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繊維・紙
 
【発明の名称】システムカーテン装置
【出願人】
【識別番号】506427657
【氏名又は名称】竹内 淳哉
【住所又は居所】福井県勝山市郡町2丁目6番44号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100095430
【氏名又は名称】廣澤 勲
【発明者】
【氏名】竹内 弘二
【住所又は居所】福井県福井市八重巻町25号85番地 福井編織株式会社内
【氏名】竹内 淳哉
【住所又は居所】福井県勝山市郡町2丁目6番44号
【氏名】竹内 啓哉
【住所又は居所】福井県勝山市郡町2丁目6番44号
【要約】
【課題】
装飾性が高く、窓の任意の高さの一部を開口することができるシステムカーテン装置を提供する。
【解決手段】
窓の周囲を囲む窓枠12と、窓枠12の上枠16に収納可能で下方に引き出される上カーテン36と、窓枠12の下枠14に収納可能で上方に引き出される下カーテン36を有する。窓枠12の一部に設けられ上カーテン36と下カーテン18を任意の位置で係止する係止手段と、上カーテン36または下カーテン18に取り付けられ水平な面を形成する棚部材22,40を備える。窓枠12の上枠16又は下枠14には、カーテン収納用のローラ20,38が内蔵され、上カーテン36と下カーテン18は、ローラ38,20に巻き回されて、上枠16と下枠14に収納される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓の周囲を囲む窓枠と、この窓枠の上枠に収納可能で下方に引き出される上カーテンと、前記窓枠の下枠に収納可能で上方に引き出される下カーテンと、前記窓枠の一部に設けられ前記上カーテンと前記下カーテンを任意の位置で係止する係止手段と、前記上カーテンまたは前記下カーテンに取り付けられ水平な面を形成する棚部材が設けられていることを特徴とするシステムカーテン装置。
【請求項2】
前記窓枠の上枠又は下枠には、カーテン収納用のローラが内蔵され、前記上カーテンと前記下カーテンは、前記ローラに巻き回されて前記上枠または前記下枠に収納されることを特徴とする請求項1記載のシステムカーテン装置。
【請求項3】
窓の周囲を囲む窓枠と、この窓枠の一辺に設けられた第1ローラと、前記第1ローラに対向する辺に設けられた第2ローラと、第1ローラと第2ローラの間に設けられたカーテンと、前記カーテンの互いに対向する端部にそれぞれ紐が設けられ、前記一方の紐が前記第1ローラに、他方の紐が前記第2ローラに連結されて巻き回され、前記第1ローラまたは第2ローラを駆動して前記紐と前記カーテンを巻き取りまたは送り出しをして前記カーテンが移動することを特徴とするシステムカーテン装置。
【請求項4】
前記カーテンは、複数枚が略平行に所定間隔離れて設けられ、この複数枚のカーテンは、互いに異なる生地で作られ、互いに独立して移動と係止が可能であることを特徴とする請求項1,2または3記載のシステムカーテン装置。
【請求項5】
前記上カーテンまたは前記下カーテンは、一定以上の剛性を有する素材で作られ、平行な山折り線と谷折り線が一定間隔で交互に設けられた蛇腹式であることを特徴とする請求項1記載のシステムカーテン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、建築物の窓に取り付けられ窓の視界や光量を調節するカーテンが設けられたシステムカーテン装置に関する。
【背景技術】
従来、建築物の窓に取り付けられるカーテンには、生地の端部を窓枠上部に取り付けたローラ等に連結したロールカーテンがあった。このようなロールカーテンは、ローラを回転させて生地を巻き付けたり送り出したりして生地の引き出し長さを変化させ、窓の視界を調節するものである。
その他、例えば特許文献1に開示されているロールスクリーンは、第1巻取パイプと第2巻取パイプが窓枠等の上下に間隔を置いて配置され、第1巻取パイプには第1スクリーンの一端が巻き取り可能に連結され、第2巻取りパイプには第1スクリーンの生地とは異なる材料で作られた第2スクリーンの一端が巻き取り可能に連結されている。そして、第1スクリーンと第2スクリーンのそれぞれの他端が、着脱手段によって着脱自在に連結される。そして、連結を解除して各スクリーンを各パイプに巻き取ると、窓を完全に開放することができ、連結した状態でスクリーンを一方のパイプに巻き取ると、スクリーンを切り替えることができる。
