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土木・建設
 
【考案の名称】丸孔構造及び当該丸孔構造を備えた蝶番
【実用新案権者】
【識別番号】518186115
【氏名又は名称】緑川 倍生
【住所又は居所】北海道上川郡愛別町南町466-4
【代理人】
【識別番号】100073689
【弁理士】
【氏名又は名称】築山 正由
【考案者】
【氏名】緑川 倍生
【住所又は居所】北海道上川郡愛別町南町466-4
【要約】 (修正有)
【目的】丸孔の中心に木ネジや釘などを容易に打ち込むことが可能な丸穴構造と蝶番を提供する。
【構成】固定物10を固定対象物20に木ネジや釘で締結する際に、固定物に設けられる木ネジや釘を打ち込む丸孔であって、丸孔11に樹脂12を埋め込むと共に、樹脂の丸孔の中心位置に該当する部分の表面に凹部13を設ける。また、丸孔を設けた第1取付面部と、挿入口部を有する軸筒部を有する第1羽根体と、丸孔を設けた第2取付面部と、挿入口部を有する軸筒部を有する第2羽根体と、軸筒部の挿入口部に挿通される軸体とを具備する蝶番であって、丸孔に樹脂を埋め込むと共に、樹脂の丸孔の中心位置に該当する部分の表面に凹部を設ける。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
固定物を固定対象物に木ネジや釘で締結する際に、固定物に設けられる木ネジや釘を打ち込む丸孔であって、
当該丸孔に樹脂を埋め込むと共に、当該樹脂の丸孔の中心位置に該当する部分の樹脂表面に凹部を設けたことを特徴とする丸孔構造。
【請求項2】
凹部に代え目印を記載した請求項1に記載の丸孔構造。
【請求項3】
凹部に代え樹脂に貫通孔を形成した請求項1に記載の丸孔構造。
【請求項4】
丸孔を設けた第1取付面部と、挿入口部を有する軸筒部を有する有する第1羽根体と、丸孔を設けた第2取付面部と、挿入口部を有する軸筒部を有する有する第2羽根体と、軸筒部の挿入口部に挿通される軸体とを具備する蝶番であって、
当該丸孔に樹脂を埋め込むと共に、当該樹脂の丸孔の中心位置に該当する部分の樹脂表面に凹部を設けたことを特徴とする蝶番。
【請求項5】
凹部に代え目印を記載した請求項4に記載の蝶番。
【請求項6】
凹部に代え樹脂に貫通孔を形成した請求項4に記載の蝶番。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は主として別個の部材の締結に用いられる木ネジや釘などを打ち付ける際に用いられる丸穴の構造、及び当該丸穴構造を備えた蝶番に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、3次元測定機を用いてネジ穴の中心位置の座標を正確に測定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−198238号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
一、 例えば図10に示すように、部材Dに設けた丸孔2に木ネジ1を打ち込み、部材Dと部材Eとを締結する場合、丸孔2の中心に木ネジ1の先端を合わせたうえで打ち込まないと、部材Dがずれてしまう恐れがある。ここに中心とは丸孔2の外周を形成する円の中心をいう。
【0005】
そこで本考案は、丸孔の中心に木ネジや釘などを容易に打ち込むことが可能な、丸穴構造を提供することを目的とする。
【0006】
二、 図11は一般的な蝶番を示すものである。蝶番3は平板状であり複数の丸孔6・・を有する第一羽根体4と、同じく平板状であり複数の丸孔6・・を有する第二羽根体5を主な構成要素とする。なお、図中Uは上方向、Dは下方向、Lは左方向、Rは右方向を示すものである。
【0007】
第一羽根体4は、右側上下方向側辺に筒状の複数の軸筒部4a・・を有する。第二羽根体5は、左側上下方向側辺に筒状の複数の軸筒部5a・・を有する。
【0008】
軸筒部4aと5aは交互に嵌まり込むと共に、嵌まり込んだ状態では内部の空洞が上下方向に一直線に成るよう形成されており、この空洞に軸体7を挿通することで、第一羽根体4と第二羽根体5は軸体7を中心にそれぞれ互いに回動可能となる。
【0009】
上記のように構成される蝶番は、一方羽根体を壁に取付け、他方羽根体を扉に取付け、壁に対して扉を開閉自在にするといった使用方法がとられることが多い。この際、丸孔6に木ネジの一種である皿ネジを打ち込んで壁や扉に蝶番3を固定するのであるが、丸孔6の中心に皿ネジの先端を合わせたうえで打ち込まないと、扉が傾きうまく閉まらなといった事態が生じる。ここに中心とは丸孔6の外周を形成する円の中心をいう。
【0010】
そこで本考案は、丸孔の中心に木ネジや釘などを容易に打ち込むことが可能な、蝶番を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本考案の構成は、以下の通りである。
【0012】
(1) 請求項1に記載の考案は、固定物を固定対象物に木ネジや釘で締結する際に、固定物に設けられる木ネジや釘を打ち込む丸孔であって当該丸孔に樹脂を埋め込むと共に、当該樹脂の丸孔の中心位置に該当する部分の樹脂表面に凹部を設けて構成した。
【0013】
