閉じる
土木・建設
 
【発明の名称】サウナ室
【特許権者】
【識別番号】303024666
【氏名又は名称】矢冨 義昭
【住所又は居所】福岡県北九州市門司区上藤松2丁目1−32−106
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100095603
【氏名又は名称】榎本 一郎
【発明者】
【氏名】山田 肇
【住所又は居所】日本国福岡県北九州市八幡西区馬場山緑7番3号 有限会社山田電装サービス社内
【氏名】矢冨 義昭
【住所又は居所】日本国福岡県北九州市門司区上藤松2丁目1−32−106
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部に温熱を供給する温熱配管、ヒートパイプ、電熱シートの内いずれか1以上を有する温熱源と、前記床部の上部に形設され遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有した入浴者用モルタル層と、前記入浴者用モルタル層に表面を露出して埋設された遠赤外線を放射する放射体岩盤と、前記入浴者用モルタル層の少なくとも一側部に形設された汚水集水部と、を備え、前記汚水集水部は、遠赤外線を放射する放射体の玉石が敷設され、又は上部が露出して遠赤外線を放射する放射体の玉石が埋設されて形成された玉石部を備えていることを特徴とするサウナ室。
【請求項2】
前記床部と前記入浴者用モルタル層との間に遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する床モルタル層を備えていることを特徴とする請求項1に記載のサウナ室。
【請求項3】
前記床部が、床スラブコンクリート層と、前記床スラブコンクリート層の上部に配設された防水層と、前記防水層の上部に配設された断熱材層と、前記断熱材層の上部に配設されたメッシュ筋と、前記メッシュ筋に固定された前記温熱源と、を備え、前記床モルタル層が前記温熱源の上部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のサウナ室。
【請求項4】
前記床部の前記防水層、前記断熱材層、前記メッシュ筋の端部を被覆して形成された床モルタル被覆層と、前記床モルタル被覆層及び/又は前記床モルタル層に形成された排水溝と、前記汚水集水部と前記排水溝とを連通する排水部と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載のサウナ室。
【請求項5】
前記断熱材層の上面及び/又は下面に遠赤外線反射シート層を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載のサウナ室。
【請求項6】
前記入浴者用モルタル層の少なくとも一側部に長手方向のいずれか一方が低くなるように傾斜をつけて形設された遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する着脱自在又は固定された傾斜モルタル層と、前記傾斜モルタル層の上部に形成された前記玉石部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1項に記載のサウナ室。
【請求項7】
前記床部の周囲に立設され内部に前記断熱材層及び/又は前記遠赤外線反射シート層を有する側壁部と、前記側壁部の上部に配設され内部に前記断熱材層及び/又は前記遠赤外線反射シート層を有する天井部と、前記側壁部の室内側の壁面に塗設された壁用モルタル層と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載のサウナ室。
【請求項8】
前記床モルタル層が側壁側から前記排水溝に向けて低くなるように傾斜して形成され、前記側壁側に添設された散水管を備えていることを特徴とする請求項2乃至7の内いずれか1項に記載のサウナ室。
【請求項9】
前記入浴部の側部に配設され前記入浴者用モルタル層の前記放射体岩盤に足を置いた入浴者が腰掛ける足浴用椅子を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の内いずれか1項に記載のサウナ室。
【請求項10】
前記足浴用椅子が、前記足浴用椅子の座部に温熱を供給する前記温熱源と、前記温熱源の上部に形成され遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する椅子用モルタル層と、前記椅子用モルタル層に表面を露出して埋設された前記放射体岩盤と、を備えていることを特徴とする請求項9に記載のサウナ室。
【請求項11】
前記床モルタル層、前記傾斜モルタル層、前記入浴者用モルタル層、前記壁用モルタル層及び前記椅子用モルタル層が、粉粒子状の珪石100重量部に対しセメントを25〜45重量部、前記放射体を3〜30重量部含有していることを特徴とする請求項1乃至10の内いずれか1項に記載のサウナ室。
【請求項12】
前記粉粒子状の放射体の平均粒径が、0.001mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項1乃至11の内いずれか1項に記載のサウナ室。
【請求項13】
室内の湿度が60%〜95%の中湿度乃至高湿度に保たれていることを特徴とする請求項1乃至12の内いずれか1項に記載のサウナ室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、遠赤外線効果を利用した低温のサウナ室に関するものである。
【背景技術】
近年、入浴者の発汗作用を促進し健康を増進させる目的で設けられているサウナは、温泉等の施設に併用されて設置されることが多く、ダイエットや入浴後の爽快感を目的に多くの人に利用されている。
以下に、従来のサウナについて、図面を参照しながら説明する。
第14図は従来のサウナを示す要部側面断面図である。第14図において、101は木材等からなる床パネル、102は木材等からなり床パネル101に立設された壁パネル、103は木材等からなり壁パネル102の上部に配設された天井パネル、104は床パネル101の上部に配設されたストーブ、105は木材等からなりストーブ104を囲繞した防護壁、106は木材等からなり床パネル101の上部に形成された椅子である。
以上のように構成された従来のサウナについて、以下その使用方法を説明する。第14図に示すように、ストーブ104により室内を熱風や水蒸気により加熱して温度を100℃程度の高温又は高温多湿に保持し、入浴者は椅子106に座って発汗作用を促進させている。
しかし、従来のサウナは以下のような問題を有していた。
(1)内装に木材を大量に使用すると木材表面に有機物が付着し雑菌が繁殖するため、浴室内に独特の臭いが発生し衛生的に劣る。
(2)浴室の温度を100℃程度の高温に設定しているため、お年寄りや子供、女性など体の弱い入浴者は利用できない。
そこで、これらの問題を解決するために様々検討され、以下のようなものが開示されている。
(特許文献1)には、「砂状、球状、粒状、天然石状、粉末状、板状などに製造された遠赤外線放射効果のある人工セラミックス、またはそれらと天然産セラミックスとの混合物を室内に敷きつめ、それらのセラミックスをヒーター、温水、熱風などで加熱して、セラミックスが有する遠赤外線放射効果を有効利用することを特徴とするもの。」が開示されている。
また、(特許文献2)には、「最下部に断熱材層を設け、その上にコンクリート層を設け、さらにその上にモルタル層を設けると共に、この中に温水パイプを埋設し、最上部に砂利及び炭を敷き詰めボイラーから加熱された温水を循環ポンプにより温水パイプ内を循環させることを特徴とするもの。」が開示されている。
【特許文献1】
特開平09−313565号公報
【特許文献2】
実用新案登録第3070524号公報
しかしながら上記従来の技術は、以下のような課題を有していた。
(1)特許文献1に開示の技術は、排水設備が無いため衛生的でないという課題と、入浴者は砂の中に入浴するためサウナから上がるときに砂を落とさなくてはならず皮膚に付着した砂を払いのけるのは煩雑でわずらわしいという課題と、を有していた。
(2)特許文献2に開示の技術は、入浴で仰臥した際に肌に砂利や炭の角部が当たり刺激して不快感を与えるとともにサウナから上がるときに砂利や炭を落とさなくてはならず払い落とすのがわずらわしく、特に炭はお湯をかぶって落とさなければならず扱い難いという課題と、砂利や炭を繰り返し使用するため定期的に砂利や炭を入れ替える必要がありメンテナンス性に欠けるという課題と、を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、放射体の遠赤外線効果を利用して低温で入浴でき、衛生的に優れ、転倒や火傷の危険がなく安全性に優れ、遠赤外線効果を利用し省エネルギー性に優れ、建設時や清掃時の作業性に優れる全身浴用や足浴用のサウナ室を提供することを目的とする。
【発明の開示】
上記従来の課題を解決するために本発明のサウナ室は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のサウナ室は、床部に温熱を供給する温熱配管、ヒートパイプ、電熱シートの内いずれか1以上を有する温熱源と、前記床部の上部に形設され遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有した入浴者用モルタル層と、前記入浴者用モルタル層に表面を露出して埋設された遠赤外線を放射する放射体岩盤と、前記入浴者用モルタル層の少なくとも一側部に形設された汚水集水部と、を備え、前記汚水集水部は、遠赤外線を放射する放射体の玉石が敷設され、又は上部が露出して遠赤外線を放射する放射体の玉石が埋設されて形成された玉石部を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)加熱された温熱配管、ヒートパイプ、電熱シート等の温熱源からの熱が放射体岩盤に伝導し、放射体岩盤からは温熱源の熱に加えて遠赤外線が発生して熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温めるため、サウナ効果に優れるとともに温熱源の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れる。