また、特許文献2に開示されている多層式ロールスクリーン装置は、片端に巻取軸、もう片端には引張用バーを具備したスクリーンを、複数枚平行に窓開口部に配している。各引張用バーにはロープが取り付けられ、ロープの長さは巻取プーリーにより調節されている。そして、巻取プーリーによりロープの長さ調整を行うことにより、順次スクリーンの開閉を行うことができる。
また、特許文献3に開示されている下から閉めるカーテンは、窓の高さ以上の長さの紐の先端をカーテンの最下部に繋ぎ、これをカーテンの最上部に付けた輪に潜らせて、後窓の上部枠に取り付けた滑車に連結する。そして窓の高さより長い他の紐を、カーテンの最上部に付け、別の滑車に連結する。このカーテンの使用方法は、カーテンの最上部に取り付けられた紐を引くとカーテンが上下に移動し、カーテンの最下部に取り付けられた紐を引くとカーテンが縮められて開口部分を窓の下方から形成することができる。
【特許文献1】
特開2003−214069号公報
【特許文献2】
特開2002−97871号公報
【特許文献3】
実開平6−33587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
上記各従来の技術のカーテンは、屋外から室内の様子が見えないように隠したり、室内に入る光の量を調整する機能があった。しかし、カーテンは一度取り付けるとそれを使い続けることが多く、簡単に模様替えをすることがなかった。また、カーテンは下または横から開けるものが多く、窓の一部だけ開けたい場合は下か横に限定され、任意の高さの一部を開けることができなかった。
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、装飾性が高く、窓の任意の高さの一部を開口することができるシステムカーテン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明は、窓の周囲を囲む窓枠と、この窓枠の上枠に収納可能で下方に引き出される上カーテンと、前記窓枠の下枠に収納可能で上方に引き出される下カーテンと、前記窓枠の一部に設けられ前記上カーテンと前記下カーテンを任意の位置で係止する係止手段と、前記上カーテンまたは前記下カーテンに取り付けられ水平な面を形成する棚板やその他長尺部材から成る棚部材が設けられているシステムカーテン装置である。
前記窓枠の上枠又は下枠には、カーテン収納用のローラが内蔵され、前記上カーテンと前記下カーテンは、前記ローラに巻き回されて前記上枠または前記下枠に収納されるものである。また棚部材には蓋が設けられていても良い。
またこの発明は、窓の周囲を囲む窓枠と、この窓枠の一辺に設けられた第1ローラと、前記第1ローラに対向する辺に設けられた第2ローラと、第1ローラと第2ローラの間に設けられたカーテンと、前記カーテンの互いに対向する端部にそれぞれ紐が設けられ、前記一方の紐が前記第1ローラに、他方の紐が前記第2ローラに連結されて巻き回され、前記第1ローラまたは第2ローラを駆動して前記紐と前記カーテンを巻き取りまたは送り出しをして前記カーテンが移動するシステムカーテン装置である。
前記カーテンは、複数枚が略平行に所定間隔離れて設けられ、この複数枚のカーテンは、互いに異なる生地で作られ、互いに独立して移動と係止が可能なものである。
前記上カーテンまたは前記下カーテンは、一定以上の剛性を有する素材で作られ、平行な山折り線と谷折り線が一定間隔で交互に設けられた蛇腹式である。
【発明の効果】
本発明のシステムカーテン装置は、異なる生地で作られた複数のカーテンの中から、天気やインテリアに合わせて選び、窓を覆うことができ、部屋の雰囲気を良好にすることができる。また、カーテンに棚部材が設けられているため、棚部材に植物や小物を置いて飾ることができ、装飾性が高いものである。さらに、窓に開口する開口部の幅や位置を任意に設定することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図3はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態のシステムカーテン装置10は、建築物躯体に取り付けられる木製や樹脂製、金属製等の窓枠12を備えている。窓枠12には、図示しないガラスの障子等が開閉可能に設けられている。
