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機械器具
 
【発明の名称】長尺物の送出具及び送出方法
【出願人】
【識別番号】520147991
【氏名又は名称】永玉榮 正光
【住所又は居所】千葉県市原市国分寺台中央1-6-3
【代理人】
【識別番号】100174805
【弁理士】
【氏名又は名称】亀山 夏樹
【発明者】
【氏名】永玉榮 正光
【住所又は居所】千葉県市原市国分寺台中央1-6-3
【要約】
【課題】より作業性の高い長尺物の送出具及び送出方法を提供する。
【解決手段】長尺物の送出具2は、X方向に長く伸びる棒部材10と、棒部材10の基端側に設けられた柄20と、棒部材10の先端側に固定された回転防止板30と、回転防止板30に取り付けられた軸保持機構40と、を備える。回転防止板30は、板状であり三角形状に形成される。回転防止板30の1つの頂点が棒部材10の基端側を向く。回転防止板30の2つの頂点が棒部材10の先端側を向く。回転防止板30は、Y方向中央部に位置する棒部材10が固定される固定部30Fと、固定部30Fから延設される延設部30Eと、を備える。固定部30Fの基端側には棒部材10の先端が固定される。延設部30Eは、固定部30Fを基準として、幅方向(Y方向)両側に延びる。
【選択図】図2
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒部材と、
前記棒部材の基端側に設けられた柄と、
前記棒部材の先端側に位置し、長尺物が巻き付けられた軸を回動自在に保持する軸保持機構と、
を備えたことを特徴とする長尺物の送出具。
【請求項2】
前記前記棒部材に対する回転運動が規制された回転防止部材をさらに備え、
前記軸保持機構は、前記回転防止部材に設けられた
ことを特徴とする請求項1記載の長尺物の送出具。
【請求項3】
前記回転防止部材は、
前記棒部材に対して固定されている固定部と、
前記固定部から延設される延設部と、を備え、
前記延設部は、前記固定部の両側において、前記柄から離れるように延びていることを特徴とする請求項2記載の長尺物の送出具。
【請求項4】
前記延設部の先端は、前記棒の長さ方向に対して交差すること
ことを特徴とする請求項2または3記載の長尺物の送出具。
【請求項5】
前記回転防止部材は、弾性を有することを特徴とする請求項2ないし4のうちいずれか1項記載の長尺物の送出具。
【請求項6】
前記棒部材の長さ方向と前記軸の軸線方向とがなす角の角度を調節可能な角度調整具を備えることを特徴とする請求項2ないし5のうちいずれか1項記載の長尺物の送出具。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の送出具を用いて、前記長尺物を送り出す長尺物の送出方法であって、
前記長尺物の送り出しが開始される送出開始位置において、前記長尺物が装着された送出具を壁に立てかける開始位置立掛ステップと、
前記長尺物から送り出された部分を前記壁に貼り付ける貼付ステップと、
前記棒部材を移動することにより、前記長尺物を前記軸から送り出す送出ステップと、を備えることを特徴とする長尺物の送出方法。
【請求項8】
前記壁の高所に前記長尺物を貼り付けるために作業者が上る台を載置する台載置ステップと、
前記長尺物の送り出しが停止する送出停止位置において、請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の第2の送出具を壁に立てかける停止位置立掛ステップと、を備えることを特徴とする請求項7記載の長尺物の送出方法。
【請求項9】
前記停止位置立掛ステップの後に行われ、前記第2の送出具よりも送り出し方向側に前記台を配置する第2台移動ステップをさらに備えることを特徴とする請求項8記載の長尺物の送出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺物の送出具及び送出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テープなどの長尺物を壁に貼り付ける作業を支援する器具として、テープ貼付器具が知られている(例えば、特許文献1)。このテープ貼付器具は、ロッドと、ロッドの先端側に設けられ、テープが巻き付けられた軸を保持する軸保持機構と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2016−222382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1のテープ貼付器具では、テープの送り出し作業性が悪い。