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農水産
 
【考案の名称】自動給水装置
【実用新案権者】
【識別番号】592026613
【氏名又は名称】黒沼 洋介
【住所又は居所】埼玉県さいたま市桜区大久保領家540−13−4
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100081558
【氏名又は名称】斎藤 晴男
【考案者】
【氏名】黒沼 洋介
【住所又は居所】埼玉県さいたま市桜区大久保領家540−1−304
【要約】
【課題】
構成簡易で比較的廉価にて供給でき、一般家庭においても気軽に使用でき、しかも一度始動すると、その後自動的、継続的に散水、給水動作を行ない得る自動給水装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
水道管8が引き込まれると共に、そこから給水チューブ2が出される水槽1を設け、水槽1内に、槽内水量に応じて上下動するフロート5を配備し、フロート5に、一端が水道管8の引き込み端に設置される止水栓9を開閉するレバー10に固定された線材11の他端を固定して成り、フロート5は、下降して線材11を緊張させることによってレバー10を引いて止水栓9を開動作させることが可能であり、また、上昇してレバー10に当接してこれを押し上げることにより止水栓9を閉動作させることが可能であり、以て水槽1内に常時所定量の水が貯溜され、常時給水チューブ2からの所定量の給水が行われることを可能にしたことを特徴とする。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
水道管が引き込まれると共に、そこから給水チューブが出される水槽を設け、前記水槽内に、槽内水量に応じて上下動するフロートを配備し、前記フロートに、一端が前記水道管の引き込み端に設置される止水栓を開閉するレバーに固定された線材の他端を固定して成り、前記フロートは、下降して前記線材を緊張させることによって前記レバーを引いて前記止水栓を開動作させることが可能であり、また、上昇して前記レバーに当接してこれを押し上げることにより前記止水栓を閉動作させることが可能であり、以て前記水槽内に常時所定量の水が貯溜され、常時前記給水チューブから所定量の給水が行われることを可能にしたことを特徴とする自動給水装置。
【請求項2】
前記給水チューブの中途に、前記給水チューブを挟む2枚の挟圧板を備えていて、一方の挟圧板に接している調整ネジの進退によって前記2枚の挟圧板による挟圧力を加減することによって通水量の調節が可能な水量調節具を配備した請求項1に記載の自動給水装置。
【請求項3】
前記給水チューブは分岐している請求項1又は2に記載の自動給水装置。
【請求項4】
前記給水チューブの先端にノズルを取り付けた請求項1乃至3のいずれかに記載の自動給水装置。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は自動給水装置、より詳細には、玄関先や庭園等への水撒き、園芸植物や家庭菜園への水遣り、農家での農作物への給水、あるいは、家畜等への給水等に利用される自動給水装置に関する。
【背景技術】
上記水撒き、水遣り、給水等は、毎日のように人手により行われるが、その作業には手間がかかり、また、旅行や連休等のために、給水がままならないこともある。
この水撒き、給水等の作業を定時に自動的に行なう装置も種々考えられ、使用されているが、一般にかかる装置は複雑で高価なものが多く、手軽に使用し得るものではない。
【特許文献1】
特開2003−268755号公報
【特許文献2】
特開2003−143978号公報
【特許文献3】
特開2002−27851号公報
【特許文献4】
実公平8−6126号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
上述したように、従来自動散水装置の如きものは種々考えられ、使用されてはいるが、それらは複雑且つ高価で、一般的ではなかったので、本考案は、構成簡易で比較的廉価にて供給でき、一般家庭においても気軽に使用でき、しかも一度始動すると、その後自動的、継続的に散水、給水動作を行ない得る自動給水装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1に記載の考案は、水道管が引き込まれると共に、そこから給水チューブが出される水槽を設け、前記水槽内に、槽内水量に応じて上下動するフロートを配備し、前記フロートに、一端が前記水道管の引き込み端に設置される止水栓を開閉するレバーに固定された線材の他端を固定して成り、前記フロートは、下降して前記線材を緊張させることによって前記レバーを引いて前記止水栓を開動作させることが可能であり、また、上昇して前記レバーに当接してこれを押し上げることにより前記止水栓を閉動作させることが可能であり、以て前記水槽内に常時所定量の水が貯溜され、常時前記給水チューブから所定量の給水が行われることを可能にしたことを特徴とする自動給水装置である。
好ましくは、前記給水チューブの中途に、前記給水チューブを挟む2枚の挟圧板を備えていて、一方の挟圧板に接している調整ネジの進退によって前記2枚の挟圧板による挟圧力を加減することによって通水量の調節が可能な水量調節具を配備する。前記給水チューブは分岐させることもあり、また、前記給水チューブの先端にノズルを取り付けることもある。
