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運輸
 
【発明の名称】廃棄物再生機能を有する自走車輌
【出願人】
【識別番号】596171878
【氏名又は名称】山田 普
【住所又は居所】滋賀県米原市箕浦167番地
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100067828
【氏名又は名称】小谷 悦司
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100096150
【氏名又は名称】伊藤 孝夫
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100099955
【氏名又は名称】樋口 次郎
【発明者】
【氏名】山田 普
【住所又は居所】滋賀県米原市箕浦167番地
【要約】
【課題】
集めた容器廃棄物を集合ホッパーに投入するだけで人手を煩わせることなく各容器廃棄物に自動的に順次チップ化処理を施すことができるようにする。
【解決手段】
再生使用し得る材料であるPETからなるペットボトルPを回収しながら当該ペットボトルPをチップP3にするまで分解処理する廃棄物再生機能を有する自走車輌としてのファクトリートラック10に関するものであり、投入部20を介して順次送り込まれたペットボトルPを整列させる整列部30と、整列部30で整列されたペットボトルPを裁断してチップ化するチップ化処理部40と、チップ化処理部40で製造されたチップを貯留するチップ貯留部80とが荷台12に装備されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生使用し得る材料からなる容器廃棄物を回収しながら所定の段階まで分解処理する廃棄物再生機能を有する自走車輌であって、
順次投入された容器廃棄物を整列させる整列部と、
前記整列部で整列された容器廃棄物を裁断してチップ化するチップ化処理部と、
前記チップ化処理部で製造されたチップを貯留するチップ貯留部とが荷台に装備されてなることを特徴とする廃棄物再生機能を有する自走車輌。
【請求項2】
前記容器廃棄物は、合成樹脂製のボトルであり、
前記チップ化処理部は、前記整列部で整列された容器廃棄物を破断して回収対象物と付属物とに分別する分別部と、
前記分別部で分別された回収対象物を裁断処理してチップ化する裁断部と、
前記分別部で分別された付属物を貯留する付属物貯留部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の廃棄物再生機能を有する自走車輌。
【請求項3】
前記分別部は、前記ボトルを少なくとも2つに縦断する縦断装置と、この縦断装置により縦断された縦断物から回収対象物と付属物とに分離する分離装置とを備えていることを特徴とする請求項2記載の廃棄物再生機能を有する自走車輌。
【請求項4】
前記分離装置は、前記回収対象物を篩上として回収する一方、前記付属物を篩下として回収する篩分装置であることを特徴とする請求項3記載の廃棄物再生機能を有する自走車輌。
【請求項5】
前記分離装置は、前記回収対象物を通過させた上で前記ボトルに巻き付けられていたラベル類を吸引除去する吸引装置を有していることを特徴とする請求項3または4記載の廃棄物再生機能を有する自走車輌。
【請求項6】
前記裁断部は、互いに噛合した部分に回収対象物が供給されるように構成された裁断用ギヤ対を備えていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の廃棄物再生機能を有する自走車輌。
【請求項7】
前記容器廃棄物は、鉄または鉄合金製の缶であり、
前記整列部は、整列された缶から鉄または鉄合金製のものを磁力によって選別する選別装置を有し、
前記チップ化処理部は、選別された容器廃棄物を順番に圧縮処理する圧縮部と、前記圧縮部で圧縮された缶を裁断処理してチップ化する裁断部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の廃棄物再生機能を有する自走車輌。
【請求項8】
前記圧縮部は、周面同士の互いに対向した部分に前記缶が供給されるように構成された圧縮ローラ対を備えていることを特徴とする請求項7記載の廃棄物再生機能を有する自走車輌。
【請求項9】
前記チップ化処理部は、前記容器廃棄物に振動を与える振動付与機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の廃棄物再生機能を有する自走車輌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、走行しながら回収した容器廃棄物に再生のための処理を所定の段階まで施し得るように構成された、廃棄物再生機能を有する自走車輌に関するものである。
【背景技術】
従来、家庭やコンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの各種の販売等から出されたペットボトルなどの容器廃棄物は、廃棄物回収車により集められて一旦中間処理場に荷下ろしされ、ここで圧縮処理やチップ化処理等の減容処理が実行される。この減容処理が施された容器廃棄物は、中間処理場から最終処分場としてのリサイクル工場に搬送され、ここで減容された容器廃棄物に再生のための最終処分が施されるのが一般的である。
しかしながら、このような容器廃棄物のリサイクルシステムでは、中間処理場を建設するべく莫大な投資が必要になるという不都合が存在する。かかる不都合を解消するべく、特許文献1〜3においては、自走車輌である廃棄物回収車で集めた容器廃棄物に車上で減容処理を施すことが提案されている。
特許文献1のものは、廃棄物回収車の荷台にペットボトルを圧縮処理する圧縮手段と、この圧縮手段により圧縮されたペットボトルを梱包する梱包手段とを備えている。そして、圧縮処理されたペットボトルが廃棄物回収車からリサイクル工場へ梱包状態で引き渡される。
これに対し特許文献2および3のものは、廃棄物回収車の荷台の後方に設けられた、回転刃を有する裁断装置にペットボトルを1つずつ供給し、ラベルを剥がした上でチップ化するようになされている。得られたチップは、荷台上に搭載された収容箱に収容され、収容箱が満杯になるとリサイクル工場へ引き渡される。
