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機械器具
 
【発明の名称】合成樹脂製ロール状連続袋の口開き切り取り装置
【出願人】
【識別番号】506040364
【氏名又は名称】久林 信敏
【住所又は居所】広島県廿日市市玖島3207−2
【発明者】
【氏名】久林 信敏
【住所又は居所】広島県廿日市市玖島3207−2
【要約】
【課題】
合成樹脂製ロール状連続袋の切断用ミシン目で切り取られた1枚の袋は、開口部の両片面がミシン目において付着しており口開きが難しいという問題があった。口開きを容易にする装置を提供する。
【解決手段】
合成樹脂製ロール状連続袋を基板に回転自在に保持し、回転自在に設けた遊びローラと、該遊びローラの中央に接するように調整機構を介して設けられた所定の摩擦抵抗を有する材料よりなる摩擦部材と、該遊びローラの近傍に袋切離部材とを設けた合成樹脂製ロール状連続袋の口開き切り取り装置において、連続袋の切断用ミシン目の部分が遊びローラ円周面と摩擦部材との間を通過することにより、回転自在の遊びローラ円周面に接している連続袋開口部の片面はそのまま通過し、摩擦部材に接している連続袋開口部の片面は摩擦部材との摩擦により引きちぎられ口開きし、尚且つ袋切離部材により一枚ずつ切り取られるようにした装置である。
リーフレット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製ロール状連続袋を基板に回転自在に保持し、回転自在に設けた遊びローラと、該遊びローラの中央に接するように調整機構を介して設けられた所定の摩擦抵抗を有する材料よりなる摩擦部材とを設けた合成樹脂製ロール状連続袋の口開き切り取り装置。
【請求項2】
前記の遊びローラの近傍に袋切離部材を配置した請求項1記載の合成樹脂製ロール状連続袋の口開き切り取り装置。 前記の調整機構を介して設けられた所定の摩擦抵抗を有する材料よりなる摩擦部材と袋切離部材を、前記の遊びローラに近接して揺動自在の支持手段で基板に取付けられた可動枠に設け、該可動枠の両端に取付けた小ローラとからなる請求項1及び請求項2記載の合成樹脂製ロール状連続袋の口開き切り取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、薄肉長尺の合成樹脂筒に、予め帯状溶封部とそれに近接する切断用ミシン目を等間隔に設け、端部より順次ミシン目において切り取り1枚の袋とする合成樹脂製ロール状連続袋の口開き切り取り装置に関する。
【背景技術】
図5は、スーパーマーケット等においてサービス用として使用される上述合成樹脂製ロール状連続袋(1)を示すもので、例えば薄肉長尺のポリエチレン製の合成樹脂筒(2)に、予め帯状溶封部(3)とそれに近接する切断用ミシン目(4)が等間隔に設けられ多数の袋(5)が連続して形成されている。従来はこれを回転自在に保持するロールホルダーに設置し必要に応じて切断用ミシン目(4)においてホルダーに設けられた袋切離部材の突出部により1枚ずつ切り取り使用されている。
切り取られた袋の口開きを容易にするため、例えば「回転駆動手段を作動させると、1対の送りローラが連続袋を挟んで回転させられることにより連続袋は送り出される。この送り途中の適宜のタイミングで、側方移動手段が作動させられると、少なくとも一方の送りローラが軸方向に移動させられ、連続袋は互いに重合する両側片が左右にずれて、開口が強制的に引き離されることを特徴とする装置」が提案されている(特許文献1)。また、「切り離した後の開封を容易にするための開封補助用貫通穴を備えることを特徴とする連続袋」が提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】
実開平05−68808
【特許文献2】
特開2000−255590
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
切り取った1枚の袋は開口部の両片面(5a)(5b)が切断用ミシン目(4)において付着しているので従来はこれを指先でつまんで位置ずれさせて口開きするのであるが袋がきわめて薄く滑りやすいため口開きに意外に手間取るという問題があった。
本発明は連続袋が口開きし易い状態で供給される合成樹脂製ロール状連続袋の口開き切り取り装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
本願発明は上記目的を達成するために合成樹脂製ロール状連続袋を基板に回転自在に保持し、回転自在に設けた遊びローラと、該遊びローラの中央に接するように調整機構を介して設けられた所定の摩擦抵抗を有する材料よりなる摩擦部材とを設けたものである。
