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事務用品
 
【発明の名称】ディスク体収納ケース
【出願人】
【識別番号】505327837
【氏名又は名称】梅津 圭太
【住所又は居所】埼玉県狭山市柏原3405−180狭山ニュータウン91−6
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100107711
【氏名又は名称】磯兼 智生
【発明者】
【氏名】梅津 圭太
【住所又は居所】埼玉県狭山市柏原3405−180狭山ニュータウン91−6
【要約】
【課題】
ディスク体を水平方向に重ねて収納しながら、使用者が回り込むことなく、ディスク表面を確認できる収納ケースを提供することを課題とする。
【解決手段】
ディスク体を収納するディスク体収納ケースにおいて、少なくとも一方の主表面に平行にディスク体を保持可能に形成された板状体からなるディスクホルダーを2以上、水平方向に主表面同士が重なるように配列し、前記主表面に対する垂線に沿った、ディスクホルダの外側に設けられる第一の回動軸に回動可能に固定され、この第一の回動軸に対して垂直な第二の回動軸に回動可能にディスクホルダーを保持する回転保持体を前記各ディスクホルダーのそれぞれに設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク体を収納するケースであって、
少なくとも一方の主表面に平行にディスク体を保持可能に形成された板状体からなるディスクホルダーを2以上、水平方向に主表面同士が重なるように配列し、
前記主表面に対する垂線に沿った、ディスクホルダの外側に設けられる第一の回動軸に回動可能に固定され、この第一の回動軸に対して垂直な第二の回動軸に回動可能にディスクホルダーを保持する回転保持体を前記各ディスクホルダーのそれぞれに設けた、
ディスク体収納ケース。
【請求項2】
前記ディスク体収納ケースにおいて、
前記ディスクホルダーの前記第一の回動軸を中心とした回動を、前記第二の回動軸が略水平状態になったところで規制する回動規制部材と、
前記回動規制部材により回動を規制されたディスクホルダーの前記第二の回動軸を中心とした回動を、当該ディスクホルダーが略水平状態になったところで規制する水平支持部材と
を有する請求項1に記載のディスク体収納ケース。
【請求項3】
前記ディスクホルダーは両方の主表面にディスク体を保持可能に形成された板状体からなる請求項1又は2に記載のディスク体収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、CD、DVD等のディスク体を収納するためのケースに関する。
【背景技術】
CD、DVDなどのディスク体は、薄い板状体であるので収納に際しては、重ねて収納することが効率がよい。ところで、特にディスク体をケースに入れずにそのまま重ねて収納すると、ディスク体の記憶内容等を確認するために、一枚一枚ディスク体の表面を確認する必要があり、使用者の負担となる。これに対応するものとして、例えば、特許文献1には、垂直な回転軸を中心に回動するディスクホルダーを縦方向に配列したディスク体収納ケースが示されている。また、特許文献2から5には、水平な回転軸を中心に回動するディスクホルダーを横方向に配列したディスク体収納ケースが示されている。このような構成によれば、ディスクホルダーを回動させればディスク体をディスクホルダーに保持した状態で、ディスク体の表面を容易に確認することができる。
【特許文献1】
特開平8−224135号公報
【特許文献2】
実用新案登録第251771号公報
【特許文献3】
実開昭62−182287号公報
【特許文献4】
実開昭62−165287号公報
【特許文献5】
実開昭60−176640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献2から5の収納ケースではケース本体の正面に対して回動したディスクホルダーに保持されるディスク体の表面は左右方向を向くので、表面を確認する場合は、使用者は回りこまなければ表面を確認することができないという問題がある。一方、特許文献1に記載の発明では、ケース本体の正面に対して回動したディスクホルダーに保持されるディスク体の表面は上を向くので、使用者はそのまま確認することができる。しかし、ディスクケースは棚の上など水平面に置かれることが多く、ディスク体を重ねる方向が水平方向が望ましいが、特許文献1に記載の方法では、ディスク体が垂直方向に積み重なるように収容されることとなる。
本発明は、このような問題に鑑みて、ディスク体を水平方向に重ねて収納しながら、使用者が回り込むことなく、ディスク表面を確認できる収納ケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有する。
