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【発明の名称】愛玩動物用排泄物処理具
【特許権者】
【識別番号】512101062
【氏名又は名称】児玉 健二
【住所又は居所】東京都練馬区大泉町3−33−27
【代理人】
【識別番号】100085235
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 兼行
【発明者】
【氏名】児玉 健二
【住所又は居所】東京都練馬区大泉町3−33−27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの開口部が同じ面にある状態で一方が他方に収容された開放状態と、柔軟性のあるシート状の袋を挟んだ状態でそれぞれの開口部同士が突き合わされて全体として一つの閉じた中空のカップを構成する閉鎖状態のいずれかで使用される、互いに径が異なる非透明の第1及び第2の中空半カップ体と、
前記第1の中空半カップ体に端部が固定された中空の第1のシャフト部と、前記第1のシャフト部内を回動自在に貫通して前記第2の中空半カップ体に端部が固定され、かつ、前記第1のシャフト部とは独立して回動する第2のシャフト部とからなる二重シャフトと、
前記第1及び第2の中空半カップ体と前記二重シャフトとを支持するレバー状の把持部と、
前記把持部を所定値以上の握力で握ることで前記第1及び第2のシャフト部を互いに逆方向に回動させ、前記第1及び第2の中空半カップ体を前記閉鎖状態とする駆動部と、
前記把持部の握りを緩めることで前記第1及び第2のシャフト部を互いに逆方向に、かつ、前記閉鎖状態とは逆方向に回動させ、前記第1及び第2の中空半カップ体を前記開放状態に自動復帰させるバネ部材と、
を備え、前記第1及び第2の中空半カップ体、前記二重シャフト及び前記駆動部は、それぞれ強化プラスチック、スチール、ステンレススチール又はそれらの複合部材から構成されており、前記袋上に落下させた愛玩動物の排泄物を、前記閉鎖状態とした前記第1及び第2の中空半カップ体で構成される前記中空のカップの内部に回収することを特徴とする愛玩動物用排泄物処理具。
【請求項2】
前記把持部は、共通の軸を支点として互いに近付く方向又は遠ざかる方向に移動する前記第1及び第2のレバー状把持部品からなり、
前記駆動部は、
前記第1及び第2のレバー状把持部品の一方にそれぞれ前記第1及び第2のレバー状把持部品の移動方向に沿って所定のピッチでほぼ平行に複数の穴が2列に穿設された駆動部分と、
前記駆動部分に前記2列に穿設された前記複数の穴のうち、一方の列の複数の穴にのみ噛合し、かつ、その中心部が前記第1のシャフト部の前記第1の中空半カップ体に固定された端部とは反対側の端部に固定された第1の歯車と、
前記駆動部分に前記2列に穿設された前記複数の穴のうち、他方の列の複数の穴にのみ噛合するように前記第1の歯車とは直径が異なっており、かつ、その中心部が前記第2のシャフト部の前記第2の中空半カップ体に固定された端部とは反対側の端部に固定された第2の歯車と
からなり、前記駆動部分の移動に従い、前記第1及び第2の歯車を互いに逆方向に回動させることを特徴とする請求項1記載の愛玩動物用排泄物処理具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は愛玩動物用排泄物処理具に係り、特に犬等の愛玩動物の排泄物を地上落下前に回収して処理する愛玩動物用排泄物処理具に関する。
【背景技術】
【0002】
飼い主が飼い犬を屋外にて散歩させる際、その飼い犬が排便・排尿する排泄物(特に糞)が道路上に飛散して汚すことがないようにすることは、環境保護、衛生面などの点から重要である。そこで、この点から犬等の愛玩動物の排泄物を排泄時に回収して処理する愛玩動物用排泄物処理具が、従来より種々提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
特許文献1には、地面に接する左右輪部を有する四角状受枠の内側空所にビニール等の柔軟性袋を装填し、その袋内に排泄物を収納する構成の汚物収納器具が開示されている。また、特許文献2には、中空パイプの柄部内にステンレス製のワイヤを通し、柄部先端から突出した上記ワイヤの先端部に袋を保持、開閉できるようにし、排便時にはその袋を広げてその袋内に排泄物を収納する構成の糞取り器具が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、側面から見てクランク状に形成した鉗子と、その鉗子の下方部に着脱自在に取り付けた外袋と、その外袋の中に配設する内袋からなり、排便姿勢に入った動物の肛門の下に外袋及び内袋の口を開いて差出して内袋内に糞を回収する構成の動物用糞取り具が開示されている。
