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機械器具
 
【考案の名称】射出ノズル
【実用新案権者】
【識別番号】523005438
【氏名又は名称】淺田 仁
【住所又は居所】大阪府八尾市西山本町7-8-24 エスペラント21 102号室
【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
【考案者】
【氏名】淺田 仁
【住所又は居所】大阪府八尾市西山本町7-8-24 エスペラント21 102号室
【要約】
【課題】溶融材料の滞留に起因する成形不良を効果的に抑制し得る射出ノズルを提供する。
【解決手段】本考案は、材料供給源から供給される溶融材料を射出成形用の金型に吐出する射出ノズル1であって、材料供給源側から作用する溶融材料の圧力に応じて、軸方向に前進および後退可能なピストン10と、ピストン10に後退方向の付勢力F1を付与可能な付勢部材20と、ピストン10の外側に嵌合され、ピストン10の前進によって溶融材料が導入されるカラー30と、カラー30を通過した溶融材料を吐出するための吐出口42を有するキャップ40と、を備え、カラー30の前端部の外周面は、カラー30の前端部に装着されたキャップ40の内周面50に密着するように構成されている。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
材料供給源から供給される溶融材料を射出成形用の金型に吐出する射出ノズルであって、
前記材料供給源側から作用する前記溶融材料の圧力に応じて、軸方向に前進および後退可能なピストンと、
前記ピストンに後退方向の付勢力を付与可能な付勢部材と、
前記ピストンの外側に嵌合され、前記ピストンの前進によって前記溶融材料が導入されるカラーと、
前記カラーを通過した前記溶融材料を吐出するための吐出口を有するキャップと、を備え、
前記カラーの前端部の外周面は、前記カラーの前端部に装着された前記キャップの内周面に密着するように構成されていることを特徴とする射出ノズル。
【請求項2】
前記カラーの前端部は、前記ピストンを軸方向にスライド可能に案内する内周面と、前記キャップの内周面に密着する外周面とを有するガイド部であることを特徴とする請求項1に記載の射出ノズル。
【請求項3】
前記カラーは、前記ガイド部よりも軸方向の後方において前記付勢部材を収容する収容部と、前記収容部と前記ガイド部とを繋ぐ連絡部とを備え、
前記連絡部の外周面は、前記キャップの内周面に密着するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の射出ノズル。
【請求項4】
前記カラーの前端部に、前記ガイド部から前記連絡部にかけて軸方向に延びる切り欠きが設けられ、
前記ガイド部と前記連絡部とは、前記切り欠きを除く部分の外周面の略全面に亘って前記キャップの内周面に密着するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の射出ノズル。
【請求項5】
前記ガイド部及び前記連絡部の厚さは、前記収容部の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の射出ノズル。
【請求項6】
前記キャップの内周面は、前記収容部の外周面に対向する第1対向部と、前記連絡部および前記ガイド部の外周面に対向する第2対向部とを備え、
前記カラーの外周面は、前記第2対向部の略全面に密着するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の射出ノズル。
【請求項7】
前記第2対向部は、軸方向の前方に向かって径方向内側に傾斜して延びる傾斜部と、該傾斜部の前端から軸方向に沿って前方に延びる直進部と、該直進部の前端から軸方向の前方に向かって径方向内側に湾曲しながら前記吐出口まで延びる湾曲部と、を有することを特徴とする請求項6に記載の射出ノズル。
【請求項8】
前記カラー及び前記キャップのそれぞれは、ヒータを内蔵したマニホールドにおけるシリンダに収容される被収容部と、前記シリンダの端面よりも外側に突出する突出部とを備え、
