閉じる
繊維・紙
 
【考案の名称】エプロン
【実用新案権者】
【識別番号】504043233
【氏名又は名称】漆崎 洋子
【住所又は居所】北海道札幌市白石区本通19丁目南1番1−404号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100109553
【氏名又は名称】工藤 一郎
【考案者】
【氏名】漆崎 洋子
【住所又は居所】北海道札幌市白石区本町19丁目南1番1−404号
【要約】(修正有)
【課題】
着脱を容易にし衣服や床を汚れなどから保護するエプロンの提供。
【解決手段】
開閉自在で閉方向に付勢されている弾性環状骨材を、開閉部分が背中側となるようにウエスト周りに配置したエプロンとする。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在で閉方向に付勢されている弾性環状骨材を、開閉部分が背中側となるようにウエスト周りに配置したエプロン。
【請求項2】
前ポケットをさらに有し、この前ポケットの開口は弾性半円状骨材で開方向に付勢されている請求項1に記載のエプロン。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、着脱を容易にし衣服や床を汚れ等から保護するエプロンに関するものである。
【背景技術】
従来、飲食店の調理場や食品業の厨房等、さらには高齢者等の介護現場において、食品屑や水洗い作業または食べこぼし等による汚れから衣服を保護するため、エプロンの着用は必須である。しかし、上記のような汚れは洗濯等をしても滲み等の汚れが残る場合が多々あり、衛生環境維持が重要な課題である食品業や飲食店等では滲み等がついたエプロン、さらに介護現場で汚物等が付着したエプロンは再利用が難しかった。そこで、汚れが付着しても生地に滲みこまない防水性を持つ生地を利用したエプロンが特許文献1に開示されている。また、その他にも製品化がされている。
【特許文献1】
特開2001−234407
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、このように汚れ等に耐性のある機能を持つエプロンは世の中に多数存在するが、装着性に対する機能を有するエプロンは少なく、エプロンの身体への装着方法は図7に示すように従来ながらの紐を用いることが多い。このような紐を用いて身体にエプロンを装着する場合、ウエスト部を身体に固定するためには紐を結ぶために腰の後ろに手をまわさなければならない。また、結び目が背後のため、結ぶ作業を目で見ることができない。
これは車いすを使用するような身体障害者や高齢者には困難な場合が多く、食事等の日常生活で使用するエプロンを着脱するに際し非常に煩雑であった。また、飲食店業のようにエプロンの着脱を頻繁に行わなければならない状況下において、背後で紐等により固定する、もしくは解く動作は作業の効率性を損なっていた。
【課題を解決するための手段】
そこで、上記問題点を解決するために、本件考案では開閉自在で閉方向に付勢されている弾性環状骨材を、開閉部分が背中側となるようにウエスト周りに配置したエプロンを提供する。第二の考案は、前ポケットをさらに有し、この前ポケットの開口は弾性半円状骨材で開方向に付勢されているエプロンを提供する。
【考案の効果】
本件考案のエプロンを用いることでエプロンの着脱が容易にできるようになる。
【考案を実施するための最良の形態】
以下に、各発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
なお、以下の実施形態と請求項の関係は次の通りである。実施形態1は、主に請求項1などについて説明する。また、実施形態2は、主に請求項2などについて説明する。
<<実施形態1>>
<実施形態1の概要>
本実施形態は、開閉自在で閉方向に付勢されている弾性環状骨材を、開閉部分が背中側となるようにウエスト周りに配置したエプロンである。
<実施形態1の構成>
本実施形態は、開閉自在で閉方向に付勢されている弾性環状骨材を、開閉部分が背中側となるようにウエスト周りに配置したエプロンに関する。
