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機械器具
 
【発明の名称】沈殿槽
【国際特許分類】
B01D 21/02 (2006.01)
B01D 21/24 (2006.01)
【FI】
B01D 21/02    S    
B01D 21/24    H    
B01D 21/24    S    
【特許権者】
【識別番号】522425002
【氏名又は名称】静観 龍
【住所又は居所】大阪府堺市堺区南旅篭町東1-1-30-701
【代理人】
【識別番号】100143096
【弁理士】
【氏名又は名称】山岸 忠義
【発明者】
【氏名】静観 龍
【住所又は居所】大阪府堺市堺区南旅篭町東1-1-30-701
【要約】
【課題】小型化が可能な分離槽を提供すること。
【解決手段】沈殿槽1は、第1部材2と、その内部に配置される第2部材3を備え、第1部材1は、円筒壁部6と、円筒壁部6の内部に配置され、下側に向かうに従って縮径する形状を有するロート部7とを備え、第2部材3は、ロート部7の上側に間隔を隔てて対向配置され、下側に向かうに従って縮径する形状を有する天井部11を備える。原水取込口13は、ロート部7と天井部11とによって、周方向に連続するように区画されている。汚泥排出口8は、ロート部7の中心において、ロート部7を上下方向に貫通するように形成されている。 清澄水排出口15は、天井部11の中心において、天井部11を上下方向に貫通するように形成されている。
【選択図】図1
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、その内部に配置される第2部材とを備える沈殿槽であって、
前記第1部材は、
上下方向に中心軸を有する円筒壁部と、
前記円筒壁部の内部に配置され、下側に向かうに従って縮径する形状を有するロート部とを備え、
前記第2部材は、前記ロート部の上側に間隔を隔てて対向配置され、下側に向かうに従って縮径する形状を有する天井部を備え、
原水取込口が、前記ロート部と前記天井部とによって、周方向に連続するように区画され、
汚泥排出口が、前記ロート部の中心において、前記ロート部を上下方向に貫通するように形成され、
清澄水排出口が、前記天井部の中心において、前記天井部を上下方向に貫通するように形成されており、
前記原水取込み口から流入する原水の流路の上下方向長さは、中心に向かうに従って広がり、
前記天井部は、曲線に沿うように形成されており、
前記清澄水排出口は、上側に向かうに従って縮径することを特徴とする、沈殿槽。
【請求項2】
前記曲線は、前記沈殿槽の径方向の距離をx、上下方向の距離をyとしてプロットした際に、y=|x・tanθ+k/x|の式(ただし、kは、10以上、1000以下である;単位は、mm)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿槽。
【請求項3】
前記清澄水排出口の最上端の直径は、前記清澄水排出口の最下端の直径の50%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿槽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沈殿槽に関する。
【背景技術】
【0002】
金属加工工場、紙・パルプ工場などの工場や家庭で生じる汚泥を含む水は、当該工場や下水処理場に設置されている沈殿槽によって、汚泥を含まない清澄水と、汚泥の濃度が濃縮された汚泥水とに分離され、清澄水は工業用水や生活用水として再利用される。このような沈殿槽として、傾斜板式沈殿槽が広く使用されている(特許文献1参照)。傾斜板式沈殿槽は、水槽の中に傾斜した板を多数配置し、その傾斜板に汚泥を含む原水を流すことにより、清澄水と汚泥水とに分離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2002−102662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、沈殿槽は、小型化されて、持ち運びなどが可能な程度になれば、様々な場所で清澄水を得ることができるため、便利である。しかしながら、傾斜板式沈殿槽では、そのような持ち運び可能なタイプの沈殿槽は、提案されていない。
【0005】