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、より作業性の高い長尺物の送出具及び送出方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の長尺物の送出具は、棒部材と、前記棒部材の基端側に設けられた柄と、前記棒部材の先端側に位置し、長尺物が巻き付けられた軸を回動自在に保持する軸保持機構と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明は、上記の長尺物の送出具を用いて、前記長尺物を送り出す長尺物の送出方法であって、前記長尺物の送り出しが開始される送出開始位置において、前記長尺物が装着された送出具を壁に立てかける開始位置立掛ステップと、前記長尺物から送り出された部分を前記壁に貼り付ける貼付ステップと、前記棒部材を移動することにより、前記長尺物を前記軸から送り出す送出ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より作業性の高い長尺物の送出具及び送出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(A)は、長尺物の送出具の概要を示す平面図である。(B)及び(C)は、長尺物の送出具の概要を示す側面図である。
【図2】(A)は、長尺物の送出方法において、長尺物の送出具が第1位置にある時の様子を示す説明図である。(B)は、長尺物の送出方法において、長尺物の送出具が第2位置にある時の様子を示す説明図である。
【図3】(A)は、起伏軸が伏臥状態となっているときの軸保持機構及び回転防止板の概要を示す平面図である。(B)は、起伏軸が伏臥状態となっているときの軸保持機構及び回転防止板の概要を示す側面図である。(C)は、起伏軸が起立状態となっているときの軸保持機構及び回転防止板の概要を示す平面図である。(D)は、起伏軸が起立状態となっているときの軸保持機構及び回転防止板の概要を示す側面図である。
【図4】(A)は、長尺物の送出具の概要を示す平面図である。(B)及び(C)は、長尺物の送出具の概要を示す側面図である。
【図5】(A)は、長尺物の送出方法において、第1位置P1において養生テープの貼り付けが行われている様子を示す説明図である。(B)及び(C)は、長尺物の送出方法において、第1位置P1から第2位置P2まで養生テープの貼り付けが行われている様子を示す説明図である。(D)は、長尺物の送出方法において、第1位置P1から第3位置P3まで養生テープの貼り付けが行われている様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示すように、長尺物の送出具2は、X方向に長く伸びる棒部材10と、棒部材10の基端側に設けられた柄20と、棒部材10の先端側に固定された回転防止板30と、回転防止板30に取り付けられた軸保持機構40と、を備える。
【0011】
回転防止板30は、板状であり三角形状に形成される。回転防止板30の1つの頂点が棒部材10の基端側を向く。回転防止板30の2つの頂点が棒部材10の先端側を向く。回転防止板30は、Y方向中央部に位置し棒部材10が固定される固定部30Fと、固定部30Fから延設される延設部30Eと、を備える。固定部30Fの基端側には棒部材10の先端が固定される。延設部30Eは、固定部30Fを基準として、幅方向(Y方向)両側に延びる。これにより、棒部材10を壁に立てかけた際、棒部材10の軸周りの回転運動を規制する。回転防止板30の先端側の輪郭は、X方向に交差する方向に伸びていてもよいし、X方向に交差する方向(Y方向)に伸びていてもよい。また、回転防止板30の先端部には、Y方向に伸びる滑り止め用のゴム30Gが貼り付けられる。ゴム30Gは、一方の延設部30Eからもう片方の延設部30Eにかけて設けられることが好ましい。
【0012】
回転防止板30は弾性を有することが好ましい。特に、回転防止板30は、棒部材10よりも弾性に富むことが好ましい。これにより、長尺物の送出具2を壁に立てかけた際、回転防止板30がしなるため、壁を傷つけにくい。
【0013】
軸保持機構40は、回転防止板30に対し着脱自在に設けられた吸盤41と、吸盤41に設けられレ字状の回動軸42と、を備える。レ字状の回動軸42は、第1直線部42Aと、第2直線部42Bと、第1直線部42A及び第2直線部42Bを連結する連結部42Cと、を備える。第1直線部42Aは吸盤41に対し回動自在に設けられる。このため、第1直線部42Aの回動運動により、第2直線部42Bの揺動運動が行われる。第2直線部42Bには、養生テープTP(長尺物)が巻き付けられた軸筒JTが装着される
【0014】
次に、長尺物の送出具2の使い方を説明する。
【0015】
図2に示すように、養生テープTPの送り出しが開始される第1位置P1において、養生テープTPが装着された長尺物の送出具2を壁Wに立てかける(開始位置立掛ステップ)。ここで、養生テープTPは、長尺物であり、養生テープTPの幅方向の一端側(壁Wに設置した際、上端となる部分)に接着剤が塗布され、その上に保護テープが貼り付けられている。また、養生テープTPにおいて、幅方向の他端側は、一端側に向けて幅方向へ折りたたまれている。さらに、養生テープTPは、多端側が折りたたまれた状態で、自身の長さ方向において、軸筒JTに巻き取られた姿となっている。これにより、軸筒JTから切り離された養生テープTPは、一端側が壁Wに貼り付けられ、折りたたまれた他端側は、重力により、下方へ展開されることとなる。次に、作業者は作業台Dの上に乗って、軸筒JTから養生テープTPの先端を送り出し、テープ先端TP1を壁Wに貼り付ける(貼付ステップ)。