図1に本実施形態におけるエプロンの一例を示す。図1(a)は本実施形態のエプロン正面図であり、(b)は背面図である。図1に示すように、本実施形態におけるエプロンは、ウエスト部に「弾性環状骨材」(0101)をもつ。また、弾性環状骨材を用いたエプロンのウエスト部の開閉は背中側の開閉部(0102)により行う。
ここで、「弾性環状骨材」を図2を用いて説明する、「弾性環状骨材」とは、弾性を持ち外部から力を加えなければ環状の閉方向に付勢され、図2(a)のような形状を保持するものである。材質はプラスチックなどの樹脂が好ましいが、ばねのように弾力性を持つ金属であってもよい。また、この弾性環状骨材は開閉自在であり、図2(b)のB方向のような力を加えると自由端(0201)が外方向に広がるため、(b)に示すような形状になる。しかし、弾性環状骨材は弾性を持つために一旦加えた力を無くすと(a)の形状に戻る。よって、本実施形態のエプロンは、ウエスト部にこの弾性環状骨材を設置していることから、前記弾性力を利用することでエプロンを使用者のウエスト部にフィットさせることができる。また、(a)の線X−Xで切断しA方向から見た断面を(c)または(d)に示す。(c)または(d)に示すように、弾性環状骨材の断面を、環の内側に反った、もしくは外側に反った略弧状の断面形状にしてもよい。この略弧状の断面形状にすることで弾性力が上がる効果がある。
また、弾性環状骨材はエプロンのウエスト部から着脱できるように構成してもよい。着脱方法の一例として、エプロンのウエスト部に沿って設けられている袋状部分に挿入された弾性環状骨材を、袋状部分の端部を開きスライドさせるようにして抜き取る、または差し込む方法等が考えられる。このように弾性環状骨材をエプロンのウエスト部から着脱できるように構成することで、エプロンの洗濯が簡便になる等の利点がある。また、エプロン生地をビニールや薄いプラスチック製で形成する場合、ウエスト部に厚みを持たせることで前述した弾性を持たせ、環状弾性骨材として、エプロンと環状弾性骨材を一体形成してもよい。
ここで、図3に本実施形態のエプロン装着方法の概念図を示す。図3(a)に示すように弾性環状骨材を両手等で広げ「C」状にし、使用者のウエストに合わせる。(b)に示すように、弾性環状骨材を広げた手を離すと弾性環状骨材は前述した弾性により再び環状に戻るため使用者のウエストにフィットすることとなる。
また、図4に示すような装着方法によりエプロンを身体に装着してもよい。ただしここで図4に示す図形はエプロンのウエスト部に設置された弾性環状骨材(0401)の断面、および身体ウエスト部(0402)の断面の概念図である。図4(a)に示すように、弾性環状骨材を矢印方向に移動し身体ウエスト部に押し付ける。次に(b)に示すように、押し付けられた弾性環状骨材は身体のウエスト部にあたり自由端が開く。その後(c)に示すように、さらに弾性環状骨材を押し付けると、弾性環状骨材の自由端は身体ウエスト部に回りこむように開く。最後に(d)に示すように、身体ウエスト部の背中側に回り込んだ弾性環状骨材の自由端は、弾性環状骨材のもつ弾性力により環状に戻ろうとするため使用者のウエスト部に固定される。また、逆に使用者の身体をエプロン側に押し付けても同様にしてエプロンを装着できる。
また、エプロンの生地の素材としては通常、布が使用されるが、水や汚れ等を付着させないために撥水性や防水性の機能を有してもよい。また、厨房等で熱を使う作業を行う場合(パンを焼く等)に、熱を持つ食材等が付着した場合を考慮して耐熱性、耐火性の素材を生地に用いてもよい。また、使い捨ての用途を考える場合、生地に紙製のものを選択してもよい。また、生地が前記のような撥水性や防水性を持つものである場合、身体に接触する裏地は使用者の着心地等を考慮して、通常の布地を使用してもよい。
また、エプロンの襟部分を開閉可能な構造にし、その襟部分を閉じることで、エプロンが使用者の首から落ちないようにしてもよい。開閉可能な構造としては、簡便性を考えてマジックテープ(登録商標)での貼着が好ましいが、デザイン等を考慮し、通常のボタンやスナップボタン留め等でもよい。また、両胸サイド部分をギャザーにすることで、襟付近から両胸サイド部分が伸縮可能になるため、使用者の体型がどのような場合にでも襟部分を閉じることができる。