前記カラーの外周面は、前記突出部において前記キャップの内周面に密着するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の射出ノズル。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、射出成形機に設けられる射出ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂の射出成形では、ホットランナーと呼ばれる方式が採用されることがある。ホットランナー方式では、射出された溶融材料の流路であるランナー部(スプルー、ランナー、ゲート)が、金型ではなく、ヒータを内蔵したマニホールドに設けられる。この場合、ランナー部における材料は溶融状態に維持されるため、ランナー部での無駄な成形が回避され、金型から成形品のみが取り出される。このことから、ホットランナー方式の射出成形は、ランナーレス成形とも呼ばれる。
【0003】
ホットランナー方式の射出成形機におけるマニホールドでは、溶融材料の流路が複数に分岐され、各流路の下流端部に射出ノズルが設けられる。この射出ノズルには、例えば特許文献1に開示されているように、溶融材料の圧力に応じて開閉するバルブ機構が設けられることがある。
【0004】
図6(a)及び図6(b)の断面図は、バルブ機構を備えた従来例の射出ノズル101の構成を示している。なお、図6(a)及び図6(b)において、射出ノズル101は、上側半分は側面図として図示され、下側半分は断面図として図示されている。
【0005】
射出ノズル101は、マニホールドのシリンダ200の先端部に取り付けられている。射出ノズル101は、軸方向に前進および後退可能なピストン110と、ピストン110の外側に装着されるコイルばね120と、ピストン110及びコイルばね120の外側に嵌合されるカラー130と、カラー130の先端部に装着されるキャップ140とを備える。
【0006】
コイルばね120は、後退方向の付勢力をピストン110に付与するように、軸方向に収縮した状態でカラー130内に収容される。ピストン110の前端部には、キャップ140の吐出口142を開閉するゲートバルブ部112が設けられ、ピストン110の後端部には、材料供給源からの溶融材料の圧力を受ける受圧部114が設けられている。
【0007】
図6(a)に示すように、材料供給源から金型に溶融材料が供給されていないとき、コイルばね120の付勢力F1によって、ピストン110は後退位置に維持される。このとき、キャップ140の吐出口142は、ピストン110のゲートバルブ部112によって閉じられている。
【0008】
図6(b)に示すように、材料供給源からの材料供給が開始されると、ピストン110は、溶融材料の圧力P1を受圧部114で受けることによって前進する。これにより、キャップ140の吐出口142が開いて、射出ノズル101に供給された溶融材料は、カラー130の内側を通ってキャップ140の吐出口142から金型へ注入される。
【0009】
金型への材料充填が完了すると、受圧部114に作用する圧力P1の低下によりピストン110が後退し、キャップ140の吐出口142がゲートバルブ部112によって再び閉じられる。以上のように、射出ノズル101のバルブ機構は、溶融材料の圧力に応じて自動的に開閉動作を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】 特開2019−151036号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図6(a)及び図6(b)に示すような従来の射出ノズル101では、フラッシュ(ばり)等の成形不良が生じることがある。この問題に関して、本願出願人は、鋭意研究を重ねた結果、カラー130の先端部の外周面とキャップ140の内周面との隙間S1に溶融材料が滞留することが成形不良の一因であることを見出した。
【0012】
そこで、本考案は、溶融材料の滞留に起因する成形不良を効果的に抑制し得る射出ノズルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本考案の一態様は、材料供給源から供給される溶融材料を射出成形用の金型に吐出する射出ノズルであって、前記材料供給源側から作用する前記溶融材料の圧力に応じて、軸方向に前進および後退可能なピストンと、前記ピストンに後退方向の付勢力を付与可能な付勢部材と、前記ピストンの外側に嵌合され、前記ピストンの前進によって前記溶融材料が導入されるカラーと、前記カラーを通過した前記溶融材料を吐出するための吐出口を有するキャップと、を備え、前記カラーの前端部の外周面は、前記カラーの前端部に装着された前記キャップの内周面に密着するように構成されていることを特徴とする。
【考案の効果】
【0014】