(2) 請求項2に記載の考案は、請求項1記載の丸孔構造において、凹部に代え目印を記載して構成した。
【0014】
(3) 請求項3に記載の考案は、請求項1記載の丸孔構造において、凹部に代え樹脂に貫通孔を形成して構成した。
【0015】
(4) 請求項4に記載の考案は、丸孔を設けた第1取付面部と、挿入口部を有する軸筒部を有する第1羽根体と、丸孔を設けた第2取付面部と、挿入口部を有する軸筒部を有する第2羽根体と、軸筒部の挿入口部に挿通される軸体とを具備する蝶番であって、当該丸孔に樹脂を埋め込むと共に、当該樹脂の丸孔の中心位置に該当する部分の樹脂表面に凹部を設けて構成した。
【0016】
(5) 請求項5に記載の考案は、請求項4記載の蝶番において、凹部に代え目印を記載して構成した。
【0017】
(6) 請求項6に記載の考案は、請求項4記載の丸孔構造において、凹部に代え樹脂に貫通孔を形成して構成した。
【考案の効果】
【0018】
上記のように構成される本考案が、如何に作用して課題を解決するかを図面を参照しながら概説する。
【0019】
図1は請求項1記載の考案を示すものである。固定物10に設けられた丸孔11には樹脂12が埋め込まれており、当該樹脂12には、丸孔11の中心位置に当たる部分の表面に凹部13が設けてある。図2に示すように、この凹部13に木ネジ1の先端1aを合わせて打ち込めば、容易に丸孔11の中心に木ネジや釘などを打ち込むことが可能となるのである。それゆえ、作業が正確かつスピーデイに進み家具・建具・建築等の現場ではコストダウンと工期短縮につながることにもなる。
【0020】
請求項2に記載の考案では、図3に示すように凹部13に代え、目印14が丸孔の中心位置に該当する部分の表面に記載してある。この目印14に木ネジ1の先端1aを合わせて打ち込めば、容易に丸孔の中心に木ネジや釘などを打ち込むことが可能となるのである。それゆえ、作業が正確かつスピーデイに進み家具・建具・建築等の現場ではコストダウンと工期短縮につながることにもなる。
【0021】
請求項3に記載の考案では、図4に示すように凹部13に代え、貫通孔15が丸孔の中心位置に該当する部分に設けてある。この貫通孔15に木ネジ1の先端1aを合わせて打ち込めば、容易に丸孔の中心に木ネジや釘などを打ち込むことが可能となるのである。それゆえ、作業が正確かつスピーデイに進み家具・建具・建築等の現場ではコストダウンと工期短縮につながることにもなる。更には樹脂がネジを保持する効果があり、ネジが緩むことを抑制することも可能である。
【0022】
図5は請求項4に記載の蝶番30を示すものである。蝶番30に設けられた丸孔31には樹脂32が埋め込まれており、当該樹脂32には、丸孔31の中心位置に当たる部分の表面に凹部33が設けてある。図6に示すように、この凹部33に木ネジ1の先端1aを合わせて打ち込めば、容易に丸孔31の中心に木ネジや釘などを打ち込むことが可能となるのである。それゆえ、作業が正確かつスピーデイに進むという効果、及び樹脂がネジを保持することでネジが緩むことを抑制するという効果も有するものである。なお、図5及び図8におけるUは上方向、Dは下方向、Lは左方向、Rは右方向を示すものである。
【0023】
請求項5に記載の考案では、図8に示すように凹部33に代え、目印34が丸孔の中心位置に該当する部分の表面に記載してある。この目印14に木ネジ1の先端1aを合わせて打ち込めば、容易に丸孔31の中心に木ネジや釘などを打ち込むことが可能となるのである。それゆえ、作業が正確かつスピーデイに進むという効果、及び樹脂がネジを保持することでネジが緩むことを抑制するという効果も有するものである。
【0024】
請求項6に記載の考案では、図9に示すように凹部33に代え、貫通孔38が丸孔の中心位置に該当する部分に設けてある。この貫通孔38に木ネジの一種である皿ネジ1の先端1aを合わせて打ち込めば、容易に丸孔の中心に皿ネジを打ち込むことが可能となるのである。それゆえ、作業が正確かつスピーデイに進み家具・建具・建築等の現場ではコストダウンと工期短縮につながることにもなる。更には樹脂がネジを保持する効果があり、ネジが緩むことを抑制することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】請求項1記載の考案の正面図
【図2】木ネジを付加して作図したA−A線断面図
【図3】請求項2記載の考案の正面図
【図4】請求項3記載の考案の説明断面図
【図5】請求項4記載の考案の正面図
【図6】木ネジを付加して作図したB−B線断面図
【図7】C−C線断面図
【図8】請求項5記載の考案の正面図
【図9】請求項6記載の考案の説明断面図
【図10】従来例を示す説明断面図
【図11】一般的な蝶番を示す正面図
【考案を実施するための形態】
【0026】
以下、好ましい本考案の構成要素の実施形態につき、図面を参照しながら概説する。なお、本考案構成要素の実施形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本考案の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採りうる。
【0027】
