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機械器具
 
【発明の名称】ボルト
【特許権者】
【識別番号】519019920
【氏名又は名称】杉浦 慎
【住所又は居所】愛知県碧南市笹山町3丁目53番地12
【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
【代理人】
【識別番号】100181582
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 直斗
【発明者】
【氏名】杉浦 慎
【住所又は居所】愛知県碧南市笹山町3丁目53番地12
【要約】
【課題】測定対象孔にボルトを挿通した状態であっても、測定対象孔の形状を容易に測定することができるボルトを提供すること。
【解決手段】ボルト1は、測定対象となる成形部材(第1の部材)と成形部材5を取り付ける測定用冶具(第2の部材)とを締結するためのボルトである。ボルト1は、軸部2と、軸部2の一端に設けられた頭部3と、を備える。軸部2は、成形部材に設けられたボルト挿通孔(測定対象孔)に挿通する胴部21と、測定用冶具に設けられたネジ孔に螺合するネジ部22と、を有する。頭部3は、頭部3の厚み方向に貫通して形成され、成形部材のボルト挿通孔の形状を測定する測定子を挿通するための複数の貫通孔31を有する。
【選択図】図2
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象となる第1の部材と前記第1の部材を取り付ける第2の部材とを締結するためのボルトであって、
軸部と、
前記軸部の一端に設けられた頭部と、を備え、
前記軸部は、前記第1の部材に設けられた測定対象孔に挿通する胴部と、前記第2の部材に設けられたネジ孔に螺合するネジ部と、を有し、
前記頭部は、前記頭部の厚み方向に貫通して形成され、前記第1の部材の前記測定対象孔の形状を測定する測定子を挿通するための1又は複数の貫通孔を有する、ボルト。
【請求項2】
前記頭部の前記軸部側とは反対側において前記頭部に対して脱着可能に構成される脱着部をさらに備え、前記脱着部は、前記頭部の前記複数の貫通孔にそれぞれ係合する複数の孔係合部と、前記ボルトを締め付けるための工具を係合する工具係合部と、を有する、請求項1に記載のボルト。
【請求項3】
前記貫通孔の内径は、前記頭部の前記軸部側に向かって徐々に小さくなっている、請求項1又は2に記載のボルト。
【請求項4】
前記胴部の外周面には、前記貫通孔の内壁面の一部に沿って形成された凹部が設けられ
ている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のボルト。
【請求項5】
前記凹部の幅は、前記軸部の他端側に向かって徐々に狭くなっており、前記凹部の深さは、前記軸部の他端側に向かって徐々に浅くなっている、請求項4に記載のボルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば樹脂成形品に設けた孔の形状(例えば、孔の内壁面形状、内径、中心位置等)を測定する各種の測定装置や測定方法が提案されている。例えば、接触式三次元測定機の測定子を測定対象となる孔に挿入し、孔の内壁面における複数の測定点に当接させることにより、孔の形状を測定する方法がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開平6-341826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂成形品に設けた複数の孔の形状を測定する場合、複数のボルトを用いて樹脂成形品を測定用冶具に取り付けた後、各孔の形状を測定する。このとき、各孔にボルトが挿通された状態であるため、各孔の形状を測定する際にボルトを取り外し、孔の形状を測定し、ボルトを戻すといった作業が必要となる。そのため、孔の形状を測定する作業が煩雑であり、作業時間が長くなっていた。
【0005】
本発明は、測定対象孔にボルトを挿通した状態であっても、測定対象孔の形状を容易に測定できるボルトを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様であるボルトは、測定対象となる第1の部材と第1の部材を取り付ける第2の部材とを締結するためのボルトである。ボルトは、軸部と、軸部の一端に設けられた頭部と、を備える。軸部は、第1の部材に設けられた測定対象孔に挿通する胴部と、第2の部材に設けられたネジ孔に螺合するネジ部と、を有する。頭部は、頭部の厚み方向に貫通して形成され、第1の部材の測定対象孔の形状を測定する測定子を挿通するための1又は複数の貫通孔を有する。