また、第2の解決手段は、前記の遊びローラの近傍に袋切離部材を配置する構成としたものである。尚且つ第3の解決手段は、前記の調整機構を介して設けられた所定の摩擦抵抗を有する材料よりなる摩擦部材と袋切離部材を、前記の遊びローラに近接して揺動自在の支持手段で基板に取付けられた可動枠に設け、該可動枠の両端に取り付けた小ローラとからなる装置とすることにより、一層使い易い装置とすることができる。
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。ロール状連続袋のミシン目(4)の部分が、回転自在の遊びローラ(8)と該遊びローラに接する調整機構を介して設けられた所定の摩擦抵抗を有する材料よりなる摩擦部材(12)との当接部(12a)の間を通過することにより、遊びローラ円周面(8a)に接している連続袋開口部の片面(5a)はそのまま通過し、摩擦部材の当接部(12a)に接している連続袋開口部の片面(5b)は、摩擦部材の当接部(12a)との摩擦により引きちぎられ口開きを行うことができる。
【発明の効果】
本発明の装置を使用すればロール状連続袋(1)を片手で一枚ずつ確実に素早く切り取ることができ、尚且つ切り取った個々の袋は、切断用ミシン目(4)において付着していた両片面(5a)(5b)が一旦引き離されているので口開きにおいても大変便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
図2に示すように合成樹脂製ロール状連続袋(1)が、基板(6)に設けた左右側壁のU字溝(6a)(6b)に水平に横架された芯棒(7)により回転自在に保持されている。またロール状連続袋(1)の上部には、それに平行で長さがロール状連続袋(1)の横幅よりも若干長寸の回転自在の遊びローラ(8)が、ローラ軸(9)により前記基板(6)に支持されている。
図3に示すように支点(10)を中心に揺動自在の可動枠(11)が支点ピン(10a)(10b)により前記基板(6)に枢着されており、その中央部には摩擦部材(12)が、前記回転自在の遊びローラ円周面(8a)に摩擦部材の当接部(12a)の角が平行に接するように設けられている。通常、遊びローラ円周面(8a)と摩擦部材の当接部(12a)とは適宜隙間ができるような回転方向に、おもり(13)により軽くバランスが保たれておりストッパー(14)に当り静止している。また、摩擦部材(12)は、支点(15)を中心に回動可能な板(16)に貼着され押圧荷重調整用ネジ(17)を介し圧縮コイルバネ(18)により常時遊びローラ(8)の方向へ押圧された状態でストッパー(11a)に当り止っている。摩擦部材の当接部(12a)の幅は、切断用ミシン目(4)のミシン目ピッチの1〜2倍が好ましく、1倍よりも狭いと薄肉材質の連続袋のため摩擦により袋の表面に深い引っかき傷ができ、また2倍よりも広いとミシン目が引きちぎられにくく好ましくない。また摩擦部材(12)の材質としては摩擦抵抗の大きいシリコンゴムが好ましく、当接部(12a)の形状は角が適し平面又は円弧状のものでも良い。
前記可動枠(11)には摩擦部材(12)の他、可動枠(11)が遊びローラ(8)側に倒れた時のストッパーとして小ローラ(19a)(19b)が、遊びローラ(8)に接するよう両端に設けられており、中央部には遊びローラ(8)に常に軽く押圧された弾力性のある樹脂系又は金属系の薄板(20)が設けられている。また可動枠(11)の左右側壁(21a)(21b)に掛け渡された線材からなる袋切離部材(22)が設けられており、その中央部は線材をV字状に折曲して凸部(22a)を形成している。
次に上記構成の合成樹脂製ロール状連続袋(1)の口開き切り取り装置を実際に使用する際の実施例について説明する。
ロール状連続袋(1)を芯棒(7)にセットし連続袋(1)の先端を手前から上部回転自在の遊びローラ(8)とそれに軽く押圧された弾力性のある薄板(20)との間に通し挟持させ袋切離部材(22)の上に乗せ若干手前に垂らすようセットする。最初の1枚目は連続袋(1)の端部をつまみ、まず水平に引き出し切断用ミシン目(4)が摩擦部材(12)に近づくと袋切離部材(22)を押し下げるように下方に引っ張れば支点(10)を中心に可動枠(11)が遊びローラ(8)側に倒れ、小ローラ(19a)(19b)と遊びローラ(8)が接することにより、摩擦部材(12)を取付けた回動可能な板(16)と可動枠のストッパー(11a)との間に隙間が保たれ摩擦部材の当接部(12a)が遊びローラ円周面(8a)に一定の荷重で圧接される。
上記の状態のまま引っ張り続けると切断用ミシン目(4)の部分が、前記遊びローラ円周面(8a)と摩擦部材の当接部(12a)との間を通過するとき、遊びローラ円周面(8a)に接している連続袋開口部の片面(5a)はそのまま通過し、摩擦部材の当接部(12a)に接している連続袋開口部の片面(5b)は、摩擦部材の当接部(12a)との摩擦により引きちぎられ図6に示すよな状態に口開きする。なおかつ引っ張り続けることによりそのまま通過した切断用ミシン目(4)は袋切離部材(22)のV字状の凸部(22a)に引っかかり、簡単で確実に1枚の袋を切り取ることができる。
