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| 【考案の名称】コーヒードリップポットの注ぎ口構造 【実用新案権者】 【識別番号】525333452 【氏名又は名称】武田 和宏 【住所又は居所】山形県天童市交り江5丁目1番35号 【代理人】 【識別番号】100084102 【弁理士】 【氏名又は名称】近藤 彰 【考案者】 【氏名】武田 和宏 【住所又は居所】山形県天童市交り江5丁目1番35号 【要約】 (修正有) 【課題】ハンドトリップの特にネルドリップに適応するポット注ぎ口構造を提供する。 【解決手段】容器本体の相対向する箇所に持ち手と細管で鶴首状に形成された注ぎ部を設けたコーヒーポットにおける注ぎ口構造で、コーヒーポットの注ぎ部に装着して使用する筒体2とした。筒体は、基方を装着部21とし先方を注ぎ口部22として、注ぎ口部の下面部に先端よりV状の切欠部23を形成した。ポットをゆっくりと傾けて注ぎ口から放水(湯)した際、特にお湯が注ぎ口のV状切欠部に至ると、切欠部に表面張力で一旦溜まり、その後水滴(湯)となって、直下に滴下する。 【選択図】図1 ![]() 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 容器本体の相対向する箇所に、持ち手と細管で鶴首状に形成された注ぎ部とを設けたコーヒーポットにおける注ぎ口構造であって、管先端の下面部に先端よりV状の切欠部を形成したコーヒードリップポットの注ぎ口構造。 【請求項2】 V状切欠部の切り込み角度が75〜90度である請求項1記載のコーヒードリップポットの注ぎ口構造。 【請求項3】 ポットの注ぎ部先端に装着する内径5.5〜7.5mmの樹脂製筒体で注ぎ口を形成したものであって、先方断面形状を縦長楕円形とし、先端面の下方半分を斜めに切除して切欠部を形成した請求項2記載のコーヒードリップポットの注ぎ口構造。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、ドリップコーヒーを調製するドリップポットの注ぎ口構造に関するものである。 【背景技術】 【0002】 コーヒーの淹れ方は種々知られているが、フィルター内にコーヒー粉末を入れ、その上からお湯を注ぎ入れてコーヒー液を抽出する手段は、所謂ハンドドリップと称される最も一般的なコーヒー液抽出手段である。前記のハンドドリップに使用するコーヒーポットとしては、容器本体の相対向する箇所に持ち手と注ぎ部を備えており、特に注ぎ部は、容器本体の底方から突出し、上方部分に注ぎ口を設けた鶴首形状のものが知られている(特許文献1)。 【0003】 特に特許文献1に示されている単なる鶴首形状の注ぎ口の先部は、概ね水平からやや下向き形状或いはやや上向き形状に形成されており、お湯をドリッパー(漏斗状専用容器や網状のフィルター保持体で、内部にフィルターとコーヒー粉末を収納)に注ぎ入れると、お湯は注ぎ口から前方へ放物線を描いて落下放出される。特にコーヒー液抽出時はコーヒー粉末に対して「の」の字を描くように、全体にお湯が浸透し、且つコーヒー粉末が撹拌されないように静かに注ぎ入れるのが理想であるが、お湯が放物線を描くように放出され、且つポット内のお湯が少なくなるに従ってポットを傾けるので、お湯の放出方向がずれてくるので、非常に熟練した丁寧なポット操作が必要になる。 【0004】 この対策として特許文献2に開示されているように、所定の管径と湾曲角度と先端の切り落とし形状とを特定して、常に注ぎ口の直下にお湯が落下するようにした注ぎ口構造が提案されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】 意匠登録1584991号公報 。 【特許文献2】 登録実用新案3243391号公報 。 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0006】 ところでハンドドリップにおいて、紙フィルターを使用するペーパードリップの他、布フィルターを使用するネルドリップが知られている。ネルドリップは、お湯の注ぎ方によってはコーヒーオイルまで抽出でき、風味の点で優れたコーヒー飲料を調製できる利点がある。しかしコーヒー粉末への注湯に際して、コーヒー粉末をまんべんなく蒸らし、且つコーヒー粉末を撹拌させることがないようにする必要があり、従前のドリップポットにおいては、撹拌が生じやすく、コーヒー抽出には熟練を要し、このことがネルドリップコーヒーの一般的な普及の阻害要因となっている。 【0007】 ネルドリップの注湯において、特に点滴で行うと、お湯をコーヒー粉末表面に置いて行くような注湯が可能となり、注湯時のコーヒー粉末の撹拌が生じ難くい。しかし、従前のコーヒーポットにおいては、仮に特許文献2に開示されている注ぎ口構造を採用してノズル直下(注ぎ口直下)に落下させることで、所望位置に注湯ができたとしても、点滴状に滴下させようとする場合には、注ぎ口からのお湯は、その表面張力で注ぎ口の裏面(下側表面)に付着した状態となってから滴下することになる。その結果、滴下位置がずれたり、滴下量が変化したりする。このためポットの傾け操作に微妙な調整が必要となり、コーヒー粉末上の所望位置に所望量のお湯を滴下することは容易ではなく、コーヒー抽出作業にはやはり熟練を要することになる。 【0008】 そこで本考案は、点滴注湯を容易に行うことができる新規なドリップポットの注ぎ口構造を提案したものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本考案の請求項1記載に係るコーヒードリップポットの注ぎ口構造は、容器本体の相対向する箇所に、持ち手と細管で鶴首状に形成された注ぎ部を設けたコーヒーポットにおける注ぎ口構造であって、管先端の下面部に先端よりV状の切欠部を形成したことを特徴とするものである。 