本考案によれば、射出ノズルに溶融材料が滞留することが防止されることで、成形不良の発生を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本考案の一実施形態に係る射出ノズルを示す側面図である。
【図2】同射出ノズルの構成部品を示す分解図である。
【図3】同射出ノズルの側面図およびシリンダの断面図である。
【図4】同射出ノズルの開状態および閉状態を示す断面図である。
【図5】同射出ノズルのキャップ及びカラーの要部を示す拡大図である。
【図6】従来例に係る射出ノズルの開状態および閉状態を示す断面図である。
【考案を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本考案の一実施形態が説明される。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本考案、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
【0017】
図1の側面図に、本実施形態に係る射出ノズル1が示され、図2の分解図に、射出ノズル1の構成部品10,20,30,40が示されている。射出ノズル1は、ホットランナー方式の射出成形機において、ヒータを内蔵したマニホールドにおけるシリンダ70(図3参照)の先端部に取り付けられるものである。この取付け状態において、射出ノズル1は、材料供給源(図示せず)から供給される溶融材料(例えば、熱可塑性樹脂)を射出成形用の金型(図示せず)に吐出可能となっている。
【0018】
図1及び図2に示すように、射出ノズル1は、溶融材料の圧力に応じて吐出口42を開閉するバルブ機構を構成するピストン10と、ピストン10に付勢力を付与可能な付勢部材であるコイルばね20と、ピストン10の外側に嵌合されるカラー30と、カラー30の先端部に装着されるキャップ40とを備えている。射出ノズル1の吐出口42は、キャップ40に形成されている。
【0019】
ピストン10は、軸方向に延びる長尺部材である。ピストン10は、材料供給源側から作用する溶融材料の圧力に応じて、軸方向に前進および後退可能となっている。ピストン10の前端部には、キャップ40の吐出口42を開閉するゲートバルブ部12が設けられている。ゲートバルブ部112は、例えば、軸方向に直交する円板状に形成されている。ピストン10の後端部には、材料供給源からの溶融材料の圧力を受ける受圧部14が設けられている。受圧部14は、例えば、軸方向の前方に向かって拡径するように円錐台状に形成されている。ピストン10の軸方向において、受圧部14の前方に隣接する部分には、複数のストッパ16が設けられている。ストッパ16は、例えば、ピストン10の外周面から径方向の外側に突出するようにフィン状に形成されている。ストッパ16は、例えば、周方向の3箇所に互いに間隔を空けて設けられている。
【0020】
コイルばね20は、軸方向に伸縮可能なようにピストン10の外側に装着される。コイルばね20は、軸方向の一方側においてカラー30内の段状の位置決め部31(図1参照)によって位置決めされ、軸方向の他方側においてピストン10のストッパ16によって位置決めされる。これにより、コイルばね20は、位置決め部31とストッパ16との軸方向距離に応じて伸縮可能となっている。射出ノズル1の取付け状態において、コイルばね20は、軸方向に収縮した状態でカラー30内に収容される。これにより、コイルばね20は、ピストン10に後退方向の付勢力を付与可能となっている。
【0021】
カラー30は、軸方向に貫通するキャビティを有する筒状部材である。カラー30は、ピストン10及びコイルばね20の外側に嵌合される。カラー30は、ピストン10の軸方向移動を案内するガイド部34と、ガイド部34よりも軸方向の後方においてコイルばね20を収容する収容部32と、収容部32とガイド部34とを繋ぐ連絡部36とを備える。
【0022】
収容部32は、全長に亘って略一定の径を有する円筒状の部分である。収容部32の後端面は、溶融材料を導入可能なように開口している。収容部32の後端部には、軸方向に延びるスリット33が設けられている。スリット33は、ピストン10のストッパ16に対応して周方向に間隔を空けて複数(例えば3つ)設けられている。各スリット33には、ピストン10のストッパ16が係合可能となっている。収容部32の前端部は、上記の段状の位置決め部31を形成するように径方向内側に屈曲されている。
【0023】