従って、これら特許文献1〜3に記載の廃棄物回収車を動く工場として使用すれば、当該動く工場が極めて優れた機動性を有するものになるばかりか、ペットボトルを減容処理するための中間処理場を特に建設する必要がなくなり、これによって建設費や固定費の面から極めて大きな経済的効果を得ることができる。
【特許文献1】
特開平10−291603号公報
【特許文献2】
特開平10−249857号公報
【特許文献3】
特開平10−250802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載の廃棄物回収車にあっては、ペットボトルを単に圧縮して減容するだけのものであるため、最終工場でチップ化しなければならなくなる場合があるなど容器廃棄物の中間処理としては不十分であるという問題点を有している。
また、特許文献2および3に記載の廃棄物回収車にあっては、作業者がペットボトルを荷台の最後尾に設けられた裁断装置に一々手作業で差し入れて裁断処理に供しなければならず、作業性が劣るという問題点を有している。
本発明は、従来のこのような状況に鑑みなされたものであって、集めた容器廃棄物を集合ホッパーに投入するだけで人手を煩わせることなく各容器廃棄物に自動的に順次チップ化処理を施すことができ、作業性を大幅に向上させることが可能な廃棄物再生機能を有する自走車輌を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、再生使用し得る材料からなる容器廃棄物を回収しながら所定の段階まで分解処理する廃棄物再生機能を有する自走車輌であって、順次投入された容器廃棄物を整列させる整列部と、前記整列部で整列された容器廃棄物を裁断してチップ化するチップ化処理部と、前記チップ化処理部で製造されたチップを貯留するチップ貯留部とが荷台に装備されてなることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、回収された容器廃棄物は、整列部に順次投入されることにより整列されて直列に並び、これによって以後の処理が容易な状態になってチップ化処理部に送り込まれ、ここで裁断処理されてチップ化される。そして、得られたチップは、チップ貯留部に貯留される。
このように、自走車輌の荷台には、容器廃棄物が整列される整列部が設けられ、整列状態の容器廃棄物に順番にチップ化処理が施されるようになされているため、従来のように作業者が回収した容器廃棄物を一々1つずつ手作業で裁断装置に供給してチップ化するという面倒な作業を行う必要がなくなり、結果として自走車輌を用いた容器廃棄物のチップ化処理の作業性が大幅に向上され、チップ化処理が効率的に行われる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記容器廃棄物は、合成樹脂製のボトルであり、前記チップ化処理部は、前記整列部で整列された容器廃棄物を破断して回収対象物と付属物とに分別する分別部と、前記分別部で分別された回収対象物を裁断処理してチップ化する裁断部と、前記分別部で分別された付属物を貯留する付属物貯留部とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、回収された容器廃棄物としての合成樹脂製のボトルは、整列部で整列され、以後の処理が容易な状態になって分別部に導入される。分別部に導入されたボトルは、破断されてバラバラになった状態でボトル本体の破断物である回収対象物と、口金などの付属物とに分別される。そして、回収対象物は、引き続き裁断部において裁断処理により裁断されてチップ化され、チップ貯留部に貯留される一方、分別された付属物は、付属物貯留部に貯留される。
このように、ボトルは、分別部で破断されてボトル本体から口金等の付属物を取り除くようになされているため、異なった材料からなる口金等の付属物がボトル本体のチップに混入するような不都合の発生が有効に防止される。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記分別部は、前記ボトルを少なくとも2つに縦断する縦断装置と、この縦断装置により縦断された縦断物から回収対象物と付属物とに分離する分離装置とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、ボトルは、口金等の付属物も含めて縦断装置により少なくとも2つに縦断されるため、例えばねじ止め状態でボトル本体に螺着されていた口金等の付属物であっても、ボトル本体から容易に取り外される。このようにして取り外された付属物は、分離装置によりボトル本体側から分離される。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記分離装置は、前記回収対象物を篩上として回収する一方、前記付属物を篩下として回収する篩分装置であることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、縦断装置により縦断された状態のボトルを篩分装置に供給することにより、縦断処理で形成されたボトル本体側の回収対象物は、篩上として回収される一方、容量の小さい口金等の付属物は、篩下として篩い分けられる。このように、分離装置として篩分装置を採用することにより、分離装置を簡単な構造のものにした上で、回収対象物と付属物との確実な分離処理が実現する。
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の発明において、前記分離装置は、前記回収対象物を通過させた上で前記ボトルに巻き付けられていたラベル類を吸引除去する吸引装置を有していることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、ボトルにラベル類が巻き付けられている場合、ボトルの破断処理によりラベル類も破断されてボトルから分離される。そして、この分離したラベル類は、気流によって吸引装置に吸引されて除去される。このように、ラベル類を吸引し得るように吸引装置を設けることで、たとえボトル本体にラベル類が巻き付けられていても、このラベル類がボトル本体側から取り除かれるため、回収対象物側に材質の異なるラベル類が混入するような不都合の発生が防止される。
