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【発明の名称】油圧式発電装置及び充電スタンド 【出願人】 【識別番号】514256542 【氏名又は名称】秋元 健二 【住所又は居所】茨城県日立市旭町2-1-14-402 【代理人】 【識別番号】110003199 【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所 【発明者】 【氏名】秋元 健二 【住所又は居所】茨城県日立市旭町2-1-14-402 【要約】 【課題】 環境にやさしく、設置場所を選ばず、送電設備も不要な油圧式発電装置及び充電スタンドを提供する。 【解決手段】 油圧式発電装置は、駆動用モータと、駆動用モータによって駆動され、液体と気体との混合体である気液混合体を加圧する加圧ポンプと、加圧ポンプから吐出される加圧された気液混合体の力によって回転する油圧モータと、油圧モータの回転の力によって発電する発電機と、油圧モータから排出される液体を浄化する液体浄化装置と、を備える。 【選択図】 図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 駆動用モータと、 前記駆動用モータによって駆動され、液体と気体との混合体である気液混合体を加圧する加圧ポンプと、 前記加圧ポンプから吐出される加圧された前記気液混合体の力によって回転する油圧モータと、 前記油圧モータの回転の力によって発電する発電機と、 前記油圧モータから排出される前記液体を浄化する液体浄化装置と、 を備えることを特徴とする油圧式発電装置。 【請求項2】 請求項1に記載の油圧式発電装置において、 前記加圧ポンプに前記液体を供給する液体貯蔵タンクをさらに備え、 前記加圧ポンプは、前記液体貯蔵タンクから供給される前記液体と前記気体との混合体である前記気液混合体を加圧し、 前記液体浄化装置は、前記油圧モータから排出される前記液体を浄化し、浄化した前記液体を前記液体貯蔵タンクに戻すことを特徴とする油圧式発電装置。 【請求項3】 請求項2に記載の油圧式発電装置において、 前記油圧モータは、前記加圧ポンプから吐出された前記気液混合体に含まれる前記液体のうち、前記油圧モータの回転に利用された前記液体は前記液体浄化装置に排出し、前記油圧モータの回転に利用されずオーバーフローした前記液体は、前記液体浄化装置を経由せずに直接前記液体貯蔵タンクに戻すことを特徴とする油圧式発電装置。 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の油圧式発電装置において、 前記加圧ポンプは、ケーシング内のポンプ室に、少なくとも1つの羽根を有するインペラと、前記インペラの羽根と向き合う側に配置された加圧部と、を備え、 前記インペラを回転させて前記ケーシングの一側壁部に形成した吸込口から前記ポンプ室に前記液体および前記気体を吸い込んで圧縮し、前記ケーシングの周壁部に設けた吐出口から圧縮した前記液体と前記気体との混合体である前記気液混合体を吐出することを特徴とする油圧式発電装置。 【請求項5】 請求項4に記載の油圧式発電装置において、 前記インペラは、回転軸を中心に回転する円盤状の主板と、前記主板の前記加圧部と向き合う面上に、前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向および前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向に立体的に設けられた少なくとも1つの羽根と、を有し、 前記インペラの羽根は、 前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向において、回転軸側から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の途中でインペラ回転方向後側にくの字状に屈曲する第1折曲部と、さらに前記第1折曲部から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の先端でインペラ回転方向後側に湾曲して突出する包持部と、 前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向において、インペラ回転方向前側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びた後、途中でインペラ回転方向後側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びるように、くの字状に屈曲する第2折曲部と、を備え、 前記加圧部は、 前記一側壁部の前記ポンプ室側に配置した加圧板に前記一側壁部の吸込口と前記ポンプ室を連絡する加圧板用吸込口のインペラ回転方向後側に設定した基準線からインペラ回転方向前側の前記加圧板用吸込口を超えた位置までであって、前記インペラの羽根から軸方向において最離間する位置に平坦に設けられる初期面部と、 前記基準線からインペラ回転方向後側の位置までであって、前記インペラの羽根に軸方向において最接近する位置に平坦に設けられる最終面部と、 前記初期面部のインペラ回転方向前端から前記最終面部のインペラ回転方向後端の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に緩やかに近接するように緩傾斜して設けられる少なくとも1つの加圧面部と、 前記初期面部と前記加圧面部と前記最終面部とのそれぞれが接続される位置を含む、前記初期面部と前記最終面部との間の回転軸から見た径方向の位置に回転軸から外周部に放射状に配置された少なくとも2つの加圧点部と、を備え、各々の前記加圧点部は、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に前記加圧面部が急速に近接するように急傾斜することを特徴とする油圧式発電装置。 【請求項6】 請求項4に記載の油圧式発電装置において、 前記インペラは、回転軸を中心に回転する円盤状の主板と、前記主板の前記加圧部と向き合う面上に、前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向および前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向に立体的に設けられた少なくとも1つの羽根と、を有し、 前記インペラの羽根は、 前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向において、回転軸側から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の途中でインペラ回転方向後側にくの字状に屈曲する第1折曲部と、さらに前記第1折曲部から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の先端でインペラ回転方向後側に湾曲して突出する包持部と、 前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向において、インペラ回転方向前側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びた後、途中でインペラ回転方向後側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びるように、くの字状に屈曲する第2折曲部と、を備え、 前記加圧部は、 前記一側壁部の前記ポンプ室側に配置した加圧板に前記一側壁部の吸込口と前記ポンプ室を連絡する加圧板用吸込口と、 前記加圧板用吸込口のインペラ回転方向後側に設定した基準線からインペラ回転方向前側の前記加圧板用吸込口を超えた位置までであって、前記インペラの羽根から軸方向において最離間する位置に平坦に設けられる初期面部と、 前記基準線からインペラ回転方向後側の位置までであって、前記インペラの羽根に軸方向において最接近する位置に平坦に設けられる最終面部と、 前記初期面部のインペラ回転方向前端から前記最終面部のインペラ回転方向後端の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に緩やかに近接するように緩傾斜して設けられる少なくとも1つの加圧面部と、 前記初期面部と前記最終面部との間の前記加圧面部の回転軸から見た径方向に2つ以上が放射状に配置された加圧点部と、を備え、 前記初期面部は、前記基準線からインペラ回転方向前側に120度の角度で設けられ、 前記最終面部は、前記基準線からインペラ回転方向後側に60度の角度で設けられ、 前記加圧面部は、前記初期面部との間に設けられた第1加圧点部からインペラ回転方向前側に60度の角度で設けられた第1加圧面部と、前記第1加圧面部との間に設けられた第2加圧点部からインペラ回転方向前側に60度の角度で設けられた第2加圧面部と、前記第2加圧面部との間に設けられた第3加圧点部からインペラ回転方向前側に60度の角度で設けられた第3加圧面部と、前記第3加圧面部と前記最終面部との間に設けられた第4加圧点部とを有し、 前記第1加圧点部から前記第4加圧点部は、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に急速に近接するように急傾斜することを特徴とする油圧式発電装置。 