窓枠12には、下枠14と上枠16が互いに平行に設けられ、下枠14と上枠16の両端を連結しほぼ垂直に位置する一対の縦枠17が設けられている。下枠14の内部には収容空間が設けられ、収容空間には下カーテン18がローラ20に巻き回されて設けられている。下カーテン18の上端部18aは、図示しないスリット等から下枠14の上方に引き出されている。
下カーテン18の上端部18aには、棚部材22が設けられている。棚部材22は、下カーテン18の上端部18aに沿って固定される垂直部22aと、垂直部22aの上端から直角に室内側に突出する水平部22bが設けられ、断面L字形の長尺部材となっている。ここで、屋内側は図1において左側である。棚部材22は、窓枠12の縦枠17に設けられた図示しない係止手段に係止され、係止手段により任意の高さにとめることができる。また、ローラ20には、所定の力で下カーテン18を巻き取る方向へ付勢するコイルバネ等の付勢手段が設けられている。これにより、下カーテン18がたるむことなく、適度な張力で下カーテン18が張られる。また、棚部材22の係止手段との係合を解除すると、下カーテン18は自動的にローラ20に巻き取られ、下枠14に収納される。
下カーテン18の屋外側、つまり図1において右側には、下カーテン18とは素材や構造、絵柄が異なる生地で作られた下カーテン24,26,28,30,32が互いに平行に所定間隔離れて設けられている。下カーテン24,26,28,30,32の上端部には、棒部材である係止部材34がそれぞれ設けられている。係止部材34は、窓枠12の縦枠17に設けられた図示しない係止手段に係止され、係止手段により任意の高さにとめられる。また、下カーテン24,26,28,30,32の下端部も、下枠14の収容空間に入れられ、各々別々のローラ20に巻き回されている。下カーテン24,26,28,30,32の下端部が繋がれた各ローラ20にも、所定の力で下カーテン24,26,28,30,32を巻き取る方向へ付勢する付勢手段が設けられている。
上枠16の内部にも収容空間が設けられ、収容空間には上カーテン36がローラ38に巻き回されて設けられている。上カーテン36の下端部36aは、図示しないスリット等から上枠16の下方に引き出されている。上カーテン36の下端部36aには、棚部材40が設けられている。棚部材40は、上カーテン36の下端部36aに沿って固定される垂直部40aと、垂直部40aの下端から直角に室内側に突出する水平部40bが設けられ、断面L字形の長尺部材となっている。棚部材40は、窓枠12の縦枠17に設けられた図示しない係止手段に係止され、係止手段により任意の高さに止められる。また、ローラ38には所定の力で上カーテン36を巻き取る方向へ付勢するコイルバネ等の付勢手段が設けられている。これにより、上カーテン36がたるむことなく、適度な張力で上カーテン36が張られる。また、棚部材40の係止手段との係合を解除すると、上カーテン36は自動的にローラ38に巻き取られ、上枠16に収納される。
上カーテン36の屋外側には、上カーテン36とは素材や構造、絵柄が異なる生地で作られた上カーテン42,44,46,48,50が互いに平行に所定間隔離れて設けられている。上カーテン42,44,46,48,50の下端部には、棒部材である係止部材52がそれぞれ設けられている。係止部材52は、窓枠12の縦枠17に設けられた図示しない係止手段に係止され、係止手段により任意の高さにとめることができる。また、上カーテン42,44,46,48,50の上端部は、上枠16の収容空間に入れられ、各々別々のローラ38に巻き回されている。各ローラ38にも、所定の力で上カーテン42,44,46,48,50を巻き取る方向へ付勢する付勢手段が設けられている。
下カーテン18,24,26,28,30,32と上カーテン36,42,44,46,48,50の移動は、手動によるものの他、例えば電動モータで行い、リモコンで操作可能にしてもよい。窓枠12の各縦枠17には、各下カーテン18,24,26,28,30,32と上カーテン36,42,44,46,48,50がスライドする溝等のガイド55が設けられ、係止手段である図示しない係止機構により係止可能に設けられている。これにより、各下カーテンと上カーテンは、互いに独立して移動と係止が可能である。
