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飲食・調理
 
【発明の名称】花型蒲鉾の製造方法
【出願人】
【識別番号】500242937
【氏名又は名称】善養寺 幸子
【住所又は居所】東京都足立区島根2丁目27番地3号
【発明者】
【氏名】善養寺 幸子
【住所又は居所】東京都足立区島根2丁目27番地3号
【要約】 (修正有)
【課題】若い世代の人達に受け入れられる造形美や味によってイメージを一新させ、新たな需要を喚起するための蒲鉾の製造方法を提供する。
【解決手段】加工する台座を回転させることができる製菓用加工器具のフラワーネイル1の上に、丸型の絞り口金を用いて魚肉の生すり身を円形に絞り出し、花型蒲鉾の底盤となる部分を作り、その上に球状の加工済みの食材を装着し、その加工食材の周囲を逆バラ口の絞り口金を用いて生すり身を一巻きし、底盤の生すり身と一体化させ、加工食材を包んだ状態の花型蒲鉾の芯を作り、その芯の周囲にバラ口金等の花絞り用の絞り口金7を用いて、フラワーネイル1を回転させ、芯の周囲に生すり身を花弁状8に絞り出して、花型の蒲鉾を造形し、それをスチームで2分程度の短時間の加熱を行い、すり身を固化させて形状を安定化し、その後、再加熱して所定の殺菌処理を行う、花型蒲鉾の製造方法である。
【選択図】図5
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工する台座を回転させることができる製菓用加工器具のフラワーネイル(1)の上に、丸型の絞り口金(2)を用いて魚肉の生すり身を円形に絞り出し、花型蒲鉾の底盤となる部分(3)を作り、その上に球状の加工済みの食材(4)を装着し、その加工食材(4)の周囲を逆バラ口の絞り口金(5)を用いて生すり身を一巻きし、底盤の生すり身と一体化させ、加工食材(4)を包んだ状態の花型蒲鉾の芯(6)を作ることを特徴とする花型蒲鉾の製造方法。
【請求項2】
前記の花型蒲鉾の芯(6)の周囲にバラ口金等の花絞り用の絞り口金(7)を用いて、フラワーネイル(1)を回転させ、芯(6)の周囲に生すり身を花弁状(8)に絞り出して、花型の蒲鉾(10)を造形することを特徴とする請求項1記載の花型蒲鉾の製造方法。
【請求項3】
前記、造形した花型の蒲鉾(8)をスチームで2分程度の短時間の加熱を行い、すり身を固化させて形状を安定化し、その後、再加熱して所定の殺菌処理を行うことを特徴とする請求項1記載の花型蒲鉾の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日本の伝統的食品の蒲鉾の製造に、洋菓子製造の道具を用いて、魚肉の生すり身を絞り出す方式で蒲鉾の製造を行い、加工食品をすり身で包む方法で味のバリエーションを作り出し、立体造形のリアルな花型の蒲鉾を製造する花型蒲鉾の製造方法。
【背景技術】
【0002】
これまでの蒲鉾の製造方法においては、花蒲鉾や飾り蒲鉾と言われる創作蒲鉾でも色を付けたすり身を重ね、金太郎飴方式で一般的な板蒲鉾の中に花などの図案を描く製造方法や、型を用いて棒状の蒲鉾の輪郭を花形にする製造方法が主で、洋菓子の口金を用いたものでもチョコレートペン同様の使用方法で、基材となる蒲鉾の上に花や鯛、海老などの絵を描くだけの製造方法である。
本発明は、西洋菓子の製造技術を応用したものであるが、蒲鉾の製造としてこれまでにない花型蒲鉾の製造方法として技術検証し、創作した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記述した花蒲鉾や飾り蒲鉾は、昔から日本料理の彩りやお祝い事の縁起物として引出物などに用いられてきた。歴史あるものではあるが、伝統的な風習が世代交代とともに廃る中、酒の肴として「おつまみ」に用いられてきた蒲鉾は、若者からはオジサンの食べ物とされて需要は落ちている。
【0005】
伝統的製法による形状や食感、味から来る若者の蒲鉾のマイナスイメージを変えて蒲鉾需要拡大に繋げるには、これまでの蒲鉾にはない現在の人達に受け入れられる造形美や味によってイメージを一新させ、新たな蒲鉾需要を喚起する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記述した課題を解決するために、請求項1に記載した加工する台座を回転させることができる製菓用加工器具のフラワーネイル(1)の上に、丸型の絞り口金(2)を用いて魚肉の生すり身を円形に絞り出し、花型蒲鉾の底盤となる部分(3)を作り、その上に球状の加工済みの食材(4)を装着し、その加工食材(4)の周囲を逆バラ口の絞り口金(5)を用いて生すり身を一巻きし、底盤の生すり身と一体化させ、加工食材(4)を包んだ状態の花型蒲鉾の芯(6)を作る。
【0006】
これにより、うずら卵の水煮や肉団子など蒲鉾と合わせて食する加工食材(4)を蒲鉾の中に入れることで、蒲鉾にプラスαの味のバリエーションを作ることができる。
【0007】
次に、請求項2に記載した前記の花型蒲鉾の芯(6)の周囲にバラ口金等の花絞り用の絞り口金(7)を用いて、フラワーネイル(1)を回転させ、芯(6)の周囲に生すり身を花弁状(8)に絞り出して、花型の蒲鉾(10)を造形する。