(2)放射体岩盤の遠赤外線の効果で温熱源の温度を低くできるため、低温で入浴することができ高齢者や高血圧等の患者も利用できる。
(3)加熱を停止しても放射体岩盤の熱伝導率が高く、周囲の空気に対して長時間にわたって熱や遠赤外線を放射するため、室内の保温効果に優れる。
(4)入浴者用モルタル層の側部に汚水集水部を形設することで入浴者用モルタル層の水滴や汗などの汚水を速やかに排水することができ、衛生的に優れる。
(5)入浴者用モルタル層の側部に汚水集水部を有することで清掃時に清掃用の水を速やかに排水することができ、清掃の作業性に優れる。
(6)入浴者用モルタル層中に粉粒子状の放射体を均一に分散させた場合、遠赤外線効果によりサウナ効果を高めることができる。
(7)汚水集水部に放射体の玉石を敷設、又は埋設して玉石部を形成することにより、玉石部を通過した水が速やかに排水部へと流れるため、排水性が高まり衛生的に保つことができる。
(8)汚水集水部が放射体の玉石部を備えているので、室内の湿度を60%〜95%にすることにより、放射体岩盤のみならず玉石部からの遠赤外線で遠赤外線効果を高めることができる。
(9)汚水集水部に玉石部が形成されることで、上部からの不要な水を滞留させずに速やかに流下させることができるため、衛生的に優れる。また、敷設した玉石は集めて洗浄できるので衛生性に優れる。
(10)汚水集水部に上部を露出して玉石を埋設することで玉石が散らばることが無いため、盗難を防止でき清掃時の作業性に優れる。
ここで、温熱配管の加熱部としては、電気温水器、ガスや石油や灯油などを燃料とする温水ボイラーなどが用いられる。温熱配管の媒体としては水、不凍液、蒸気等を用いることができる。特に寒冷地においては媒体として不凍液が好適に用いられる。
温熱配管やヒートパイプとしては、架橋ポリエチレン管や、ポリブデン管、金属管などが用いられる。特に架橋ポリエチレン管やポリブデン管は耐久性、強度に優れ、軽量であり施工性に優れるため、好適に用いられる。
入浴者用モルタル層は、放射体岩盤を固定するように形成される。
入浴者用モルタル層の組成成分としては、セメント、川砂、粉粒子状の珪石及び/又は遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体などが用いられる。特に遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体は入浴者の遠赤外線効果を高めることができるため、好ましい。
放射体の材料としては、礫岩ホルンフェルス(天照石)、ラドン鉱石、長石、電気石(トルマリン石)、ラジウム鉱石、麦飯石、花崗岩等の自然鉱石、石英、シリカ、人工セラミックスなどが用いられる。礫岩ホルンフェルス(天照石)は、遠赤外線放射物質中でも高い遠赤外線放射量を持つが、特に水に吸収され易い6μm〜13μmの波長の遠赤外線の発生割合が高いことが知られており、水に吸収され易い波長の遠赤外線が体内の白血球やリンパ球を活性化させ過酸化脂質形成を抑制し、アトピー性皮膚炎などの皮膚病や癌細胞増殖の抑制に強い効果がみられるため、好適に用いられる。また、礫岩ホルンフェルス(天照石)を用いると遠赤外線の放射量が多いので、湿度を60%〜95%とすることにより室内の湿気の水分が遠赤外線の作用で、低温で十分なサウナ効果を得ることができる。特に、水の厚さが1μm〜10μmでは遠赤外線吸収の選択性があるので、水蒸気(単分子状)に遠赤外線が吸収され、サウナ効果を高めることができる。
また、粉粒子状の珪石は熱伝導性が高くモルタル層からの熱放射が良好なため、好ましい。
粉粒子状の珪石の平均粒径は、0.05mm〜6mm、好ましくは0.2mm〜4mmが好適に用いられる。ここで、珪石の平均粒径が0.2mmより小さくなるにつれて加工に手間がかかる傾向がみられ、また、4mmより大きくなるにつれてモルタル層の強度を低下させる傾向がみられる。特に、珪石の平均粒径が0.05mmよりも小さくなるにつれ、加工性が著しく低下すると共に、粒径が小さくなり過ぎて取扱いが困難となる傾向があり、6mmよりも大きくなるにつれ、混和が困難になると共に、モルタル層の強度が著しく低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
入浴者用モルタル層は、全身入浴用の場合は幅方向が300mm〜1200mm、長さ方向が1500mm〜2200mmに形成される。入浴者用モルタル層の幅方向の寸法が300mmより短くなるにつれて入浴者が横臥しにくくなる傾向がみられ、また、1200mmより長くなるにつれて寸法が入浴者の肩幅を上回ってしまい入浴者1名当りの占有面積が大きくなりすぎる傾向がみられ、いずれも好ましくない。
また、入浴者用モルタル層の長さが1500mmより短くなるにつれて入浴者が横臥しにくくなる傾向がみられ、また、2200mmより長くなるにつれて寸法が入浴者の身長を上回り入浴者1名当りの占有面積が増大する傾向がみられ、いずれも好ましくない。
入浴者用モルタル層の厚さ(高さ)は、10mm〜100mmが好適に用いられる。厚さが10mmより薄くなるにつれて強度が低下し易くなり、放射体岩盤を確実に固定することが困難になる傾向がみられ、また100mmより厚くなるにつれて熱伝導に時間がかかる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
足浴用の場合は、入浴者用モルタル層の幅や長さは、足浴用の1以上の放射体岩盤が配設される大きさに形成される。
放射体岩盤としては、前述の放射体の岩盤を平板状に切断研磨するか、もしくは前述の放射体を破砕して得られた破砕物とセメント及び珪砂を混和して岩盤状に成形したものなどが用いられる。
放射体岩盤の配置は、方形の1枚板の放射体岩盤の下部を入浴者用モルタル層に埋設したもの、小型方形の放射体岩盤を複数枚タイル状に該モルタル層に埋設したもの、円形もしくは方形等の放射体岩盤を複数枚間隔を空けて該モルタル層に埋設したもの、及び小型方形の放射体岩盤を複数枚タイル状に配設することで方形状に形成された方形岩盤を複数枚間隔を空けて該モルタル層に埋設したものなどが用いられる。特に、円形もしくは方形等の放射体岩盤を複数枚間隔を空けて該モルタル層に埋設したものは、入浴者の肩や腰部等の位置に合わせて遠赤外線効果が高い場所を選択的に設置することができ、さらに設置時の作業性に優れるため、好適に用いられる。
方形の1枚板の放射体岩盤を配設する場合の放射体岩盤の寸法は、幅方向が略200mm〜800mm、長さが略150mm〜2000mmに形成される。放射体岩盤が200mm×150mmより小さくなるにつれて遠赤外線の発生量に劣る傾向がみられ、また、800mm×2000mmより大きくなるにつれてエネルギー効率が低下する傾向がみられ、いずれも好ましくない。
一方、小型方形の放射体岩盤を複数枚タイル状に配設する場合や、小型方形の放射体岩盤を複数枚タイル状に配設することで方形状に形成された方形岩盤を複数枚間隔を空けて配設する場合の放射体岩盤の寸法は、50mm〜200mmが好適に用いられる。放射体岩盤の寸法が50mmより短くなるにつれて建設現場での作業性に劣る傾向がみられ、また200mmより長くなるにつれて放射体岩盤をタイル状に並べるのが難しくなる傾向がみられ、いずれも好ましくない。
また、円形もしくは方形等の放射体岩盤を複数枚間隔を空けて配設する場合の放射体岩盤の外形寸法は、200mm〜500mmが好適に用いられる。放射体岩盤の外形寸法が200mmより短くなるにつれて遠赤外線の発生量に劣る傾向がみられ、また500mmより長くなるにつれて放射体の幅が入浴者の幅を不必要に上回ってしまう傾向がみられ、いずれも好ましくない。
放射体岩盤の厚さは、10mm〜50mmの寸法が好適に用いられる。これにより岩盤放射体の強度や遠赤外線放射効率に優れる。厚さが10mmより薄くなるにつれて岩盤放射体の強度が不足すると共に遠赤外線放射率が低下する傾向がみられ、また50mmより厚くなるにつれ重量が増大して搬送性や現場での設置作業性が悪くなり熱伝導に時間がかかる傾向がみられ、いずれも好ましくない。
また、入浴者用モルタル層と汚水集水部を囲繞する枠部を形成してもよい。
枠部としては、ゴム等の弾性を有するものや、檜等の木材、石材などが好適に用いられる。特に、檜等の木材は、殺菌力を有し、強度もあり施工性も優れているため、好適に用いられる。
枠部の高さは入浴者用モルタル層の高さに合せて10mm〜50mmが好適に用いられる。枠部を有することにより、入浴者用モルタル層の欠けを防止すると共に、後述する放射体の玉石を効果的に敷き詰めることができる。
汚水集水部の配置場所は、入浴者の足部側に設けるか、あるいは入浴者の側部側の2方向に設けられる。
玉石については、礫岩ホルンフェルス(天照石)等の放射体の天然石などを直径10〜40mmの球形状にしたものが好適に用いられる。玉石の直径が10mmより小さくなるにつれて排水性に劣る傾向がみられ、また、40mmより大きくなるにつれて均一に敷設する際に凹凸が大きくなり敷設しにくくなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。特に、天然石として礫岩ホルンフェルス(天照石)を用いると遠赤外線効果を向上させることができると共に、汗の臭いを分解することができ脱臭効果に優れるので好ましい。