請求項6記載の発明は、請求項2乃至5のいずれかに記載の発明において、前記裁断部は、互いに噛合した部分に回収対象物が供給されるように構成された裁断用ギヤ対を備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、破断された回収対象物は、互いに噛合しながら回転している裁断用ギヤ対の噛合位置に導入され、順次連続的に裁断されてチップ化されていくため、レスプロ方式のカッター装置を用いた場合に比較し、裁断の処理効率が大幅に向上する。
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記容器廃棄物は、鉄または鉄合金製の缶であり、前記整列部は、整列された缶から鉄または鉄合金製のものを磁力によって選別する選別装置を有し、前記チップ化処理部は、選別された容器廃棄物を順番に圧縮処理する圧縮部と、前記圧縮部で圧縮された缶を裁断処理してチップ化する裁断部とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、回収された容器廃棄物としての鉄または鉄合金製の缶は、整列部で整列された後に1つずつが選別装置に導入され、ここで磁力による選別処理が施されて鉄製または鉄合金製(以下、鉄製とのみいう)のものが選別される。そして選別された鉄製の缶は、圧縮部において圧縮処理される。この圧縮処理された鉄製の缶は、引き続き裁断部において裁断処理により裁断されてチップ化され、チップ貯留部に貯留される。
このように、再生目的の鉄製の缶は、選別装置で磁力により選別されて圧縮処理が施された後裁断されてチップ化されるため、チップの中にアルミニウム製などの鉄製以外の材料が混入するような不都合の発生が有効に防止される。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記圧縮部は、周面同士の互いに対向した部分に前記缶が供給されるように構成された圧縮ローラ対を備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、互いに反対方向に回転している圧縮ローラ対の周面の対向部分に缶を供給するだけで当該缶に圧縮処理が施されるため、例えばレシプロ方式で缶に圧縮処理を施すものに比べて圧縮部の構造が簡単になる。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記チップ化処理部は、前記容器廃棄物に振動を与える振動付与機構を備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、容器廃棄物は、チップ化処理部で振動付与機構により振動が付与されるため、この振動でチップ化処理部での容器廃棄物を対象とした各種の処理が効率的に、かつ、確実に実行される。
【発明の効果】
本発明に係る廃棄物再生機能を有する自走車輌によれば、回収された容器廃棄物は、整列部に順次投入されることにより整列されて直列に並び、この状態でチップ化処理部に送り込まれて裁断処理され、チップ化されるため、従来のように作業者が回収した容器廃棄物を一々1つずつ手作業で裁断装置に供給してチップ化するという面倒な作業を行う必要がなくなり、結果として自走車輌を用いた容器廃棄物のチップ化処理の作業性を大幅に向上することができるとともに、チップ化処理の効率的を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
図1は、本発明に係る第1実施形態のファクトリートラック10を説明するための側面視の説明図であり、図2は、その平面視の説明図である。なお、図1および図2においてX−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
第1実施形態のファクトリィトラック(廃棄物再生機能を有する自走車輌)10は、回収されるべき容器廃棄物として合成樹脂製のボトルの一種であるペットボトル(PET(Polyethylene terephthalate)bottle)Pを対象としてチップ化処理を施すものである。
図1および図2に示すように、ファクトリートラック10は、エンジンや運転席等を有するキャビン部11と、このキャビン部11の後部に連設された荷台12とを備え、この荷台12に空のペットボトルPを投入して貯留する投入部20と、この投入部20から引き出されたペットボトルPを整列させる整列部30と、この整列部30で直列に整列されたペットボトルPに対し順次チップ化処理を施すチップ化処理部40と、このチップ化処理部40でチップ化されることにより得られたチップP3を貯留するチップ貯留部80とが装備されることによって基本構成されている。
そして、これら投入部20、整列部30およびチップ貯留部80は、全体的に外観視で直方体状を呈するカバー体13によって覆われている。カバー体13の内面側には、例えば発泡性合成樹脂などからなる防音材131が施工され、これによってカバー体13の内部で発生した騒音の外部への漏洩を防止している。
カバー体13の後面には、その略全面に亘ってペットボトルPを投入するための投入開口132が設けられているとともに、この投入開口132を閉止することができる開閉可能なリヤドアー133が設けられている。このリヤドアー133は、普段は閉止されているが、ペットボトルPを投入部20に投入するに際し図1に示すように開放される。
前記投入部20は、荷台12の後端部に据え付けられた投入ホッパー21と、この投入ホッパー21に付設されたベルトコンベヤ22とを備えている。前記投入ホッパー21は、図2に示すように、平面視で矩形状を呈し、上下寸法がカバー体13の上下寸法の略1/2に設定されているとともに、投入ホッパー21の構成要素である前方の板が、図1に示すように、先上がりに傾斜した(本実施形態では略60°に傾斜した)傾斜板211とされている。
前記ベルトコンベヤ22は、投入ホッパー21内における傾斜板211の直後方で軸心が左右方向に延びるように配設された駆動ローラ221と、この駆動ローラ221の若干前方の上部で、かつ、カバー体13の天板と干渉しないように当該駆動ローラ221と対向配置された従動ローラ222と、これら駆動ローラ221および従動ローラ222間に張設された無端ベルト223とを備えている。