【請求項7】 請求項4に記載の油圧式発電装置において、 前記インペラは、回転軸を中心に回転する円盤状の主板と、前記主板の前記加圧部と向き合う面上に、前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向および前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向に立体的に設けられた少なくとも1つの羽根と、を有し、 前記インペラの羽根は、 前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向において、回転軸側から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の途中でインペラ回転方向後側にくの字状に屈曲する第1折曲部と、さらに前記第1折曲部から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の先端でインペラ回転方向後側に湾曲して突出する包持部と、 前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向において、インペラ回転方向前側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びた後、途中でインペラ回転方向後側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びるように、くの字状に屈曲する第2折曲部と、を備え、 前記加圧部は、 前記一側壁部の前記ポンプ室側に配置した加圧板に前記一側壁部の吸込口と前記ポンプ室を連絡する加圧板用吸込口と、前記加圧板用吸込口のインペラ回転方向後側に設定した基準線からインペラ回転方向前側の前記加圧板用吸込口を超えた位置までであって、前記インペラの羽根から軸方向において最離間する位置に平坦に設けられる初期面部と、前記基準線からインペラ回転方向後側の位置までであって、前記インペラの羽根に軸方向において最接近する位置に平坦に設けられる最終面部と、 前記初期面部のインペラ回転方向前端から前記最終面部のインペラ回転方向後端の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に緩やかに近接するように緩傾斜して設けられる少なくとも1つの加圧面部と、 前記初期面部と前記最終面部との間の前記加圧面部の回転軸から見た径方向に2つ以上が放射状に配置された加圧点部と、を備え、 前記初期面部は、前記基準線からインペラ回転方向前側に120度の角度で設けられ、 前記最終面部は、前記基準線からインペラ回転方向後側に45度の角度で設けられ、 前記加圧面部は、前記初期面部との間に設けられた第1加圧点部からインペラ回転方向前側に195度の角度で設けられ、前記加圧面部と前記最終面部との間に第2加圧点部を有し、 前記第1加圧点部から前記第2加圧点部は、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に急速に近接するように急傾斜することを特徴とする油圧式発電装置。 【請求項8】 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の油圧式発電装置において、 前記駆動用モータは、始動時には、外部電源から供給される電力によって始動し、始動から所定時間経過した後は、前記発電機によって発電された電力によって駆動することを特徴とする油圧式発電装置。 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の油圧式発電装置と、 前記油圧式発電装置によって発電された電力を蓄電する蓄電機器と、 を備えることを特徴とする充電スタンド。 【請求項10】 請求項9に記載の充電スタンドにおいて、 自然エネルギーによって発電する発電装置をさらに備え、 前記自然エネルギーによって発電する前記発電装置によって発電された電力は、前記充電スタンド内の設備の稼働に用いられることを特徴とする充電スタンド。 【請求項11】 請求項9又は請求項10に記載の充電スタンドにおいて、 電気自動車の充電が可能な充電プラグをさらに備え、 前記蓄電機器に蓄電された電力は、前記充電プラグによって前記電気自動車の充電に用いられる ことを特徴とする充電スタンド。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、油圧式発電装置及び充電スタンドに関する。 【背景技術】 【0002】 現在、世界規模の環境問題の最優先課題として、CO2(二酸化炭素)削減が世界中で取り組まれている。こうした中、車社会である全世界において、2030〜2050年を目標として、化石燃料使用車両を0にする活動が活発化してきている。このため、世界規模でEV(Electric Vehicle:電気自動車)の開発が進められており、同時に、EV用の充電スタンド(以下、「EVスタンド」又は単に「充電スタンド」という。)の設置が急がれている。 【0003】 また、現在、国内の大手電話会社において、国内における携帯電話基地局の数は、約10万箇所となっていると言われている。各携帯電話基地局では、1時間当たり約2kwの電力が使用されていると言われているため、1日当たりに換算すると約48kwの電力が使用されている計算となる(48kw×10万箇所)。 【0004】 さらに、例えば、コンビニエンスストア、農業・畜産業施設、工事現場、避難所等を始め、現代社会においては、電気エネルギーがなければ生活が成り立たない状況となっており、電気エネルギーに対する市場規模やニーズは、限りなく多い状況である。 【0005】 このため、CO2削減が世界中で取り組まれている現在において、例えば、EVスタンドや携帯電話基地局等で使用される電力の新たな電気エネルギー源として、太陽光や風力等の自然エネルギーを用いた発電設備の設置が進められている。 【0006】 しかし、これらの自然エネルギーを利用した発電設備では、数々の問題がクリアされなければならない。例えば、自然エネルギーを利用した発電設備は、日照や風速等について所定の条件が満たされた場所でないと設置することができず、設置場所を自由に選ぶことが出来ない。また、これらの自然エネルギーを利用した発電設備は、設置された場所から、例えば、EVスタンドや携帯電話基地局等に向けて、発電された電気エネルギーを送電する送電設備が必要である。 【0007】 このため、CO2も発生させず、設置場所も選ばず、送電設備も不要な発電装置が求められている。このような発電装置として、油圧式発電装置が考えられる。油圧式発電装置によれば、発電によってCO2は発生しないため、環境にやさしい。また、油圧式発電装置によれば、小型であるため、設置場所も選ばず、送電設備も不要である。また、例えば、EU(European Union:欧州連合)では、2030年までにEVスタンドを1万箇所に設置予定であるが、油圧式発電装置であれば、短期間でも、EVスタンドを計画的に設置及び稼働することが可能となる。 【0008】 但し、油圧式発電装置を実現するには、液体と気体とを圧縮して高エネルギーの液体と気体との混合体(気液混合体)を生成する加圧ポンプが必要である。 【0009】 従来、加圧ポンプとしては、加圧ポンプの吸引口につながる水の吸引流路の途中に大気を導入する大気吸引弁を設け、吸引流路に吸引された水と大気とを加圧ポンプで圧縮して吐出流路に吐出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、加圧ポンプにつながる液体導入管の途中に気体導入管を合流し、液体に気体が導入された気液混合体を加圧ポンプで加圧し圧送するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0010】 【特許文献1】 特開2001−300276号公報 【特許文献2】 特開2016−87524号公報 【特許文献3】 特許第6870984号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 しかしながら、従来の加圧ポンプでは、インペラの回転によるエネルギーを液体と気体とに効率よく与えることができないことからエネルギー効率が悪かった。このため、従来の加圧ポンプでは、液体と気体との混合体を十分に加圧することができないため、高エネルギーの液体と気体との混合体(気液混合体)を生成することができない問題があった。また、エネルギー効率が悪いことから、要求される高エネルギーの気液混合体を得るためには加圧ポンプを大型化しなければならない問題があった。 【0012】 この点、出願人は、エネルギー効率がよく、高エネルギーの液体と気体との混交体を生成することができ、小型化を図ることができる加圧ポンプを開発した(特許文献3参照)。出願人の開発した加圧ポンプでは、既存のポンプでは得られない、従来の加圧ポンプよりも高出力・高圧力を実現することが出来る。 【0013】 このため、出願人の開発した小型で強力な加圧ポンプを用いれば、油圧モータと発電機とを稼働させて電気エネルギーを発生させる油圧式発電装置を実現することができる。油圧式発電装置は、上述のとおり、環境にやさしく、設置場所を選ばず、送電設備も不要で、計画的に設置及び稼働が可能である。 【0014】 そこで、本件開示は、環境にやさしく、設置場所を選ばず、送電設備も不要な油圧式発電装置及び充電スタンドを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0015】 一態様に係る油圧式発電装置は、駆動用モータと、前記駆動用モータによって駆動され、液体と気体との混合体である気液混合体を加圧する加圧ポンプと、前記加圧ポンプから吐出される加圧された前記気液混合体の力によって回転する油圧モータと、前記油圧モータの回転の力によって発電する発電機と、前記油圧モータから排出される前記液体を浄化する液体浄化装置と、を備える。 【0016】 なお、一態様に係る油圧式発電装置において、前記加圧ポンプに前記液体を供給する液体貯蔵タンクをさらに備え、前記加圧ポンプは、前記液体貯蔵タンクから供給される前記液体と前記気体との混合体である前記気液混合体を加圧し、前記液体浄化装置は、前記油圧モータから排出される前記液体を浄化し、浄化した前記液体を前記液体貯蔵タンクに戻してもよい。 【0017】 また、一態様に係る油圧式発電装置において、前記油圧モータは、前記加圧ポンプから吐出された前記気液混合体に含まれる前記液体のうち、前記油圧モータの回転に利用された前記液体は前記液体浄化装置に排出し、前記油圧モータの回転に利用されずオーバーフローした前記液体は、前記液体浄化装置を経由せずに直接前記液体貯蔵タンクに戻してもよい。 