【0007】
上記ボルトによれば、軸部の胴部を第1の部材の測定対象孔に挿通させ、軸部のネジ部を第2の部材のネジ孔に螺合させ、第1の部材と第2の部材とを締結した状態であっても、測定子を頭部の貫通孔から第1の部材の測定対象孔内に挿入できる。
【0008】
そのため、第1の部材と第2の部材とをボルトで締結した状態のままで、つまり第1の部材の測定対象孔にボルトを挿通した状態のままで、測定子を用いて第1の部材の測定対象孔の形状を測定できる。これにより、測定対象となる第1の部材の測定対象孔の形状を容易に測定できる。
【0009】
例えば、第1の部材に設けた複数の測定対象孔の形状を測定する場合、全ての測定対象
孔にボルトを取り付けた状態でも、そのまま各測定対象孔の形状を測定できる。従来のように、各測定対象孔についてボルトを取り外し、測定対象孔の形状を測定し、ボルトを戻すといった作業が不要となる。よって、複数の測定対象孔の形状を迅速かつ容易に測定できると共に、形状測定における作業の効率化、作業時間の短縮を図ることができる。
【0010】
上記ボルトにおいて、頭部の軸部側とは反対側において頭部に対して脱着可能に構成される脱着部をさらに備え、脱着部は、頭部の複数の貫通孔にそれぞれ係合する複数の孔係合部と、ボルトを締め付けるための工具を係合する工具係合部と、を有していてもよい。この場合には、工具を用いたボルトの締め付け作業が容易となる。また、脱着部を用いてボルトの締め付けを行うことにより、ボルトの締め付けトルクの調整が容易となる。
【0011】
また、貫通孔の内径は、頭部の軸部側に向かって徐々に小さくなっていてもよい。この場合には、頭部の断面積が軸部側に向かって徐々に大きくなり、ボルトの軸力を高めることができる。これにより、ボルトの締め付けトルクを十分に確保できる。
【0012】
また、胴部の外周面には、貫通孔の内壁面の一部に沿って形成された凹部が設けられていてもよい。この場合には、測定子をボルトの頭部の貫通孔から第1の部材の測定対象孔内に挿入しやすくなる。これにより、測定対象孔の形状の測定がさらに容易となる。
【0013】
また、凹部の幅は、軸部の他端側に向かって徐々に狭くなっており、凹部の深さは、軸部の他端側に向かって徐々に浅くなっていてもよい。この場合には、測定子をボルトの頭部の貫通孔から第1の部材の測定対象孔内にさらに挿入しやすくなる。これにより、測定対象孔の形状の測定がより一層容易となる。また、軸部の断面積が軸部の他端側に向かって徐々に大きくなり、ボルトの軸力を高めることができる。これにより、ボルトの締め付けトルクを十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ボルトを示す斜視図である。
【図2】脱着部を取り外した状態のボルトを示す斜視図である。
【図3】ボルトを示す平面図である。
【図4】軸部側から見たボルトを示す斜視図である。
【図5】ボルトを示す底面図である。
【図6】脱着部を示す斜視図である。
【図7】孔係合部側から見た脱着部を示す斜視図である。
【図8】成形部材を示す平面図である。
【図9】測定用冶具を示す平面図である。
【図10】成形部材を測定用冶具に取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】ボルトにより成形部材と測定用冶具とを締結した部分の平面図である。
【図12】ボルト挿通孔の形状を測定する様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本実施形態のボルト1は、樹脂を成形してなる成形部材(第1の部材)と成形部材を取り付ける測定用冶具(第2の部材)とを締結するためのボルトである。成形部材及び測定用冶具については後述する。
【0016】
図1に示すように、ボルト1は、軸部2と、軸部2の一端に設けられた頭部3と、を備えている。軸部2と頭部3とは一体的に形成されている。本実施形態では、ボルト1は、頭部3に対して脱着可能に構成される脱着部4をさらに備えている。
【0017】