請求項1に記載の発明は、ディスク体を収納するディスク体収納ケースであって、少なくとも一方の主表面に平行にディスク体を保持可能に形成された板状体からなるディスクホルダーを2以上、水平方向に主表面同士が重なるように配列し、前記主表面に対する垂線に沿った、ディスクホルダの外側に設けられる第一の回動軸に回動可能に固定され、この第一の回動軸に対して垂直な第二の回動軸に回動可能にディスクホルダーを保持する回転保持体を前記各ディスクホルダーのそれぞれに設けたものである。なお、板状体は、薄いシート体を袋状にしたものなど、薄くても平板状に形態が保持できるものであれば足りる。また、板状体の主表面とは、板状体の最も面積の広い2つの面をいう。さらに、ディスク体とは、CD、DVD、CDR、CDRW、フロッピーディスク等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクの他、平板状の板体であれば種々のものが含まれる。
請求項2に記載の発明は、前記ディスク体収納ケースにおいて、前記ディスクホルダーの前記第一の回動軸を中心とした回動を、前記第二の回動軸が略水平状態で当該第二の回動軸を中心にディスクホルダーが回動可能になったところで規制する回動規制部材と、前記回動規制部材により回動を規制されたディスクホルダーの前記第二の回動軸を中心とした回動を、当該ディスクホルダーが略水平状態になったところで規制する水平支持部材とを有する請求項1に記載のディスク体収納ケースである。なお、回動規制部材は、ディスクホルダーの回動を直接又は間接的に規制すればよく、回動保持体の回動を規制することによりディスクホルダーの回動を規制する場合が含まれる。
請求項3に記載の発明は、前記ディスク体収納ケースにおいて、前記ディスクホルダーは両方の主表面にディスク体を保持可能に形成された板状体からなるものである。
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、ディスク体を保持する板状体のディスクホルダーを水平方向に重ねて収納しながら、各ディスクホルダーはディスクホルダーの外側に設けられる第1の回動軸により回動することにより重なったディスクホルダー群に重ならない位置にまで回動させることができ、さらに、ディスクホルダーをこの状態から第二の回動軸によって回動させることで、主表面を使用者側に向けることができ、使用者が回り込むことなくディスク体表面を確認することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、ディスクホルダーを第一の回動軸を中心に回動させると、回転規制部材によって、このディスクホルダーに対応する前記第二の回動軸が略水平方向になった状態で止まり、そのまま、ディスクホルダーを第二の回動軸を中心に回動させると、水平支持部材によって、ディスクホルダーが略水平になった状態で止まるので、使用者は回転規制部材および水平支持部材により止まる位置にディスクホルダーを動かすだけでディスクホルダーの主表面を上方に向けることができ、作業効率がよい。
請求項3に記載の発明は、板状体のディスクホルダーの両方の主表面にディスク体を保持するので、収納効率を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に本実施形態に係るディスク体収納ケースAの斜視図を示し、図2に図1のA−A断面図を示す。ディスク体収納ケースAは、ディスクホルダー10、回動保持体20、第一回動軸30、仕切り40、筐体50とから構成される。
筐体50は、下方が開放した上面後方に傾斜が設けられた箱状体であり、上面と前面とが一体となって蓋52を形成し、残りの部分が本体部51を形成する。蓋52は本体部51の上部傾斜面の上縁と、蓋52の上面の後縁部との接合部に設けられるヒンジ52aにより上方に回動して開くように形成されている。図3にディスク体収納ケースAの蓋52を開いた状態を表す斜視図を示し、図4にディスク体収納ケースAの蓋52を開いた状態の正面図を示す。また、蓋52の前面には、扁平な長方形状の把手52bが取り付けられている。本体部51の側面を形成する側板51aのそれぞれの下部前面側には前方に突出する突出部51aaが設けられ、各突出部51aa間に角棒体により形成される回動規制部材53が固定されている。また、本体部51の内部において側板51a間のやや下方位置にやはり角棒体により形成される姿勢保持部材54が固定されている。図2に示されるように姿勢保持部材54は後述する収納状態のディスクホルダー10の仮面を支持してディスクホルダーの姿勢を保持する役割を果たす。
第一回動軸30は、金属性の丸棒により形成され、本体部51の内部において側板51a間の下方前方位置に水平に固定されている。
この第一回動軸30には、複数の回動保持体20が並列に回動可能に保持されている。回動保持体20は、合成樹脂により形成される扁平なやや長い直方体形状のブロック体であり、一端側が円弧状に削られており、他端側の先端面に丸棒が先端方向に向って設けられている。この丸棒部分が第二回動軸20aを構成する。また、回動保持体20の一端側近傍の側面には貫通孔が形成されており、この貫通孔に前記第一回動軸30が通されて回動可能に固定されている。また、図4に示すように回動保持体20同士の間には、リング状の滑らかな材質により形成される摺動補助リング20aが第一回動軸30に通されており、回動保持部材20の回動によって隣接する他の回動保持部材20が回動することを抑制している。