本発明は、小型化が可能であり、新規な分離槽を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の発明を含む。
【0007】
本発明[1]は、 第1部材と、その内部に配置される第2部材とを備える沈殿槽であって、
前記第1部材は、
上下方向に中心軸を有する円筒壁部と、
前記円筒壁部の内部に配置され、下側に向かうに従って縮径する形状を有するロート部とを備え、
前記第2部材は、前記ロート部の上側に間隔を隔てて対向配置され、下側に向かうに従って縮径する形状を有する天井部を備え、
原水取込口が、前記ロート部と前記天井部とによって、周方向に連続するように区画され、
汚泥排出口が、前記ロート部の中心において、前記ロート部を上下方向に貫通するように形成され、
清澄水排出口が、前記天井部の中心において、前記天井部を上下方向に貫通するように形成されている、沈殿槽を含む。
【0008】
このような沈殿槽によれば、ロート部および天井部によって周方向に連続するように区画される原水取込口と、下側に向かって縮径するロート部および天井部によって下側に傾斜するように区画される流路と、ロート部の中心に位置する汚泥排出口と、汚泥排出口の上側に配置される清澄水排出口とを備えている。このため、原水のうち汚泥は、傾斜する流路の底に沿って沈殿しながら流れて汚泥排出口に至り、その一方、清澄水は、天井部に沿って流れ清澄水排出口に至る。その結果、原水を清澄水と、汚泥が濃縮した汚泥水とに分離することができる。また、この沈殿槽は、比較的簡易な構成からなるため、小型化が可能であって、持ち運びが可能である。
【0009】
本発明[2]は、管部材をさらに備え、
前記管部材の一端は、前記清澄水排出口に連通しており、
前記管部材の他端は、前記汚泥排出口よりも下側に配置されている、[1]に記載の沈殿槽を含む。
【0010】
このような発明によれば、サイフォンの原理を利用して、管部材の他端から自動的に清澄水を取り出すことができるため、吸い込みポンプなどの動力源を必要とせず、持ち運びがより一層容易である。
【0011】
本発明[3]は、前記原水取込み口から流入する原水の流路の上下方向長さは、中心に向かうに従って広がる、[1]または[2]に記載の沈殿槽を含む。
【0012】
このような発明によれば、原水の流路が広がるため、汚泥は流路の底部に、清澄水は流路の天井部に沿ってスムーズに流れることができ、より確実に原水から清澄水と汚泥とを分離することができる。
【0013】
本発明[5]は、前記清澄水排出口は、上側に向かうに従って縮径する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の沈殿槽を含む。
【0014】
このような発明によれば、清澄水排出口が上側に向かうに従って縮径するため、清澄水を流路の天井部に沿って澄水排出口に誘導して、清澄水排出口から外部に排出させることができるため、より確実に原水から清澄水と汚泥とを分離することができる。
【0015】
本発明[5]は、前記第2部材が、前記天井部の上側に配置され、上側に向かうに従って縮径する円錐部を備える、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の沈殿槽を含む。
【0016】
このような発明によれば、円筒壁部内に原水を注入した際に、原水を、スムーズに円周方向外側にある原水取込口内に誘導させることができ、より短時間で原水を分離することができる。
【0017】
本発明[6]は、前記原水取込口が、前記第2部材を一周するように区画されている、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の沈殿槽を含む。
【0018】
このような発明によれば、原水取込口が広いため、より多くの原水を短時間に分離することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の沈殿槽によれば、小型化が可能であり、持ち運びが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態の沈殿槽における平面図(上図)、左側図(中段の左図)、正面図(中段の右図)、および、底面図(下図)を示す。
【図2】図2は、図1のA−A断面図(上図)、および、B−B断面図(下図)を示す。
【図3】図3は、図1の第1部材における平面図(上図)、正面図(中段の図)、および、底面図(下図)を示す。