また、玉石を敷設する場合は、玉石をそのまま敷設して形成したもの、玉石をメッシュ網等に入れてから敷き詰めたものなどが用いられる。特に、玉石をメッシュ網に入れてから敷き詰めたものは、清掃時に玉石部をメッシュ網ごと取りだすことで玉石を散らかさずに清掃ができ作業性に優れるため、好適に用いられる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサウナ室であって、前記床部と前記入浴者用モルタル層との間に遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する床モルタル層を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)床部と入浴者用モルタル層との間に遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する床モルタル層を有するので、保温性が高く省エネルギー性に優れる。
(2)加熱された温熱源からの熱が床モルタル層に伝導し、床モルタル層から熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温めるため、サウナ効果に優れるとともに温熱源の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れる。
(3)床モルタル層の遠赤外線の効果で温熱源の温度を低くできるため、低温で入浴することができ、入浴者が火傷等することがなく安全性に優れ、高齢者や高血圧等の患者も利用できる。
(4)床モルタル層中に粉粒子状の放射体が均一に分散されているので、遠赤外線効果によりサウナ効果を高めることができる。
ここで、床モルタル層の組成成分は、前述の入浴者用モルタル層と同様である。
粉粒子状の放射体の平均粒径は、0.001mm〜0.5mmが好適に用いられる。平均粒径が0.001mmより小さくなるにつれて加工に手間がかかる傾向がみられ、また、0.5mmより大きくなるにつれて床モルタル層や入浴者用モルタル層の強度を低下させる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
尚、床モルタル層の上面には放射体岩盤を固定するための固定用モルタルを塗設してもよい。これにより、放射体岩盤の底面を支持し、固定することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のサウナ室であって、前記床部が、床スラブコンクリート層と、前記床スラブコンクリート層の上部に配設された防水層と、前記防水層の上部に配設された断熱材層と、前記断熱材層の上部に配設されたメッシュ筋と、前記メッシュ筋に固定された前記温熱源と、を備え、前記床モルタル層が前記温熱源の上部に形成されている構成を有している。
この構成により、請求項2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)防水層により床スラブコンクリート層等から上がってくる水分を遮断できるので保温性に優れるとともに省エネルギー性に優れる。
(2)床部に断熱材層を有するので、保温性が高く省エネルギー性に優れる。
(3)メッシュ筋の幅に合わせて温熱源を固定するので温熱源の間隔を一定に保つことができるため、温熱源固定時の作業性に優れるとともに床部の加熱斑を防止でき均一に加熱できる。
(4)加熱された温熱源からの熱が床モルタル層に伝導し、床モルタル層や入浴者用モルタル層から熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温めるため、サウナ効果に優れるとともに温熱源の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れる。
ここで、防水層を形成するものとしては、シート防水、アスファルト防水、塗膜防水などが用いられる。特にシート防水は、耐久性や防水性に優れ、価格も安価であるため好適に用いられる。
断熱材層の断熱材については、グラスウールやロックウール等の無機繊維系、ポリスチレンフォームやウレタンフォーム等の発泡プラスチック系、木質繊維系などの断熱性の高い材料が用いられる。特に発泡ポリスチレン等の発泡プラスチック系は断熱性及び耐久性に優れるため、好適に用いられる。
メッシュ筋の材料については、金属製やプラスチック製のものなどが用いられる。特にプラスチックを材料とした網は、軽量で丈夫でありさらに錆びないため、好適に用いられる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のサウナ室であって、前記床部の前記防水層、前記断熱材層、前記メッシュ筋の端部を被覆して形成された床モルタル被覆層と、前記床モルタル被覆層及び/又は前記床モルタル層に形成された排水溝と、前記汚水集水部と前記排水溝とを連通する排水部と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項3で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)結露した水滴や入浴者の汗などの不要な水分は汚水集水部から排水部さらに排水溝へと速やかに排水することができるので、サウナ室内を常に衛生的に保つことができる。
(2)入浴者用モルタル層や放射体岩盤を清掃する際に使用した水は汚水集水部から排水部さらに排水溝へと速やかに排水することができるため、清掃時の作業性に優れる。
(3)防水層、断熱材層、メッシュ筋の端部を被覆する床モルタル被覆層を有することにより、床モルタル被覆層及び/又は床モルタル層に形成された排水溝に排水された水が床部の防水層乃至メッシュ筋の間に浸入することがなく、信頼性に優れる。
ここで、汚水集水部を入浴者の頭部載置側以外の3方向に設ける場合における排水部の端部の位置は、入浴者の脚部載置側の中央に1箇所設ける方法、入浴者の脚部載置側の両端に2箇所設ける方法、あるいは入浴者の脚部載置側の中央と両端に合計3箇所設ける方法が用いられる。特に、入浴者の脚部載置側の中央と両端に合計3箇所設けると排水性が高まるため、好ましい。
排水溝に礫岩ホルンフェルス(天照石)等の玉石を敷きつめた場合、その玉石に水分を補給することができ、玉石から放射される遠赤外線を水蒸気に吸収させることができ、遠赤効果を高めることができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のサウナ室であって、前記断熱材層の上面及び/又は下面に遠赤外線反射シート層を備えた構成を有している。
この構成により、請求項3又は4で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)床部に遠赤外線反射シート層を有するので発生した遠赤外線を室内側に反射することができるため、サウナの効率性に優れる。
(2)断熱材層の下部に遠赤外線反射シート層を配設した場合は、遠赤外線反射作用により遠赤外線効果を高めるのみならず、遮水効果をも兼ねることができる。
(3)メッシュ筋の下部に遠赤外線反射シート層を配設した場合は、赤外線をも反射し、省エネルギー性に優れる。
ここで、遠赤外線反射シート層については、アルミシート、ガラス入りアルミシート、セラミックコートシートなどが用いられる。特にガラス入りアルミシートやセラミックコートシートは強度が強く遠赤外線の反射性に優れているため、好適に用いられる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載のサウナ室であって、前記入浴者用モルタル層の少なくとも一側部に長手方向のいずれか一方が低くなるように傾斜をつけて形設された遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する着脱自在又は固定された傾斜モルタル層と、前記傾斜モルタル層の上部に形成された前記玉石部と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)傾斜モルタル層を着脱自在とした場合、清掃時に取り外すことができるため、柔かいデッキブラシやスチームクリーナ等で隅々まで洗浄することができ、清掃作業性及び衛生的に優れる。
(2)放射体を含有する傾斜モルタル層を備えているので、室内の湿度を60%〜95%にすることにより、放射体岩盤のみならず傾斜モルタル層からの遠赤外線で遠赤外線効果を高めることができる。
(3)傾斜モルタル層に上部を露出して玉石を埋設することで、汚水集水部を工場で生産してから現場へと輸送することができるため、生産性に優れる。
ここで、傾斜モルタル層の組成成分は入浴者用モルタル層等と同様のものが用いられる。
傾斜モルタル層の勾配は、2/100〜10/100が好適に用いられる。勾配が2/100より小さくなるにつれて排水性が悪くなる傾向がみられる。勾配の上限は10/100までの範囲で入浴者用モルタル層の高さに合わせて決められる。
玉石を傾斜モルタル層に埋設させる方法は、玉石を半分程度傾斜モルタル層に埋設させ凹凸を持たせる方法、玉石を半分程度傾斜モルタル層に埋設させ玉石の凹凸部分を研磨して兵站にする方法などが用いられる。特に、玉石を半分程度傾斜モルタル層に埋設させ凹凸を持たせる方法は、凹凸による摩擦でモルタル層の傾斜で入浴者が滑ったりすることがないため、好適に用いられる。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載のサウナ室であって、前記床部の周囲に立設され内部に前記断熱材層及び/又は前記遠赤外線反射シート層を有する側壁部と、前記側壁部の上部に配設され内部に前記断熱材層及び/又は前記遠赤外線反射シート層を有する天井部と、前記側壁部の室内側の壁面に塗設された壁用モルタル層と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)側壁部及び天井部に断熱材層及び遠赤外線反射シート層を使用し発生した熱(赤外線)や遠赤外線を室内に反射するため熱効率に優れるので、省エネルギー性に優れる。
(2)側壁部及び天井部に断熱材層及び遠赤外線反射シート層を有するので、浴室内部の保温性に優れ温熱源の温度を低くできるため、低温で入浴することができ高齢者や高血圧等の患者も利用できる。
ここで、側壁部及び天井部で用いられる材料としては、防水性もしくは防水処理を施しており、熱伝導率が低く蓄熱性を有すると共に、難燃性のものが好適に用いられる。