【考案の効果】
本考案は上述したとおりであって、構成簡易で比較的廉価にて供給でき、一般家庭においても気軽に使用でき、しかも一度始動すると、その後長期に亘り、自動的且つ継続的に散水、給水動作を行ない得る効果があり、また、給水量の調整も可能なる効果がある。
【考案を実施するための最良の形態】
本考案を実施するための好ましい形態について、添付図面に依拠して説明する。図1は本考案に係る自動給水装置の使用状態を示す図で、それは、水道管8が引き込まれる水槽1と、水槽1から出る給水チューブ2と、給水チューブ2の中途に配備される水量調節具3と、給水チューブ2の先端に必要に応じて取り付けられるノズル4とから成る。
図2及び図3は水槽1の内部構造を示す図で、そこに示されるように、水槽1内にはフロート5が配備される。フロート5は、水槽1の内壁に取り付けられた揺動アーム6に支持されて、水槽1内の水嵩に応じて上下動する。
水槽1内に引き込まれる水道管8は、水槽1の上部に配置される支持板7に上方から差し込まれ、そこに固定される。水道管8の支持板7の下に突出する部分に止水栓9が設置され、止水栓9を開閉操作するための、例えばJの字形のレバー10が取り付けられる。レバー10の先端部には金属線その他の丈夫な線材11の一端が取り付けられ、線材11の他端はフロート5の上面に固定される。12は水槽1の蓋である。
図4乃至図6は、水量調節具3の構成、作用を示す図で、水量調節具3は、給水チューブ2が挿通される容体15と、容体15内に設置される上下一対の挟圧板16、17と、蓋18及びこれに設置される調整ネジ19とを含む。挟圧板16と挟圧板17は、4本の、通例ネジである支持ポスト20に四隅を支持されて給水チューブ2を挟み、上側の挟圧板16のみ、支持ポスト20に沿って上下に摺動可能である。
挟圧板16には調整ネジ19の先端が当たっていて、調整ネジ19をネジ込むことによって押下されるようになっている。従って、調整ネジ19の進退によって挟圧板16を上下動(上方への移動は給水チューブ2の復元力による。)させることができ、以て給水チューブ2の圧潰度合の調整、換言すれば、通水量の調整が可能になる。
給水チューブ2の先端は必要に応じて分岐させ、各分岐端には必要に応じて適宜多孔筒の如きノズル4を取り付け、給水対象となる鉢22等の土中に差し込む。給水チューブ2は、水量調節具3に至る前に分岐させ、各分岐路に水量調節具3を配備することもある。
上記構成において、水槽1内が空の状態、即ち、フロート5が下降端にあり、止水栓9が開状態にあるときに、給水チューブ2の先端を鉢22等の土中に差し込み、水道管8に給水すると、止水栓9を通って水槽1内に水が供給されて次第に貯まり、一部が給水チューブ2に流れ出す。水量が増すに伴いフロート5が上昇し、やがてレバー10に当たって、これを押し上げる。かくしてレバー10が回動して次第に止水栓9を閉め、水槽1が満杯になった辺りで完全に止水栓9を閉める。かくして水道管8からの給水は一時停止する。
しかし、その間並びにその後も給水チューブ2からの流出は少しずつではあるが継続するため、水槽1内に貯まった水が少しずつ減少し、フロート5が下がっていく。そして、フロート5がある位置まで下がると、弛んでいた線材11が緊張し、レバー10を引張って回動させる。かくして閉まっていた止水栓9が徐々に開き、再び水道管8からの給水が始まって水槽1内の水嵩が増していく。
以上の動作は、水槽1内の水嵩に応じて自動的且つ反復的に行われるので、給水チューブ2への給水、即ち、鉢22等への給水が途切れることはない。鉢22等への給水量の調整は、水量調節具3の調整ネジ19を進退させて行なう。
本装置は、一般家庭における玄関先や庭等への水撒き、園芸植物や家庭菜園等への水遣りだけでなく、大型化して農家における農作物への給水や家畜等への給水等、種々の用途に利用可能である。
そして、構造簡易であるため、製造容易で廉価にて供給でき、メンテナンスも容易という特徴がある。また、用途に合わせ、水量調節具3を操作して供給水量を調整することもできる。
この考案をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この考案の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この考案は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る自動給水装置の全体構成及び使用状態を示す図である。
【図2】本考案に係る自動給水装置における水槽の内部構造を示す図である。
【図3】本考案に係る自動給水装置における水槽の内部構造を示す図である。
【図4】本考案に係る自動給水装置における水量調節具を示す図である。
【図5】本考案に係る自動給水装置における水量調節具の内部構造を示す図である。
【図6】図4におけるA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 水槽
2 給水チューブ
3 水量調節具
4 ノズル
5 フロート
6 揺動アーム
7 支持板
8 水道管
9 止水栓
10 レバー
11 線材
12 蓋
15 容体
16、17 挟圧板
18 蓋
19 調整ネジ
20 支持ポスト
22 鉢
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
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