次に、この実施形態のシステムカーテン装置10の使用方法について説明する。先ず、窓の全面の視界を開けるときは、下カーテン18,24,26,28,30,32を各ローラ20に巻き取って下枠14内に収納し、上カーテン36,42,44,46,48,50を各ローラ38に巻き取って上枠16内に収納する。例えば図3(a)は、下カーテン18,24,26を開けた状態を示す。
次に、窓の下側の視界を閉めるときは、下カーテン18,24,26,28,30,32の所望の一または複数を選び、下枠14から引き上げて任意の位置に係止する。下カーテン18,24,26,28,30,32は、素材や構造、絵柄が異なる生地で作られており、天気やインテリアに合わせて適したものを選択する。下カーテン18の棚部材22の水平部22bには、小物54を載せて飾ることができる。窓の上側の視界を閉めるときは、上カーテン36,42,44,46,48,50の所望の一または複数を選び、上枠16から引き下げて任意の位置に係止する。上カーテン36の棚部材40の棚部材40bにも、観葉植物56等を載せて飾ることができる。
システムカーテン装置10の、下カーテン18,24,26,28,30,32と上カーテン36,42,44,46,48,50を係止する位置は、窓枠12内の図示しない保持機構により任意であり、複数枚のカーテンを重ねて閉めても良い。例えば図3(b)は、下カーテン18を少し引き上げ、下カーテン24,26はそれよりも高く引き上げ、下カーテン18の屋外側に下カーテン24,26が見えている。図3(c)は、下カーテン18をやや高く引き上げ、下カーテン24は隠され下カーテン26だけが見えている。図3(d)は、下カーテン18を高く引き上げ、下カーテン24,26が隠されている。図3(d)等のように下カーテン18,24,26が重ねられると、視界が確実に遮られ安全性や保温性が高まる。また、カーテンにある程度の強度を持たせた場合、防犯機能もある。
システムカーテン装置10の、窓中間の視界を開けて上下を閉める場合は、例えば図1,2のように下カーテン18と上カーテン36を少しずつ引き出し、棚部材22,40の間を離して係止するようにしても良い。棚部材22,40の間は、窓の視界が開かれ、任意の位置で開口を形成して屋外の景色57を見ることができる。システムカーテン装置10を完全に閉じるときは、棚部材22,40を互いに接触させることにより、開口をなくす。この場合も、下カーテン18,24,26,28,30,32と上カーテン36,42,44,46,48,50のいずれかを自由に選択して閉めることができる。下カーテン18が透過性のある生地で作られた場合は、下カーテン18を透過して下カーテン24等が見える。
この実施形態のシステムカーテン装置10によれば、以下のような多くの機能、効果を得ることができる。まず、生地が異なる複数の上下カーテンの中から、天気やインテリア等に合わせてカーテンを選び、窓を覆うことができ、部屋の雰囲気を良好にして変化をつけることができる。カーテンに棚部材が設けられているため、棚部材に植物や小物を置いて飾ることができ、カーテンを閉めても隠れることがなく、装飾性が高いものである。上小物54の位置を任意の高さに係止することもできる。下から任意の高さにカーテンを引き出して係止することができ、窓に開口する開口部の幅や位置を任意に設定することができる。これにより、遮光の量を調整することが容易である。また、カーテンの開口を任意の位置に設定して屋外から部屋の中が見えないように調整することができ、プライバシーの保護を図ることができる。さらに、各カーテンによる開口部の位置を変えることにより、同じ場所に日光がたることがなく、家具や畳等の日焼けを防止することができ、屋外から見られる部屋の状態をコントロールすることもできる。上下カーテンを重ねて窓部を閉めると、気密性と保温性が高まり、光熱費を抑え快適な室温を保つことができる。また、ある程度の強度を持たせると、外から侵入しにくくなり、防犯機能を持たせることもできる。窓の開口部を変えることで、部屋の床面の日光の当たる位置が変わり、床面の色やけを防ぐことができる。また、カーテンが窓枠12の内側に収まり、室内空間にはみ出ることが無く、室内を広く使用することができる。カーテンは平面であり、カーテンの絵柄を明確に見ることができる。ローラ20,38や係止部材が窓枠12と一体化しているため、外観がすっきりとして良好である。