図2〜図5に示すように、軸部2は、円柱状である。軸部2は、先端側部分を構成するネジ部21と、頭部側(後端側)部分を構成する胴部22と、を有する。ネジ部21は、軸部2において雄ネジ211(図12参照)が形成されている部分である。なお、図1、図2、図4、図5では、雄ネジ211の図示を省略している。一方、胴部22は、ネジ部21とは異なり、軸部2において雄ネジが形成されていない部分である。
【0018】
頭部3は、軸部2の後端に設けられている。頭部3は、円形板状である。頭部3の外径は、軸部2の外径よりも大きい。頭部3の厚みは3.5mm、頭部3の外径は12mmである。
【0019】
頭部3は、軸部側(先端側)の端面である座面301と、軸部側とは反対側(後端側)の端面である後端面302と、を有する。頭部3の座面301からは軸部2が延出するように形成されている。
【0020】
頭部3は、3つの貫通孔31を有する。貫通孔31は、頭部3を厚み方向(ボルト1の軸方向)に後端面302から座面301まで貫通して形成されている。貫通孔31は、ボルト1を軸方向から見た場合に貫通孔31の一部が軸部2と重なるような位置に設けられている。貫通孔31の横断面は円形状である。
【0021】
貫通孔31の内径は、軸部側(先端側)に向かって徐々に小さくなっている。すなわち、貫通孔31の内壁面310は、軸部側に向かってテーパ状となっている。貫通孔31の内径は、後端面302の位置において4mmである。
【0022】
軸部2において、胴部22の外周面220は、先端側に向かってテーパ状となっている。これにより、ボルト1の締め付けトルクを高めることができる。また、胴部22の外周面220には、3つの凹部23が設けられている。3つの凹部23は、周方向に等間隔で配置されている。凹部23の内壁面230は、凹状の曲面である。
【0023】
凹部23は、貫通孔31の内壁面310の一部に沿って軸方向に形成されている。具体的には、凹部23の内壁面230と貫通孔31の内壁面310とが連なって(連続的に)形成されている。凹部23の幅は、軸部2の先端側に向かって徐々に狭くなっている。凹部23の深さは、軸部2の先端側に向かって徐々に浅くなっている。
【0024】
頭部3の座面301と軸部2の胴部22の外周面220との間には、凹状の曲面を有する凹曲面24が設けられている。すなわち、頭部3の座面301と胴部22の外周面220との間に形成された隅部には、凹状に窪んだ凹R面である凹曲面24が設けられている。この場所に凹曲面24を設けることにより、例えば後述するボルト挿通孔の開口端のバリ等を吸収し、ボルト1の締め付けトルクを十分に確保できる。
【0025】
本実施形態では、頭部3の座面301と胴部22の外周面220との間のすべての部分に凹曲面24が設けられているが、頭部3の座面301と胴部22の外周面220との間の一部に凹曲面24が設けられていてもよい。
【0026】
図6、図7に示すように、脱着部4は、頭部3の後端側において頭部3に対して脱着可能に構成されている。脱着部4は、円形板状である。脱着部4の外径は、頭部3の外径と同じである。脱着部4の厚みは5mm、脱着部4の外径は12mmである。脱着部4は、頭部3に係合する側の端面である係合面401と、頭部3に係合する側とは反対側の端面である非係合面402と、を有する。
【0027】
脱着部4は、頭部3の3つの貫通孔31にそれぞれ係合する3つの孔係合部41を有す
る。孔係合部41は、脱着部4の係合面401から突出して凸状に形成されている。孔係合部41は略円柱状である。
【0028】
孔係合部41の高さは、頭部3の厚みと同じであり、3.5mmである。孔係合部41の外径は、先端側に向かって徐々に小さくなっている。すなわち、孔係合部41の外周面410は、先端側に向かってテーパ状となっており、頭部3の貫通孔31の内壁面310に対応する形状となっている。
【0029】
孔係合部41の外周面410において、他の2つの孔係合部41と対向する部分には、孔係合部41の一部を切り取ったかのように、平坦面である対向面411がそれぞれ形成されている。すなわち、孔係合部41は、2つの対向面411を有する。そして、対向面411は、他の孔係合部41の対向面411に対向して配置されている。これにより、例えば孔係合部41を切削加工により成形する場合に、孔係合部41の切削加工、具体的には孔係合部41同志の間の部分の切削加工が容易となる。
【0030】
脱着部4は、ボルト1を締め付けるための工具である六角レンチを差し込む工具穴部(工具係合部)42を有する。工具穴部42は、脱着部4の非係合面402から窪んで凹状に形成されている。工具穴部42の横断面は六角形状である。