【0018】 また、一態様に係る油圧式発電装置において、前記加圧ポンプは、ケーシング内のポンプ室に、少なくとも1つの羽根を有するインペラと、前記インペラの羽根と向き合う側に配置された加圧部と、を備え、前記インペラを回転させて前記ケーシングの一側壁部に形成した吸込口から前記ポンプ室に前記液体および前記気体を吸い込んで圧縮し、前記ケーシングの周壁部に設けた吐出口から圧縮した前記液体と前記気体との混合体である前記気液混合体を吐出してもよい。 【0019】 また、一態様に係る油圧式発電装置において、前記インペラは、回転軸を中心に回転する円盤状の主板と、前記主板の前記加圧部と向き合う面上に、前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向および前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向に立体的に設けられた少なくとも1つの羽根と、を有し、前記インペラの羽根は、前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向において、回転軸側から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の途中でインペラ回転方向後側にくの字状に屈曲する第1折曲部と、さらに前記第1折曲部から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の先端でインペラ回転方向後側に湾曲して突出する包持部と、前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向において、インペラ回転方向前側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びた後、途中でインペラ回転方向後側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びるように、くの字状に屈曲する第2折曲部と、を備え、前記加圧部は、前記一側壁部の前記ポンプ室側に配置した加圧板に前記一側壁部の吸込口と前記ポンプ室を連絡する加圧板用吸込口のインペラ回転方向後側に設定した基準線からインペラ回転方向前側の前記加圧板用吸込口を超えた位置までであって、前記インペラの羽根から軸方向において最離間する位置に平坦に設けられる初期面部と、前記基準線からインペラ回転方向後側の位置までであって、前記インペラの羽根に軸方向において最接近する位置に平坦に設けられる最終面部と、前記初期面部のインペラ回転方向前端から前記最終面部のインペラ回転方向後端の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に緩やかに近接するように緩傾斜して設けられる少なくとも1つの加圧面部と、前記初期面部と前記加圧面部と前記最終面部とのそれぞれが接続される位置を含む、前記初期面部と前記最終面部との間の回転軸から見た径方向の位置に回転軸から外周部に放射状に配置された少なくとも2つの加圧点部と、を備え、各々の前記加圧点部は、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に前記加圧面部が急速に近接するように急傾斜してもよい。 【0020】 また、一態様に係る油圧式発電装置において、前記インペラは、回転軸を中心に回転する円盤状の主板と、前記主板の前記加圧部と向き合う面上に、前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向および前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向に立体的に設けられた少なくとも1つの羽根と、を有し、前記インペラの羽根は、前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向において、回転軸側から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の途中でインペラ回転方向後側にくの字状に屈曲する第1折曲部と、さらに前記第1折曲部から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の先端でインペラ回転方向後側に湾曲して突出する包持部と、前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向において、インペラ回転方向前側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びた後、途中でインペラ回転方向後側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びるように、くの字状に屈曲する第2折曲部と、を備え、前記加圧部は、前記一側壁部の前記ポンプ室側に配置した加圧板に前記一側壁部の吸込口と前記ポンプ室を連絡する加圧板用吸込口と、前記加圧板用吸込口のインペラ回転方向後側に設定した基準線からインペラ回転方向前側の前記加圧板用吸込口を超えた位置までであって、前記インペラの羽根から軸方向において最離間する位置に平坦に設けられる初期面部と、前記基準線からインペラ回転方向後側の位置までであって、前記インペラの羽根に軸方向において最接近する位置に平坦に設けられる最終面部と、前記初期面部のインペラ回転方向前端から前記最終面部のインペラ回転方向後端の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に緩やかに近接するように緩傾斜して設けられる少なくとも1つの加圧面部と、前記初期面部と前記最終面部との間の前記加圧面部の回転軸から見た径方向に2つ以上が放射状に配置された加圧点部と、を備え、前記初期面部は、前記基準線からインペラ回転方向前側に120度の角度で設けられ、前記最終面部は、前記基準線からインペラ回転方向後側に60度の角度で設けられ、前記加圧面部は、前記初期面部との間に設けられた第1加圧点部からインペラ回転方向前側に60度の角度で設けられた第1加圧面部と、前記第1加圧面部との間に設けられた第2加圧点部からインペラ回転方向前側に60度の角度で設けられた第2加圧面部と、前記第2加圧面部との間に設けられた第3加圧点部からインペラ回転方向前側に60度の角度で設けられた第3加圧面部と、前記第3加圧面部と前記最終面部との間に設けられた第4加圧点部とを有し、前記第1加圧点部から前記第4加圧点部は、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に急速に近接するように急傾斜してもよい。 【0021】 また、一態様に係る油圧式発電装置において、前記インペラは、回転軸を中心に回転する円盤状の主板と、前記主板の前記加圧部と向き合う面上に、前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向および前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向に立体的に設けられた少なくとも1つの羽根と、を有し、前記インペラの羽根は、前記インペラの回転軸から前記インペラの外周部を見た径方向において、回転軸側から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の途中でインペラ回転方向後側にくの字状に屈曲する第1折曲部と、さらに前記第1折曲部から径方向外側に直線的に延びた後、径方向の先端でインペラ回転方向後側に湾曲して突出する包持部と、前記インペラの主板面から前記加圧部を見た軸方向において、インペラ回転方向前側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びた後、途中でインペラ回転方向後側に傾斜して前記加圧部側に直線的に延びるように、くの字状に屈曲する第2折曲部と、を備え、前記加圧部は、前記一側壁部の前記ポンプ室側に配置した加圧板に前記一側壁部の吸込口と前記ポンプ室を連絡する加圧板用吸込口と、前記加圧板用吸込口のインペラ回転方向後側に設定した基準線からインペラ回転方向前側の前記加圧板用吸込口を超えた位置までであって、前記インペラの羽根から軸方向において最離間する位置に平坦に設けられる初期面部と、前記基準線からインペラ回転方向後側の位置までであって、前記インペラの羽根に軸方向において最接近する位置に平坦に設けられる最終面部と、前記初期面部のインペラ回転方向前端から前記最終面部のインペラ回転方向後端の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に緩やかに近接するように緩傾斜して設けられる少なくとも1つの加圧面部と、前記初期面部と前記最終面部との間の前記加圧面部の回転軸から見た径方向に2つ以上が放射状に配置された加圧点部と、を備え、前記初期面部は、前記基準線からインペラ回転方向前側に120度の角度で設けられ、前記最終面部は、前記基準線からインペラ回転方向後側に45度の角度で設けられ、前記加圧面部は、前記初期面部との間に設けられた第1加圧点部からインペラ回転方向前側に195度の角度で設けられ、前記加圧面部と前記最終面部との間に第2加圧点部を有し、前記第1加圧点部から前記第2加圧点部は、インペラ回転方向前側に向かい前記インペラの羽根に急速に近接するように急傾斜してもよい。 【0022】 また、一態様に係る油圧式発電装置において、前記駆動用モータは、始動時には、外部電源から供給される電力によって始動し、始動から所定時間経過した後は、前記発電機によって発電された電力によって駆動してもよい。 【0023】 一態様に係る充電スタンドは、上記のいずれかの油圧式発電装置と、前記油圧式発電装置によって発電された電力を蓄電する蓄電機器と、を備える。 