壁用モルタル層は前述の入浴者用モルタル層と同一組成のものが用いられる。側壁部にはタイルを敷設することができる。また、壁用モルタル層やタイルに礫岩ホルンフェルス(天照石)等の放射体を粉砕して得られたパウダーや炭塗料等を塗布した場合、室内にマイナスイオンを充満させることができ、リラックス効果を高めることができる。
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項2乃至7の内いずれか1項に記載のサウナ室であって、前記床モルタル層が側壁側から前記排水溝に向けて低くなるように傾斜して形成され、前記側壁側に添設された散水管を備えた構成を有している。
この構成により、請求項2乃至7の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)床モルタル層が排水溝に向けて低く傾斜して形成されていることで、洗浄時に洗浄水が排水溝へ自動的に排水されるので洗浄作業性に優れる。
(2)側壁側に添設された散水管により、室内の湿度が低下したときに散水することにより湿度を高め湿度を高湿側へ調整することができる。
(3)散水管により常に高湿状態に保たれるので、礫岩ホルンフェルス(天照石)等の遠赤外線効果を高効率で得ることができ省エネルギー性に優れる。
ここで、床モルタル層の傾斜角度は2/100〜10/100に形成される。これにより、洗浄水を排水することができると共に、散水管の散水が床面全面を短時間で濡らすことができる。
散水管の水温は、40℃±10℃好ましくは40℃±3℃に調整される。これにより、室内の温度を大きく変えずに高湿度条件に維持でき、サウナの快適性を維持できる。
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載のサウナ室であって、前記入浴部の側部に配設され前記入浴者用モルタル層の前記放射体岩盤に足を置いた入浴者が腰掛ける足浴用椅子を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至8の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)入浴部の側部に入浴者が腰掛ける足浴用椅子が配設されているので、入浴者が入浴者用モルタル層の放射体岩盤に足を置いた状態で容易に腰掛けることができ、足裏から入浴者を温めて足浴を行うことができ、特に立ち仕事等による足のむくみを短時間で解消することができる。
(2)自力で入浴者用モルタル層に仰臥したり、起き上がったりできない入浴者でも、足浴用椅子に腰掛け、足を入浴者用モルタル層の放射体岩盤に置くだけで容易に足浴を行うことができる。
(3)足浴用椅子に腰掛け、放射体岩盤によって足裏から入浴者を温めることにより、心臓から最も遠い足裏まで血流をよくすることができ、発汗作用を円滑に促すことができ、サウナ効果を高めることができる。
ここで、足浴用椅子の材質としては檜等の木材などが好適に用いられる。足浴用椅子は入浴者が腰掛けることができればよく、一人ずつ独立して座るものでもよいし、ベンチのように数人が並んで座るものでもよい。また、足浴用椅子の形状としては、入浴者が座る座部の下に座部を支持する脚部を有するものや単なる箱型に形成されたもの等を用いることができる。足浴用椅子がサウナ室と独立している場合、容易に移動させたり、サウナ室に出し入れしたりでき、清掃性やメンテナンス性に優れる。特に足浴用椅子が折り畳み可能な場合、サウナ室への出し入れを簡便に行うことができる。
足浴用椅子に数人が並んで座る場合は、入浴者用モルタル層の長さに合わせて1500mm〜2200mmの長さに形成される。これにより、2〜4名の入浴者が同時に足浴を行うことができる。
足浴用椅子の高さは、300mm〜800mmに形成される。足浴用椅子の高さが300mmより低くなるにつれて楽な姿勢で腰掛けることが困難になり、立ち上がり難くなる傾向がみられ、また800mmより高くなるにつれ足裏を確実に放射体岩盤に接触させることが困難になり、深く腰掛けることができなくなる傾向がみられ、いずれも好ましくない。
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のサウナ室であって、前記足浴用椅子が、前記足浴用椅子の座部に温熱を供給する前記温熱源と、前記温熱源の上部に形成され遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する椅子用モルタル層と、前記椅子用モルタル層に表面を露出して埋設された前記放射体岩盤と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項9で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)加熱された温熱源からの熱が椅子用モルタル層を介して放射体岩盤に伝導し、椅子用モルタル層の放射体や放射体岩盤からは温熱源の熱に加えて遠赤外線が発生して熱及び遠赤外線の両方が、太腿や臀部など入浴者の下半身全体を温めることができ、サウナ効果に優れるとともに温熱源の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れる。
(2)放射体の遠赤外線の効果で温熱源の温度を低くできるため、低温で入浴することができ高齢者や高血圧等の患者も利用できる。
(3)放射体岩盤の熱伝導率が高く、周囲の空気に対して長時間にわたって熱や遠赤外線を放射するため、室内の保温効果に優れ、入浴者の体を全体的に温めることができ、サウナ効果を得ることができる。
ここで、足浴用椅子に腰掛ける際に、壁用モルタル層を背もたれにして腰、背中、肩などが壁用モルタル層に当たるようにした場合、壁用モルタル層に含まれる放射体から発生する遠赤外線が、入浴者の上半身にも直接、作用してサウナ効果をより高めることができる。
特に、壁用モルタル層に表面を露出して放射体岩盤や放射体の玉石を埋設している場合、さらに遠赤効果を高めることができ、足浴用椅子に腰掛けた状態で入浴者用モルタル層に仰臥した状態と同様のサウナ効果を得ることができ、足などが不自由な入浴者でも手軽に利用することができる。
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の内いずれか1項に記載のサウナ室であって、前記床モルタル層、前記傾斜モルタル層、前記入浴者用モルタル層、前記壁用モルタル層及び前記椅子用モルタル層が、粉粒子状の珪石100重量部に対しセメントを25〜45重量部、前記放射体を3〜30重量部含有している構成を有している。
この構成により、請求項1乃至10の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)珪石は熱放射性が良好なため、多量の各モルタル層から効率よく熱を放射することができる。
(2)放射体が粉粒子状で、モルタル層中に均一に分散しているので、温熱源の伝熱により遠赤外線を多量に放射させることができる。
ここで、粉粒子状の珪石とセメントと前記遠赤外線放射体との配合比としては、粉粒子状の珪石100重量部に対しセメントを25〜45重量部好ましくは30〜40重量部、前記遠赤外線放射体を3〜30重量部好ましくは5〜15重量部含有するのが好ましいとされる。セメントが30重量部より少なくなるにつれ固化能力や固化時間が低下する傾向がみられ、40重量部より多くなるにつれ熱伝導性が低下する傾向がみられる。特に、セメントが25重量部より少なくなるにつれ固化能力が著しく低下し、各モルタル層の強度が低下し易くなる傾向がみられ、45重量部より多くなるにつれ熱伝導性が著しく低下すると共に、耐久性が低下し易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
遠赤外線放射体は、5重量部よりも少なくなるにつれて遠赤外線による効果が少なくなる傾向があり、また、15重量部よりも多くなるにつれてコスト対サウナ効果の改善があまり見られない傾向がある。特に、遠赤外線放射体が3重量部よりも少なくなるにつれ、放射される遠赤外線の量が著しく減少し、実用性が低下し易くなる傾向があり、30重量部よりも多くなるにつれ、不必要に遠赤外線放射体の量が増加し、低コスト性に欠ける傾向が顕著になり、いずれも好ましくない。
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11の内いずれか1項に記載のサウナ室であって、前記粉粒子状の放射体の平均粒径が、0.001mm〜0.5mmである構成を有している。
この構成により、請求項1乃至11の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)放射体の平均粒径が小さいことから均一に分散できるとともに表面積が大きいので、遠赤外線効果を高めることができる。また、各モルタル層の形成作業が容易になり作業性に優れる。
(2)きめの細かいモルタルを作ることができるため、表面の仕上りが滑らかな各モルタル層を形成することができ衛生性に優れる。
(3)粒径が小さいのでよく分散させることにより多量の遠赤外線を放出でき、低温でのサウナ効果を高めることができる。
ここで、放射体の平均粒径が0.001mmよりも小さくなるにつれ、粒子の凝集力が強くなり系内への均一分散が得られ難くなる傾向があり、また、0.5mmよりも大きくなるにつれ、表面積が小さくなり遠赤外線の放射量が少なく低温でのサウナ効果が得られ難い傾向があるので、いずれも好ましくない。
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12の内いずれか1項に記載のサウナ室であって、室内の湿度が60%〜95%の中湿度乃至高湿度に保たれている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至12の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)室内の湿度が60%〜95%の中湿度乃至高湿度に保たれていることにより、室内の湿気の水分に遠赤外線が吸収され加熱されるので、低温で十分なサウナ効果を得ることができる。
