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健康・医療
 
【考案の名称】回転健康器具
【実用新案権者】
【識別番号】508335303
【氏名又は名称】川口 芳男
【住所又は居所】埼玉県さいたま市見沼区東大宮6の34の9
【考案者】
【氏名】川口 芳男
【住所又は居所】埼玉県さいたま市見沼区東大宮6の34の9
【要約】(修正有)
【課題】
簡単な構成によってひねりやツイストなどを通じてさらなる脚や腰などの健康増進を図る回転健康器具を提供する。
【解決手段】
対の器具本体H1,H2からなり、各器具本体H1,H2は台板1と、台板上方に回転可能に配置してある回転載置板2と、この回転載置板を台板上方で回転させる回転軸受3とそれぞれ備え、台板に傾斜用の脚部を設けることによって各器具本体における回転載置板2が正面側に向けて次第に高くなるように傾斜状態に設定され、かつ使用者のそれぞれの足を乗せることができると共に、互いに独立して回転可能であり、回転軸受3が台板1の上面に固定してある下受けフレームと、回転載置板2の下面に固定してある上受けフレームと、上下の受けフレーム間に形成している収納溝3b1内に収納してあるボール3cとからなるである。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
対の器具本体からなり、
上記各器具本体は、台板と、この台板上方に回転可能に配置してある回転載置板と、この回転載置板を台板上方で回転させる回転機構とそれぞれ備えており、
上記各器具本体における回転載置板は正面側に向けて次第に高くなるように傾斜状態にあって、使用者のそれぞれの足を載せることができると共に、互いに独立して回転可能である
ことを特徴とする回転健康器具。
【請求項2】
台板には傾斜用の脚部を設けてあることを特徴とする請求項1記載の回転健康器具。
【請求項3】
台板は、傾斜しているベースに設置されていることを特徴とする請求項1記載の回転健康器具。
【請求項4】
回転機構は、台板の上面に固定してある下受けフレームと、回転載置板の下面に固定してある上受けフレームと、上下の受けフレーム間に形成してあって、上記回転載置板の回転方向に沿って設けてある収納溝内に収納してあるボールとからなる回転軸受であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回転健康器具。
【試作写真】
試作写真1
試作写真2
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
この考案は、脚や腰などの健康増進のための回転健康器具に関する。
【背景技術】
脚や腰の健康増進を図るための回転健康器具として、例えば特開平8−280842号公報に記載の「足首の回転運動具」及び特開2004−136060号公報に記載の「回転型ストレッチングボード」が提案されている。
前者の「足首の回転運動具」は、上下対面する円板の中央に、ホールキャスターとネジ式足を付け、これを一体とし、円板上に足首をやや開いた状態で乗り、体重をどちらかの方向に移動させることにより、円板は傾斜となり、ボールキャスターによる支点を中心とした傾斜面の円運動を通じて、足首の鍛錬強化や、足腰の筋力強化を図るものである。
後者の「回転型ストレッチングボード」は、両足を乗せて人体を支えるに足る踏み台部と、これを支える台座部とからなり、上記踏み台部は上面の中心部を回転軸とする回転可能状に上記台座部に設置され、かつ踏み台部の上面は台座部の下面に対して昇り坂状に形成されているものである。
足を乗せた踏み台部を左右交互に回すツイスト運動を通じて腰痛や肩こりの改善を効果的なものにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
特開平8−280842号公報
【特許文献2】
特開2004−136060号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
上述した「足首の回転運動具」及び「回転型ストレッチングボード」は、いずれも健康増進に寄与するものの、両足の回転方向が常に同じであるために、ひねりやツイストなどを通じて脚や腰などの健康増進には更なる改善の必要があった。
この考案の目的は、簡単な構成によってひねりやツイストなどを通じてさらなる脚や腰などの健康増進を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
この考案の回転健康器具は対の器具本体からなるものである。上記各器具本体は、台板と、この台板上方に回転可能に配置してある回転載置板と、この回転載置板を台板上方で回転させる回転機構とをそれぞれ備えている。上記各器具本体における回転載置板は正面側に向けて次第に高くなるように傾斜状態にあって、使用者のそれぞれの足を載せることができると共に、互いに独立して回転可能である。