前記駆動ローラ221は、第1駆動モータ224(図2)の駆動で反時計方向に向けて駆動回転するようになされている。従って、第1駆動モータ224が駆動されることによる駆動ローラ221の駆動によって駆動ローラ221および従動ローラ222間に張設されている無端ベルト223が両ローラ221,222間で反時計方向に向けて周回することになる。
そして、前記無端ベルト223の表面側には、その長手方向に向けて所定ピッチで複数枚の引っ掛け突片223aが設けられている。従って、無端ベルト223が反時計方向に向けて周回すると、投入ホッパー21内に貯留されているペットボトルPは、この引っ掛け突片223aに引っ掛けられた状態で上方に向かって搬送され、無端ベルト223が従動ローラ222の位置で折り返されるときに整列部30へ供給される。
前記整列部30は、投入ホッパー21から無端ベルト223の周回によって送り込まれたペットボトルPを直列に整列させて以後の処理の容易化を図るためのものである。以下、整列部30について図3を基に必要に応じて図1および図2を参照しながら説明する。図3は、整列部30の一実施形態を示す斜視図である。なお、図3におけるXおよびYによる方向表示は、図2の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
図3に示すように、整列部30は、投入部20からのペットボトルPを受け入れる整列ホッパー31と、この整列ホッパー31の底部に前後方向へ延びるように敷設された複数本の整列ローラ32と、これら複数本の整列ローラ32を同時に軸心回りに同一方向に向けて回転させる第2駆動モータ33と、この第2駆動モータ33の駆動力を各整列ローラ32に伝達する駆動力伝達機構34とを備えている。
前記整列ホッパー31は、左右方向一対の側板311と、これら一対の側板311の前縁部間に架設された前板312と、各側板311の後縁部間に架設された後板313と、各側板311の前後方向の略中央位置から前方に向かって漸次互いに接近し合うように延設された左右方向一対のガイド板314とを備えている。
前記後板313は、上縁部が側板311の上縁部より若干低めに設定されている。この低めに設定された部分に前記無端ベルト223の上端部が嵌め込まれ、これによって無端ベルト223により運び込まれたペットボトルPが整列ホッパー31へ確実に受け渡されるようになっている。
前記前板312は、上縁部が側板311の上縁部と面一に設定されているのに対し、下縁部が整列ローラ32の上面よりペットボトルPが通過し得る分だけ離間して設けられている。前記ガイド板314は、上縁部が側板311の上縁部と面一とされているとともに、下縁部が整列ローラ32の上縁部と略摺接されている。かかる各ガイド板314の前端縁は、前後方向に向いたペットボトルPが通過し得る距離だけ互いに離間している。従って、各ガイド板314間の前端位置には、前後方向に向いたペットボトルPを1つだけ通過させ得るボトル通過開口315が形成されている。
前記整列ローラ32は、前記一対の側板311間に前方に向かって先下がりになるように複数本が傾斜して並設されている。かかる各整列ローラ32は、それぞれ中心位置に同心で一体回転可能に貫通されたローラ軸321を有している。各ローラ軸321は、その前後が図略のフレームに摺接状態で貫通され、これによって各整列ローラ32はローラ軸321回りに一体回転することができる。
前記第2駆動モータ33は、整列ホッパー31の前端における左右方向の一方の側部より若干外方に寄った位置に前後方向に延びた状態で横置きで据え付けられ、その駆動力が駆動力伝達機構34を介して各整列ローラ32に伝達される。
前記駆動力伝達機構34は、第2駆動モータ33の駆動軸に同心で一体回転可能に外嵌された駆動スプロケット341と、各ローラ軸321に同心で一体回転可能に外嵌された複数の従動スプロケット342と、これら各従動スプロケット342および前記駆動スプロケット341に掛け回されたチェーン343とを備えている。
かかる駆動力伝達機構34に寄れば、第2駆動モータ33を駆動させることにより、この駆動力は、駆動スプロケット341およびチェーン343を介して各従動スプロケット342伝達され、これによって各整列ローラ32は、ローラ軸321回りに同一方向に向けて一斉に回転する。
従って、第1駆動モータ224の駆動による無端ベルト223の周回で投入部20から整列部30へ搬入されたペットボトルPは、これら各整列ローラ32の同一方向に向かう回転に誘導されて逆方向に回転され、これによって前後方向に向くように姿勢設定されつつ整列ローラ32の前方へ向かう先下がりの傾斜を滑り降り、一対のガイド板314によって左右方向の中央部へ寄せられた状態で1本ずつがボトル通過開口315を通ってチップ化処理部40へ供給される。
図1および図2に戻り、前記チップ化処理部40は、前記整列部30から供給された1本ずつのペットボトルPをボトル本体P1と付属物P2とに分別する分別部50と、この分別部50で分別されたボトル本体P1に対し裁断処理を施してチップP3にする裁断部60とを備えている。前記付属物P2としては、ボトル本体P1に付設されている口金やキャップ、さらには胴部に巻き付けられていた環状ラベル等を挙げることができる。
そして、これらの付属物P2は、通常、PET(Polyethylene terephthalate)製のボトル本体P1とは異なる合成樹脂材料で形成されている場合が多く、かかる材料がPETからなるチップP3に混入すると、当該材料がチップP3の再生処理時に不純物となって当該再生処理の障害になる。かかる障害を除くべく、分別部50において付属物P2が分別されるのである。
以下、図4を基に必要に応じて図1〜図3を参照しつつ分別部50について説明する。図4は、分別部50の一実施形態を示す斜視図である。なお、図4におけるXおよびYによる方向表示は、図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。図4に示すように、分別部50は、ペットボトルPを縦断する縦断装置51と、この縦断装置51によって縦断されることにより形成されたボトル本体P1の破断片と付属物P2の破断片とを篩い分ける篩分装置(分離装置)58とを備えている。