(2)室内の湿度が60%〜95%の中湿度乃至高湿度に保たれていることにより、鼻や喉、気管支等に疾病がある入浴者でも、無理なく入浴することができ、室内の湿度により症状を緩和させることができる。
ここで、蒸気発生手段として室内に加湿器を配設したり、混合栓を配設して湯水を供給したりして湿度を保つことができる。
室内の湿度が60%より低くなるにつれ、室内の湿気が不足して湿気の水分に吸収される遠赤外線の量が低下し易くなり、遠赤外線効果が不足して低温で十分なサウナ効果を得られなくなる傾向があり、湿度が95%より高くなるにつれ、不快感が増すと共に、湿度の管理が困難になり、運転の安定性に欠ける傾向があり、いずれも好ましくない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施の形態1におけるサウナ室の要部側面断面図である。
第2図は、第1図のA部の要部拡大図である。
第3図は、第1図のB部の要部拡大図である。
第4(a)図は、第1図のC−C矢視断面図である。
第4(b)図は、第4(a)図のD部の要部拡大図である。
第5図は、第4(b)図のE−E矢視断面図である。
第6図は、第4(b)図のF−F矢視断面図である。
第7図は、実施の形態2におけるサウナ室の要部側面断面図である。
第8図は、実施の形態2におけるサウナ室の入浴部の要部拡大図である。
第9図は、実施の形態3におけるサウナ室の要部側面断面図である。
第10図は、第9図のG部の要部拡大図である。
第11図は、第9図のH−H矢視断面図である。
第12図は、第11図のI−I矢視断面図である。
第13図は、第11図のJ−J矢視断面図である。
第14図は、従来のサウナを示す要部側面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の一実施の形態を、第1図乃至第6図を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
第1図は実施の形態1におけるサウナ室の要部側面断面図であり、第2図は第1図のA部の要部拡大図であり、第3図は第1図のB部の要部拡大図である。
第1図において、1は実施の形態1におけるサウナ室、2はサウナ室1の天井部、3はサウナ室1の側壁部、4はサウナ室1の床部、4aは床部4の長手方向の略中央部に長手方向と直交して形成された排水溝、4bは木材やセラミック、金属板等で形成され排水溝4aに覆設されたスノコ等の歩行用板、4cは後述する汚水集水部17の底面に開口し排水溝4aと連通した排水部、5は温水ボイラー等からなりサウナ室1の屋外に配設された加熱部、6は架橋ポリエチレン管等からなり床部4に埋設され側壁部3を介して加熱部5に接続された温水供給管6a及び温水還流管6bを有する温熱配管からなる温熱源である。
第2図において、2aは天井コンクリート、2bは天井横架材、7は防水性及び蓄熱性を有し難燃性のもので形成され天井横架材2bの下部に固定された天井材、8はアルミシート等からなり天井材7の上部に隙間なく敷設された遠赤外線反射シート層、9は発泡ポリスチレン等の発泡樹脂板で形成され遠赤外線反射シート層8の上部に隙間なく配設された断熱材層である。
第3図において、3aは壁コンクリート、3bは壁横架材、10は発泡樹脂板で形成され壁コンクリート3aの室内側の壁横架材3bの間に配設された断熱材層、11はアルミシート等からなり断熱材層10の室内側表面に添設固定された遠赤外線反射シート層、12は防水性及び蓄熱性を有し難燃性のものからなり壁横架材3bの室内側に固定された内壁材、13は礫岩ホルンフェルス(天照石)等の粉粒物からなる遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有し内壁材12の室内側の表面に塗設された壁用モルタル層、13aは壁用モルタル層13に表面を露出して埋設され遠赤外線を放射する礫岩ホルンフェルス(天照石)等で形成された壁用放射体岩盤、13bは壁用モルタル層13に表面を露出して埋設され遠赤外線を放射する礫岩ホルンフェルス(天照石)等の放射体の天然石等の側壁玉石部、14は入浴者が横たわって岩盤浴を行う入浴部である。
尚、本実施の形態では温熱源6は温水を媒体とする温熱配管で説明したが、温熱配管の媒体は不凍液や蒸気でもよく、また、温熱配管の代りに、ヒートパイプや電熱シートを用いてもよい。
次に、床面について説明する。
第4(a)図は第1図のC−C矢視断面図であり、第4(b)図は第4(a)図のD部の要部拡大図であり、第5図は第4(b)図のE−E矢視断面図であり、第6図は第4(b)図のF−F矢視断面図である。
第4(a)図及び第4(b)図において、14は入浴部、15は入浴部14に天然放射体の礫岩ホルンフェルス(天照石)等の粉粒物からなる遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有し床部4の上部に形成された入浴者用モルタル層、16は入浴者が仰臥した際に頭部,背中部,腰部,足部に相当する位置で入浴者用モルタル層15に表面を露出して埋設された頭用放射体岩盤16a,背中用放射体岩盤16b,腰用放射体岩盤16c,足用放射体岩盤16dからなる遠赤外線を放射する礫岩ホルンフェルス(天照石)等で形成された放射体岩盤、17は入浴者用モルタル層15の入浴者の頭部載置側以外の3方向の床部4の上部に一面(略コ字型)に玉石が敷設された後述する玉石部17bを有する汚水集水部、18は入浴者用モルタル層15と汚水集水部17とを囲繞して床部4の上部に配設され入浴部14を区画する枠部である。
第5図において、19は床部4の床スラブコンクリート層、20は防水シートやゴム層等からなり床スラブコンクリート層19の上部に配設された床部4の防水層、21はアルミシート等からなり防水層20の上部に敷設された床部4の遠赤外線反射シート層、22は発泡樹脂板で形成され遠赤外線反射シート層21の上部に配設された床部4の断熱材層、23はアルミシート等からなり断熱材層22の上部に敷設された床部4の遠赤外線反射シート層、24は遠赤外線反射シート層23の上部に配設され温熱源6を上部に固定した床部4のメッシュ筋、25は温熱源6の上部に形成された礫岩ホルンフェルス(天照石)等の粉粒物からなる遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する床モルタル層、25aは防水層20、遠赤外線反射シート層21、断熱材層22、遠赤外線反射シート層23、メッシュ筋24の端部を被覆し床スラブコンクリート層19の上部に排水溝4aを形成した床モルタル被覆層、26は床モルタル層25の上部に塗設され放射体岩盤16を床モルタル層25に固定した固定用モルタルである。
第6図において、17aは入浴者用モルタル層15の入浴者の頭部載置側以外の3方向の床部4の上部に入浴者の足部載置側に傾斜を設けて形成された傾斜モルタル層、17bは傾斜モルタル層17aの上部に放射体の玉石を充填し形成された玉石部である。汚水集水部17は傾斜モルタル層17aと玉石部17bとで形成されている。尚、傾斜モルタル層17aを足側が低くなるように傾斜させて形成したが、床モルタル層25の足側を低くして傾斜させ、傾斜モルタル層17aを省いてもよい。
ここで、実施の形態1では、放射体岩盤16は、厚さ約20mm〜50mmで方形状に形成されており、所定の間隔で複数枚並べられている。入浴者用モルタル層15は放射体岩盤16と面一に形成されている。また、枠部18の寸法は横幅を略600〜1300mm、長さを略1700〜2300mmに形成されている。
排水部4cは汚水集水部17の下端付近から排水溝4aに連通されている。また、排水部4cは、入浴者の足部載置側に1〜3箇所、等間隔で形成されている。
排水溝4aが防水層20、遠赤外線反射シート層21、断熱材層22、遠赤外線反射シート層23、メッシュ筋24の端部を被覆した床モルタル被覆層25aにより床スラブコンクリート層19の上部に形成されているので、汚水集水部17から排水部4cを通って排水溝4aに排水された排水が防水層20〜メッシュ筋24の間に浸入することがなく、信頼性に優れる。
汚水集水部17は、足部載置側に略2/100の勾配を設けられた傾斜モルタル層17aと、傾斜モルタル層17aの上部に直径5〜40mmの玉石を敷設して形成された玉石部17bと、から形成されている。玉石部17bは、傾斜モルタル層17aの上部に玉石を敷設して形成する以外にも、ネット等に玉石を収納し運搬などの扱いを容易にして形を整えてから敷設したり、傾斜モルタル層17aに埋設し洗い出したりして形成することもできる。
また、各モルタル層の組成成分は、セメント、粉粒子状の珪石及び礫岩ホルンフェルス(天照石)等の粉粒物からなる遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体からなり、その成分比は、粉粒子状の珪石100重量部に対しセメントを35〜40重量部、前記放射体を7〜9重量部含有している。
以上のように構成された実施の形態1におけるサウナ室1の使用方法について、以下説明する。