請求項1記載の考案は図1に示すように、固定物10を固定対象物20に木ネジや釘で締結する際に、固定物10に設けられる木ネジや釘を打ち込む対象の丸孔11である。この丸孔11は図2に示すように固定物10を貫通する孔部であり、樹脂12が埋め込まれている。
【0028】
樹脂12としては天然ゴムなどの天然樹脂、あるいは合成樹脂が用いられる。
【0029】
合成樹脂は熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でも構わない。
【0030】
熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミドなどを利用可能である。
【0031】
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂などを利用可能である。
【0032】
当該樹脂12には、丸孔11の中心位置に当たる部分の樹脂表面に凹部13が設けてある。凹部13は正面視円形の凹状空間であり、木ネジや釘の先端部分を当てた際に、該先端部分がずれない程度の大きさ及び深さを有するものである。
【0033】
請求項2に記載の考案では、図3に示すように凹部13に代え、目印14が丸孔11の中心位置に該当する部分の樹脂の表面に記載してある。図中目印14は点であるが、木ネジ等の先端を当てるのに好適なものであれば任意の印を利用可能である。例えば、目印14としてバツ印や十字模様等を利用可能である。なお、目印14の形成方法は、インクを塗布するといった方法が使用可能である。
【0034】
請求項3に記載の考案では、図4に示すように凹部13に代え、貫通孔15が丸孔11の中心位置に該当する部分の樹脂12に設けてある。
【0035】
請求項4記載の蝶番30は図5乃至図7に示すように平板状であり複数の丸孔31・・を有する第一羽根体35と、同じく平板状であり複数の丸孔31・・を有する第二羽根体36を主な構成要素とする。
【0036】
第一羽根体35は、右側上下方向側辺に筒状の複数の軸筒部35a・・を有する。第二羽根体36は、左側上下方向側辺に筒状の複数の軸筒部36a・・を有する。
【0037】
軸筒部35aと36aは交互に嵌まり込むと共に、嵌まり込んだ状態では内部の空洞が上下方向に一直線に成るよう形成されており、この空洞に軸体37を挿通することで、第一羽根体35と第二羽根体36は軸体37を中心にそれぞれ互いに回動可能となる。
【0038】
丸孔31は図6に示すように第一羽根体35、第二羽根体36を貫通する孔部であり、樹脂32が埋め込まれている。
【0039】
樹脂32としては天然ゴムなどの天然樹脂、あるいは合成樹脂が用いられる。
【0040】
合成樹脂は熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でも構わない。
【0041】
熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミドなどを利用可能である。
【0042】
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂などを利用可能である。
【0043】
当該樹脂32には、丸孔31の中心位置に当たる樹脂部分の表面に凹部33が設けてある。凹部33は正面視円形の凹状空間であり、木ネジや釘の先端部分を当てた際に、該先端部分がずれない程度の大きさ及び深さを有するものである。
【0044】
請求項5に記載の考案では、図8に示すように凹部33に代え、目印34が丸孔31の中心位置に該当する部分の樹脂32の表面に記載してある。図中目印34は点であるが、木ネジ等の先端を当てるのに好適なものであれば任意の印を利用可能である。例えば、目印34としてバツ印や十字模様等を利用可能である。なお、目印34の形成方法は、インクを塗布するといった方法が使用可能である。
【0045】
請求項6に記載の考案では、図9に示すように凹部33に代え、貫通孔38が丸孔31の中心位置に該当する部分の樹脂32に設けてある。
【符号の説明】
【0046】
10・・固定物
11・・丸孔
12・・樹脂
13・・凹部
14・・目印
15・・貫通孔
20・・固定対象物
30・・蝶番
31・・丸孔
32・・樹脂
33・・凹部
34・・目印
38・・貫通孔
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
ブルズアイ・ネジ穴

モクねじとネジ穴の関係は、モクねじが開発されてから約500年間の間に
多様な型に発展してきました。
しかし、モクねじがネジ穴の中心を捉えることは意外と難しい事です。特に皿ネジ・皿孔の場合は中心を外すと金具本体がずれるなどの支障が出てきます。
そこで、
ねじ孔の中心に印をつけ中心を捉えやすい方法を作成してみました。
僅かなコストで付加価値と他社との差別化を図ります。

構造は簡単です。
ねじ孔の裏側にテープを貼り、孔の中心に印をつける。
写真1  写真2 
蝶番のネジ穴に限らずあらゆるブラケットのネジ穴に有効な
ブルズアイ加工です。

〒078−1403
北海道上川郡愛別町字南町466−4
TEL 080−3236−1864
Mail m.green@potato.ne.jp
緑川 倍生  
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