ディスクホルダー10は長方形状の板状体の一端側を円弧状に形成したものであり、合成樹脂により形成される。筐体50内に収容された状態におけるディスクホルダー10の下面前方には、回動保持体20の第二回動軸20aに係合する係合穴10cが形成されており、各回動保持体20の第二回動軸20aには、ディスクホルダー10がこの係合穴10を介して係合している。これにより、ディスクホルダー10は収納時において、主表面同士が重なるように水平方向に配列されることとなる。また、ディスクホルダー10は、ディスクホルダーの主表面の外側に形成される第一回動軸30を中心に回動することができるとともに、第二回動軸20aを中心に回動することができる。図5にディスク体収納ケースXの一のディスクホルダー10を第一回動軸30を中心に回動させた状態を表す斜視図を示し、図6にこの状態からさらにディスクホルダー10を第二回動軸20aを中心に回動させた状態を表す斜視図を示す。なお、図5に示すようにディスクホルダー10が外側に回動すると、筐体50の下方前部に形成された回動規制部材53が回動を規制することとなる。回動規制部材53は、ほぼ第二回動軸20aが水平状態となったところで、ディスクホルダー10の回動を規制するようになっている。また、図6に示すように回動規制部材53および本体部51の側板51aに形成される突出部51aaは、第二回動軸20aがほぼ水平状態となったところで、ディスクホルダー10が第二回動軸20aを中心に回動すると、ディスクホルダー10の主表面がほぼ水平になったところで、ディスクホルダー10の回動を規制する。即ち、回動規制部材53および突出部51aaは、水平支持部材として機能する。ディスクホルダー10の両主表面には、CDもしくはDVDの規格に合致した円盤状のディスク体を係合保持できる係合突起10aaを中心に設けた係合穴10aが形成されており、CD等のディスクが係合することで、ディスクホルダーの主表面に平行に保持固定されることとなる。また、収納状態におけるディスクホルダ10ーの上縁前方には、把手10bが突出してあり、この部分に円形の薄いゴム板が両面に貼り付けてある。使用者はこの把手10bを持ってディスクホルダー10を操作する。
仕切り40は、薄い板体であり、筐体50の本体部51の内部に収容された各ディスクホルダー10の間を仕切るように固定されている。
次に、以上のような構成を有するディスク体収納ケースXの使用方法について説明する。すでに、ディスクホルダー10には、CD等のディスクDが保持されており、図1のような状態で収納されているものとする。まず、使用者は、蓋52を開いて図3に示すような状態とする。次に、目的とするディスクDを収納したと思うディスクホルダー10の把手10bに指を添えて、ディスクホルダー10を手前に倒し、図4に示すような状態とし、さらに、そのまま、左右のいずれかにディスクホルダー10を倒して図5に示すような状態とする。ここで、ディスクホルダー10の保持されているディスクDの表面が見える様態となるので、目的とするディスクDかどうかを判断し、目的とするディスクであればそのままディスクDを取り出して使用し、目的とするディスクでない場合は、ディスクホルダー10を左右方向における逆方向に倒したり、このディスクホルダー10を図3に示すような状態に戻した後に、別のディスクホルダー10について、同様の操作を行うことでディスクDを確認する。このように、本実施形態に係るディスク体収納ケースXでは、ディスクDの表面を使用者が移動することなく確認できるので、使用者の労力を軽減することができる。
なお、どのディスク体をどのディスクホルダー10に保持させたかをよりわかりやすくするために、図7に示すように、蓋52の裏面52aにインデックス52abを設けるようにしてもよい。ここでは、ディスクホルダー10のそれぞれに対して、右面と左面を示す表記52aaの下にディスクの内容を表すインデックス52abを示す例を挙げている。このようにすれば、より、ディスクを取り出しやすくなるが、収納時の誤りもあるので、やはり、ディスクを取り出す際には、ディスク表面の確認は必要であり、本実施形態に係るディスク体収納ケースXの機能は有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るディスク体収納ケースの斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】実施形態に係るディスク体収納ケースの蓋を開けた状態を示す斜視図である。
【図4】実施形態に係るディスク体収納ケースの蓋を開けた状態を示す正面図である。
【図5】実施形態に係るディスク体収納ケースの第一回動軸を中心にディスクホルダーを倒した状態を示す斜視図である。
【図6】実施形態に係るディスク体収納ケースの第二回動軸を中心にディスクホルダーを倒した状態を示す斜視図である。
【図7】裏面にインデックスを設けた例を示すディスク体収納ケースの蓋体裏面の正面図である。
【符号の説明】
X ディスク体収納ケース
10 ディスクホルダー
20 回動保持体
20a 第二回動軸
30 第一回動軸
40 仕切り
50 筐体
51aa 突出部(水平支持部材)
53 回動規制部材(水平支持部材)
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
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