【0010】 而して前記の注ぎ口を備えることによって、ポットをゆっくりと傾けて、注ぎ口から放水(湯)した際、特にお湯が注ぎ口のV状切欠部に至ると、当該切欠部に表面張力で一旦溜まり、その後水滴(湯)となって、直下に滴下することになる。 【0011】 従って、ネルドリップに際してコーヒー粉末の表面に近づけて点滴注湯を容易に行うことができ、注ぎ口から滴下位置もV状切欠部の直下となり一定であり、熟練を要せず、ネルドリップコーヒーの抽出を行うことができる。 【0012】 また本考案の請求項2記載に係るコーヒードリップポットの注ぎ口構造は、V状切欠部の切り込み角度を75〜90度としたものであり、当該角度の切欠部は注ぎ口においてお湯が水滴状に溜まりやすく、水滴の間欠的な落下(点滴注湯)が容易に実現することができる。 【0013】 また本考案の請求項3記載に係るコーヒードリップポットの注ぎ口構造は、特にポットの注ぎ部先端に装着する内径5.5〜7.5mmの樹脂製筒体で実現したものであって、先方断面形状を縦長楕円形とし、先端面の下方半分を斜めに切除して切欠部を形成したもので、既存のコーヒーポットの注ぎ口先端に装着することで、ネルドリップ用とすることができる。更に注ぎ部が短いポットにおいては注ぎ部の延長となり、注ぎ口をコーヒー粉末表面の広い範囲に渡って近づけ易くなる。 【考案の効果】 【0014】 本考案の構成は上記の通りで、簡単な注ぎ口構造を採用ことで、容易に注ぎ口の直下に点滴状にお湯を滴下させることができ、熟練を要するネルドリップコーヒーの抽出を容易にしたものである。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】本考案の実施形態を示し(イ)は正面図、(ロ)は底面図、(ハ)はa−a線切断端面図、(ニ)はb−b線切断端面図。 【図2】同使用状態(コーヒー粉末表面の状態)を示し(イ)は注湯開始時、(ロ)は全体への当初の注湯時、(ハ)は全体への注湯時、(ニ)は注湯終了時を示す。 【考案を実施するための形態】 【0016】 次に本考案の実施形態について説明する。本考案のコーヒードリップポットの注ぎ口構造は、容器本体の相対向する箇所に持ち手と細管で鶴首状に形成された注ぎ部を設けたコーヒーポットにおいて、注ぎ部の先端に直接形成しても良いが、本実施形態では、既存のコーヒーポットの注ぎ部1に装着して使用する独立部材(筒体)2としたものを示した。 【0017】 筒体2は、基方を装着部21とし先方を注ぎ口部22としたもので、装着部21が内径7mm(5.5〜7.5mm)の円筒状で注ぎ部1に外挿して装着するものである。 【0018】 注ぎ口部22は、幅6mm(5〜6.5mm)の縦長の楕円断面形状に形成し、先端の下方半分を基方に向かって約45度斜めに切除して切欠部23を形成すると共に、注ぎ口部22を装着部21に対してやや下方に傾斜(15度程度)させてある。また前記切欠部23は、切り込み角度θが75〜90度に形成したものである。 【0019】 次に前記筒体2をポットの注ぎ部1に装着して、ネルドリップのコーヒー調製(コーヒー抽出)について説明する。 【0020】 湯を満たしたポットをゆっくりと傾けると注ぎ部1を通って注ぎ口部22に至り、切欠部23から流下することになるが、傾きの程度を調整することで、切欠部23においてお湯がその表面張力で滴状になり、点滴となって切欠部23の直下に滴下することになる。また傾きの度合いを僅かに大きくすると、滴状とならず細い水流となって直下に流下することになる。 【0021】 従って注ぎ口部22からの注湯は、傾き度合いによって切欠部23の直下への点滴若しくは細い水流で行われる。尚、大きく傾ければ、切欠部23の有無に関りがなく切欠部23より前方へ放流される。 【0022】 前記の筒体2を使用したネルドリップコーヒーの抽出は、最初に図2(イ)に示すように布フィルターA内のコーヒー粉末Bの中央に窪みを設けて、同窪み箇所に点滴を行って、コーヒー粉末Bの移動抑止を行う。この際に注ぎ口部22の先端(切欠部23)を窪みの直上に近接してポットを傾けると、窪み箇所に点滴で注湯することは容易に行うことができる。 【0023】 次に前記窪みの周囲を「の」の字を描くように回りながら点滴で注湯してコーヒー粉末Bにお湯を染み渡らせてコーヒー粉末を蒸し(図2ロ)、その後滴が連続するように注湯し、コーヒー粉末の蒸らし状態に応じて細い水流で注湯する。この注湯は、コーヒー粉末が動かないように撹拌を抑えながら注湯(図2ハ)する。蒸されたコーヒー粉末B1は膨張状態となり、注湯によってコーヒー成分の抽出が終了すると注湯を停止し(図2ニ)、抽出液の落下排出をもってコーヒー飲料の調製を終了する。 【0024】 以上のとおり、本考案の注ぎ口構造を採用することで、ネルドリップコーヒー抽出(調製)において、注湯作業を行う際に、コーヒー粉末の所望位置の直上に注ぎ口部22の先端(切欠部23)を位置させて、点滴注湯あるいは細流注湯を行うことによって、コーヒー粉末の撹拌を生じさせることなく所望のコーヒー抽出を、容易に行えるようしたものである。 【符号の説明】 【0025】 1 注ぎ部 2 筒体 21 装着部 22 注ぎ口部 23 切欠部 |
【図1】![]() |
【図2】![]() |
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