<実施形態1の効果>
本実施形態におけるエプロンを使用することでエプロンの着脱が容易にできるようになる。また、エプロンのウエスト部が弾性環状骨材の弾性効果により使用者のウエストにフィットするため作業時のエプロンのずれをなくし、さらにドレス状にデザインした場合、装着時のデザイン性も損なわない。
<<実施形態2>>
<実施形態2の概要>
本実施形態は、前ポケットをさらに有し、この前ポケットの開口は弾性半円状骨材で開方向に付勢されているエプロンである。
<実施形態2の構成>
本実施形態は、前ポケットをさらに有し、この前ポケットの開口は弾性半円状骨材で開方向に付勢されているエプロンに関する。
図5に本実施形態のエプロンのポケット(0501)を示す。本実施形態のエプロンのポケット開口部には「弾性半円状骨材」(0502)が設置されている。実施形態1のエプロンのように本体生地の材質が撥水性や防水性を備えている場合、ポケットの材質も同様に撥水性や防水性を備えていることが好ましい。また、ポケットが食べこぼしのような水分を含む大量の汚れを収受する場合は使用する生地を2重にしてもよい。
「弾性半円状骨材」とは図5(b)に示すような半円の形状で、弾性を持ち外部から力を加えなければ半円状の開方向に付勢されるものである。よって、本実施形態のエプロンのポケット開口部に弾性半円状骨材を設置し、前記弾性力を利用することでポケット開口部を開口状態に保持することができる。材質はプラスチックなどの樹脂が好ましいが、ばねのように弾力性を持つ金属であってもよい。また、弾性半円状骨材はポケット部から着脱できるように構成してもよい。着脱方法の一例として、エプロンのポケット開口部に沿って設けられている袋状部分に挿入された弾性半円状骨材を、袋状部分の端部を開きスライドさせるようにして抜き取る、または差し込む方法等が考えられる。このように弾性半円状骨材がエプロンのポケットから着脱できるように構成することで、エプロンの洗濯が簡便になる等の利点がある。また、エプロンのポケットの生地をビニールや薄いプラスチック製で形成する場合、開口部に厚みを持たせることで前述した弾性を持たせ、弾性半円状骨材としてエプロンと弾性半円状骨材を一体形成してもよい。
また、図6(a)に示すように、ポケット(0601)の開口部の位置を実施形態1で用いた弾性環状骨材(0603)が設置されているウエスト部に合わせ、本実施形態で用いた弾性半円状骨材(0602)と連結してもよい。図6(b)に(a)のX−Xの線に水平に切断された断面をA方向から見た断面図を示す。ここで(b)はエプロンが使用者の身体(0604)に設置された状態である。(b)に示すように弾性環状骨材と弾性半円状骨材は(0605)で示される場所で連結されている。このように弾性環状骨材と弾性半円状骨材が連結されることでポケットの開口がより確実になる。
<実施形態2の効果>
本実施形態におけるエプロンは、ポケットに弾性半円状骨材をポケット開口部に設置することで、ポケットはエプロンの状態によらず常に開口状態を保つため、使用者の食事中の食べこぼしやエプロンに付着した作業中の汚れ等を床に落とさずに確実に収受することができる。また、防水性や撥水性を持つ生地を使用することで、ポケット内の汚れ等の掃除が容易になる。また、その生地を2重にすることで、液状の汚れ等が縫製の隙間から漏れることを防ぐことができる。また、弾性環状骨材と弾性半円状骨材を連結して構成することでポケットの開口をより確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の一例
【図2】実施形態1に使用される弾性環状骨材の斜視図
【図3】実施形態1のエプロン装着方法の概念図
【図4】実施形態1のエプロン他の装着方法の概念図
【図5】実施形態2のエプロンのポケット部の構成
【図6】実施形態2のエプロンのポケット部の他の構成
【図7】従来のエプロンの一例
【符号の説明】
0101 弾性環状骨材
0102 開閉部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
ページtop へ