【図4】図4は、図1の蓋材における平面図(上図)、左側図(中段の左図)、正面図(中段の右図)、および、底面図(下図)を示す。
【図5】図5は、図2の上図の一部拡大図を示す。
【図6】図6は、図1の流路に関する参考図を示す。
【図7】図7は、第2実施形態の沈殿槽を示す。
【図8】図8は、第3実施形態の沈殿槽を示す。
【図9】図9は、実施例で作製した沈殿槽の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
図1〜図6を用いて、本発明の一例として、第1実施形態の沈殿槽1を説明する。第1実施形態の沈殿槽1は、図1および図2に示すように、第1部材2と、第2部材3と、第1管部材4と、第2管部材5とを備えている。
【0022】
第1部材2は、上下方向に中心軸を持つ円筒部材であって、円筒壁部6と、ロート部7とを一体的に備えている。
【0023】
円筒壁部6は、図3に示すように、沈殿槽1の外形を形成しており、上下方向に中心軸を持つ円筒形状を有する。円筒壁部6は、その上下方向長さがロート部7の上下方向長さよりも長く、ロート部7を内包する。本実施形態において、中心とは、平面視における径方向中心を指し、平面視においては、円筒壁部6の中心は、後述するロート部7の中心および第2部材3の中心と一致する。
【0024】
ロート部7は、円筒壁部6の内部に配置され、その外周縁は、円筒壁部6の内周縁と一致する。すなわち、ロート部7は、円筒壁部6の内周縁から連続するように、かつ、内側に突出するように形成されている。ロート部7は、その中心方向かつ下側に向かうに従って縮径するテーパ形状を有する。すなわち、ロート部7は、即断面視において、その中心方向かつ下側に向かって直線状に傾斜しており、その傾斜角度θ(ロート部7の斜面と、水平面とのなす角、図6参照)は、例えば、10度以上、60度以下、好ましくは、35度以上、50度以下である。ロート部7の中心(すなわち、ロート部7の最下端)には、上下方向に貫通する汚泥排出口8が形成されている。汚泥排出口8の直径は、例えば、3mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、20mm以下、好ましくは、10mm以下である。ロート部7は、原水が流れる流路14において、底部を構成する。
【0025】
ロート部7の外周端部には、複数(4つ)の被係止部9が周方向に均等な間隔を隔てて形成されている。被係止部9は、後述する第2部材3の係止部10と勘合して、第2部材3を第1部材2に固定可能にする。
【0026】
第2部材3は、円筒壁部6の内部に配置される内部部材であって、ロート部7の上側に間隔を隔てて対向配置されている。第2部材3は、図4に示すように、平面視視円形状を有する。第2部材3は、天井部11と、その上側に配置される円錐部12を一体的に備えている。具体的には、第2部材3の下部が天井部11を構成し、その上部が円錐部12を構成している。天井部11は、第2部材3の中心方向かつ下側に向かって従って縮径する形状を有し、円錐部12は、第2部材3の中心方向かつ上側に向かうに従って縮径する形状を有する。天井部11は、ロート部7と間隔を隔てて配置されている。
【0027】
これにより、天井部11の周方向端縁と、ロート部7とによって、周方向に連続する原水取込口13が区画される。原水取込口13は、円筒壁部6と一定の間隔を隔てて僅かに内側に位置しており、第2部材3の周端縁を一周するように形成されている。すなわち、原水取込口3は、円筒面形状(平面視円状かつ側面視矩形状)となるように区画されている。原水取込口3の上下方向長さは、例えば、1mm以上、好ましくは、2mm以上であり、また、例えば、20mm以下、好ましくは、10mm以下である。
【0028】
また、天井部11の下面とロート部7の上面(傾斜面)とによって、原水の通り道となる流路14が区画されている。側面視ないし断面視において、流路14の上下方向長さは、中心に向かうに従って広がっている。より具体的には、径方向の距離をX、上下方向の距離をYとしてプロットすると、ロート部7の形状は、y1=|x・tanθ|の式が描く直線に沿うように、天井部11の形状は、y2=|x・tanθ+k/x|の式(ただし、kは、例えば、10以上、1000以下であり、好ましくは、50以上、500以下である;単位は、mm)が描く曲線に沿うことが好ましい(図6参照)。本発明において、直線または曲線に沿うとは、当該直線または当該曲線に一致するか、当該直線または当該曲線の近傍範囲内に収まることを示し、近傍範囲は、当該直線または当該曲線で算出されるyに対して±10%以内の範囲である。これにより、原水の流路14の周方向断面積(2x×π×(y2−y1))が、径方向(x)において一定(2kπ)となるため、より安定して原水を流路14内に流すことができる。