【0005】
更に、特許文献4には、長い柄の下部に糞回収部及び糞収容部を含む糞収納箱を設け、柄を傾けると糞収容箱が前に倒れ、糞回収部に糞を回収できるようにし、糞回収後は柄を元に戻すと糞収容部に糞が収容されると共に、糞収容箱が起き上がり箱取付け部が蓋の作用をして糞回収箱内を外部から見えないようにする構成のペット携帯トイレが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3162407号公報
【特許文献2】特開2012−039987号公報
【特許文献3】特開2007−306808号公報
【特許文献4】実用新案登録第3156913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の汚物収納器具は、ビニール等の透明の柔軟性袋内に排泄物を収納する構成であるため、収容された排泄物が外部から見えてしまい、不潔感を与えるという問題がある。
【0008】
また、特許文献2記載の糞取り器具は、袋の内部に敷いたトイレットペーパー等に排泄物を収容するために収容された排泄物は外部から見えないが、袋が底下に握り部を有する専用袋であるため汎用性に問題があり、また、トイレットペーパーを使用するためランニングコストがかかるという問題もある。
【0009】
また、特許文献3記載の動物用糞取り具は、外袋を非透明とすることで収容された排泄物は外部から見えないが、開いた状態では外袋は開口が矩形状の比較的大きな構成であるため、携帯時に外袋及び内袋を閉じた状態としても全体の形状が大きく持ち運びが不便である。
【0010】
更に、特許文献4記載のペット携帯トイレは、排泄物(糞)を収容した糞回収箱内は蓋により外部から見えないが、糞回収箱内の排泄物を柄を操作して捨てた後、次に使用するために糞収納箱を流水やトイレの流水部で洗浄する必要があり、洗浄が面倒であり、衛生面でも問題である。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、簡単に排泄物の回収及び廃棄ができ、また回収した排泄物は外部から見えず、しかも洗浄が不要で、携帯性に優れた愛玩動物用排泄物処理具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記の目的を達成するため、それぞれの開口部が同じ面にある状態で一方が他方に収容された開放状態と、柔軟性のあるシート状の袋を挟んだ状態でそれぞれの開口部同士が突き合わされて全体として一つの閉じた中空のカップを構成する閉鎖状態のいずれかで使用される、互いに径が異なる非透明の第1及び第2の中空半カップ体と、第1の中空半カップ体に端部が固定された中空の第1のシャフト部と、第1のシャフト部内を回動自在に貫通して第2の中空半カップ体に端部が固定され、かつ、第1のシャフト部とは独立して回動する第2のシャフト部とからなる二重シャフトと、第1及び第2の中空半カップ体と二重シャフトとを支持するレバー状の把持部と、把持部を所定値以上の握力で握ることで第1及び第2のシャフト部を互いに逆方向に回動させ、第1及び第2の中空半カップ体を閉鎖状態とする駆動部と、把持部の握りを緩めることで第1及び第2のシャフト部を互いに逆方向に、かつ、閉鎖状態とは逆方向に回動させ、第1及び第2の中空半カップ体を開放状態に自動復帰させるバネ部材と、を備え、第1及び第2の中空半カップ体、二重シャフト及び駆動部は、それぞれ強化プラスチック、スチール、ステンレススチール又はそれらの複合部材から構成されており、袋上に落下させた愛玩動物の排泄物を、閉鎖状態とした第1及び第2の中空半カップ体で構成される中空のカップの内部に回収することを特徴とする。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、把持部は、共通の軸を支点として互いに近付く方向又は遠ざかる方向に移動する第1及び第2のレバー状把持部品からなり、
駆動部は、第1及び第2のレバー状把持部品の一方にそれぞれ第1及び第2のレバー状把持部品の移動方向に沿って所定のピッチでほぼ平行に複数の穴が2列に穿設された駆動部分と、駆動部分に2列に穿設された複数の穴のうち、一方の列の複数の穴にのみ噛合し、かつ、その中心部が第1のシャフト部の第1の中空半カップ体に固定された端部とは反対側の端部に固定された第1の歯車と、駆動部分に2列に穿設された複数の穴のうち、他方の列の複数の穴にのみ噛合するように第1の歯車とは直径が異なっており、かつ、その中心部が第2のシャフト部の第2の中空半カップ体に固定された端部とは反対側の端部に固定された第2の歯車とからなり、駆動部分の移動に従い、第1及び第2の歯車を互いに逆方向に回動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単に排泄物の回収及び廃棄ができ、また回収した排泄物は外部から見えず、しかも洗浄を不要とすることができ、更に携帯性に優れた構成にできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の開放時の概略斜視図である。