連絡部36は、収容部32の前端部から軸方向の前方に向かってテーパ状に延びている。連絡部36の内部空間は、収容部32の内部空間に連通している。連絡部36の内周面および外周面は、軸方向の前方に向かって径方向の内側に傾斜している。連絡部36の内周面は、軸方向の後端から前端にかけて直線状に延びている。連絡部36の外周面は、軸方向の後端から前端にかけて、径方向外側に膨らむように湾曲しながら延びている。連絡部36の厚さは、収容部32の厚さよりも大きい。
【0024】
ガイド部34は、連絡部36の前端部から軸方向の前方に向かって筒状に延びており、カラー30の前端部を構成している。ガイド部34の内部空間は、連絡部36の内部空間に連通している。ガイド部34の前端面には開口37が形成されている。ガイド部34の内周面は、軸方向の略全長に亘って均一の径を有する円筒状の面であり、ピストン10を軸方向にスライド可能に案内する機能を有する。ガイド部34の外周面は、軸方向の後端から中間部にかけて均一の径を有し、軸方向の中間部から前端にかけて径方向外側に膨らむように湾曲しながら次第に縮径している。ガイド部34の厚さは、連絡部36及び収容部32の厚さよりも大きい。
【0025】
図2に示すように、カラー30の前端部には、ガイド部34から連絡部36にかけて軸方向に延びるスリット状の切り欠き38が設けられている。切り欠き38は、周方向に互いに間隔を空けて複数(例えば3つ)設けられている。切り欠き38は、カラー30内に導入された溶融材料を排出するための排出口としての機能を有する。
【0026】
キャップ40は、被固定部44と本体部46とを備える。キャップ40は、軸方向において本体部46の後方に被固定部44が配置されるようにカラー30に装着される。カラー30にキャップ40が装着された状態において、被固定部44は、カラー30の収容部32の前端部を外側から被覆し、本体部46は、カラー30のガイド部34及び連絡部36を外側から被覆する。
【0027】
被固定部44は、軸方向に延びる円筒状に形成されている。被固定部44の外周面は、シリンダ70のねじ穴部75(図3参照)にねじ込まれる雄ねじ部45となっている。これにより、被固定部44は、シリンダ70に固定可能となっている。本体部46は、被固定部44よりも軸方向の前方に配置され、前方に向かって縮径する形状を有する。本体部46の前端面には吐出口42が設けられている。本体部46の後端部は、リング部49を介して被固定部44に連なっている。リング部49の外径は、被固定部44及び本体部46の外径よりも大きい。
【0028】
図3を参照しながら、射出ノズル1の取付けに関するシリンダ70の構成が説明される。なお、図3において、射出ノズル1は側面図として図示され、シリンダ70は断面図として図示されている。
【0029】
シリンダ70の先端の端面には、射出ノズル1を取付けるための取付用穴74が設けられている。取付用穴74は、ねじ穴部75と、ねじ穴部75の開口周縁に形成されたザグリ部76と、ねじ穴部75の底部に形成された凹部77とを有する。凹部77の底部は、取付用穴74の底面74aを構成している。取付用穴74の底面74aには、射出ノズル1に供給される溶融材料が通過するための通路72が開口している。
【0030】
シリンダ70のねじ穴部75には、射出ノズル1のキャップ40の雄ねじ部45がねじ込まれ、これにより、シリンダ70の先端部に射出ノズル1のキャップ40が固定される(図4参照)。この固定状態において、シリンダ70のザグリ部76には射出ノズル1のリング部49が収容され、シリンダ70の凹部77には、射出ノズル1のカラー30におけるキャップ40よりも軸方向の後方に突出した部分が収容される。また、この固定状態において、射出ノズル1のピストン10の後端部はシリンダ70の通路72に収容可能であるが、ピストン10のストッパ16がシリンダ70の取付用穴74の底面74aに当接することで、シリンダ70の通路72にピストン10が過剰に入り込むことが回避され得る。
【0031】
図4(a)及び図4(b)を参照しながら、射出ノズル1のバルブ機構の動作が説明される。なお、図4(a)及び図4(b)において、シリンダ70は断面図として図示され、射出ノズル1は、上側半分は側面図として図示され、下側半分は断面図として図示されている。
【0032】
