄製配管をつなぐ必要がある上、直線部では直線用鉄製配管をつなぐ必要があり、打設作業に手間を要して時間が嵩み、打設作業に従事する作業者に過度の負担が余儀なくされるからである。この傾向は、敷設経路が曲がりくねるなどしているほど顕著に現れる。
しかも、打設現場X1の特定箇所、例えば厨房、トイレや浴室などでは、特殊な生コンクリートを打設する必要がある。この特殊な生コンクリートは少量でよいものの、打設現場X1においてその特定箇所に少量ずつ振り分けて打設しなければならないため、その都度、コーナー用鉄製配管及び直線用鉄製配管をつなぎ直していると、打設作業に大幅な手間を要して時間が大幅に嵩み、打設作業に従事する作業者に極めて大きな負担が掛かってしまう。
そこで、本実施の形態では、所望する打設場所にデリバリーホース28がほんの少し届かないときに、デリバリーホース28の先端に延長用デリバリーホース29の基端をつなぐことで、コーナー用鉄製配管及び直線用鉄製配管を別途追加することなく、所望する打設場所や打設現場X1の特定箇所に円滑に延長用デリバリーホース29の先端が導かれる。このため、所望する打設場所や打設現場X1の特定箇所に延長用デリバリーホース29の先端を導く上で、その敷設経路が複雑に入り組んでいても、延長用デリバリーホース29の可撓性によりコーナー部が円滑にクリアされ、敷設経路に応じたコーナー用鉄製配管及び直線用鉄製配管をつなぐ作業が全く不要となる。これにより、打設作業に要する手間を削減して時間の短縮化を大幅に図ることができる上、打設作業の従事者への過度の負担(疲労)を飛躍的に軽減することができる。しかも、打設作業に要する時間の短縮化が図れることから、生コンクリートミキサー車により混練りしながら打設現場X1まで運ばれてきた生コンクリートを所望する打設場所や特定箇所に迅速に打設することができる。
また、デリバリーホース28の先端から取り外された調整用ロープ41〜44が、延長用デリバリーホース29の先端に取り付けられているので、デリバリーホース28では届かない所望する打設場所や打設現場X1の特定箇所においても、延長用デリバリーホース29の先端をコントロールしながら満遍なく生コンクリートを打設することができる。
しかも、デリバリーホース28の先端、並びに延長用デリバリーホースの基端及び先端に拡径部282,291,292がそれぞれ設けられていることにより、延長用デリバリーホース29が不慮の事故などにより途中から断裂していても、その断裂した延長用デリバリーホース29の先端又は基端の拡径部291(又は292)をデリバリーホース28の先端の拡径部282に、ワンタッチジョイント3を介して固定すれば、断裂した延長用デリバリーホース29を再利用することができる。
本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記各実施の形態では、デリバリーホース28の敷設構造をブーム車両1に適用した場合について述べたが、多段式のブームを備えた生コンクリートポンプ車にデリバリーホースの敷設構造が適用されていてもよい。この場合には、生コンクリートミキサー車から送出された生コンクリートが、生コンクリートポンプ車により圧送されつつ各貫通管及び鉄製配管を介してデリバリーホースまで送給され、このデリバリーホースの先端から吐出される。
また、前記各実施の形態では、デリバリーホース28の先端にワンタッチジョイント3を介して全長3〜4メートルの延長用デリバリーホース29の基端を固定したが、延長用デリバリーホースの全長はこれに限定されるものではなく、3メートル未満又は4メートルを超える延長用デリバリーホースの基端がデリバリーホースの先端にワンタッチジョイントを介して固定されていてもよいのはいうまでもない。
また、前記各実施の形態では、デリバリーホース28又は延長用デリバリーホースの先端に2本のロープ45,46の結び目からそれぞれ派生する4本の調整用ロープ41〜44を取り付けた場合について述べたが、調整用ロープの本数はこれに限定されるものではなく3本以下又は5本以上であってもよい。また、複数の調整用ロープが1本ずつ個別にデリバリーホース又は延長用デリバリーホースの先端に取り付けられていてもよいのはいうまでもない。
また、前記第2の実施の形態では、デリバリーホース28の先端から取り外した4本の調整用ロープ41〜44を延長用デリバリーホース29の先端に取り付けたが、デリバリーホースの先端から調整用ロープ41〜44を取り外さずに延長用デリバリーホースの先端には別途調整用ロープが取り付けられていてもよい。
更に、前記各実施の形態では、デリバリーホース28及び延長用デリバリーホース29の先端にそれぞれ単一の拡径部282,292を一体的に形成したが、デリバリーホース及び延長用デリバリーホースの先端にそれぞれ複数の拡径部が所定間隔隔てて一体的に形成されていてもよい。この複数の拡径部同士は、先端側の拡径部を外方から包囲するワンタッチジョイントとの干渉を回避可能となる程度の間隔を要する。この場合、調整用ロープは、デリバリーホース及び延長用デリバリーホースの先端において拡径部同士の間に取り付けられていると、デリバリーホース及び延長用デリバリーホースの軸方向(先端側及び基端側)への調整用ロープの移動が確実に規制され、デリバリーホース及び延長用デリバリーホースの先端からの調整用ロープの不用意な外れをより確実に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るデリバリーホースの打設構造を適用したブーム車両の側面図である。
【図2】図1の鉄製配管の先端にデリバリーホースの基端を固定具により固定した状態を示す断面図である。
【図3】図1の鉄製配管の先端にデリバリーホースの基端を固定具により固定する前の状態を示す斜視図である。
【図4】図1のデリバリーホースの先端に調整用ロープを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るデリバリーホースの打設構造を適用したデリバリーホースの先端に基端を固定具で固定した延長用デリバリーホースの先端に調整用ロープを取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
21 第1鉄製配管
23 第2鉄製配管
25 第3鉄製配管
27 第4鉄製配管
28 デリバリーホース
282 拡径部
41〜44 調整用ロープ
29 延長用デリバリーホース
291,292 拡径部
3 ワンタッチジョイント(固定具)
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
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