【図2】本発明の愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の開放時の平面図、左側面図、右側面図及び正面図である。
【図3】本発明の愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の閉鎖時の概略斜視図である。
【図4】本発明の愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の閉鎖時の平面図、左側面図、右側面図及び正面図である。
【図5】把持部13の一実施の形態の構成説明図である。
【図6】駆動部14の一実施の形態の平面図である。
【図7】駆動部14の一実施の形態の概略外観斜視図である。
【図8】駆動部14の一実施の形態の概略外観正面図である。
【図9】駆動部14の一実施の形態の正面図である。
【図10】排泄物回収時の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明になる愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の開放時の概略斜視図、図2(A)、(B)、(C)及び(D)は、本発明になる愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の開放時の平面図、左側面図、右側面図及び正面図を示す。また、図3は、本発明になる愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の閉鎖時の概略斜視図、図4(A)、(B)、(C)及び(D)は、本発明になる愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の閉鎖時の平面図、左側面図、右側面図及び正面図を示す。図1〜図4中、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0018】
図1〜図4に示すように、本実施の形態の愛玩動物用排泄物処理具10は、中空半球体11a及び11bと、二重シャフト12と、把持部13と、二重シャフト12を駆動する駆動部14と、把持部13の支点付近に配設されたバネ15と、ポリ袋クリップ16とから大略構成されている。二重シャフト12は、後述するように中空半球体11aの開口部の端部に一端が固定された中空の第1のシャフト部と、第1のシャフト部内を貫通して中空半球体11bの開口部の端部に一端が固定された第2のシャフト部とからなり、これらは互いに反対方向に回動する。
【0019】
中空半球体11aは中空半球体11bより若干大径であり、開放時は図1及び図2に示すようにそれぞれの開口部が同じ面にある状態で中空半球体11aが中空半球体11bを内部に収容した状態とされ、それぞれの開口部が開放されている。また、中空半球体11a及び11bは、それぞれ非透明であり、外部からは収容されている中身は見えない。なお、中空半球体11a及び11bの各直径は例えば約15cm程度である。
【0020】
愛玩動物用排泄物処理具10の構成要素である、中空半球体11a及び11b、二重シャフト12、把持部13、駆動部14、ポリ袋クリップ16は、強化プラスチック、スチール、ステンレススチール、又はそれぞれの複合素材からなるため極めて軽量であり、また把持部13の先端から中空半球体11a及び11bの端部までの全長は、例えば35cm程度と小型であるため、愛玩動物用排泄物処理具10は子供や高齢者でも容易に持ち運びできる構成である。
【0021】
なお、シャフト部13は、その長さを任意に伸縮できるような構成とすることも可能であり、その場合は愛玩動物用排泄物処理具10の全長も変化させることができる。
【0022】