【0024】 なお、一態様に係る充電スタンドにおいて、自然エネルギーによって発電する発電装置をさらに備え、前記自然エネルギーによって発電する前記発電装置によって発電された電力は、前記充電スタンド内の設備の稼働に用いられてもよい。 【0025】 また、一態様に係る充電スタンドにおいて、電気自動車の充電が可能な充電プラグをさらに備え、前記蓄電機器に蓄電された電力は、前記充電プラグによって前記電気自動車の充電に用いられてもよい。 【発明の効果】 【0026】 本件開示によれば、環境にやさしく、設置場所を選ばず、送電設備も不要な油圧式発電装置及び充電スタンドを提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】油圧式発電装置の一実施形態を示す平面図である。 【図2】油圧式発電装置の一実施形態を示す側面図である。 【図3】油圧式発電装置の一実施形態を示す斜視図である。 【図4】図1から図3に示す油圧式発電装置における加圧ポンプの一例を示す正面図である。 【図5】図1から図3に示す油圧式発電装置における加圧ポンプの一例を示す断面図である。 【図6】図4及び図5に示す加圧ポンプにおけるインペラの一例を示す正面図である。 【図7】図4及び図5に示す加圧ポンプにおけるインペラの一例を示す断面図である。 【図8】図4及び図5に示す加圧ポンプにおけるインペラの一例を示す背面図である。 【図9】図4及び図5に示す加圧ポンプにおけるインペラの一例を示す部分拡大正面図である。 【図10】図4及び図5に示す加圧ポンプにおける加圧板の一例を示す正面図である。 【図11】図4及び図5に示す加圧ポンプにおける加圧板の一例を示す一部破断側面図である。 【図12】図4及び図5に示す加圧ポンプにおける加圧板の一例を示す図である。 【図13】図4及び図5に示す加圧ポンプにおける加圧板の側面を周方向に展開した一例を示す側面図である。 【図14】図4及び図5に示す加圧ポンプにおける加圧板の側面を周方向に展開した別の一例を示す側面図である。 【図15】図1から図3に示す油圧式発電装置における油圧モータの一例を示す平面図である。 【図16】図1から図3に示す油圧式発電装置における油圧モータの一例を示す一部切り欠き斜視図である。 【図17】図1から図3に示す油圧式発電装置における発電機の回転数−出力電圧特性及び回転数−トルク特性の試験成績を示す表である。 【図18】図1から図3に示す油圧式発電装置におけるオイルクリーナーの一例を示す図である。 【図19】図1から図18に示す油圧式発電装置を有する充電スタンドの一実施形態を示す外観図である。 【図20】図19に示す充電スタンドの内部構成の一例を示す図である。 【図21】図20に示す制御・配電・安全装置における不図示の制御部が有する処理回路のハードウェア構成例を示す概念図である。 【発明を実施するための形態】 【0028】 以下、本件開示の油圧式発電装置及び充電スタンドの一実施形態について、図面を用いて説明する。 【0029】 <油圧式発電装置の一実施形態> 図1は、油圧式発電装置100の一実施形態を示す平面図である。図2は、油圧式発電装置100の一実施形態を示す側面図である。図3は、油圧式発電装置100の一実施形態を示す斜視図である。以下、図1〜図3を用いて、油圧式発電装置100について説明する。 【0030】 図1〜図3に示すとおり、油圧式発電装置100は、駆動用モータ110と、加圧ポンプ120と、油圧モータ130と、発電機140と、オイルクリーナー150と、オイルタンク160とを有する。 【0031】 油圧式発電装置100は、駆動用モータ110と、加圧ポンプ120とが、回転軸111を介して同軸で機械的に接続され、加圧ポンプ120と、オイルタンク160とが、配管161を介して流体連通するように接続されている。また、油圧式発電装置100は、加圧ポンプ120と、油圧モータ130とが、高圧ホース121を介して流体連通するように接続され、油圧モータ130と、発電機140とが、ギヤ131とギヤ141とを介して機械的に接続されている。また、油圧式発電装置100は、油圧モータ130と、オイルクリーナー150とがホース132を介して流体連通するように接続され、油圧モータ130と、オイルタンク160とがオーバーフロー用ホース133を介して流体連通するように接続されている。また、油圧式発電装置100は、オイルクリーナー150と、オイルタンク160とが、ホース151を介して流体連通するように接続されている。 【0032】 駆動用モータ110は、不図示の外部電源又は蓄電池等(以下、単に「外部電源」という。)と不図示の電気ケーブル等を用いて電気的に接続され、当該外部電源から供給される電力を用いて始動する。駆動用モータ110は、発電機140と不図示の電気ケーブル等を用いて電気的に接続され、外部電源による始動から所定時間経過した後は、発電機140によって発電された電力による駆動に切り替わる。駆動用モータ110が、発電機140から供給される電力による駆動を開始した後は、停止操作を受け付けるまでは、発電機140から供給される電力により、自力で駆動をし続ける。なお、駆動用モータ110は、外部電源から供給される電力と、発電機140から供給される電力とを併用して駆動し続けてもよい。 【0033】 なお、例えば、外部電源は、風力や太陽光等の自然エネルギーによって発電される電力や、自然エネルギーによって発電された電力が蓄電された蓄電池や、着脱可能な蓄電池等から供給される電力であってもよい。これらの外部電源を用いれば、駆動用モータ110の始動時等に外部電源が用いられたとしても、CO2を発生させないため、環境にやさしく、また、外部電源から駆動用モータ110までの送電設備も不要である。 【0034】 駆動用モータ110は、加圧ポンプ120と、回転軸111を介して同軸で接続され、駆動用モータ110が回転すると、回転軸111を介して、加圧ポンプ120の後述のインペラ5(図4等参照)を回転させる。駆動用モータ110は、例えば、三相モータであり、少なくとも、三相200ボルト11キロワット以上の三相モータである。 【0035】 回転軸111は、例えば、カップリング(軸継手)を有し、駆動用モータ110と加圧ポンプ120とを同軸で接続する。回転軸111は、駆動用モータ110が回転すると、接続される加圧ポンプ120の後述のインペラ5を回転させる。 【0036】 加圧ポンプ120は、駆動用モータ110と、回転軸111を介して同軸で接続され、駆動用モータ110が回転すると、回転軸111を介して、後述のインペラ5(図4等参照)が回転する。加圧ポンプ120は、オイルタンク160と配管161を介して流体連通するように接続され、配管161を介して、オイルタンク160に貯蔵(保管)されているオイルが供給される。加圧ポンプ120は、油圧モータ130と、高圧ホース121を介して流体連通するように接続され、加圧ポンプ120で加圧された、気体(空気)と液体(オイル)との混合体である気液混合体を、高圧ホース121を介して油圧モータ130に送給(吐出)する。 【0037】 なお、オイル(油)は、「液体」の一例であり、空気は、「気体」の一例である。なお、一般に、水よりもオイル(油)の方が、気液混合体の圧力を高圧とすることができる。 【0038】 高圧ホース121は、加圧ポンプ120と油圧モータ130とを流体連通するように接続する。高圧ホース121は、加圧ポンプ120で加圧された気液混合体を油圧モータ130に吐出する。 【0039】 図4は、図1から図3に示す油圧式発電装置100における加圧ポンプ120の一例を示す正面図である。図5は、図1から図3に示す油圧式発電装置100における加圧ポンプ120の一例を示す断面図である。図4及び図5において、加圧ポンプ120は、ケーシング2内のポンプ室3に回転軸4により回転されるインペラ5を備える。 【0040】 ケーシング2は、短円筒形状の周壁部6と、周壁部6の回転軸4における軸方向両端を覆う一側壁部7および他側壁部8とによりポンプ室3を形成する。一側壁部7には、中心から外れた位置にポンプ室3に連通する吸込口9を備える。周壁部6には、インペラ5の回転方向に向き合うようにポンプ室3に連通する吐出口10を備える。 【0041】 吸込口9には、一側壁部7に接続された液体供給管11の液体供給路12が連絡される。液体供給管11は、オイルタンク160からオイル(油)などの液体を液体供給路12により吸込口9に供給する。液体供給管11には、気体供給管13が貫通して接続される。気体供給管13は、気体供給路14の先端を吸込口9に向けて液体供給路12内に配置される。気体供給管13は、不図示の気体供給源から空気などの気体を気体供給路14により吸込口9に供給する。 【0042】 吐出口10には、周壁部6に接続された吐出管15の吐出路16が連絡される。吐出管15は、ポンプ室3においてインペラ5の回転により圧縮されて吐出口10から吐出された液体(オイル)と気体(空気)との混合体である気液混合体を、油圧モータ130に送給(吐出)する。 【0043】 回転軸4は、駆動源である駆動用モータ110により回転される。回転軸4は、ケーシング2の一側壁部7の中心に形成した一側挿通孔17および他側壁部8の中心に形成した他側挿通孔18を回転自在に挿通して配置される。回転軸4は、基板19に立設した一側支持フレーム20と他側支持フレーム21とに、軸方向の両端を吸込側軸受け22と吐出側軸受け23とにより回転自在に支持される。ケーシング2は、周壁部6の下部をボルトなどの固定具24により基板19に固定される。 【0044】 吸込側軸受け22は、一側壁部7に取り付けた一側シールホルダ25と、一側支持フレーム20に取り付けた一側ホルダ26とにより保持される。一側シールホルダ25は、吸込側軸受け22を保持する機能に併せて、ポンプ室3をシールする機能を備える。吐出側軸受け23は、他側壁部8に取り付けた他側シールホルダ27と、他側支持フレーム21に取り付けた他側ホルダ28とにより保持される。他側シールホルダ27は、吐出側軸受け23を保持する機能に併せて、ポンプ室3をシールする機能を備える。 