2枚目以降、図6のように口が開いた状態のままの場合、連続袋開口部の片面(5a)のみを前記と同じ要領で引っ張ると連続袋開口部の片面(5b)が摩擦部材の当接部(12a)によりめくれたまま次のミシン目の上に重なり引きちぎりできなくなるという欠点がある。そのため必ず2枚目以降は連続袋開口部の両片面(5a)(5b)を一緒につまみ前記と同じ要領で引っ張り出すという条件が必要である。これは連続袋開口部の片面(5b)がめくれたまま摩擦部材(12)に付着しているためでありこれを取り除く機構を設ければ解決できる。例えば図示されてはいないが、可動枠(11)の揺動の動きを利用して付着している部分を剥がす手段を設ければ、合成樹脂の復元性により開口部の両片面(5a)(5b)がほぼそろい前記条件が不要となる。
上記実施形態の装置の大きさは約、幅300mm×高さ300mm×奥行き150mmであるが、本装置を背中合わせに配置して1台の装置とすることもでき、その場合は奥行きが約300mmとなる。また基板及び可動枠の材質は金属系でも良いが量産する場合のコスト面では樹脂系の材質の方が好ましい。
基板(6)に可動枠(11)を揺動自在に支持するものとして例えば、弾力性のある薄板で連結することも可能であり、また基板(6)と可動枠(11)及び摩擦部材が貼着された回動可能な板(16)の材質を樹脂にすることにより一体成形でき、各支点部分の肉厚を薄くして弾性ヒンジとしての働きを持たすことも可能である。尚且つ可動枠(11)に設けたストッパーとしての小ローラを摩擦抵抗の小さい樹脂系のブロックとしてもよい。また袋切離部材(22)を線材としたが、前記実施例に限定されることはなく中央に破切されるための起点となる形状の凸部を設けた樹脂系の板状のものでもよく、そうすることにより可動枠と一体成型が可能となる。
【実施例2】
図7はコストダウンをするために基板(6)と可動枠(11)を一体化した構造のものである。一体化することにより調整機構を介して設けられた所定の摩擦抵抗を有する材料よりなる摩擦部材(12)は常に遊びローラ円周面(8a)に圧接された状態である。そのため切り取られた後の連続袋開口部の片面(5b)はめくれたまま当節部(12a)に挟持されており、それを引き出すのに大変苦労するという欠点がある。また調整機構を介して設けられた摩擦部材(12)に関しては、ロール状連続袋(1)の材質及びミシン目ピッチ等の条件が一定であれば調整機構は不要であり、所定の摩擦抵抗に匹敵する弾力性のある板、例えばバネ鋼の板又は樹脂系の板に摩擦部材を貼着してもよい。
【実施例3】
図8は本発明における最も基本的な実施例である。実施例2のおいて袋切離部材(22)を取り除いたものでが、袋の切り離しは袋を引っ張り続けることにより可能である。
図示はされていないが、全ての実施例において基板(6)の側壁又は底板等に袋の口を閉じるためのテープ又は荷作り用の紐などを付設してもよい。
【産業上の利用の可能性】
本発明の装置を使用することにより片手で確実にロール状連続袋から1枚ずつ袋を切り取ることができ、しかも口開きも容易なためその中に素早く商品を入れることができる。前記の利点を生かしスーパーマーケットの食品売り場等のレジにおいて使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の全体を示す斜視図である。
【図2】 図1の正面図である。
【図3】 図2のA−A断面である。
【図4】 口開きと袋の切離しを行う時の状態を示す図である。
【図5】 ロール状連続袋の斜視図である。
【図6】 ロール状連続袋が口開きされた状態を示す斜視図である。
【図7】 本発明の実施例2の全体を示す斜視図である。
【図8】 本発明の実施例3の全体を示す斜視図である。
【符号の説明】
(1) 合成樹脂製ロール状連続袋 (2) 合成樹脂筒
(3) 帯状溶封部 (4) 切断用ミシン目
(5a)(5b) 連続袋開口部の各片面 (6) 基板
(7) 芯棒 (8) 回転自在の遊びローラ
(9) ローラ軸 (10) 支点
(11) 可動枠 (12) 摩擦部材
(13) おもり (14) ストッパー
(15) 支点 (16) 回動可能な板
(17) 押圧荷重調整用ネジ (18) 圧縮コイルバネ
(19a)(19b) 小ローラ (20) 弾力性のある薄板
(21a)(21b) 可動枠の左右側壁 (22) 袋切離部材
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
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