図5は、把持部13の一実施の形態の構成説明図を示す。把持部13は、図5(A)に示すレバー状の把持部品131と同図(B)に示すレバー状の把持部品132とから大略構成される。図5(A)に示すように、把持部品131は基底部に軸穴133が設けられ、その反対側の先端部には後に詳述する駆動部14が設けられている。また、図5(B)に示すように、把持部品132は基底部に中心に軸穴134を有する円柱状のバネ受け135に本発明のバネ部材を構成するバネ15が巻回されており、またバネ受け135は中空円筒状の部品136の外側面に固定されている。把持部品131と132とは、軸穴133、134を通る直線Iに対してほぼ線対称の構成とされている。また、把持部品131と132とは、軸穴133及び134を通して回動自在に軸支される。
【0023】
中空半球体11a及び11bは、開放時に飼い主が把持部13の2つの把持部品131及び132をバネ15のバネ力に抗して互いに近付くように握ると、駆動部14によりシャフト部12a及び12bが互いに逆方向に回動し、それに伴いそれぞれ対向する位置の開口部端部を支点17a及び17bとして互いに90°ずつ反対方向に回動する。その結果、図3及び図4に示すように中空半球体11aと中空半球体11bとはそれぞれの開口部同士が突き合わされて、全体として一つの閉じた中空球体を形成する(閉鎖時)。
【0024】
また、閉鎖時において把持部13への力の付勢を解除すると、バネ15のバネ力により2つの把持部品131及び132は元の位置に自動復帰し、中空半球体11a及び11bも図1及び図2の元の状態に復帰する。なお、図1〜図4には、ポリ袋18、排泄物19も図示されている。
【0025】
次に、本実施の形態の特徴である駆動部14の構成についてさらに詳細に説明する。
【0026】
図6は駆動部14の一実施の形態の平面図を示す。図6に示すように、駆動部14は内径が異なる半円弧状の駆動部分14a及び14bと、歯車21及び22とからなる。駆動部分14aには所定ピッチで複数の矩形状の穴141が穿設されており、駆動部分14bには所定ピッチで複数の矩形状の穴142が穿設されている。また、歯車21は歯車22に比べて大径であり、二重シャフト12を構成する中空の第1のシャフト部121の端部に中心部が固定され、かつ、駆動部分14aに形成された穴141と噛合する構成とされている。一方、歯車22は第1のシャフト部121内を回動自在に貫通して二重シャフト12を構成する第2のシャフト部122の端部に中心部が固定され、かつ、駆動部分14bに形成された穴142と噛合する構成とされている。
【0027】
また、図7の駆動部14の一実施の形態の概略外観斜視図、及び図8の駆動部14の一実施の形態の概略外観正面図に示すように、歯車21及び22は中心軸が同一であるが、二重シャフト12の長手方向に対して異なる位置に設けられている。また、図8に示すように、駆動部分14bはその長さが歯車21に届かず、駆動部分14bに形成された矩形状の穴142のみが歯車22に噛合する。一方、図8に示すように、駆動部分14aは歯車22に届かない位置に設けられており、駆動部分14aに形成された矩形状の穴141のみに歯車21が噛合する。
【0028】
従って、把持部品131を図6に示す矢印A方向(すなわち、把持部品131及び132が互いに近付く方向)に移動すると、駆動部分14a及び14bも一体的に矢印A方向に移動するが、そのとき図9の駆動部14の一実施の形態の正面図に示すように、矩形状の穴141に噛合する大径の歯車21は反時計方向に回転し、かつ、矩形状の穴142に噛合する小径の歯車22は時計方向に回転する。すなわち、歯車21及び22は互いに逆方向に回転する。
【0029】
これにより、歯車21の中央部に一端が固定されている第1のシャフト部121を介して図1及び図2に示した中空半球体11aが第1の方向に90°回動し、かつ、歯車22の中央部に一端が固定されている第2のシャフト部122を介して図1及び図2に示した中空半球体11bが第1の方向とは逆方向の第2の方向に90°回動し、その結果、図3及び図4に示したように、中空半球体11a及び11bにより全体として一つの中空球体が形成される。
【0030】
次に、本実施の形態の愛玩動物用排泄物処理具10の使用時の動作について説明する。
【0031】
使用に先立ち、図2に示したように愛玩動物用排泄物処理具10の開放状態にある中空半球体11a及び11bの開口部をポリ袋18で覆い、ポリ袋18の一端部をポリ袋クリップ16に掛止する。なお、この時点では図2に示した排泄物19は存在しない。また、ポリ袋18は専用品ではなく、例えば食品スーパーなどで無料で配布されている幅24cm、長さ32cm程度のポリ袋あるいはレジ袋を使用できる。
【0032】
そして、飼い主が把持部13を握ることで愛玩動物用排泄物処理具10を図3及び図4に示したように中空半球体11a及び11bにより全体として一つの中空球体にポリ袋18が挟まれた閉鎖状態として携帯して飼い犬と屋外に散歩に出かける。勿論、この時点では図3及び図4に図示した排泄物19は存在しない。なお、ポリ袋18はポリ袋クリップ16に掛止されているので、愛玩動物用排泄物処理具10を開放状態のままとして散歩してもよい。携帯時の愛玩動物用排泄物処理具10は小型かつ軽量であることから、持ち運びに便利である。