【0045】 図6は、図4及び図5に示す加圧ポンプ120におけるインペラ5の一例を示す正面図である。図7は、図4及び図5に示す加圧ポンプ120におけるインペラ5の一例を示す断面図である。図8は、図4及び図5に示す加圧ポンプ120におけるインペラ5の一例を示す背面図である。図9は、図4及び図5に示す加圧ポンプ120におけるインペラ5の一例を示す部分拡大正面図である。 【0046】 インペラ5は、図6〜図9に示すように、回転軸4に固定されボス部29と、ボス部29の外周に設けた主板30と、主板30の一側壁部7と対向する側に設けた複数の羽根31とを有する。 【0047】 ボス部29は、図6に示すように、回転軸4に固定する固定孔32を備える。主板30は、テーパ部33と摺接部34とからなる。テーパ部33は、ボス部29の外周から径方向外側(周壁部6側)かつ軸方向他側(他側壁部8側)に向かい傾斜して広がるように、傘形状に形成される。摺接部34は、テーパ部33の外周に周壁部6の内面35および他側壁部8の内面36(図5参照)に摺接するように、短円筒形状に形成される。ボス部29と主板30のテーパ部33および摺接部34とは、図8に示すように、ボス部29を中心に放射状に配設した複数の補強板37により連結される。 【0048】 複数の羽根31は、ボス部29を中心に放射状に配設される。羽根31は、図6及び図7に示すように、ボス部29の外周から径方向外側(周壁部6側)に直線的に延びた後、径方向途中の軸方向に延びる折曲部38でインペラ回転方向後側に折れ曲がる。羽根31は、さらに、径方向外側に直線的に延びて主板30の外周縁に至る形状に形成される。 【0049】 また、羽根31は、主板30からインペラ回転方向前側に傾斜して軸方向一側(一側壁部7側)に延びた後、軸方向一側途中の径方向に延びる折曲部39でインペラ回転方向後側に折れ曲がる。羽根31は、さらに、インペラ回転方向後側に傾斜して軸方向一側に延びてボス部29の一側壁部7側端に至る形状に形成される。 【0050】 さらに、インペラ5は、少なくとも1つの羽根31に、例えば、図9に示すように、すべての羽根31の径方向先端に、インペラ回転方向後側に向かい湾曲して突出する包持部40を備える。 【0051】 加圧ポンプ120は、図5に示すように、一側壁部7側のポンプ室3側にポンプ室3の一部を構成する加圧板41を配置している。加圧板41には、中心にインペラ5のボス部29(図8参照)を回転自在に挿通する挿通孔42(図10参照)を設け、一側壁部7側の吸込口9とポンプ室3を連絡する加圧板用吸込口43を設け、インペラ5の複数の羽根31と向き合う側に加圧部44を設けている。 【0052】 図10は、図4及び図5に示す加圧ポンプ120における加圧板41の一例を示す正面図である。図11は、図4及び図5に示す加圧ポンプ120における加圧板41の一例を示す一部破断側面図である。図12は、図4及び図5に示す加圧ポンプ120における加圧板41の一例を示す図である。図12(A)は、加圧板41の一例を示す背面図である。図12(B)は、加圧板41の基準線部分の一例を示す側面図である。図12(C)は、加圧板41の第1の加圧点部48−1の一例を示す側面図である。図12(D)は、加圧板41の第2の加圧点部48−2の一例を示す側面図である。図12(E)は、加圧板41の第3の加圧点部48−3の一例を示す側面図である。図12(F)は、加圧板41の第4の加圧点部48−4の一例を示す側面図である。図13は、図4及び図5に示す加圧ポンプ120における加圧板41の側面を周方向に展開した一例を示す側面図である。 【0053】 加圧板41は、図10〜図13に示すように、加圧部44として、初期面部45と、最終面部46と、少なくとも1つの加圧面部47と、加圧点部48とを有する。 【0054】 初期面部45は、加圧板用吸込口43のインペラ回転方向後側に設定した径方向に延びる基準線S(0度)から、インペラ回転方向前側の加圧板用吸込口43を超えた位置(120度)までであって、インペラ5の羽根31から軸方向一側に向かい最離間する位置に軸方向と直交する径方向に平坦に設けられる。 【0055】 最終面部46は、基準線S(0度)からインペラ回転方向後側の位置(60度)まであって、インペラ5の羽根31に軸方向他側に向かい最接近する位置に軸方向と直交する径方向に平坦に設けられる。 【0056】 加圧面部47は、本実施形態においては、第1の加圧面部47−1、第2の加圧面部47−2、第3の加圧面部47−3、の3つが設けられる。第1の加圧面部47−1、第2の加圧面部47−2、第3の加圧面部47−3は、初期面部45から軸方向一側の最終面部46に向かい、段差を設けて配置される。 【0057】 第1の加圧面部47−1は、初期面部45の軸方向他側に段差状に突出したインペラ回転方向前端(120度)からインペラ回転方向前側に60度の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かいインペラ5の羽根31に緩やかに近接するように平坦な初期面部45および最終面部46に対して緩傾斜して設けられる。 【0058】 第2の加圧面部47−2は、第1の加圧面部47−1の軸方向他側に段差状に突出したインペラ回転方向前端(60度)からインペラ回転方向前側に60度の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かいインペラ5の羽根31に緩やかに近接するように平坦な初期面部45および最終面部46に対して緩傾斜して設けられる。 【0059】 第3の加圧面部47−3は、第2の加圧面部47−2の軸方向他側に段差状に突出したインペラ回転方向前端(60度)からインペラ回転方向前側に60度の位置まで、つまり最終面部46のインペラ回転方向後端の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かいインペラ5の羽根31に緩やかに近接するように平坦な初期面部45および最終面部46に対して緩傾斜して設けられる。 【0060】 このように、加圧面部47は、図12及び図13に示すように、初期面部45のインペラ回転方向前端から最終面部46のインペラ回転方向後端の位置までであって、インペラ回転方向前側に向かいインペラ5の羽根31に緩やかに近接するように緩傾斜する第1の加圧面部47−1〜第3の加圧面部47−3の3つが段差状に設けられる。 【0061】 加圧点部48は、本実施形態においては、第1の加圧点部48−1、第2の加圧点部48−2、第3の加圧点部48−3、第4の加圧点部48−4、の4つが設けられる。 【0062】 第1の加圧点部48−1は、初期面部45のインペラ回転方向前側と第1の加圧面部47−1のインペラ回転方向後側との接続される初期面部45のインペラ回転方向前端の段差状の位置であって、インペラ回転方向前側に向かいインペラ5の羽根31に急速に近接するように平坦な初期面部45および最終面部46に対して急傾斜して設けられる。 【0063】 第2の加圧点部48−2は、第1の加圧面部47−1のインペラ回転方向前側と第2の加圧面部47−2のインペラ回転方向後側との接続される第1の加圧面部47−1のインペラ回転方向前端の段差状の位置であって、インペラ回転方向前側に向かいインペラ5の羽根31に急速に近接するように急傾斜して設けられる。 【0064】 第3の加圧点部48−3は、第2の加圧面部47−2のインペラ回転方向前側と第3の加圧面部47−3のインペラ回転方向後側との接続される第2の加圧面部47−2のインペラ回転方向前端の段差状の位置であって、インペラ回転方向前側に向かいインペラ5の羽根31に急速に近接するように平坦な初期面部45および最終面部46に対して急傾斜して設けられる。 【0065】 第4の加圧点部48−4は、第3の加圧面部47−3のインペラ回転方向前側と最終面部46のインペラ回転方向後側との接続される第3の加圧面部47−3のインペラ回転方向前端の段差状の位置であって、インペラ回転方向前側に向かいインペラ5の羽根31に急速に近接するように平坦な初期面部45および最終面部46に対して急傾斜して設けられる。 【0066】 このように、加圧点部48は、図12及び図13に示すように、初期面部45と複数の第1の加圧面部47−1〜第3の加圧面部47−3と最終面部46とのそれぞれが接続される位置であって、インペラ回転方向前側に向かいインペラ5の羽根31に急速に近接するように急傾斜する第1の加圧点部48−1〜第4の加圧点部48−4の4つが設けられる。 【0067】 なお、最終面部46のインペラ回転方向後側と初期面部45のインペラ回転方向前側との接続される位置には、平坦な初期面部45および最終面部46に対して直交し、回転軸4の径方向に延びる平坦な段差面49が設けられる。 【0068】 次に、加圧ポンプ120の作用について説明する。加圧ポンプ120は、駆動用モータ110などの駆動源の駆動力により回転軸4を回転させると、インペラ5が回転される。加圧ポンプ120は、インペラ5の複数の羽根31の遠心力の作用によって液体供給管11が供給する液体(オイル)と気体供給管13が供給する気体(空気)とを吸込口9から加圧板用吸込口43を経てポンプ室3に吸い込む。 【0069】 加圧ポンプ120は、回転するインペラ5の羽根31によって、図13に示すように、ポンプ室3に吸い込んだ液体(オイル)と気体(空気)とを、加圧部44の初期面部45から3つの加圧面部47−1〜47−3、4つの加圧点部48−1〜48−4を順次に経て、最終面部46に送る。 【0070】 加圧ポンプ120は、初期面部45から最終面部46に向かって送られる液体(オイル)と気体(空気)とを、インペラ5の羽根31と向き合う加圧部44の急傾斜する4つの加圧点部48−1〜48−4によって、先端に包持部40を設けた羽根31の間で包持して回転させ、回転させた液体と気体を、加圧部44の緩傾斜する3つの加圧面部47−1〜47−3で圧縮する。 