前記縦断装置51は、ペットボトルPを受けて下流側へ摺接移動させる左右一対のレール部材52と、これら一対のレール部材52の上面に対向配置されたペットボトルPを圧縮するための前後一対の圧縮ローラ53と、これら一対の圧縮ローラ53間であって、かつ、前記一対のレール部材52間に配設された上下方向に延びる帯鋸54と、前記一対の圧縮ローラ53を回転させる回転機構55とを備えている。
前記一対のレール部材52は、前記整列ローラ32の内の左右方向中央部の2本に対応して設けられ、互いの離間距離はペットボトルPの直径寸法より短めに設定されている。かかる各レール部材52は、それぞれ上面が水平に延びるように配設されているとともに、各後端部下面には、前記整列ローラ32の傾斜角度と同一の傾斜部521がそれぞれ設けられ、これによって後方に向かって先細りしている。
そして、かかる各傾斜部521が隣設された各整列ローラ32の周面上面に僅かな隙間を介して対向されている。これにより隣設された整列ローラ32間をボトル心回りに回転しながら滑落してきたペットボトルPは、一対のレール部材52により掬い上げられることになる。
前記一対の圧縮ローラ53は、レール部材52により掬い上げられたペットボトルPに対し圧縮処理を施し、これによって以後のペットボトルPに対する破断処理および裁断処理を容易に行い得るようにするためのものである。かかる各圧縮ローラ53は、ローラ軸531と、このローラ軸531に同心で一体回転可能に外嵌された金属製のローラ本体とを備えている。各圧縮ローラ53間の距離は、前記帯鋸54を収容し得るように長さ設定されている。
また、各圧縮ローラ53の下部周面と前記レール部材52の上面との間の距離は、ペットボトルPの胴部を押し潰した状態でその厚み寸法より若干厚めになるように隙間設定されている。
前記回転機構55は、一方のローラ軸531(図4に示す例では後方のローラ軸531)を駆動回転させる第3駆動モータ56と、一方のローラ軸531の駆動回転を他方のローラ軸531の従動回転に伝達するギヤ機構57とからなっている。そして、第3駆動モータ56の駆動軸561は、後方のローラ軸531と同心で一体回転可能に連結されている。
前記ギヤ機構57は、後方のローラ軸531に同心で一体回転可能に外嵌された駆動ギヤ571と、前方のローラ軸531に同心で一体回転可能に外嵌された従動ギヤ572と、この従動ギヤ572および前記駆動ギヤ571の双方と噛合するように両者間に介設されたアイドルギヤ573とを備えている。従って、第3駆動モータ56の駆動で駆動軸561を時計方向に向けて回転させると、この回転は駆動ギヤ571およびアイドルギヤ573を介して従動ギヤ572に伝達され、これによって前後の圧縮ローラ53がそれぞれのローラ軸531回りに時計方向に向けて回転する。
そして、隣設した整列ローラ32間を回転しながら滑落してきたペットボトルPは、回転しているこれら一対の圧縮ローラ53と一対のレール部材52との間に導入されて圧縮処理が施されることになる。
前記帯鋸54は、上流側(後方側)の圧縮ローラ53により圧縮処理が施されながら前方に向かって強制的に移動させられつつあるペットボトルPを長手方向に向けて縦断するためのものである。かかる帯鋸54は、一対の圧縮ローラ53間であって、かつ、一対のレール部材52間に形成された平面視で四角形の空間に、その鋸刃541を後方に向けた状態で上下方向へ延びるように装着されている。このような帯鋸54は、図略のフレームに上下動可能に支持されているとともに、その一端側に上下動付与機構542が設けられている。
そして、整列ローラ32側から上流側の圧縮ローラ53に導入されたペットボトルPは、この圧縮ローラ53によって圧縮されつつレール部材52上を進行し、引き続き上下動付与機構542の駆動で振動的に上下動している帯鋸54の鋸刃541によって付属物P2も含め順次縦断されていく。縦断処理後の2つに分断されたペットボトルPは、下流側の圧縮ローラ53によりさらに圧縮処理が施された後、ボトル本体P1と付属物P2とがバラバラになった状態で篩分装置(分離装置)58へ向けて送り出される。
前記篩分装置58は、前記縦断装置51で得られた圧縮状態のボトル本体P1および付属物P2の縦断物を、ボトル本体P1と付属物P2とに分離するためのものであり、前方に向かって先下がりに傾斜して設けられている。かかる篩分装置58は、矩形状を呈する枠体581と、この枠体581に張設された金網582と、この金網582に振動を与える振動機構583とを備えている。
前記枠体581の前端部には、左右方向の互いに反対方向に向けて突設された支持軸581aが設けられている。これらの支持軸581aは、軸心回りに回動可能に図略のフレームに支持され、これによって枠体581は、支持軸581a回りに揺動し得るようになっている。
前記金網582は、破断された網目が口金やキャップ等の付属物P2を篩下として通過させることができるが、破断されたボトル本体P1を篩上として篩い分けることができるように網目の寸法が設定されている。
前記振動機構583は、後方側で枠体581の下面を摺接状態で左右方向に横断したカム軸584と、このカム軸584に一体回転可能に外嵌された左右方向一対の偏心カム585と、前記カム軸584を軸心回りに回転させるための第4駆動モータ586とを備えている。第4駆動モータ586の駆動軸586aは、同心でカム軸584に一体回転可能に連結されている。
前記各偏心カム585は、同一位相でカム軸584に固定されているとともに、各周面が枠体581の前後方向に延びる左右一対の各縦杆の裏面側に当接されている。従って、第4駆動モータ586の駆動でカム軸584を軸心回りに回転させることにより、各偏心カム585が偏心回転し、これによって金網582が支持軸581a回りに振動的に正逆回動する。かかる金網582の振動によって篩分装置58に供給された破断後の付属物P2は、金網582の網目を通って確実に篩い分けられる。
一方、前記整列部30の下方位置には、篩分装置58で篩下として篩い分けられた口金やキャップ等の付属物P2を貯留するための付属物貯留部59(図1)が設けられている。この付属物貯留部59には、上面を全面に亘って開放した状態で付属物回収用のフレコンバッグ591が装着されている。そして、篩分装置58で篩い分けられた付属物P2は、このフレコンバッグ591に回収される。そして、フレコンバッグ591が満杯になると、上面開口が閉止された状態で付属物貯留部59から荷下ろしされる。