上記回転載置板を傾斜させる手段としては、台板に設ける傾斜用の脚部、台板を設置するベースそのものを傾斜させる構成とする。
上記回転機構は、台板の上面に固定してある下受けフレームと、回転載置板の下面に固定してある上受けフレームと、上下の受けフレーム間に形成してあって、上記回転載置板の回転方向に沿って設けてある収納溝内に収納してあるボールとからなる回転軸受を用いれば、回転載置板の位置の安定が図られ、構成を簡単にすることができる。
【考案の効果】
この考案によれば、回転載置板が使用者の左右の脚をそれぞれ別々に載せた状態で、互いに独立して回転させることができ、かつ同一方向に又は対向方向に回転させることができるので、簡単な構成によって回転運動に伴う良い影響が脚や腰など効果的に及ぶことによる使用者の健康増進に有効である。
【考案を実施するための形態】
この考案に係る回転健康器具を図1〜図8を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、回転健康器具Hは、対の器具本体H1からなり、ベースB上に置かれている。図1〜図5において、各器具本体H1,H2は、台板1と、台板1上方に回転可能に配置してある回転載置板2と、回転載置板2をそれぞれ回転させる回転機構を構成している回転軸受3とを備えている。
以下、一方の器具本体H1の具体的構成について詳細に説明する。
なお、他方の器具本体H2の各構成は、一方の器具本体H1のそれと同一であるので、詳細な説明を省略する。
図3〜図5に示す器具本体H1における台板1は、平面四角形状に形成されており、上面に不織布などからなる四角形の敷板1aを貼り付けてある(図6参照)。敷板1aの四隅には、後述するねじ4を通すための孔1a1を開けてある。台板1の正面側端部(図3及び図4の右側端部)の裏面には、板幅方向に端部の縁に沿って傾斜用の脚部1bを取り付けてある。台板1の使用時において、台板の上面が脚部1bによって正面側に向けて次第に高くなる傾斜面を形成している(図2参照)。
図3〜図5に示す回転載置板2は、台板1の上方にこの台板と平行に配置されている。回転載置板2は本体が肉厚の円板からなり、上面に人の片足が載っても耐久性を維持できるに十分な材質からなる。また、回転載置板2は、上下の両面に全面を覆う不織布などからなる四角形の敷板2a,2bを貼り付けてある。回転載置板2の上側の敷板2bの上面には全面を覆うプラスチック製の弾性板2cを貼り付けてある。さらに、弾性板2cの上面には全面を覆う不織布などからなる化粧用被覆板2dを貼り付けてある。
また、回転載置板2は上面中央部に四角形の取付け孔2e(図3及び図5)を設けてある。取付け孔2e内には足裏押圧部6を着脱可能に嵌め込んである。足裏押圧部6は、四角形の支持板6aと、ほぼ半球体状の押圧体6bとからなる。支持板6aは取付け孔2e内に嵌め込まれた状態では、その上面が化粧用被覆板2dの上面と同一面を形成している。押圧体6bは内部を中空とし、表面を繊維で覆っており、図3及び図5の例では、弾性変形可能である硬質プラスチックからなる。押圧体6bの外面を被覆する繊維として、羊毛、化学繊維、又はこれらの混紡などの繊維からなるフェルトで構成されている。
回転軸受3は、図4及び図5に示すように、台板1の上面に着脱可能に設けてある下受けフレーム3aと、回転載置板2の下面に着脱可能に設けてある上受けフレーム3bと、上下の受けフレーム間に収納してあるボール3cとからなる。
図4、図5、図7及び図8において、下受けフレーム3aと上受けフレーム3bとはいずれも平面四角形に形成され、所定間隔を互いに回転可能に係合され内部に円形状の穴3d(図7)が開けられている板体からなる。下受けフレーム3a及び上受けフレーム3bには、穴3dに沿って全周に亘ってそれぞれ下側及び上側に凸状の収納溝3a1,3b1を対向的に設けてある。対向する収納溝3a1,3b1内には、ボール3cを穴3dの円周方向に移動可能に収納してある。下受けフレーム3aと上受けフレーム3bとは、図8に示すように穴3d側の端部側が互いに回転可能かつ離脱不能に係合されている。
回転軸受3は、ボール3cの存在によって、例えば図7に示すように下受けフレーム3aを固定しておき、上受けフレーム3bを水平方向に押圧すると、上受けフレームが鎖線に示すように押圧方向(時計方向又は反時計方向)に水平回転する。
また、下受けフレーム3a及び上受けフレーム3bのそれぞれの四隅には、ねじ4,5(図5)を通すための孔3a2,3b2を開けてある。孔3a2,3b2は、図7に示すように互いに位置をずらして設けられている。下受けフレーム3aは、孔3a2を利用するねじ4を図5下向けにねじ込むによって台板1上に固定されている。上受けフレーム3bは、孔3b2を利用するねじ5を図5上向けにねじ込むによって一方の回転載置板2の下面に固定されている。
このため、回転載置板2を押圧すると、上受けフレームが回転軸受3を中心として図7に示す鎖線に示すように押圧方向に水平回転するために、回転載置板が水平回転することになる。
次に、回転健康器具Hの使用方法を説明する。