【0071】 加圧ポンプ120は、圧縮されて最終面部46に送られた液体(オイル)と気体(空気)との混合体(気液混合体)を、吐出口10から吐出管15に吐出し、油圧モータ130に送給(吐出)する。 【0072】 このように、加圧ポンプ120は、羽根31の先端にインペラ回転方向後側に向かい湾曲して突出する包持部40を備えるインペラ5を回転させると、ケーシング2の一側壁部7のポンプ室3側に設けた加圧板41の加圧板用吸込口43から液体(オイル)と気体(空気)とをポンプ室3に吸い込み、吸い込んだ液体(オイル)と気体(空気)とをインペラ5の複数の羽根31と向き合う加圧部44の急傾斜する加圧点部48によりインペラ5の羽根の間で包持して回転させ、回転させた液体(オイル)と気体(空気)とを加圧部44の緩傾斜する加圧面部47で圧縮し、吐出口10から吐出する。 【0073】 これにより、加圧ポンプ120は、インペラ5の回転によるエネルギーを液体(オイル)と気体(空気)とに効率よく与えることができるので、エネルギー効率がよく、液体(オイル)と気体(空気)との混合体(気液混合体)を十分に加圧することができるので、高エネルギーの液体(オイル)と気体(空気)との混合体(気液混合体)を生成することができる。また、加圧ポンプ120は、エネルギー効率がよいことから、小型化することができる。 【0074】 なお、加圧ポンプ120は、本実施形態に限定されることなく、種々応用改変が可能である。例えば、本実施形態においては、図13に示すように、120度の初期面部45、60度の3つの加圧面部47、60度の最終面部46を有する加圧部44を設けたが、加圧面部47は少なくともに1つであればよい。 【0075】 図14は、加圧板41の側面を周方向に展開した別の一例を示す側面図である。例えば、図14は、加圧ポンプ120の変形例を示すものである。図14に示すように、加圧ポンプ120は、120度の初期面部45、195度の1つの加圧面部47、45度の最終面部46を有する加圧部44を設けることもできる。これにより、要求加圧効率などに応じて加圧ポンプ120の設計変更が可能となり、使い勝手を向上することができる。 【0076】 また、本実施形態においては、図6に示すように、インペラ5の複数の羽根31のすべてに包持部40を設けたが、包持部40を設けた羽根31は少なくともに1つであればよい。例えば、インペラ5の複数の羽根31は、包持部40を設けた特殊形状の羽根31と包持部40を設けない通常形状の羽根31とを交互に設けることもできる。このように、包持部40を設けた羽根31と包持部40を設けない羽根31とを交互に設けたインペラ5によって、エネルギー効率を良好とし得て、加圧ポンプ120を小型化し得る。 【0077】 このような加圧ポンプ120は、小型で、エネルギー効率がよく、高エネルギーの液体(オイル)と気体(空気)との混交体(気液混合体)を生成することができ、油圧式発電装置100に用いることができるものである。 【0078】 図1〜図3に戻り、油圧モータ130は、加圧ポンプ120と、高圧ホース121を介して流体連通するように接続され、発電機140と、ギヤ131とギヤ141とを介して機械的に接続されている。また、油圧モータ130は、オイルクリーナー150と、ホース132を介して流体連通するように接続され、オイルタンク160と、オーバーフロー用ホース133を介して流体連通するように接続されている。なお、油圧モータ130は、「オイルモータ130」とも称される。 【0079】 油圧モータ130は、加圧ポンプ120から、高圧ホース121を介して加圧された高圧の気液混合体が供給され、気液混合体の力で回転する。油圧モータ130は、回転力を油圧モータ130側のギヤ131から発電機140側のギヤ141を介して発電機に伝える。 【0080】 油圧モータ130は、油圧モータ130の回転に使用されたオイルを、ホース132を介してオイルクリーナー150に排出する。また、油圧モータ130は、油圧モータ130の回転に使用されず、油圧モータ130からオーバーフローしたオイルを、オーバーフロー用ホース133を介して直接オイルタンク160へ排出する。 【0081】 ギヤ131は、油圧モータ130の出力軸61(図15及び図16参照)と同軸に接続され、発電機140のギヤ141と歯が噛み合わされて、機械的に接続されている。ギヤ131は、例えば、発電機140側のギヤ141よりも大きな径に形成される。この場合、油圧モータ130側のギヤ131の回転数よりも発電機140側のギヤ141の回転数の方が、多くなる。例えば、油圧モータ130(ギヤ131)が千回転回されたときに、発電機140(ギヤ141)は、千五百回転回される。 【0082】 ホース132は、油圧モータ130と、オイルクリーナー150とを流体連通するように接続する。ホース132は、油圧モータ130の回転に使用されたオイルを、オイルクリーナー150に排出する。 【0083】 オーバーフロー用ホース133は、油圧モータ130と、オイルタンク160とを流体連通するように接続する。オーバーフロー用ホース133は、油圧モータ130の回転に使用されず、油圧モータ130からオーバーフローしたオイルを、オイルクリーナー150を経由させずに、直接オイルタンク160へ排出する。 【0084】 図15は、図1から図3に示す油圧式発電装置100における油圧モータ130の一例を示す平面図である。図16は、図1から図3に示す油圧式発電装置100における油圧モータ130の一例を示す一部切り欠き斜視図である。 【0085】 図15及び図16に示すとおり、油圧モータ130は、メインポートRと、メインポートLと、ドレンポートDrと、ケーシング60と、出力軸61とを有する。また、油圧モータ130は、スラストリテーナプレート51と、タイミングプレート52と、シリンダ53と、ピストン54と、スリッパ55と、スラストプレート56と、シリンダブロック57とを有する。 【0086】 メインポートRは、高圧ホース121と接続され、加圧ポンプ120から加圧ポンプ120によって加圧された高圧油(気液混合体)が流入する。メインポートLは、ホース132と接続され、低圧油をオイルクリーナー150に排出する。ドレンポートDrは、オーバーフロー用ホース133と接続され、油圧モータ130の回転に使用されず、オーバーフローしたオイルを、オイルタンク160へ排出する。 【0087】 図16において、メインポートRより流入した高圧油(気液混合体)は、スラストリテーナプレート51内の通路を通ってタイミングプレート52に入る。タイミングプレート52に入った高圧油は、タイミングプレート52と摺動する軸端面にあいたポートに流入し、シリンダ53に流れる。シリンダ53に入った高圧油はピストン54に作用し、ピストン54の軸方向運動によってスリッパ55はスラストプレート56及びスラストリテーナプレート51の斜面を押し、シリンダブロック57に回転力を発生させる。 【0088】 発生した回転力は、シリンダブロック57と一体になった出力軸61に伝達され、出力軸61は回転する。そのときの出力軸61は、矢印A方向に回転し、高速でも低速でも円滑な連続運転を行う。出力軸61は、ギヤ131と接続されているため、回転力は、ギヤ131及びギヤ141を介して発電機140に伝達される。これにより、発電機140が発電することができる。 【0089】 なお、作動後の低圧油は、シリンダ53内のピストン54に押され、流入してきたときと逆の流路を通って低圧油側のメインポートLから流出する。また、作動に使用されずオーバーフローしたオイルは、ドレンポートDrより排出される。なお、油圧モータ130は、ポートの入口及び出口を逆にすれば回転方向が反対となる。 【0090】 図1〜図3に戻り、発電機140は、ギヤ131と歯が噛み合わされたギヤ141を介して、油圧モータ130と機械的に接続される。発電機140は、例えば、水力発電機用磁石発電機であるが、これには限られず、公知の一般的な汎用の発電機であってもよい。発電機140は、例えば、少なくとも発電効率87%以上の発電機である。発電機140は、公知の一般的な汎用の発電機であってもよいため、詳細な説明は、省略する。 【0091】 ギヤ141は、発電機140と同軸に接続され、油圧モータ130のギヤ131と歯が噛み合わされて、機械的に接続されている。ギヤ141は、例えば、油圧モータ130側のギヤ131よりも小さな形に形成される。この場合、油圧モータ130側のギヤ131の回転数よりも発電機140側のギヤ141の回転数の方が、多くなる。例えば、油圧モータ130(ギヤ131)が千回転回されたときに、発電機140(ギヤ141)は、千五百回転回される。 【0092】 図17は、図1から図3に示す油圧式発電装置100における発電機140の回転数−出力電圧特性及び回転数−トルク特性の試験成績を示す表である。図17において、左から、回転数、トルク、動力(pm)、無負荷電圧、電圧、電流、電力(Pe)、Pe/Pmが示されている。 【0093】 図17によれば、発電機140は、本件開示の油圧式発電装置100に必要な発電効率87%以上の発電効率を達成している。すなわち、図17において、下から2番目の列を見ると、一番左の列の回転数千五百回転の場合、一番右のPe/Pm(発電効率)は、87.2%を達成している。 【0094】 ここで、上述のとおり、油圧モータ130側のギヤ131よりも発電機140側のギヤ141の径が小さいときは、油圧モータ130側のギヤ131よりも発電機140側のギヤ141の回転数は、多くなる。例えば、油圧モータ130が千回転回されたときに、発電機140は、千五百回転回される。この場合、1.5倍の力、すなわち、1.5倍の圧力が必要となる。例えば、上記の例のように、油圧モータ130を千回転回したときに、発電機140を千五百回転回す場合の圧力を計算すると、少なくとも1.3メガパスカルの圧力が必要となる。 【0095】 現時点では、例えば、上述の特許文献3に記載された出願人の開発した加圧ポンプ120であれば、1.3メガパスカル以上の圧力を出すことができる。但し、水の力では1.3メガパスカルの圧力を出すことは出来ないため、気液混合体の液体はオイル(油)である必要がある。