また、本実施形態においては、図1、図2、図4および図5に示すような、篩分装置58で分離されたラベルなどの軽量付属物P2′を回収するための吸引装置70が設けられている。この吸引装置70は、篩分装置58の枠体581の左右方向両側部にそれぞれ設けられた吸引フード71と、各吸引フード71に接続された吸引ダクト72と、この吸引ダクト72の下流端に接続された軽量付属物P2′を回収するための回収部73と、この回収部73の下流端に接続された吸引ブロワ74とを備えている。
前記回収部73は、直方体状を呈する内部が空洞のケーシング731と、このケーシング731に着脱自在に装着されるバッグフィルタ732とを有している。
かかる吸引装置70によれば、ボトル本体P1に巻き付けられていたシート状の軽量付属物P2′は、ペットボトルPが縦断装置51で縦断されることによってボトル本体P1からバラバラに分離された状態になる。このバラバラにされたシート状の軽量付属物P2′は、篩分装置58の金網582上に移動してきたときに、吸引ブロワ74の駆動による気流によって吸引フード71に吸引され、吸引ダクト72を介してバッグフィルタ732に捕捉回収されることになる。
図1および図2に戻り、前記裁断部60は、篩分装置58から送り込まれた篩上としてのボトル本体P1の縦断物に、さらに裁断処理を施してチップP3を形成させるためのものであり、篩分装置58の直下流側に設けられている。以下、かかる裁断部60について図5を基に必要に応じて図1〜図4を参照しながら詳細に説明する。図5は、裁断部60の一実施形態を示す斜視図である。なお、図5におけるXおよびYによる方向表示は、図2の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
図5に示すように、裁断部60は、互いに噛合した上下一対の裁断用ギヤ61と、これら一対の裁断用ギヤ61を回転させるための第5駆動モータ62と、この第5駆動モータ62と前記裁断用ギヤ61との間に介設された減速ギヤ63とを備えている。
前記裁断用ギヤ61は、ギヤ軸611と、このギヤ軸611に同心で一体回転可能に外嵌されたギヤ本体612とからなっている。ギヤ本体612には、周方向に等ピッチで複数のギヤ刃613が設けられている。このギヤ刃613の先端は先鋭に形成されている。従って、これら上下の裁断用ギヤ61の噛合位置に供給された破断処理後のボトル本体P1は、ギヤ刃613の噛合位置において各ギヤ刃613により裁断されてチップP3が形成される。
前記第5駆動モータ62は、駆動軸621が左右方向に延びるように横置きで一方の裁断用ギヤ61(図5に示す例では上方の裁断用ギヤ61)の近傍に据え付けられている。前記減速ギヤ63は、駆動軸621に同心で一体回転可能に外嵌された小径ギヤ631と、一方(図5の例では上方)のギヤ軸611に同心で一体回転可能に外嵌された、小径ギヤ631に噛合する大径ギヤ632とからなっている。従って、第5駆動モータ62の駆動は、駆動軸621、小径ギヤ631および大径ギヤ632を介して上方のギヤ軸611に伝達され、これによる上方の裁断用ギヤ61の回転により、当該裁断用ギヤ61に噛合している下方の裁断用ギヤ61も回転する。これら一対の裁断用ギヤ61の回転により、これらの噛合位置に供給された破断処理済みのボトル本体P1は裁断され、チップP3が形成される。
前記チップ貯留部80は、裁断部60の直下流側(前方位置)に設けられている。かかるチップ貯留部80は、上面全面が開放された直方体状のチップ貯留容器81と、上面が開放状態でこのチップ貯留容器81に装着されるボトル本体用のフレコンバッグ82とを備えている。そして、ボトル本体P1が前記裁断部60で裁断されることによって形成されたチップP3は、フレコンバッグ82内に回収される。
以上詳述したように、第1実施形態に係るファクトリートラック10は、再生使用し得る材料であるPETからなるペットボトルPを回収しながら当該ペットボトルPをチップP3にするまで分解処理する廃棄物再生機能を有する自走車輌としてのファクトリートラック10に関するものであり、投入部20を介して順次送り込まれたペットボトルPを整列させる整列部30と、整列部30で整列されたペットボトルPを裁断してチップ化するチップ化処理部40と、チップ化処理部40で製造されたチップを貯留するチップ貯留部80とが荷台12に装備されている。
かかる構成によれば、回収されたペットボトルPは、整列部30に順次投入されることにより整列されて直列に並び、これによって以後の処理が容易な状態になってチップ化処理部40に送り込まれ、ここで裁断処理されてチップ化される。そして、得られたチップは、チップ貯留部80に貯留される。
このように、自走車輌の荷台12には、ペットボトルPが整列される整列部30が設けられ、整列状態のペットボトルPに順番にチップ化処理が施されるようになされているため、従来のように作業者が回収したペットボトルPを一々1つずつ手作業で裁断装置に供給してチップ化するという面倒な作業を行う必要がなくなり、結果として自走車輌を用いたペットボトルPのチップ化処理の作業性を大幅に向上されることができ、ペットボトルPのチップ化処理の大幅な効率アップを図ることができる。
また、チップ化処理部40は、整列部30で整列されたペットボトルPを破断して回収対象物としてのボトル本体P1と口金やキャップ等の付属物P2とに分別する分別部50と、分別部50で分別された回収対象物を裁断処理してチップ化する裁断部60と、分別部50で分別された付属物P2を貯留する付属物貯留部59とを備えている。
従って、回収されたペットボトルPは、整列部30で整列され、以後の処理が容易な状態になって分別部50に導入される。分別部50に導入されたペットボトルPは、破断されてバラバラになった状態で回収対象物としてのボトル本体P1の破断物と、口金やキャップなどの付属物P2とに分別される。そして、ボトル本体P1は、引き続き裁断部60において裁断処理により裁断されてチップ化され、チップ貯留部80に貯留される一方、分別された付属物P2は、付属物貯留部59に貯留される。