第1図に示すように、加熱部5が作動し、加熱部5から温水供給管6aに45℃〜70℃の温水を循環させ、あるいはヒートパイプや電熱シートで床モルタル層25が加熱蓄熱され、さらに固定用モルタル26を介して熱伝導で入浴者用モルタル層15、傾斜モルタル層17a、放射体岩盤16が加熱され、その表面温度が37℃〜50℃に調節される。各モルタル層の放射体及び放射体岩盤16、玉石部17bからは熱源の熱に加えて遠赤外線が放射されて熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温める。さらに入浴者用モルタル層15、放射体岩盤16、床モルタル層25、玉石部17b等に温水(40℃±3℃)を自動もしくは従業者が2〜4時間間隔で散布することで室内の湿度が60〜95%に調節される。その際に、各所に使用している各モルタル層に礫岩ホルンフェルス(天照石)等の粉粒物からなる粉粒子状の放射体を使用しているので熱放射が高くサウナ室1を温めることができ、入浴者用モルタル層15及び放射体岩盤16の表面温度とサウナ室1の室内温度の差は小さくなり室内温度は36℃〜49℃に調節される。また、温められたサウナ室1内の熱が壁用モルタル層13及び壁用放射体岩盤13a、側壁玉石部13bにも伝導し、壁用モルタル層13及び壁用放射体岩盤13a、側壁玉石部13bからは輻射熱に加えて遠赤外線が発生して熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温める。さらに、天井部2、側壁部3、床部4の各々に遠赤外線反射シート層8,11,21,23、及び断熱材層9,10,22を備えているのでサウナ室1の内部の熱及び遠赤外線が外部へ逃れないようにしてサウナ効果を高め、なおかつ省エネルギー性を高めることができる。
入浴者は、入浴者用モルタル層15及び放射体岩盤16の上面に直接かもしくはムシロやタオル、シーツ等の敷物を敷いた上に仰臥し入浴する。入浴者から排出された汗等は、汚水集水部17から排水部4cを経て排水溝4aへと排出される。清掃時においても同様に、排水は汚水集水部17から排水部4cを経て排水溝4aへと排出される。
以上のように実施の形態1におけるサウナ室は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)加熱された温水供給管6aからの熱が床モルタル層25等を介して放射体の玉石部17bや入浴者用モルタル層15や傾斜モルタル層17a、放射体岩盤16に伝導し、玉石部17b等の玉石や各モルタル層の放射体、放射体岩盤16からは温熱源6の熱に加えて遠赤外線が発生して熱及び遠赤外線の両方で入浴者を温めるため、サウナ効果に優れるとともに温水供給管6a等の温熱源6の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れる。
(2)放射体の遠赤外線の効果で温熱源6の温度を低くできるため、低温で入浴することができ高齢者や高血圧等の患者も利用できる。
(3)加熱を停止しても放射体岩盤16の熱伝導率が高く、周囲の空気に対して長時間にわたって熱や遠赤外線を放射するため、保温効果に優れる。
(4)傾斜モルタル層17aが傾斜した低部に汚水集水部17を備えているので水滴や汗などの汚水を速やかに集水排除でき、衛生性や清掃性に優れる。
(5)傾斜モルタル層17aの汚水集水部17に清掃時の汚水を速やかに集めることができ、作業性に優れる。
(6)防水層20により床スラブコンクリート層19等の下層から上がってくる水分を遮断することで温熱源6の熱が奪われるのを防止でき、効率性に優れる。
(7)天井部、側壁部、床部に遠赤外線反射シート層8,11,21,23を備えているので、発生した遠赤外線を室内側に反射し、サウナ効果に優れるとともに省エネルギー性に優れる。
(8)天井部、側壁部、床部に断熱材層9,10,22を備えているので、保温性が高く省エネルギー性に優れる。
(9)メッシュ筋24の幅に合わせて温熱源6の温熱配管を固定することで温熱配管の間隔を一定に保つことができるため、温熱配管固定時の作業性に優れるとともに、均一に加熱でき加熱斑がないので利用者に不快感を与えることがない。
(10)遠赤外線を利用することで低温で入浴できるため、老人や体力の弱っている人でも入浴でき、かつ、入浴者が火傷等することがなく安全性に優れる。
(11)結露した水滴や入浴者の汗などの不要な水分は玉石部17bを通って汚水集水部17から排水部4cさらに排水溝4aへと速やかに排水することができるので、サウナ室内を常に衛生的に保つことができる。
(12)枠部18内を清掃する際に使用した水は汚水集水部17から排水部4cさらに排水溝4aへと速やかに排水することができるため、清掃時の作業性に優れる。
(13)傾斜モルタル層17aの上部に玉石部17bを形成することにより、玉石部17bを通過した水が速やかに排水部4cへと流れるため、排水性が高まり衛生的に保つことができる。
(14)入浴者用モルタル層15や放射体岩盤16の表面は平坦に形成されているので汗等の汚物が貯ることがなく、清掃を容易に行うことができる。
(15)放射体の玉石部17bが形成されることで、上部からの不要な水を滞留させずに速やかに流下させることができるため、衛生的に優れる。
(16)サウナ室1内の熱が壁用モルタル層13及び壁用放射体岩盤13a、側壁玉石部13bにも伝導し、壁用モルタル層13の放射体や壁用放射体岩盤13a、側壁玉石部13bからは輻射熱に加えて遠赤外線が発生して熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温めるため、サウナ効果に優れるとともに浴室内の温度を保つことができるため、省エネルギー性に優れる。
(17)放射体の平均粒径が小さいことからきめの細かいモルタルを作ることができ、各モルタル層の全面に均一に放射体の粉粒子を分散できる。
(18)枠部18を着脱自在とした場合、清掃時に取り外すことができ作業性及び衛生的に優れると共に、特に木製の枠部18が水分を含んで収縮した場合に容易に交換することができメンテナンス性に優れる。
(実施の形態2)
第7図は実施の形態2におけるサウナ室の要部側面断面図であり、第8図は実施の形態2におけるサウナ室の入浴部の要部拡大図である。
第7図において、実施の形態1と同様のものは同一の符号を用いて説明を省略する。
1aは実施の形態2におけるサウナ室、25’は排水溝4a側が低く傾斜して形成された床モルタル層、27は加熱部5の湯水と水道水を室内に配設した混合栓(図示せず)を介して40℃±10℃、好ましくは40℃±3℃に調整した温水を散水する散水孔が側壁に形成された散水管、28aは室内の湿度を検知する湿度センサー、28bは放射体岩盤16の裏面に配設され放射体岩盤16の温度を検知する温度センサー、29は湿度センサー28aの湿度が60%よりも低くなったのを検知した際に散水管27の電磁弁30を開にし、湿度が95%になったのを検知した場合は電磁弁30を閉にして散水を止めると共に、温度センサー28bの温度が37℃よりも低くなったのを検知した際に加熱部5による加熱を行ない、温度が50℃になったのを検知した場合は加熱を止める制御部である。αは床モルタル層25’の傾斜角度であり、床面が1/100〜10/100の傾斜になるような角度に形成されている。
第8図において、4dは枠部18の足部載置側を略水平方向に貫通して形成された排水孔である。枠部18に排水孔4dを形成するだけで容易かつ確実に排水溝4aへ汚水を排水することができる。排水孔4dは、入浴者の足部載置側に1乃至3箇所、形成されている。排水孔4dを排水溝4a側が低くなるように傾斜させることにより、排水性を向上させている。排水孔4dの傾斜角度は床モルタル層25’の傾斜角度αと同程度である。
尚、檜等の木材で形成した枠部18を配設する代わりに、入浴者用モルタル層15と汚水集水部17の外周にモルタル等からなる外周囲繞枠を形成し、足部載置側の外周囲繞枠を貫通する略水平方向の排水孔を形成してもよい。また、少なくとも足部載置側に枠部18や外周囲繞枠を設けず、直接、排水溝4aへ汚水を排水することもできる。
以上のように実施の形態2のサウナ室は構成されているので、実施の形態1で得られる作用に加えて以下の作用が得られる
(1)床モルタル層25’が排水溝4a側が低くなるように傾斜して形成されているので、散水管27から散水される温水を床面に満遍なく流し、湿度を60〜95%に調湿でき調湿効果に優れる。また、洗浄時に洗浄水を効率よく排水でき作業性に優れる。
(2)湿度センサー28aにより室内の湿度を監視し、最適の湿度を外れた場合は制御部29の信号により電磁弁30を開にして温水を散水し、湿度が低くなるのを防止できる。
(3)温度センサー28bで放射体岩盤16の温度を監視し、温湿度制御部29の信号により加熱部5を制御し、放射体岩盤16を最適な一定の温度に保つことができる。
(4)枠部18に排水孔4dを形成するだけで容易かつ確実に排水溝4aへ汚水を排水することができ、床部4の床モルタル層25等に排水部4cを形成する必要がないので、施工性に優れる。
(5)散水で調湿するので、蒸気が遠赤外線の作用を受けて入浴者の発汗を促し、サウナ効果を高めることができる。
(実施の形態3)
第9図は実施の形態3におけるサウナ室の要部側面断面図であり、第10図は第9図のG部の要部拡大図であり、第11図は第9図のH−H矢視断面図である。尚、実施の形態1と同様のものは同一の符号を用いて説明を省略する。
第9図において、1bは実施の形態3におけるサウナ室、31は入浴部14の一側部に配設され入浴者用モルタル層15の放射体岩盤16に足を置いた入浴者が腰掛ける座部31aを有する足浴用椅子である。
第10図及び第11図において、32は床モルタル層25の上部に配設された断熱材層、33はアルミシート等からなり断熱材層32の上部に敷設された遠赤外線反射シート層、34は遠赤外線反射シート層33の上部に配設され温熱源6を上部に固定したメッシュ筋、35は温熱源6の上部より打設された礫岩ホルンフェルス(天照石)等の粉粒物からなる遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する椅子用モルタル層、36は椅子用モルタル層35に表面を露出して埋設され入浴者が足浴用椅子31の座部31aに座った際に太腿や臀部など入浴者の下半身を温める遠赤外線を放射する礫岩ホルンフェルス(天照石)等で形成された放射体岩盤である。
放射体岩盤36は、放射体岩盤16と同等の大きさで、厚さ約30mmで方形状に形成されており、所定の間隔で3枚並べられている。
足浴用椅子31の高さは、300mm〜800mmに形成した。足浴用椅子31の高さが300mmより低くなるにつれて楽な姿勢で腰掛けることが困難になり、立ち上がり難くなる傾向がみられ、また800mmより高くなるにつれ足裏を確実に放射体岩盤16に接触させることが困難になり、深く腰掛けることができなくなる傾向がみられることがわかった。