【0029】
第2部材3の平面視中心には、第2部材3の天井部11および円錐部12を上下方向に貫通する清澄水排出口15が形成されている。すなわち、清澄水排出口15は、天井部11の中心から円錐部12の中心に連通している。清澄水排出口15と、汚泥排出口8は平面視において略一致し、上下方向に対向配置されている。清澄水排出口15は、第2部材3の最下端から最上端までに至っており、上側に向かうに従って縮径している。清澄水排出口15の最上端(すなわち、第2部材3の最上端に相当)の直径は、例えば、清澄水排出口15の最下端(すなわち、第2部材3の最下端に相当)の直径の50%以下、好ましくは、40%以下であり、また、例えば、5%以上、好ましくは、10%以上であり、具体的には、例えば、3mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、20mm以下、好ましくは、10mm以下である。
【0030】
天井部11の外周縁には、複数(4つ)の係止部10が周方向に均等な間隔を隔てて形成されている。係止部10は、径方向外側に僅かに突出するように形成されている。複数の係止部10は、それぞれ、複数の被係止部9に勘合されることにより、第2部材3は、第1部材2と着脱可能なように、固定される。また、円錐部12には、複数(2つ)の把持部16が配置されている。把持部16は、円錐部12から上側に向かって突出する略円柱状を有している。把持部16を把持して、円周方向に回転することにより、被係止部9と被係止部10とを勘合または離合することができ、第1部材2と第2部材3との着脱可能を容易にすることができる。
【0031】
第1部材2および第2部材3は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、EVA(エチレンビニルアセテート)などのプラスチック材料;例えば、アルミニウムなどの金属材料;木材などが挙げられるが、加工性および軽量性の観点から、プラスチック材料が好ましい。
【0032】
第2部材3は、中空である。すなわち、第2部材3は、円錐部12を構成する上板と、天井部11を構成する下板と、清澄水排出口15の内壁を構成する略円形状の管とを一体化して形成されている。
【0033】
第1管部材4は、可撓性のチューブであり、第2部材3の円錐部12と連結している。第1管部材4の一端17は、円錐部12の内側に挿通されて、清澄水排出口15と連通している。第1管部材4の他端18は、ロート部材1の貫通孔19および円筒壁部6の下端にある開口20を通過して、円筒壁部6の外側に配置されている。これにより、他端18は、ロート部7の下端よりも下側に配置可能なように構成されている。
【0034】
第2管部材5は、可撓性のチューブであり、第1部材2のロート部7と連結している。第2管部材5の一端は、ロート部7の内側に挿通されて、汚泥排出口8と連通している。第2管部材5の他端は、円筒壁部6の下端にある開口20を通過して、円筒壁部6の外側に配置されている。
【0035】
沈殿槽1の大きさは、限定的でないが、例えば、第1部材2の直径は、例えば、100mm以上、500mm以下であり、上下方向長さは、例えば、100mm以上、500mm以下である。
【0036】
このような沈殿槽1によれば、汚泥を含む原水を、汚泥水と、清澄水とに分離することができる。例えば、粒子径が10μm以上の粒子を含む原水に対して、当該粒子を高濃度に含む汚泥水と、当該粒子を実質的に含まない清澄水とに分離することができる。特に、例えば、金属加工工場、紙・パルプ工場などの工場で生じた汚泥を含む水に対して有効に利用することができる。
【0037】