【0031】
次に、本実施形態のボルト1を用いて締結する成形部材5及び測定用冶具6について説明する。
図8に示すように、成形部材5は、一般的に用いられる樹脂を成形してなる。成形部材5には、外周縁部から突出してなるフランジ部51が設けられている。フランジ部51には、ボルト1を挿通させる5つのボルト挿通孔(測定対象孔)52が設けられている。ボルト挿通孔52の内径は6mmである。
【0032】
図9に示すように、測定用冶具6は、金属製の平板状の部材である。測定用冶具6は、成形部材5が実際に取り付けられる被取付部材の一部を模している。測定用冶具6は、本実施形態のボルト1を複数用いて成形部材5を取り付け、成形部材5のボルト挿通孔52の形状を測定するために用いられる。
【0033】
測定用冶具6には、ボルト1のネジ部21を螺合させる5つのネジ孔61が設けられている。5つのネジ孔61は、被取付部材に設けられる5つのネジ孔と同じ位置関係で設けられている。ネジ孔61の内壁面には、ボルト1のネジ部21の雄ネジ211と螺合する雌ネジ611(後述する図12参照)が形成されている。
【0034】
次に、本実施形態のボルト1を用いて、成形部材5のボルト挿通孔52の形状を測定する方法について説明する。
まず、図10〜図12に示すように、成形部材5を測定用冶具6に取り付ける。具体的には、成形部材5の5つのボルト挿通孔52を測定用冶具6の5つのネジ孔61の位置に合わせる。そして、ボルト1を成形部材5のボルト挿通孔52に挿通させる。このとき、頭部3の貫通孔31に脱着部4の孔係合部41を係合した状態(頭部3に脱着部4を取り付けた状態)で、ボルト1を挿通させる。
【0035】
その後、ボルト1のネジ部21の雄ネジ211を測定用冶具6のネジ孔61の雌ネジ611に螺合させ、ボルト1を締め付ける。このとき、ボルト1の脱着部4の工具穴部42に六角レンチを差し込んで、ボルト1を締め付ける。そして、ボルト1の頭部3から脱着部4を取り外す。これにより、成形部材5の反りがないように、成形部材5と測定用冶具6とを5つのボルト1で締結固定する。
【0036】
なお、本実施形態では、頭部3に脱着部4を取り付けた状態でボルト1を挿通させ、さらに続けてボルト1の締め付けを行ったが、例えば、頭部3に脱着部4を取り付けていない状態でボルト1を挿通させ、その後、頭部3に脱着部4を取り付けた状態でボルト1の締め付けを行ってもよい。
【0037】
次いで、図12に示すように、成形部材5の5つのボルト挿通孔52の形状を測定する。具体的には、接触式の三次元測定機7における測定子71の先端球72を、成形部材5のボルト挿通孔52に挿入し、ボルト挿通孔52の内壁面520における複数の測定点に当接させる。これにより、成形部材5のボルト挿通孔52の形状を測定する。本実施形態では、各ボルト挿通孔52の内壁面520の形状、さらには各ボルト挿通孔52の内径や中心位置、5つのボルト挿通孔52の位置関係(位置精度)等について測定する。
【0038】
次に、本実施形態のボルト1における作用効果について説明する。
本実施形態のボルト1によれば、軸部2の胴部22を成形部材(第1の部材)5のボルト挿通孔(測定対象孔)52に挿通させ、軸部2のネジ部21を測定用冶具(第2の部材)6のネジ孔61に螺合させ、成形部材5と測定用冶具6とを締結した状態であっても、測定子71を頭部3の複数の貫通孔31から成形部材5のボルト挿通孔52内に挿入できる。
【0039】
そのため、成形部材5と測定用冶具6とをボルト1で締結した状態のままで、つまり成形部材5のボルト挿通孔52にボルト1を挿通した状態のままで、測定子71を用いて成形部材5のボルト挿通孔52の形状を測定できる。これにより、測定対象となる成形部材5のボルト挿通孔52の形状を容易に測定できる。
【0040】
例えば、本実施形態のように、成形部材5に設けた複数のボルト挿通孔52の形状を測定する場合、全てのボルト挿通孔52にボルト1を取り付けた状態であっても、そのまま各ボルト挿通孔52の形状を測定できる。従来のように、各ボルト挿通孔についてボルトを取り外し、ボルト挿通孔の形状を測定し、ボルトを戻すといった作業が不要となる。よって、複数のボルト挿通孔52の形状を迅速かつ容易に測定できると共に、形状測定における作業の効率化、作業時間の短縮を図ることができる。
【0041】