次にこの発明の第二実施形態について図4に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態のシステムカーテン装置58は、窓枠12の下枠14に、棚部材60が重ねられて設けられ、棚部材60の下面60aには、下枠14内に収納され、下枠14に繋がった下カーテン62が設けられている。下カーテン62は、一定以上の剛性を有する素材で作られ、平行な山折り線62aと谷折り線62bが一定間隔で交互に設けられた蛇腹式である。下カーテン62は棚部材60を下枠14上に載せて閉めたときに下枠14又は棚部材60の中に収容される。棚部材60は、任意の高さで図示しない係止手段により係止される。
棚部材60と下カーテン62の室外側には、下カーテン62とは素材や構造、絵柄が異なる生地で作られた5枚の下カーテン24,26,28,30,32が設けられている。ここでは、下カーテン24,26,28のみ図示する。各下カーテン24,26,28の上端部には係止部材34がそれぞれ設けられている。下カーテン24,26,28,30,32も、任意の高さで係止される。
窓枠12の上枠16にも同様に、蛇腹式の上カーテンと棚部材、係止部材が設けられていても良く、上記実施形態と同様のロールカーテンでも良い。
次に、この実施形態のシステムカーテン装置58の使用方法について説明する。先ず、窓の視界を開けるときは、下カーテン62を折り畳み、下カーテン24,26,28を各ローラ20に巻き取って下枠14に収納し、図示しない上カーテンも各ローラに巻き取って上枠16に収納する。例えば図4(a)は、下カーテン62,24,26,28を開けた状態を示す。
窓の下側の視界を閉めるときは、下カーテン62,24,26,28のいずれかを選び、下枠14から引き上げて任意の位置に係止する。下カーテン62,24,26,28は、素材や構造、絵柄が異なる生地で作られており、天気やインテリアに合わせて適したものを選択する。特に下カーテン62は蛇腹式であり、和室に似合うものである。下カーテン62の棚部材60には、小物を載せて飾ることができる。下カーテン62,24,26,28を係止する位置は、自由であり、複数枚を重ねて閉めても良い。例えば図4(b)は、下カーテン62を少し引き上げ、下カーテン24,26はそれよりも高く引き上げ、下カーテン62の屋外側に下カーテン24,26が見えている。図4(c)は、下カーテン62を高く引き上げ、下カーテン24,26が隠されている。
この実施形態のシステムカーテン装置58によれば、上記実施の形態と同様の効果を有するものである。そして、下カーテン62が、ある程度の剛性を有する素材で蛇腹式に形成されるため、和紙風の素材等を使用することができ、和室に似合うものとすることができる。下カーテン62を金属やプラスチックを使用し、窓枠を一体化した構造にすると、強度が上がり不審者の侵入を防ぐことができ、防犯に効果がある。室内から脱出するときは、棚部材60を押し下げるだけで簡単に開き、容易に脱出することができる。
次にこの発明の第三実施形態について図5に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態のシステムカーテン装置64は、上記実施例と同様の窓枠の上枠に第1ローラ66が設けられ、窓枠の下枠に第2ローラ68が設けられ、互いに平行に位置している。第1ローラ66には駆動機溝軸が設けられ、第2ローラ68には張力機構軸が設けられている。
第1ローラ66と第2ローラ68の間には、第1ローラ66と第2ローラ68により駆動されるカーテン72が設けられている。カーテン72の駆動方向の上方に位置する端部には保持棒72aが設けられ、保持棒72aの両端部には一対の紐74が接合されている。カーテン72の駆動方向の下方に位置する端部には保持棒72bが設けられ、保持棒72bの両端部には一対の紐76が接合されている。紐74の他端部は第1ローラ66に、紐76の他端部は第2ローラ68に連結され、巻き回されている。カーテン72と紐74,76は、駆動機構軸に設けられたロック/クラッチ機構と張力機構軸の張力機構により常に張られている。