このように、ペットボトルPは、分別部50で破断されてボトル本体P1から口金等の付属物P2を取り除くようになされているため、異なった材料からなる口金等の付属物P2がボトル本体P1のチップに混入するような不都合の発生を有効に防止することができる。
また、分別部50は、ペットボトルPを少なくとも2つに縦断する縦断装置51と、この縦断装置51により縦断された縦断物からボトル本体P1と付属物P2とに分離する分離装置としての篩分装置58を備えているため、ペットボトルPは、口金等の付属物P2も含めて縦断装置51により少なくとも2つに縦断される。従って、例えばねじ止め状態でボトル本体P1に螺着されていた口金等の付属物P2であっても、当該付属物P2をボトル本体P1から容易に取り外すことができる。
また、分離装置としてボトル本体P1を篩上として回収する一方、付属物P2を篩下として回収する篩分装置58が採用されているため、縦断装置51により縦断された状態のペットボトルPを篩分装置58に供給することにより、縦断処理で形成されたボトル本体P1側のボトル本体P1は、篩上として回収される一方、容量の小さい口金等の付属物P2は、篩下として篩い分けられる。このように、分離装置として篩分装置58を採用することにより、分離装置を簡単な構造のものにした上で、ボトル本体P1と付属物P2とを確実に分離することができる。
また、篩分装置58には、ボトル本体P1を通過させた上でペットボトルPに巻き付けられていたラベル類などの軽量付属物P2′を気流で吸引除去する吸引装置70を有しているため、ペットボトルPにラベル類が巻き付けられている場合、ペットボトルPの破断処理により軽量付属物P2′も破断されてボトル本体P1から分離させることができる。そして、この分離した軽量付属物P2′は、気流によって吸引装置70に吸引されて除去される。このように、軽量付属物P2′を吸引し得るように吸引装置70を設けることで、たとえボトル本体P1に軽量付属物P2′が巻き付けられていても、この軽量付属物P2′がボトル本体P1側から取り除かれるため、ボトル本体P1側に材質の異なる軽量付属物P2′が混入するような不都合の発生を有効に防止することができる。
そして、裁断部60は、互いに噛合した部分にボトル本体P1が供給されるように構成された互いに噛合する一対の裁断用ギヤ61を備えており、破断されたボトル本体P1は、互いに噛合しながら回転している裁断用ギヤ61の噛合位置に導入され、順次連続的に裁断されてチップ化されていくため、レスプロ方式のカッター装置を用いた場合に比較し、裁断の処理効率を大幅に向上させることができる。
図6は、本発明に係る第2実施形態のファクトリートラック10′を説明するための側面視の説明図である。なお、図6におけるYによる方向表示は図1の場合と同様(−Y:前方、+Y:後方)である。第2実施形態においては、ファクトリートラック(廃棄物再生機能を有する自走車輌)10′は、鉄または鉄合金製のいわゆるスチール缶Sを対象として当該スチール缶Sをチップ化処理するものである。
図6に示すように、ファクトリートラック10′の荷台12′に設けられた整列部30には、その下流端に整列された缶からスチール缶Sを磁力により選別する選別装置36が設けられている。
前記選別装置36は、整列部30の下流端から前方に向かって先下がりに傾斜したハウジング361と、このハウジング36に内装された前後方向一対のマグネットドラム362と、各マグネットドラム362の前方位置で先端縁部がそれぞれの周面に当接するように配設され前後一対のブレード363とを備えている。
前記一対のマグネットドラム362は、前方のものが後方のものより若干低位に設定されている。かかる各マグネットドラム362の内周面には、全周に亘って等ピッチで複数の永久磁石が装着されている。従って、マグネットドラム362が図略の駆動モータの駆動でドラム心回りに反時計方向に向けて回転されると、缶が整列部30から選別装置36へ受け渡される都度、当該缶がスチール缶Sである場合には、そのスチール缶Sは磁石の作用でマグネットドラム362の周面に吸着される。
そして、マグネットドラム362の周面に吸着されたスチール缶Sは、ハウジング361が回転することによりブレード363によって削ぎ落とされ、今度は下流側のマグネットドラム362に吸着された後、ここでもブレード363によって削ぎ落とされ、後述の圧縮ローラ510へ供給される。
また、上流側のマグネットドラム362によって吸着されなかったスチール缶Sは、下流側のマグネットドラム362によって吸着されることになる。このように、マグネットドラム362を2段で設けることにより、スチール缶Sをより確実にピックアップすることが可能になる。
一方、整列部30からの缶がスチール缶Sではない場合、その缶はマグネットドラム362に吸着されることはなくハウジング361の底板の適所に設けられた導出孔から落下し、シュート364を通って非鉄缶貯留部59′に装着された非鉄缶回収用フレコンバッグ591′へ回収される。
また、選別装置36の下流側には、前記縦断装置51に代えて径寸法がスチール缶Sの径寸法より相当大きい上下一対の圧縮ローラ(圧縮ローラ対)510が設けられている。因みに、第2実施形態では、チップ化処理部40′が選別装置36、圧縮ローラ510および裁断部60を備えて構成されている。
そして、これら一対の圧縮ローラ510は、図略の駆動モータの駆動で左右方向(図6の紙面に直交する方向)に延びる各ローラ軸511回りにそれぞれ互いに反対方向(上方の圧縮ローラ510は時計方向、下方の圧縮ローラ510は反時計方向)に回転可能に軸支されている。
従って、選別装置36から下流側へ向けて導出されたスチール缶Sは、互いに反対方向に回転している上下一対の圧縮ローラ510間に引き込まれ、扁平に圧縮処理される。この圧縮処理されることにより形成された扁平スチール缶S1は、第1実施形態のものと同様に構成された裁断部60へ導入され、ここでチップ化されてチップS2が形成される。得られたチップS2は、第1実施形態と同様のチップ貯留部80に形成されたチップ貯留容器81内のフレコンバッグ82に回収される。