【0016】
次に、作業者は、作業台D上において、柄20をもって棒部材10の移動を行なう。これにより、壁Wに立て掛けた長尺物の送出具2の移動が行われるため、長尺物の送出具2から養生テープTPが送り出される。このとき、回転防止板30により棒部材10の回転が防止されるため、養生テープTPの送り出しが容易となる。作業者は、作業台D上において、送り出された養生テープTPを壁Wに貼り付ける。これにより、第1位置P1から第2位置P2にかけて養生テープTPの貼り付けが完了する。その後、送り出した養生テープTPの終端を切断すると、養生テープTPのうち接着部分は、壁Wに固定され、それ以外の部分は下に垂れ下がり、折りたたまれた部分は下方向へ展開される。これにより、壁Wに対して養生テープTPの設置が完了する。
【0017】
また、回動軸42がレ字状となっているため、棒部材10を斜めに持った時に第2直線部42Bが垂直となる。この状態で棒部材10を水平移動させることにより、テープの送り出しが容易となる。すなわち、回動軸42がレ字状となっているため、壁Wに立て掛けた際には、養生テープの脱落及びテープの送り出しを防止しつつ、手で持った際には、養生テープの脱落を防止しつつテープの送り出しが容易となる。
【0018】
なお、回転防止板30としては、三角形状ではなく、図3に示すように、四角形状やその他の形状であってもよい。
【0019】
また、軸保持機構40に代えて、図3に示す軸保持機構140を用いてもよい。軸保持機構140は、回動部141と、起伏軸142とを備える。起伏軸142は、回動部141の軸AXに取り付けられ、当該軸AX周りに回動自在となっている。このため、起伏軸142は、回転防止板30に対して起伏自在となっていることが好ましい。より詳しくは、起伏軸142は、回転防止板30に対して横たわっている伏臥状態(図3(A)〜(B))と、回転防止板30に対して所定の角度で起立している起立状態(図3(C)〜(D))と、の間で、切り替え自在となっていることが好ましい。起立状態の起伏軸142は、軸筒JTが装着可能となっている。これにより、棒部材10の長さ方向(X方向)と軸AXの軸線方向とがなす角の角度θが調節可能となる。
【0020】
なお、図4に示すように、長尺物の送出具2は、脚機構60を備えていることが好ましい。脚機構60は、棒部材10の中途部に取り付けられた脚用軸61と、脚用軸61に取り付けられた脚62と、を備える。脚62の基端部が脚用軸61によって棒部材10に対して取り付けられ、脚62の先端部が脚用軸61によって回動自在となっている。これにより、長尺物の送出具2を壁Wに立てかけた際、長尺物の送出具2が安定する。
【0021】
なお、図5に示すように、長尺物の送出具102を複数用いてもよい。長尺物の送出具102は、X方向に長く伸びる棒部材10と、棒部材10の基端側に設けられた柄20と、棒部材10の先端側に固定された回転防止板30と、回転防止板30に取り付けられた軸保持機構140と、を備える。
【0022】
まず、図5(A)に示すように、第1位置P11及び第2位置P12において、それぞれ、長尺物の送出具102を壁Wに立てかける。第1位置P11及び第2位置P12の間に、作業台Dを配置する。そして、第1位置P11の長尺物の送出具102には、軸筒JTを取り付ける。次に、作業者は作業台Dの上に乗って、養生テープTPの先端を送り出し、テープ先端TP1を壁Wに貼り付ける。
【0023】
そして、作業者は、養生テープTP(長尺物)が巻き付けられた軸筒JTを、第1位置P11の長尺物の送出具102から外し、作業台D上を移動する(図5(B))。これにより、長尺物の送出具2から養生テープTPが送り出される。そして、第2位置P12にある長尺物の送出具102に対し、軸筒JTごと装着する。
【0024】
その後、作業者は、第1位置P11の長尺物の送出具2を第3位置P13へ移動するとともに、第2位置P12及び第3位置P13の間に、作業台Dを配置する(図5(C))。次に、作業者は、養生テープTP(長尺物)が巻き付けられた軸筒JTを、第2位置P12の長尺物の送出具102から外し、作業台D上を移動する(図5(D))。これにより、長尺物の送出具2から養生テープTPが送り出される。そして、第3位置P13にある長尺物の送出具102に対し、軸筒JTごと装着する。これを繰り返すことにより、所定の場所に養生テープを貼り付けることができる。
【0025】
上記実施形態では、長尺物として、養生テープを用いたが本発明はこれに限られず、その他のテープなどでもよい。
【0026】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0027】
2 送出具
10 棒部材
20 柄
30 回転防止板
30E 延設部
30F 固定部
40 軸保持機構
60 脚機構
102 送出具
140 軸保持機構
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
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