次に、入浴部について説明する。
第12図は第11図のI−I矢視断面図であり、第13図は第11図のJ−J矢視断面図である。
第12図及び第13図において、入浴部14が実施の形態1と異なるのは、温熱源6の温水供給管6a及び温水還流管6bが入浴部14及び足浴用椅子31の下部を長手方向と略平行に横切るように配設されている点である。
汚水集水部17の傾斜モルタル層17aは、排水溝4a側が低くなるように長手方向に傾斜して形成されているので、確実に入浴者の汗や清掃時の汚水を排水溝4aへ流して確実に排水することができる。また、入浴者用モルタル層15や傾斜モルタル層17aの上部に形成された玉石部17bは水平に形成されているので、入浴者が歩行する際や放射体岩盤16に足を置いた際に違和感がなく、使用性に優れる。
以上のように構成された実施の形態3におけるサウナ室1bの使用方法について、以下説明する。
入浴者は入浴部14の一側部に配設された足浴用椅子31の座部31a上の放射体岩盤36の部分に腰掛け、入浴者用モルタル層15の放射体岩盤16に足を置く。これにより、入浴者は足の裏側だけでなく足浴用椅子31の椅子用モルタル層35及び放射体岩盤36から放射された熱及び遠赤外線の両方によって太腿や臀部を温めることができる。また、温められたサウナ室1b内の熱が壁用モルタル層13及び壁用放射体岩盤13a、側壁玉石部13bにも伝導し、壁用モルタル層13及び壁用放射体岩盤13a、側壁玉石部13bからは輻射熱に加えて遠赤外線が発生して熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温める。特に、足浴用椅子31に腰掛けた際に、腰や背中、肩等を壁用放射体岩盤13aや側壁玉石部13bに接触させるようにすることにより、腰掛けた状態で入浴者の体全体を効率的に温めることができ、サウナ効果を高めることができる。
尚、足浴用なので、壁は通常のモルタル壁だけで形成してもよい。また、床モルタル層25を形成せず、温熱源6の上部に直接、放射体岩盤16を配設してもよい。さらに、入浴者用モルタル層15の足浴用椅子31側には、傾斜モルタル層17a及び玉石部17bを形成しなくてもよい。これにより、放射体岩盤16と足浴用椅子31を近接させて配置することができ、省スペース性に優れる。
また、本実施の形態では、温熱源6として温水供給管6a及び温水還流管6bからなる温熱配管を用いたが、温熱源6としてヒートパイプや伝熱シートを用いることができる。
更に、本実施の形態では、3人が並んで腰掛ける構成を一組として、二組を対向配置したが、放射体岩盤16及び足浴用椅子31の配置はこれに限定されず、1乃至2人分の小規模な構成として狭い場所に設置することもできる。このとき、前述のように床モルタル層25を省略したり、温熱源6として伝熱シートを用いたりして低コストで製造することができる。
以上のように実施の形態3におけるサウナ室は構成されているので、実施の形態1又は実施の形態2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)入浴部14の側部に入浴者が腰掛ける足浴用椅子31が配設されているので、入浴者が入浴者用モルタル層15の放射体岩盤16に足を置いた状態で容易に腰掛けることができ、足裏から入浴者を温めて足浴を行うことができ、特に立ち仕事等による足のむくみを短時間で解消することができる。
(2)自力で入浴者用モルタル層15に仰臥したり、起き上がったりできない入浴者でも、足浴用椅子31に腰掛け、足を入浴者用モルタル層15の放射体岩盤16に置くだけで容易に足浴を行うことができる。
(3)加熱された温熱源6からの熱が椅子用モルタル層35を介して椅子用放射体岩盤36に伝導し、椅子用モルタル層35の放射体や放射体岩盤36からは温熱源6の熱に加えて遠赤外線が発生して熱及び遠赤外線の両方が、足裏のみでなく太腿や臀部など入浴者の下半身全体を温めることができ、サウナ効果に優れるとともに温熱源6の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れる。
(4)足浴用椅子31に腰掛ける際に、壁用モルタル層13を背もたれにして腰、背中、肩などが壁用モルタル層13に当たるようにした場合、壁用モルタル層13に含まれる放射体から発生する遠赤外線が、入浴者の上半身にも直接、作用してサウナ効果をより高めることができる。
(5)壁用モルタル層13に表面を露出して放射体岩盤13aや放射体の玉石13bを埋設している場合、さらに遠赤効果を高めることができ、足浴用椅子31に腰掛けた状態で入浴者用モルタル層15に仰臥した状態と同様のサウナ効果を得ることができ、足などが不自由な入浴者でも手軽に利用することができる。
(6)足浴用椅子31に腰掛け、放射体岩盤16によって足裏から入浴者を温めることにより、心臓から最も遠い足裏まで血流をよくすることができ、発汗作用を円滑に促すことができ、サウナ効果を高めることができる。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明のサウナ室は、請求項1に記載の発明によれば、以下のような有利な効果が得られる。
(1)放射体岩盤により温熱源の熱に加えて遠赤外線が発生して熱(赤外線)及び遠赤外線の両方で入浴者を温めるため、サウナ効果に優れるとともに温熱源の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)室内の湿度が高いので、湿気中の水分を介して遠赤外線効果を著しく向上させることができると共に、放射体岩盤の遠赤外線の効果で温熱源の温度を低く設定できるため、低温で入浴することができ高齢者や高血圧等の患者も利用できるサウナ室を提供することができる。
(3)加熱部の加熱を停止しても放射体岩盤の熱伝導率が高く、周囲の空気に対して長時間にわたって熱や遠赤外線を放射するため、保温効果に優れたサウナ室を提供することができる。
(4)入浴者用モルタル層の側部に汚水集水部を形設することで入浴者用モルタル層で発生した水滴や汗などの汚水を速やかに集めることができ、衛生的に優れたサウナ室を提供することができる。
(5)入浴者用モルタル層の側部に汚水集水部を有することで清掃時に清掃用の水を速やかに集めることができ、清掃の作業性に優れたサウナ室を提供することができる。
(6)入浴者用モルタル層中に粉粒子状の放射体を均一に分散させた場合、遠赤外線効果によりサウナ効果を高めることができるサウナ室を提供することができる。
(7)温熱源の加熱温度を低くできるため、リラクゼーション効果が高いサウナ室を提供することができる。
(8)汚水集水部に玉石を敷設、又は埋設して玉石部を形成することにより、玉石部を通過した水が速やかに排水部へと流れるため、排水性が高まり衛生的に優れたサウナ室を提供することができる。
(9)汚水集水部に玉石部が形成されることで、上部からの不要な水を滞留させずに速やかに流下させることができるため、衛生的に優れる。また、敷設した玉石は集めて洗浄できるので衛生性に優れたサウナ室を提供することができる。
(10)汚水集水部に上部を露出して玉石を埋設することで玉石が散らばることが無いため、盗難を防止でき清掃時の作業性に優れたサウナ室を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)床部と入浴者用モルタル層との間に遠赤外線を放射する粉粒子状の放射体を含有する床モルタル層を有するので、保温性が高く省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)加熱された温熱源からの熱が床モルタル層に伝導し、床モルタル層から熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温めるため、サウナ効果に優れるとともに温熱源の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
(3)床モルタル層の遠赤外線の効果で温熱源の温度を低くできるため、低温で入浴することができ、入浴者が火傷等することがなく安全性に優れ、高齢者や高血圧等の患者も利用できる安全性、使用性に優れたサウナ室を提供することができる。
(4)床モルタル層中に粉粒子状の放射体が均一に分散されているので、遠赤外線効果によりサウナ効果を高めることができる効率性に優れたサウナ室を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)防水層により床スラブコンクリート層等の下層から上がってくる水分を遮断できるので保温性に優れるとともに省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)床部に断熱材層を有するので、保温性が高く省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
(3)メッシュ筋の幅に合わせて温熱源を固定するので温熱源の間隔を一定に保つことができるため、温熱源固定時の作業性に優れるとともに床部の加熱斑を防止でき均一に加熱できるサウナ室を提供することができる。
(4)加熱された温熱源からの熱が床モルタル層に伝導し、放射体の玉石部や床モルタル層、入浴者用モルタル層から熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温めるため、サウナ効果に優れるとともに温熱源の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)結露した水滴や入浴者の汗などの不要な水分は汚水集水部から排水部さらに排水溝へと速やかに排水することができるので、サウナ室内が常に衛生的なサウナ室を提供することができる。
(2)入浴者用モルタル層や放射体岩盤を清掃する際に使用した水は汚水集水部から排水部さらに排水溝へと速やかに排水することができるため、清掃時の作業性に優れたサウナ室を提供することができる。