【0033】
散歩の途中、飼い犬が排泄状態に入ると、図10に示すように、飼い主101は愛玩動物用排泄物処理具10の把持部13を緩めて開放状態とし、飼い犬102の肛門と地上との間に中空半球体11a及び11bの開口部を挿入し、飼い犬102の排泄物19が地上に落下する前に、図1及び図2に示したように中空半球体11a及び11bの開口部の上のポリ袋18上に排泄物19を落下させる。
【0034】
排泄が終了すると、飼い主101は把持部13を握る。なお、この時に必要な握力は子供や高齢者でも可能なきわめて小さな握力でよい。これにより、前述したように、二重シャフト12の第1のシャフト部121を介して中空半球体11aが第1の方向に90°回動し、かつ、第2のシャフト部122を介して中空半球体11bが第1の方向とは逆方向の第2の方向に90°回動する。その結果、愛玩動物用排泄物処理具10は、図3及び図4に示したように、中空半球体11a及び11bにより全体として一つの中空球体が形成される閉鎖状態となると共に、その中空球体内のポリ袋18上に排泄物19が回収される。
【0035】
従って、本実施の形態の愛玩動物用排泄物処理具10によれば、極めて簡単な操作により中空球体内に排泄物19を回収できる。更に、回収された中空球体内の排泄物19は外部から見えず、また、中空半球体11a及び11bが閉じているので排泄物19の悪臭は外部には殆ど漏れず、他人に不快感を与えることを防止できる。
【0036】
その後、排泄物19の廃棄時は、飼い主101が把持部13を握っている力を緩めることにより、バネ15のバネ力により2つの把持部品131及び132は元の位置に自動復帰し、中空半球体11a及び11bも図1及び図2の元の状態に復帰する。これにより、飼い主101は、中空球体内に収納したポリ袋18上の排泄物19をポリ袋18にくるんだ状態で取り出し、そのままゴミとして廃棄することができる。従って、本実施の形態の愛玩動物用排泄物処理具10によれば、飼い主101の手を汚すことはなく、極めて簡単に排泄物19の廃棄処理ができ、また愛玩動物用排泄物処理具10の洗浄も不要にできる。
【0037】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば排泄物を収容するための2つの中空回収部分は中空半球体以外の中空の半楕円球体その他形状は問わず、要は中空のカップ形状であればよい。また、ポリ袋18の代わりにビニール性の素材の日用品のビニール袋規格サイズの袋(シートを含む)等の柔軟性のある合成樹脂製袋でも使用可能であり、容易にしかも無料で取得可能であるので本実施の形態は汎用性に優れている。
【符号の説明】
【0038】
10 愛玩動物用排泄物処理具
11a、11b 中空半球体
12 二重シャフト
13 把持部
14 駆動部
14a、14b 駆動部分
15 バネ
16 ポリ袋クリップ
17a、17b 支点
18 ビニール袋
19 排泄物
21、22 歯車
121 第1のシャフト部
122 第2のシャフト部
131、132 把持部品
141、142 矩形状の穴
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の開放時の概略斜視図である。
【図2】本発明の愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の開放時の平面図、左側面図、右側面図及び正面図である。
【図3】本発明の愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の閉鎖時の概略斜視図である。
【図4】本発明の愛玩動物用排泄物処理具の一実施の形態の閉鎖時の平面図、左側面図、右側面図及び正面図である。
【図5】把持部13の一実施の形態の構成説明図である。
【図6】駆動部14の一実施の形態の平面図である。
【図7】駆動部14の一実施の形態の概略外観斜視図である。
【図8】駆動部14の一実施の形態の概略外観正面図である。
【図9】駆動部14の一実施の形態の正面図である。
【図10】排泄物回収時の一例の説明図である。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6 
【図7】
図7 
【図8】
図8 
【図9】
図9 
【図10】
図10 
試作写真 
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