予め、図1及び図2に示すように回転健康器具Hをセットするための載置台Aを用意しておく。
載置台Aは、基板7と、この基板の四隅に起立してある支柱8と、正面側と背面側に配置されている支柱間に渡してある握り棒9とを備えている。図1の上下で対向位置関係にある握り棒9の互いの距離及びそれぞれの床板7からの高さは、平均的な身体的特徴を備えた使用者が基板上に立った場合、腕をほぼ水平に伸ばして両手でそれぞれの握り棒を把持できる程度に設計されている。
まず、図1に示すように、対の器具本体H1,H2を基板7上に載せて、所定位置に配置する。配置時には、各台板1の脚部1bのある側の端部を正面側(図1右側)に向けると共に、使用者の身長などを考慮して、台板1を互いに平行にかつ間隔を開ける。この時、各回転載置板2は、図2に示すように台板1が脚部1bによって右肩上がりに傾斜されているため、基板7上に右肩上がりの傾斜状態にある。
ついで、使用者は正面(図1右側)を前にして、片足を一方の器具本体H1の回転載置板2上に、また他方の片足を他方の器具本体H2の回転載置板上に載せ起立する。片足を回転載置板2上に載せる際、足裏の土踏まずを足裏押圧部6の押圧体6bに載せる。
その後、双方の回転載置板2上に載っている使用者は脚をハの字形に開いた状態となるから、腕を伸ばして両手でそれぞれの握り棒9を把持する。そしてそれぞれの足を同一方向に又は互いに対向方向にひねると、ひねった方向に各回転載置板2は所定角度回転し、この動作を繰り返すことによって、足首、脚の筋肉が鍛錬され、腰の回転運動が行われ、使用者の健康増進が図られる。また、同時に、足裏押圧部6の押圧体6bは、使用者の土踏まずを押圧するから、つぼ(足心)を刺激することになり、このつぼの刺激を通じて、例えば腰痛の軽減や脚の筋肉の疲労回復の効用が得られ、使用者の健康増進が図られる。
双方の回転載置板2は正面側に向けて次第に高くなるように傾斜されているので、使用者の足は回転載置板の傾斜方向と同じ方向に傾斜されるので、回転運動時には脚の背部の筋力が強化されると共に、脚や腰についても傾斜に伴う好影響が及ぶことになる。
また、他の使用方法として、双方の回転載置板2は互いに独立して回転可能であるから、使用者の健康状態に応じて、例えば左側の脚と右側の脚とのそれぞれの回転数を異にすることもできる。
図1及び図2に示す回転健康器具Hの器具本体H1,H2においては、回転載置板2を傾斜させる手段として、ベースとなる基板7を水平にして、この基板上に置く台板1に傾斜用の脚部1bを設けているが、傾斜させる手段は図示の例に限定されない。
図9に示す器具本体H1Aの例では脚部1bを設けていない。器具本体H1Aを置くベースとなる床板10を傾斜させている。
器具本体H1Aの構成は、回転健康器具Hの器具本体H1のような脚部1bを設けていない点を除いて器具本体H1と同一であるので、構成部分を示す符号に関しては器具本体H1に用いた符号をそのまま使用して対応関係を明確にしている。
器具本体H1Aの使用の際には、この器具本体を傾斜している床板10に置くので、使用中に不用意に後方に移動しないように床板にストッパ10aを設けている。
回転機構は図示する回転軸受3に限定されないが、この回転軸受を用いることによって回転載置板2の位置が安定し、安定的な回転が可能となり、このために使用時に使用者が落ち着いて回転運動をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案に係る回転健康器具の使用状態を示す一部断面平面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 この考案に係る回転健康器具における一方の器具本体を示す平面図である。
【図4】 この考案に係る回転健康器具における一方の器具本体を示す正面図である。
【図5】 この考案に係る回転健康器具における一方の器具本体を分解した状態を示す一部切欠正面図である。
【図6】 この考案に係る回転健康器具における一方の器具本体の台板を示す平面図である。
【図7】 この考案に係る回転健康器具における一方の器具本体の回転軸受を示す一部切欠平面図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線拡大断面図である。
【図9】 この考案に係る回転健康器具における器具本体の他の例の使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
A 載置台
B ベース
H 回転健康器具
H1,H1A,H2 器具本体
1 台板
1b 脚部
2 回転載置板
3 回転軸受(回転機構)
3a 下受けフレーム
3a1 収納溝
3b 上受けフレーム
3b1 収納溝
3c ボール
7 基板(ベース)
10 床板(ベース)
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
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