そして、気液混合体の液体がオイル(油)であることから、オイルモータ130、すなわち、油圧モータ130が、本件開示の油圧式発電装置100には必要となる。 【0096】 そして、例えば、上述の特許文献3に記載された出願人の開発した加圧ポンプ120によって1.3メガパスカル以上の圧力を出すためには、駆動用モータ110は、少なくとも、三相200ボルト11キロワット以上の三相モータである必要がある。このような駆動用モータ110を用いれば、上記の特許文献3に記載された加圧ポンプ120と、上記の油圧モータ130と、図17に示す発電効率87%以上の発電機140とを用いることにより、本件開示の自力運転可能な油圧式発電装置100を実現することが可能である。 【0097】 出願人の実験によれば、三相200ボルト11キロワットの駆動用モータ110と、特許文献3に記載された加圧ポンプ120と、上記の油圧モータ130と、上記の発電効率87%以上の発電機140とを用いることにより、14キロワットの発電が実現された。すなわち、駆動用モータ110には11キロワットの電力が必要であり、発電される電力は14キロワットである。このため、出願人の実験により、本件開示の油圧式発電装置100は、発電機140で発電された電力を駆動用モータ110に使用しても、3キロワットの発電が実現された。これにより、本件開示の油圧式発電装置100は、駆動用モータ110の始動用の電力さえあれば、所定時間経過した後は、発電機140で発電された電力を用いることにより自力運転することができる。 【0098】 図1〜図3に戻り、オイルクリーナー150は、ホース132を介して、油圧モータ130と流体連通するように接続される。オイルクリーナー150は、ホース151を介して、オイルタンク160と接続される。なお、オイルクリーナー150は、「液体浄化装置」の一例である。オイルクリーナー150は、オイルのゴミ等と取り除き、オイルをろ過する。 【0099】 ホース151は、オイルクリーナー150と、オイルタンク160とを流体連通するように接続する。ホース151は、オイルクリーナー150で浄化されたオイルをオイルタンク160に排出する(戻す)。 【0100】 図18は、図1から図3に示す油圧式発電装置100におけるオイルクリーナー150の一例を示す図である。図18(a)は、図1から図3に示す油圧式発電装置100におけるオイルクリーナー150の一例を示す側面図である。図18(b)は、図18(a)に示すオイルクリーナー150におけるインジケータ74の一例を示す平面図である。 【0101】 図18(a)に示すとおり、オイルクリーナー150は、流入口71と、排出口72と、本体73と、インジケータ74とを有する。 【0102】 流入口71は、ホース132と接続され、油圧モータ130のメインポートL(図15及び図16参照)から、油圧モータ130の作動に使用されて排出された低圧油が流入する。 【0103】 排出口72は、ホース151と接続され、オイルクリーナー150で浄化されたオイル(油)を、ホース151を介して、オイルタンク160に排出する(戻す)。 【0104】 本体73は、内部に不図示のろ過フィルタ(ろ紙)と、不図示のリリーフ弁とを有する。ろ過フィルタは、流入口71から流入したオイルをろ過して排出口72に送出する。ろ過フィルタは、例えば、ろ紙や金網等であり、オイルを通過させることで、オイルを浄化(ろ過)する。リリーフ弁は、例えば、排出口72側で過大な圧力が発生したときに、自動的に圧力を開放する弁である。本体73の内部には、例えば、不図示の逆流防止弁等が配置されているため、オイルは逆流することはできない。しかし、例えば、何らかの理由で排出口72側が閉塞状態になった場合、リリーフ弁は、行き場が失われたオイルを自動的に開放し、オイルクリーナー150の破損やオイルの漏えいなどのトラブルを抑制する。 【0105】 インジケータ74は、ろ過フィルタの目詰まりを示す計器である。例えば、図18(b)に示すとおり、インジケータ74が緑指示(0〜0.3MPa)であるときは、ろ過フィルタが洗浄状態であり、インジケータ74が赤指示(0.3MPa以上)であるときは、ろ過フィルタが目詰まり状態である。例えば、高粘度で運転された場合、赤指示となる場合があるが、一般に、インジケータ74が赤指示となったときは、ろ過フィルタを交換する目安である。 【0106】 オイルクリーナー150を用いることにより、油圧モータ130で使用される度に毎回オイルが洗浄されるため、オイルタンク160に貯蔵されているオイルを循環して用いることができる。これにより、本件開示の油圧式発電装置100は、一旦運転を始めれば、メンテナンス等のため停止操作をするまで、24時間運転し続けることができる。 【0107】 図1〜図3に戻り、オイルタンク160は、配管161を介して、加圧ポンプ120と流体連通するように接続され、加圧ポンプ120にオイルを供給する。オイルタンク160は、オーバーフロー用ホース133を介して、油圧モータ130と接続され、油圧モータ130で使用されず、オーバーフローしたオイルが、オーバーフロー用ホース133を介して供給される(戻される)。オイルタンク160は、ホース151を介して、オイルクリーナー150と接続され、オイルクリーナー150で浄化されたオイルが、ホース151を介して、供給される(戻される)。 【0108】 本件開示の油圧式発電装置100で使用されるオイルは、オイルタンク160に貯蔵されたものが循環して用いられる。このため、本件開示の油圧式発電装置100は、一旦運転を始めれば、メンテナンス等のため停止操作をするまで、24時間運転し続けることができる。なお、オイルタンク160は、公知のオイルタンクが用いられる。なお、オイルタンク160は、「液体貯蔵タンク」の一例である。 【0109】 配管161は、バルブ162を有し、加圧ポンプ120と、オイルタンク160とを流体連通するように接続する。配管161は、バルブ162が開放されると、オイルタンク160から加圧ポンプ120にオイルを供給する。 【0110】 バルブ162は、オイルタンク160から加圧ポンプ120に供給されるオイルの量を調整する。バルブ162は、油圧式発電装置100の運転時には、常に開放されており、油圧式発電装置100が、メンテナンス等で停止されるときは閉塞される。このため、油圧式発電装置100は、一旦運転を始めれば、常にオイルが加圧ポンプ120に供給され、メンテナンス等のため停止操作をするまで、24時間運転し続けることができる。 【0111】 <油圧式発電装置の一実施形態の作用効果> 以上、図1〜図18に示す油圧式発電装置100の実施形態によれば、CO2も発生させず、設置場所も選ばず、送電設備も不要な発電装置を実現することができる。すなわち、油圧式発電装置100によれば、発電によってCO2は発生しないため、環境にやさしく、小型であるため、設置場所も選ばず、送電設備も不要であり、短期間でも、計画的に設置及び稼働することが可能となる。 【0112】 このため、図1〜図18に示す油圧式発電装置100によれば、EVスタンド、携帯電話基地局、コンビニエンスストア、農業・畜産業施設、工事現場、避難所等のために、いかなる場所においても発電設備を設置することができる。例えば、図1〜図18に示す油圧式発電装置100によれば、砂漠の真ん中などにも発電設備を設置することができる。 【0113】 また、図1〜図18に示す油圧式発電装置100の実施形態によれば、外部電源で駆動用モータ110を始動させ、バルブ162を開放させて、一旦油圧式発電装置100を始動させれば、所定時間経過後からは、自力運転で365日24時間発電し続けることが可能である。なお、例えば、油圧式発電装置100は、数年に一度のメンテナンス時に運転を止めたときは、再度多動力による初期始動から繰り返せば、再度自力運転で365日24時間発電し続けることが可能である。 【0114】 <充電スタンドの一実施形態> 図19は、図1から図18に示す油圧式発電装置100を有する充電スタンド200の一実施形態を示す外観図である。図20は、図19に示す充電スタンド200の内部構成の一例を示す図である。 【0115】 図19及び図20において、充電スタンド200(EVスタンド200)は、油圧式発電装置100と、蓄電機器210と、制御・配電・安全装置220と、充電プラグ230と、ソーラーパネル240と、電気自動車250と、看板260とを有する。また、充電スタンド200(EVスタンド200)は、例えば、不図示の照明や、自動販売機等の電力を使用する設備を有する。 【0116】 油圧式発電装置100は、例えば、図1〜図18に示す油圧式発電装置100である。図1〜図18に示す実施形態によれば、油圧式発電装置100は、3キロワットの電力を発電することができ、24時間稼働することができる。このため、充電スタンド200では、例えば、図1〜図18に示す油圧式発電装置100を10台並べ、30キロワットの電力を24時間発電する。 【0117】 蓄電機器210は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池や蓄電池等であり、油圧式発電装置100で発電された電力を蓄電する。蓄電機器210は、制御・配電・安全装置220によって制御される。また、蓄電機器210は、蓄電された電力を油圧式発電装置100の自力運転及び電気自動車250の充電のために放電する。 【0118】 例えば、1台の油圧式発電装置100で発電された電力が、14キロワットである場合、14キロワットの電力が一旦蓄電機器210に蓄電される。そして、蓄電機器210は、蓄電された14キロワットの電力のうち、11キロワットの電力を、油圧式発電装置100の自力運転(駆動用モータ110)のために使用(放電)する。そして、蓄電機器210は、蓄電された14キロワットの電力のうち、残りの3キロワットの電力を、充電プラグ230を介して電気自動車250の充電のために使用(放電)する。 