次に、この実施形態のシステムカーテン装置64の使用方法について説明する。まず、窓の視界を閉めるときは、図5(b)に示すように第1ローラ66と第2ローラ68の間にカーテン72が来るようにする。そして、窓の上側の視界を閉め下側を開けるときは、図5(a)に示すように第1ローラ66を、紐74とカーテン72を巻き取る方向へ駆動して、紐74とカーテン72の一部を巻き取ってカーテン72を上方へ移動させる。窓の視界を全部開けるときは、カーテン72全部を第1ローラ66に巻き取る。また、窓の下側の視界を閉め上側を開けるときは、図5(c)に示すように第1ローラ66を、紐74とカーテン72を送り出す方向へ駆動し、第2ローラ68が紐76とカーテン72の一部を巻き取り、カーテン72を下方へ移動させる。カーテン72全部を第2ローラ68に巻き取ることによっても、窓の視界を全部開けることができる。
そして、上記実施形態と同様に、素材やデザインの異なるカーテン72を複数設け、この機構を複数個重ね合わせ、それぞれ独立した位置に移動することが可能である。第1ローラ66に設けられた駆動機構軸は、電動又は或いは手動駆動装置とし、ロック又は或いはクラッチ機構を設け、カーテン72の位置を固定する。張力機構軸は、スプリング又は電動機構とし、ロック又は或いはクラッチ機構を設け、カーテンのバタツキを防止し、転落を防止する。各機能軸は第1ローラ66、第2ローラ68のどちらに設けてもよい。また、垂直な壁の窓以外に天窓にも使用可能である。第1ローラ66、第2ローラ68を左右縦方向に設定することにより、カーテン72の横方向の駆動も可能である。この場合、下枠や上枠に、カーテン72と紐74,76をガイドする溝等を設けることにより、垂れ下がりとバタツキを防止することができる。第1ローラ66と第2ローラ68は、装置の外側に設置してもよい。これにより、窓の前面開放が可能となる。駆動機構や張力機構は、第1ローラ66と第2ローラ68内に収容されている。これにより、既存装置にも取り付け可能となる。カーテン72は、生地の素材や模様が異なる別のものと簡単に交換することができる。
この実施形態のシステムカーテン装置64によれば、簡単な構造で、窓の任意の位置の視界を閉じて、日光の光の量や差し込む位置を調整したり、屋外から室内を見えないように調整したりすることができる。
なお、この発明のシステムカーテン装置は上記各実施形態に限定されるものではなく、棚部材は、複数のカーテンの係止部材により平面を形成して設けられるものでも良い。また、棚部材は、板状に形成されて蓋が設けられても良い。その他、カーテンの枚数や素材、絵柄など、自由にデザイン可能である。棚部材や係止部材を任意の高さに係止する係止手段は、簡単で確実に係止されるものであれば自由に設定可能である。取り付ける建築物の大きさや構造に関わらず、取り付けることができる。各カーテンは、一枚の生地で作られたもの以外に複数の素材をつなぎ合わせたもの等、自由に選択可能である。さらに、窓枠を構成する一辺か、複数面のパーツを分割式にして任意に選んだパーツを駆動式にして、そのパーツに巻き取り式カーテンや折りたたみ式カーテンやシャッター等を取り付けて、防犯、防音、遮光、保温を行い、結露や床の陽射しによる色やけを防ぐようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施形態のシステムカーテン装置の斜視図である。
【図2】この実施形態のシステムカーテン装置の正面図である。
【図3】この実施形態のシステムカーテン装置の使用方法を示す右側面図である。
【図4】この発明の第二実施形態のシステムカーテン装置の使用方法を示す右側面図である。
【図5】この発明の第三実施形態のシステムカーテン装置の使用方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 システムカーテン装置
12 窓枠
14 下枠
16 上枠
18,24,26,28,30,32 下カーテン
20,38 ローラ
22,40 棚部材
34,52 係止部材
36,42,44,46,48,50 上カーテン
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
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