【0008】
これによって、洋菓子や和菓子の分野では好評な花の形状を蒲鉾においても立体造形のリアルな花型(10)を製造することができ、これまでにない蒲鉾の形状から、若者を含む消費者の蒲鉾に対するイメージを変えることに繋がる。
【0009】
最終工程として、請求項3に記載した前記の造形した花型の蒲鉾(10)をスチームコンベクター又は蒸し器に入れ、スチームで2分程度の短時間の加熱を行い、すり身を固化させて形状を安定化し、その後、再加熱して所定の殺菌処理を行う。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した本発明の製造方法によって、すり身で加工食材を容易に包むことができるため、これによって中の加工食材(4)を変えることで、多様な味のバリエーションを作ることができ、これまで酒の肴のおつまみとして位置付けだった蒲鉾がメインのおかず(主菜)として格上げできる。
【0011】
前記述の加工食材を包んだ芯(6)によって、生すり身の段階の蒲鉾の立体形状が安定するため、請求項2に記載した本発明の製造方法において絞り口金(7)を変更すれば、花弁の形状(8)を変化させ、多様な花の造形が作れる。
【0012】
本発明によって、季節によって花の形状を変えたり、地域の特産品や旬の食材を包んだ蒲鉾など商品バリエーションを展開することができ、消費者の購買意欲を常に喚起する工夫ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】底盤となる生すり身を絞った状態を示す。
【図2】底盤となる生すり身の上に加工食材を乗せた状態を示す。
【図3】加工食材を置き、外周を生すり身で包む製造工程を示す。
【図4】花形蒲鉾の芯ができた状態を示す。
【図5】芯の周りに花弁を絞る製造工程を示す。
【図6】花弁を絞り終えた状態を示す。
【図7】花形蒲鉾の完成斜視図。
【図8】花形蒲鉾の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
工程1 蒲鉾の底盤を作る
洋菓子の製造に用いられる回転加工させるフラワーネイルやプリンカップの底などに、丸型絞り口金(2)を使って、生すり身を円形に、少し盛り上がった状態(3)に絞る。ここでは、天板が着脱する専用のフラワーネイル(1)(以後、ネイルと呼ぶ)を用いる。
【0015】
工程2 加工食材を生すり身で包む
ネイル(1)の上に絞った円形の生すり身(3)の中心に加工した球状の食材(4)(例:うずら卵の水煮)をめり込ませる様に置き、底盤が食材の周囲にはみ出るようにし、食材の周りを芯巻き用逆バラ口金(5)を用いて生すり身を一巻きし、底盤と一体にして食材を包む。
【0016】
工程3 花弁を絞る
芯の部材(6)ができたら、芯の上部から花絞り口金(7)を用いて、花弁(8)を1枚づつ半分重なるように絞り、1周終えたら、その下側に同様に花弁(8)を絞るのを繰り返し、リアルな花の造形(10)に仕上げる。
【0017】
工程4 葉を絞る
葉用口金を用いて、花の周りに葉(9)を絞る。
【0018】
工程5 蒸し加熱し、形状を安定させる
造形が完成したら、ネイル(1)から花形蒲鉾を外す。着脱式台座付きフラワーネイルを使用することで造形した花型蒲鉾を天板ごと外し、そのまま予熱したスチームコンベクター又は蒸し器で蒸し加工する。70℃程度の低温で2分程度加熱し、すり身が硬化した段階で取り出して形状を安定させ、再加熱して蒲鉾の規定殺菌処理を行う。
【符号の説明】
【0019】
1 着脱式台座付きフラワーネイル
2 丸型口金
3 底盤となるすり身
4 加工食材
5 逆バラ口金
6 加工食材を包んだ花型蒲鉾の芯
7 バラ口金
8 花弁のすり身
9 葉のすり身
10 造形した花型蒲鉾
試作品写真 
メッセージ 

■日本の伝統食「蒲鉾」の需要を広げる「映える花型蒲鉾」製法

日本の伝統食を守る観点から、蒲鉾に焦点をあて、需要を喚起するためにインスタ映えするお洒落な創作蒲鉾「花型蒲鉾」の製造方法を考案しました。
蒲鉾は酒の肴の“オジサンの食べ物”として、若者離れが進んでいるといわれますが、お正月の御節料理には欠かせないアイテムです。普段は食べる機会がなくても、慣れ親しんだ伝統食ですから若い人の中にも隠れ蒲鉾ファンはいます。見た目が可愛ければ、若い女性も購入しやすく、写真映えすることでSNSの拡散も期待できます。
製法は、洋菓子のクリームの薔薇絞りの要領で具材を中心に白身魚のすり身で花弁を絞り、花形状に包んだものです。具材を芯にすることで、すり身のみで絞る場合に必要となる高度な職人技術がなくても、立体的な花の形状を容易に作ることが可能です。
このようなリアルな花の形状をした蒲鉾は存在しておりません。目立つこと間違いなし。
具入りの花型蒲鉾は、温めてメインのおかずとして蒲鉾の新たな需要を広げると考えます。
この花型蒲鉾を製造するための道具も考案し、商品化しています。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
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