【0119】 蓄電機器210は、例えば、充電状態(SOC:State Of Charge)が、制御・配電・安全装置220によって管理される。蓄電機器210は、ソーラーパネル240によって発電された電力を蓄電してもよい。なお、油圧式発電装置100で発電された電力と、ソーラーパネル240によって発電された電力とを別々に蓄電してもよく、一緒に蓄電してもよい。 【0120】 制御・配電・安全装置220は、例えば、不図示の制御部(制御盤)、電力変換器、コンデンサ、リアクトル、変圧器等を有しており、充電スタンド200内の各部の電気の流れ等を統括的に制御する。例えば、制御・配電・安全装置220は、油圧式発電装置100やソーラーパネル240で発電された電力が、蓄電、放電、又は配電される前後に経由され、電力変換等されてもよい。また、制御・配電・安全装置220は、充電スタンド200内の各部における不図示の開閉器やヒューズ等の安全機構を有しており、充電スタンド200内の事故を抑制する。制御・配電・安全装置220は、不図示の操作部や有線又は無線通信を介して、外部から遠隔操作されるものであってもよい。 【0121】 充電プラグ230は、電線、ケーブル等で蓄電機器210と接続され、蓄電機器210に蓄電された電力を電気自動車250に充電するためのプラグである。充電プラグ230は、本実施形態では、40kwh用の充電プラグ230と、62kwh用の充電プラグ230とを備えるが、これには限られない。 【0122】 ソーラーパネル(太陽光パネル)240は、太陽光によって発電する「太陽光発電装置」の一例であり、太陽光によって発電された電力は、充電スタンド200内の照明や電灯やトイレや休憩所や自動販売機等の設備の稼働や、看板260の発光等に用いられる。また、ソーラーパネル240によって発電された電力は、油圧式発電装置100の駆動用モータ110の始動のために用いられてもよい。また、ソーラーパネル240によって発電された電力は、油圧式発電装置100の駆動用モータ110の始動後の自力運転継続のために用いられてもよい。 【0123】 なお、油圧式発電装置100で発電された電力と、ソーラーパネル240で発電された電力とは、電力の性質が異なるため、区別して用いられてもよい。例えば、油圧式発電装置100で発電された電力は、電気自動車250の充電に用いられ、ソーラーパネル240で発電された電力は、充電スタンド200内の照明や設備の稼働等に用いられてもよい。しかし、これには限られず、油圧式発電装置100で発電された電力も、ソーラーパネル240で発電された電力も、制御・配電・安全装置220の制御や電力変換等に従い、区別なく蓄電機器210に蓄電され、又は区別なく用いられてもよい。 【0124】 なお、ソーラーパネル(太陽光パネル)240は、「自然エネルギーによって発電する発電装置」の一例である。自然エネルギーによって発電する発電装置は、ソーラーパネル240には限られず、風力発電、地熱発電等、別の自然エネルギーによる発電装置であってもよい。自然エネルギーによる発電装置であれば、油圧式発電装置100は、送電設備が不要である。なお、自然エネルギーによる発電装置に限られず、着脱可能な蓄電池等であってもよい。 【0125】 電気自動車(EV)250は、充電スタンド200に立ち寄ったときに、充電プラグ230を用いて蓄電機器210に蓄電された電力が充電される。 【0126】 看板260は、例えば、ソーラーパネル240によって発電された電力で発光する。なお、看板260は、「充電スタンド内の設備」の一例である。例えば、不図示の照明や、自動販売機等の充電スタンド内の設備も、ソーラーパネル240によって発電された電力で稼働する。 【0127】 図21は、図20に示す制御・配電・安全装置220における不図示の制御部が有する処理回路のハードウェア構成例を示す概念図である。上述した各機能は処理回路により実現される。一態様として、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ91と少なくとも1つのメモリ92とを備える。他の態様として、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア93を備える。 【0128】 処理回路がプロセッサ91とメモリ92とを備える場合、各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、メモリ92に格納される。プロセッサ91は、メモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。 【0129】 処理回路が専用のハードウェア93を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、又はこれらを組み合わせたものである。各機能は処理回路で実現される。 【0130】 制御・配電・安全装置220における不図示の制御部が有する各機能は、それぞれ一部又は全部がハードウェアによって構成されてもよく、プロセッサが実行するプログラムとして構成されてもよい。すなわち、制御・配電・安全装置220における不図示の制御部は、コンピュータとプログラムとによっても実現可能であり、プログラムは、記憶媒体に記憶されることも、ネットワークを通して提供されることも可能である。 【0131】 <充電スタンドの一実施形態の作用効果> 以上、図19〜図21に示す充電スタンド200の実施形態によれば、油圧式発電装置100が用いられることにより、CO2も発生させず、設置場所も選ばず、送電設備も不要な充電スタンドを実現することができる。すなわち、充電スタンド200によれば、油圧式発電装置100やソーラーパネル240の発電によってCO2は発生しないため、環境にやさしく、油圧式発電装置100が小型であるため、設置場所も選ばず、送電設備も不要である。このため、充電スタンド200は、短期間でも、計画的に設置及び稼働することが可能となる。 【0132】 また、図19〜図21に示す充電スタンド200の実施形態によれば、一旦油圧式発電装置100を始動させれば、所定時間経過後からは、自力で24時間発電し続けることが可能である。このため、例えば、充電スタンド200は、送電設備の無い砂漠の真ん中等にも短期間で計画的に設置及び稼働させることが可能である。 【0133】 なお、図19〜図21に示す充電スタンド200は、油圧式発電装置100を有する設備の一例であり、油圧式発電装置100は、充電スタンド200の他に、携帯電話基地局、コンビニエンスストア、農業・畜産業施設、工事現場、避難所等でも利用できる。これらにおいても、蓄電機器210、制御・配電・安全装置220、ソーラーパネル240等を備えてもよい。 【0134】 <実施形態の補足事項> 以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。 【符号の説明】 【0135】 2…ケーシング;3…ポンプ室;4…回転軸;5…インペラ;6…周壁部;7…一側壁部;8…他側壁部;9…吸込口;10…吐出口;11…液体供給管;12…液体供給路;13…気体供給管;14…気体供給路;15…吐出管;16…吐出路;17…一側挿通孔;18…他側挿通孔;19…基板;20…一側支持フレーム;21…他側支持フレーム;22…吸込側軸受け;23…吐出側軸受け;24…固定具;25…一側シールホルダ;26…一側ホルダ;27…他側シールホルダ;28…他側ホルダ;29…ボス部;30…主板;31…羽根;32…固定孔;33…テーパ部;34…摺接部;35…内面;36…内面;37…補強板;38…折曲部;39…折曲部;40…包持部;41…加圧板;42…挿通孔;43…加圧板用吸込口;44…加圧部;45…初期面部;46…最終面部;47…加圧面部;47−1…第1の加圧面部;47−2…第2の加圧面部;47−3…第3の加圧面部;48…加圧点部;48−1…第1の加圧点部;48−2…第2の加圧点部;48−3…第3の加圧点部;48−4…第4の加圧点部;49…段差面;51…スラストリテーナプレート;52…タイミングプレート;53…シリンダ;54…ピストン;55…スリッパ;56…スラストプレート;57…シリンダブロック;60…ケーシング;61…出力軸;71…流入口;72…排出口;73…本体;74…インジケータ;91…プロセッサ;92…メモリ;93…ハードウェア;100…油圧式発電装置;110…駆動用モータ;111…回転軸;120…加圧ポンプ;121…高圧ホース;130…油圧モータ(オイルモータ);131…ギヤ;132…ホース;133…オーバーフロー用ホース;140…発電機;141…ギヤ;150…オイルクリーナー(液体浄化装置);151…ホース;160…オイルタンク(液体貯蔵タンク);161…配管;162…バルブ;200…充電スタンド(EVスタンド);210…蓄電機器;220…制御・配電・安全装置;230…充電プラグ;240…ソーラーパネル(太陽光パネル、太陽光発電装置、自然エネルギーによって発電する発電装置);250…電気自動車;260…看板;A…矢印;Dr…ドレンポート;L…メインポート;R…メインポート;S…基準線 |
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【図2】 |
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【図4】 |
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【図6】 |
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【図8】 |
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【図10】 |
【図11】 |
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【図20】 |
【図21】 |
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