図4(a)及び図4(b)に示す射出ノズル1の取付け状態において、キャップ40は、上記のようにシリンダ70に固定され、カラー30は、コイルばね20の前方への付勢力によってキャップ40に押し付けられた状態に維持される。これにより、カラー30は、キャップ40を介してシリンダ70に固定される。このような固定状態において、カラー30の収容部32と、キャップ40の被固定部44及びリング部49とは、シリンダ70に収容される被収容部となっており、カラー30の連絡部36及びガイド部34と、キャップ40の本体部46とは、シリンダ70の端面よりも外側に突出する突出部となっている。
【0033】
図4(a)に示すように、材料供給源から金型に向けて溶融材料が供給されていないとき、コイルばね20の付勢力F1によって、ピストン10は後退位置に維持される。このとき、シリンダ70の通路72はピストン10の受圧部14によって閉じられ、キャップ40の吐出口42はピストン10のゲートバルブ部12によって閉じられている。
【0034】
図4(b)に示すように、材料供給源からの材料供給が開始されると、ピストン10は、溶融材料の圧力P1を受圧部14で受けることによって前進する。ピストン10の前進によって、シリンダ70の通路72とキャップ40の吐出口42とが開放される。これにより、通路72からカラー30の内部に溶融材料が導入され、カラー30の内部を通過した溶融材料は、キャップ40の吐出口42から吐出されて金型へ注入される。
【0035】
金型への材料充填が完了すると、受圧部14に作用する圧力P1の低下によりピストン10が後退し、キャップ40の吐出口42がゲートバルブ部12によって再び閉じられる。以上のように、射出ノズル1のバルブ機構は、溶融材料の圧力に応じて自動的に開閉動作を行うように構成されている。
【0036】
図5(a)に示すキャップ40の拡大断面図、及び、図5(b)に示す射出ノズル1の拡大側面図を参照しながら、本実施形態に係る射出ノズル1の特徴が説明される。
【0037】
図5(a)に示すように、キャップ40の内周面50は、カラー30の収容部32の外周面に対向する第1対向部51と、カラー30の連絡部36およびガイド部34の外周面に対向する第2対向部52とを備える。
【0038】
第1対向部51は、軸方向に沿って延びる直進部となっている。第2対向部52は、軸方向の前方に向かって径方向内側に傾斜して延びる傾斜部53と、傾斜部53の前端から軸方向に沿って前方に延びる直進部54と、直進部54の前端から軸方向の前方に向かって径方向内側に湾曲しながら吐出口42まで延びる湾曲部55と、を有する。
【0039】
射出ノズル1の取付け状態(図4(a)及び図4(b)参照)、すなわち、カラー30の前端部にキャップ40が装着された状態において、カラー30の外周面は、キャップ40の内周面50に密着するように構成されている。具体的に、カラー30の収容部32の外周面は、キャップ40の第1対向部51に密着し、カラー30の連絡部36の外周面は、キャップ40の第2対向部52の傾斜部53に密着し、カラー30のガイド部34の外周面は、キャップ40の第2対向部52の直進部54及び湾曲部55に密着する。
【0040】
特に、シリンダ70の端面よりも外側に突出したカラー30の前端部、すなわち、ガイド部34及び連絡部36は、切り欠き38を除く部分の外周面の略全面に亘って、キャップ40の内周面50の第2対向部52に密着するように構成されている。
【0041】
以上のように構成された射出ノズル1によれば、カラー30の前端部の外周面とキャップ40の内周面との間に従来のような隙間S1(図6参照)が生じない。そのため、射出ノズル1内の隙間に溶融材料が滞留することが防止され、これにより、溶融材料の滞留に起因する成形不良の発生を効果的に抑制することができる。
【0042】
以上、上述の実施形態を挙げて本考案が説明されているが、本考案は、上述の実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲を逸脱しない限り、射出ノズルの具体的構成は適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 射出ノズル
10 ピストン
12 ゲートバルブ部
14 受圧部
20 コイルばね(付勢部材)
30 カラー
32 収容部
34 ガイド部
36 連絡部
38 切り欠き
40 キャップ
42 吐出口
50 キャップの内周面
51 第1対向部
52 第2対向部
53 傾斜部
54 直進部
55 湾曲部
F1 付勢力
P1 溶融材料の圧力
S1 隙間
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6 
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