特に、このような沈殿槽1によれば、原水のうち汚泥は、傾斜する流路14の底に沿って沈殿しながら流れていき汚泥排出口8に至るとともに、清澄水は、天井部11に沿って流れていき清澄水排出口15に至る(図5参照)。このため、原水を清澄水と、汚泥が濃縮した汚泥水とに分離することができる。また、比較的簡易な構成からなるため、小型化が可能であり、持ち運びが可能できる。また、円筒形状の内部に、原水取込口13、汚泥排出口8および清澄水排出口15を形成でき、沈殿槽1の外形は円筒形状となり、複雑な突起物などを備えないため、持ち運び性も良好である。
【0038】
また、沈殿槽1は、第1管部材4をさらに備え、第1管部材4の一端17は、清澄水排出口15に連通しており、第1管部材4の他端18は、汚泥排出口8よりも下側に配置されている。このため、サイフォンの原理を利用して、第1管部材4の他端18から自動的に清澄水を取り出すことができるため、吸い込みポンプなどの動力源を必要とせず、持ち運びがより一層容易である。
【0039】
また、断面視において、流路14の上下方向長さは、中心に向かうに従って広がる。このため、汚泥は流路14の底部に、清澄水は第2部材3の天井部11に沿ってスムーズに流れることができ、より確実に原水から清澄水と汚泥とを分離することができる。
【0040】
また、前記清澄水排出口15は、上側に向かうに従って縮径する。このため、清澄水1を流路の天井部11に沿って澄水水排出口15に誘導して、清澄水排出口15から外部に排出させることができるため、より確実に原水から清澄水と汚泥とを分離することができる。
【0041】
また、沈殿槽1では、天井部11の上側には、上側に向かうに従って縮径する円錐部12が配置されている。このため、沈殿槽1内に原水を注入した際に、原水を、スムーズに円周方向外側にある原水取込口13内に誘導させることができ、より短時間で原水を分離することができる。
【0042】
<第2〜3実施形態>
上記第1実施形態の沈殿槽1では、第1部材2および第3部材3は、平面視円形状を有し、原水取込口13は、第2部材3を一周するように区画されているが、例えば、図7に示すように、第2実施形態の沈殿槽1では、第1部材2および第3部材3が、平面視半円形状を有し、原水取込口13は、第2部材3の半円に沿うように区画されていてもよい。また、例えば、図8に示すように、第3実施形態の沈殿槽1では、第1部材2および第3部材3が、平面視扇形状を有し、原水取込口13は、第2部材3の円弧に沿うように区画されていてもよい。好ましくは、より多くの原水を安定して短時間に分離することができる観点から、第1実施形態の沈殿槽1である。
【0043】
<変形例>
上記第1〜3実施形態では、小型サイズの沈殿槽1を例示しているが、例えば、本発明の沈殿槽1は、上記実施形態で例示した大きさに代表される小型サイズに限定されず、それよりも大きい大型サイズの沈殿槽1としても用いることができる。
【0044】
<実施例>
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は、下記の実施例に限定されない。
市販の3Dプリント製造装置を用いて、図1〜6に記載の沈殿槽を製造した。各部材の大きさは、およそ下記の通りとした(図9参照)。第1部材2の直径aは140mm、その上下方向長さbは163mm、ロート部7の角度θは45度、天井部の曲線の定数kは100、第2部材3の直径cは100mm、その最大高さdは53mm、原水取込口13の上下方向長eは2mm、汚泥排出口8の直径fは7mm、清澄水排出口15の最下端の直径gは20mm、その最上端の直径hは7mm。なお、図9において、第1管部材4および第2管部材5は省略されているが、図1および図3に示すように配置した。
【0045】
得られた沈殿槽1に、汚泥入りの茶色い水を内部(円錐部12)に向かって流し続けたところ、数分後には、安定して、清澄水排出口15を通じて第1管部材4から透明な水が排出され、汚泥排出口8を通じて第2管部材5から濃く濁った茶色い水が排出され続けた。
【符号の説明】
【0046】
1 沈殿槽
2 第1部材
3 第2部材
4 第1管部材
5 第2管部材
6 円筒壁部
7 ロート部
8 汚泥排出口
9 被係止部
10 係止部
11 天井部
12 円錐部
13 原水取込口
14 流路
15 清澄水排出口
16 把持部
17 一端
18 他端
19 貫通孔
20 開口
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
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