(3)防水層、断熱材層、メッシュ筋の端部を被覆した床モルタル被覆層を有することにより、床モルタル被覆層及び/又は床モルタル層に形成された排水溝に排水された水が床部の防水層乃至メッシュ筋の間に浸入することを防止できる信頼性に優れたサウナ室を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は4に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)床部に遠赤外線反射シート層を有するので発生した遠赤外線を室内側に反射することができるため、効率性に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)断熱材層の下部に遠赤外線反射シート層を配設した場合は、遠赤外線反射作用により遠赤外線効果を高めるのみならず、遮水効果をも兼ねることができるサウナ室を提供することができる。
(3)メッシュ筋の下部に遠赤外線反射シート層を配設した場合は、赤外線をも反射し、省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
(4)断熱材層の上面及び/又は下面に遠赤外線反射シート層を配設することにより、天井部、側壁部、床部における放熱を防止することができ、浴室内の温度調整を容易にでき、四季を通じて略均一な浴室内温度を維持することができる運転の安定性、信頼性に優れたサウナ室を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)傾斜モルタル層を着脱自在とした場合、清掃時に取り外すことができるため、作業性及び衛生的に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)傾斜モルタル層に上部を露出して玉石を埋設することで、汚水集水部を工場で生産してから現場へと輸送することができるため、生産性に優れたサウナ室を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)側壁部及び天井部に断熱材層及び遠赤外線反射シート層を有しているので、省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)サウナ室内の熱が壁用モルタル層に伝導し、壁用モルタル層からは輻射熱に加えて遠赤外線が発生して熱及び遠赤外線の両方が入浴者を温めるため、サウナ効果に優れるとともに浴室内の温度を保つことができるため、省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
(3)側壁部及び天井部に断熱材層及び遠赤外線反射シート層を有し浴室内部の温度を保つことで温熱源の温度を低くできるため、床部が熱くならず、入浴し易く、かつ低温で入浴することができ高齢者や高血圧等の患者も利用できるサウナ室を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項2乃至7の内いずれか1項に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)床モルタル層が排水溝に向けて低く傾斜して形成されているので、洗浄時に洗浄水が排水溝へ自動的に排水される洗浄作業性に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)側壁側に添設された散水管により、室内の湿度が低下したときに散水することにより湿度を高め湿度を高湿側へ調整することができるサウナ室を提供することができる。
(3)散水管により常に高湿状態に保たれるので、礫岩ホルンフェルス(天照石)等の遠赤外線効果を高効率で得ることができ省エネルギー性に優れたサウナ室を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)入浴者用モルタル層の側部に入浴者が腰掛ける足浴用椅子が配設されているので、入浴者が入浴者用モルタル層の放射体岩盤に足を置いた状態で容易に腰掛けることができ、自力で入浴者用モルタル層に仰臥したり、起き上がったりできない入浴者でも、手軽に足浴を行うことができ汎用性に優れ、特に立ち仕事等による足のむくみを短時間で解消することができる効能に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)足浴用椅子に腰掛け、放射体岩盤によって足裏から入浴者を温めることにより、心臓から最も遠い足裏まで血流をよくすることができ、発汗作用を円滑に促すことができるサウナ効果に優れたサウナ室を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)加熱された温熱源からの熱が椅子用モルタル層を介して放射体岩盤に伝導し、椅子用モルタル層の放射体や放射体岩盤からは温熱源の熱に加えて遠赤外線が発生して熱及び遠赤外線の両方が、足裏のみでなく太腿や臀部など入浴者の下半身全体を温めることができ、サウナ効果に優れるとともに温熱源の設定温度を低くすることができ、省エネルギー性に優れる。
請求項11に記載の発明によれば、請求項1乃至10の内いずれか1項に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)珪石は熱放射が良好なため、各モルタル層から効率よく熱を放射することができるサウナ室を提供することができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項1乃至11の内いずれか1項に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)放射体の平均粒径が小さいことから均一に分散できるとともに表面積が大きいので、遠赤外線効果を高めることができる。また、各モルタル層の形成作業が容易になり作業性に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)きめの細かいモルタルを作ることができるため、表面の仕上りが滑らかな各モルタル層を形成することができ衛生性に優れたサウナ室を提供することができる。
請求項13に記載の発明によれば、請求項1乃至12の内いずれか1項に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)60%〜95%の中湿度乃至高湿度に保たれたサウナ室内の湿気の水分に遠赤外線が吸収され加熱されるので、低温で十分なサウナ効果を得ることができる省エネルギー性、効率性に優れたサウナ室を提供することができる。
(2)サウナ室内が中湿度乃至高湿度に保たれていることにより、鼻や喉、気管支等に疾病がある入浴者でも、無理なく入浴することができ汎用性、信頼性に優れ、室内の湿度により症状を緩和させることができる機能性に優れたサウナ室を提供することができる。
本発明は、遠赤外線効果を利用した低温のサウナ室に関し、放射体の遠赤外線効果を利用して低温で入浴でき、衛生的に優れ、転倒や火傷の危険がなく安全性に優れ、遠赤外線効果を利用し省エネルギー性に優れ、建設時や清掃時の作業性に優れる全身浴用や足浴用のサウナ室を提供することができ、民間の温熱療法として好適に用いることができる。
写真 
本特許工法による岩盤浴施設 


本特許は特許出願当時、岩盤浴という言葉が一般化しておらず該当する項目としてサウナ類でしたので、「サウナ室」の名称で出願いたしておりますが、本特許は岩盤浴浴室の構造を明記したものです。
岩盤浴はこの数年で日本中に普及し一般化しましたが、岩盤浴は日本人だけでなく、アジア、北欧系の人々にも感動をもって受け入れられている日本発祥の民間文化です。

本特許の構造よる岩盤浴施設は、排水設備が完備されていることにより、衛生的で安全性が高く、遠赤外線作用による岩盤浴本来の特徴をフルに発揮出来るものです。
本特許の構造を備えた施設は、現在全国に17施設あります。各施設ではお客様ご自身の体質改善、ガン手術後、皮膚系疾患、冷え性、自律神経障害、更年期障害等の疾患改善の為に利用されている方々と美容効果、リラクゼーション効果を楽しむ二通りの方々にご利用して頂いております。それは、本特許の構造よる働きで、人体に及ぼす温熱効果が高いので、温熱療法の有効な手段としての役目をはたす事が出来ているからです。

また、本特許の衛生的な構造により、各17の岩盤浴施設では、営業4年を経過しても、岩盤浴室は臭いも無く、専門機関による細菌検査において、カビ菌、レジオネラ菌等の有害細菌は
検出されず、衛生的であると高く評価されています。これは、本特許の構造の一番の特徴である水、お湯洗いの掃除が出来る構造によるもので、清潔な浴室の維持管理が出来るからです。また遠赤外線による抗菌・抗酸化作用が有効に働くような構造ですので、長年営業しても、浴室は綺麗で清潔さを保ち無臭です。
本来、岩盤浴施設とは、温熱効果が高く、安全で衛生的である事が、絶対必要条件なのです。

しかし残念ながら、現状では、岩盤浴室構造、遠赤外線の働きについての知識もなく、岩盤浴施設が建設されています。日本中に広がった岩盤浴施設が、本特許の構造で建設されていたなら、マスコミに衛生面で取り沙汰される事も無く、岩盤浴効果の素晴らしさが定着していたと思われます。
今後、岩盤浴による温熱療法は認知され、医療機関、公共施設にも導入されていく事になると予測されます。近い将来の医療機関、公共施設などの岩盤浴施設建設は、温熱療法の効果もあり安全で衛生的である事が必要不可欠条件とされる事になると思慮いたします。
岩盤浴の本来の良さを広く世の中に知っていただく為にも本特許の活用に依る岩盤浴施設建設を願うものです。

*今後建設されるサウナ・岩盤浴・溶岩浴施設にて本登録特許に底触するものは、特許の侵害となりますので、ご注意ください。

【ホームページURL】
http://www.ganban-iyashi.com
 
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
【図13】
図13
【図14】
図14
ページtop へ