第2実施形態のファクトリートラック10′によれば、選別装置36の電磁石の作用で回収された金属缶の内のスチール缶Sだけが圧縮ローラ510へ送り込まれて圧縮処理が施された後、裁断部60で裁断処理されてチップS2とされるため、回収された缶がスチール缶Sであるのかアルミ缶であるのかを一々選別することなく、自動的にスチール缶Sのみにチップ化処理が施され、これによって缶類の再生のための中間処理の効率化を達成することができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、ペットボトルPやスチール缶Sがファクトリートラック10,10′の投入部20へ一旦投入されるようになされているが、投入部20をもうけることなく、ペットボトルPやスチール缶Sを整列部30へ直接投入するようにしてもよい。
(2)上記の第1実施形態のファクトリートラック10においては、整列部30から下流側の縦断装置51にペットボトルPを1本ずつ送り込むようになされているが、こうする代わりにレール部材52を複数対配設するようにし、複数のペットボトルPに同時に帯鋸54による破断処理を行ってもよい。
(3)上記の第1実施形態においては、ペットボトルPを縦断するために帯鋸54が採用されているが、帯鋸54に代えてプレス処理でペットボトルPを破断させるようにしてもよい。
(4)上記の第1実施形態においては、チップ化処理の対象となる容器廃棄物としてPET製のものを例として挙げて説明したが、本発明は、容器廃棄物がPET製のものであることに限定されるものではなく、チップ化処理の対象となるものが他の種類の合成樹脂製の容器廃棄物であってもよい。
(5)上記の実施形態のファクトリートラック10,10′を用いて容器廃棄物のチップ化処理を効率的に実行するためには、図7に示すように、ファクトリートラック10,10′に、チップP3,S2を貯留することが専門のシャトルトラック15を伴走させることが好ましい。その理由は、ファクトリートラック10,10′のチップ貯留部80の容量をそれほど大きくすることができないため、チップ貯留部80が満杯になる都度、ファクトリートラック10,10′をリサイクル工場Fまで戻るのは非常に非効率であるためである。
そこで、ファクトリートラック10,10′にシャトルトラック15を伴走させると、ファクトリートラック10,10′のチップ貯留部80が満杯になった都度、現地でファクトリートラック10,10′のチップ貯留部80からチップP3,S2を取り出してシャトルトラック15の荷台に移載することができるため、ファクトリートラック10,10′が一々リサイクル工場Fまで戻る必要がなくなり、その分ファクトリートラック10,10′のチップ化処理効率を向上させることができる。
そして、シャトルトラック15は、チップP3,S2で満杯になった時点で当該チップP3,S2をリサイクル工場Fへ搬送するようにすればよい。すなわち、シャトルトラック15は、荷台がチップP3,S2で満杯になる都度、ファクトリートラック10,10′とリサイクル工場Fとの間を往復することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のファクトリートラックを説明するための側面視の説明図である。
【図2】図1に示すファクトリートラックの平面視の説明図である。
【図3】整列部の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】分別部の一実施形態を示す斜視図である。
【図5】裁断部の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る第2実施形態のファクトリートラックを説明するための側面視の説明図である。
【図7】ファクトリートラックにシャトルトラックを伴走させる状態を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10,10′ ファクトリートラック(廃棄物再生機能を有する自走車輌)
11 キャビン部 12,12′ 荷台
13 カバー体 131 防音材
132 投入開口 133 リヤドアー
15 シャトルトラック 20 投入部
21 投入ホッパー 211 傾斜板
22 ベルトコンベヤ 221 駆動ローラ
222 従動ローラ 223 無端ベルト
223a 突片 224 第1駆動モータ
30 整列部 31 整列ホッパー
311 側板 312 前板
313 後板 314 ガイド板
315 ボトル通過開口 32 整列ローラ
321 ローラ軸 33 第2駆動モータ
34 駆動力伝達機構 341 駆動スプロケット
342 従動スプロケット 343 チェーン
36 選別装置 361 ハウジング
362 マグネットドラム 363 ブレード
364 シュート 40,40′ チップ化処理部
50 分別部 51 縦断装置
510 圧縮ローラ(圧縮ローラ対)
52 レール部材 521 傾斜部
53 圧縮ローラ 531 ローラ軸
54 帯鋸 541 鋸刃
542 上下動付与機構 55 回転機構
56 第3駆動モータ 561 駆動軸
57 ギヤ機構 571 駆動ギヤ
572 従動ギヤ 573 アイドルギヤ
58 篩分装置(分離装置) 581 枠体
581a 支持軸 582 金網
583 振動機構 584 カム軸
585 偏心カム 586 第4駆動モータ
586a 駆動軸 59 付属物貯留部
59′ 非鉄缶貯留部 591 付属物回収用フレコンバッグ
591′ 非鉄缶回収用フレコンバッグ
60 裁断部 61 裁断用ギヤ
611 ギヤ軸 612 ギヤ本体
613 ギヤ刃 62 第5駆動モータ
621 駆動軸 63 減速ギヤ
631 小径ギヤ 632 大径ギヤ
70 吸引装置 71 吸引フード
72 吸引ダクト 73 回収部
731 ケーシング 732 バッグフィルタ
74 吸引ブロワ 80 チップ貯留部
81 チップ貯留容器 82 フレコンバッグ
90 リサイクル工場 F リサイクル工場
P ペットボトル P1 ボトル本体
P2 付属物 P2′ 軽量付属物
P3 ペットボトルのチップ S スチール缶
S1 扁平スチール缶 S2 スチール缶のチップ
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
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