本実施形態のボルト1において、頭部3の軸部側とは反対側において頭部3に対して脱着可能に構成される脱着部4をさらに備え、脱着部4は、頭部3の複数の貫通孔31にそれぞれ係合する複数の孔係合部41と、ボルト1を締め付けるための工具(本実施形態では六角レンチ)を差し込む工具穴部(工具係合部)42と、を有する。そのため、工具を用いたボルト1の締め付け作業が容易となる。また、脱着部4を用いてボルト1の締め付けを行うことにより、ボルト1の締め付けトルクの調整が可能となる。
【0042】
また、ボルト1の頭部3において、貫通孔31の内径は、頭部3の軸部側に向かって徐々に小さくなっている。そのため、頭部3の断面積が軸部側に向かって徐々に大きくなり、ボルト1の軸力を高めることができる。これにより、ボルト1の締め付けトルクを十分に確保できる。
【0043】
また、ボルト1の軸部2において、胴部22の外周面220には、頭部3の貫通孔31の内壁面310の一部に沿って形成された凹部23が設けられている。そのため、測定子71をボルト1の頭部3の貫通孔31から成形部材5のボルト挿通孔52内に挿入しやすくなる。これにより、ボルト挿通孔52の形状の測定がさらに容易となる。
【0044】
また、ボルト1の軸部2の胴部22において、凹部23の幅は、軸部2の先端側に向かって徐々に狭くなっており、凹部23の深さは、軸部2の先端側に向かって徐々に浅くな
っている。そのため、測定子71をボルト1の頭部3の貫通孔31から成形部材5のボルト挿通孔52内にさらに挿入しやすくなる。これにより、ボルト挿通孔52の形状の測定がより一層容易となる。また、軸部2の断面積が軸部2の先端側に向かって徐々に大きくなり、ボルト1の軸力を高めることができる。これにより、ボルト1の締め付けトルクを十分に確保できる。
【0045】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0046】
(1)上記実施形態では、頭部の貫通孔の数を3つとしたが、貫通孔の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0047】
(2)上記実施形態では、ボルトの各部のサイズを一例として示したが、ボルトの種類やサイズは特に限定されるものではない。
【0048】
(3)上記実施形態では、ボルトが脱着部を備えている構成としたが、脱着部を備えていない構成としてもよい。
【0049】
(4)上記実施形態では、脱着部に、ボルトを締め付けるための工具である六角レンチを差し込む工具穴部を設けたが、例えば、工具穴部を設けずに六角ソケットレンチを用いてボルトを締め付けるようにしてもよい。この場合、ボルトの頭部及び脱着部の側面がボルトを締め付けるための工具を係合する工具係合部となる。なお、工具係合部は、ボルトを締め付けるための工具を係合する形態であれば何ら限定されるものではなく、種々の形態を採用することができる。もちろん、ボルトを締め付けるための工具も種々の工具を用いることができる。
【0050】
(5)上記実施形態では、第1の部材を成形部材、第2の部材を測定用冶具としたが、第1の部材及び第2の部材は、このような部材に限定されるものではなく、どのような部材であってもよい。例えば、第1の部材を成形部材、第2の部材を第1の部材が実際に取り付けられる被取付部材としてもよい。
【0051】
(6)上記実施形態では、第1の部材を樹脂製、第2の部材を金属製としたが、第1の部材及び第2の部材を構成する材料は特に限定されるものではない。
【0052】
(7)上記実施形態では、測定子を備えた形状測定機として接触式の三次元測定機を用いたが、レーザーを用いて測定する非接触式の三次元測定機を用いてもよいし、その他の測定機等を用いてもよい。
【0053】
(8)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【符号の説明】
【0054】
1…ボルト、2…軸部、3…頭部、4…脱着部、21…ネジ部、22…胴部、23…凹部、24…凹曲面、31…貫通孔、41…孔係合部、42…工具穴部(工具係合部)、5…成形部材(第1の部材)、52…ボルト挿通孔(測定対象孔)、6…測定用冶具(第2
の部材)、61…ネジ孔
試作写真 
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
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