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農水産
 
【考案の名称】植木鉢
【実用新案権者】
【識別番号】515289705
【氏名又は名称】紀室 範夫
【住所又は居所】岩手県紫波郡紫波町中島字前郷6−74
【代理人】
【識別番号】100178102
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 晃
【考案者】
【氏名】紀室 範夫
【住所又は居所】岩手県紫波郡紫波町中島字前郷6番地74
【要約】   (修正有)
【課題】簡易な方法により一目で用土の保水量が分かる植木鉢を提供する。
【解決手段】側面に窓12を具備し、窓に設置された透明板2と、植木鉢内において透明板の内側に着接する吸水布3と、同じく植木鉢内において吸水布に着接する色布4とを有し、吸水布が植木鉢内の用土に含まれる水分を吸収した時に、色布の色彩が吸水布を透過し、透明板を通して窓の外側より視認できることを特徴とする。透明板は、通常はプラスチックを使用するが、高級感のあるガラスとすることもできる。また、吸水布はレーヨン等の化学繊維のほか、吸水時の透過性を考慮してガーゼの繊維や和紙を使用してもよい。さらに、色布は彩度の高い化学繊維のほか、数種類の色紙を交換して使用することにより、多数の色を楽しむことができる。
【選択図】図1
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
側面に窓を具備する植木鉢であって、
前記窓に設置された透明板と、
前記植木鉢内部において前記透明板に着接する吸水布と、
前記植木鉢内部において前記吸水布に着接する色布と、
を有し、前記吸水布が前記植木鉢内の用土に含まれる水分を吸収した時に前記色布の色彩が前記吸水布を透過し、前記色布の色彩が前記透明板を通して前記窓の外側より視認できることを特徴とする植木鉢。
【請求項2】
前記透明板はプラスチック又はガラスから成り、前記吸水布は白色の繊維から成り、前記色布は高彩度色の繊維から成ることを特徴とする請求項1記載の植木鉢。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、一目で用土の水分量が分かる植木鉢に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に鉢植えの観葉植物や野菜は、枯らさないようにするため、定期的に灌水をして用土の水分量を保持しておくことが求められる。しかしながら、灌水を忘れたり、また、灌水しても浸水が表土のみにとどまり、鉢内部の保水状態が不十分であることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−95122号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
前述したように、一般的な植物は鉢内の保水状態を適度に維持する必要があるが、鉢内の用土は視認できないため、特定の鉢について灌水を失念したり、また、勘に頼って灌水をして、水分が不十分なときがあったりして、植物を枯らせてしまうことがある。
【0005】
特許文献1には、鉢側面に「のぞき窓」を設け、用土の保水状態を視認できるようにした植木鉢の発明が開示されている。しかし、視認だけでは用土の保水量を認知できない場合がある。すなわち、培養土、赤玉土等の用土は水分の保有量に応じて土の色が濃くなるが、もともと色の薄い用土や目の粗い砂利系の用土などは、水分量に対する色の変化が小さいため、窓を通して用土を視認するだけでは十分な水分量を保持できているか否かの判定が困難である。
【0006】
上述の問題に鑑み、本考案は、簡易な方法により一目で用土の保水量が分かる植木鉢を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本考案に係る植木鉢は、側面に少なくとも1の窓を具備し、前記窓に設置された透明板と、植木鉢内において前記透明板の内側に着接する吸水布と、同じく植木鉢内において前記吸水布に着接する色布とを有し、前記吸水布が前記植木鉢内の用土に含まれる水分を吸収した時に、前記色布の色彩が前記吸水布を透過し、前記透明板を通して前記吸水布の色の変化を前記窓の外側より視認できることを特徴とする。
【0008】
前記透明板は、通常はプラスチックを使用するが、高級感のあるガラスとすることもできる。また、前記吸水布はレーヨン等の化学繊維のほか、吸水時の透過性を考慮してガーゼの繊維や和紙を使用してもよい。さらに、前記色布は彩度の高い化学繊維のほか、数種類の色紙を交換して使用することにより、多数の色を楽しむことができる。
【考案の効果】
【0009】
本考案に係る植木鉢を使用すれば、土質や土色にかかわらず、一目で用土の水分量が分かるため、植物を枯らせたり弱らせたりすることがなくなる。
【0010】
鉢側面の窓の数・形状や色布の色彩に変化やバリエーションを設けることにより、単なる園芸の域を超えての楽しみが広がる。これに伴い、装飾品や贈答品としての植木鉢の販路拡大が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本考案に係る植木鉢の斜視図である。
【図2】植木鉢内側面の窓位置に着接する透明板、吸水布、色布の斜視図である。
【考案を実施するための形態】
【0012】
以下、本考案の植木鉢の実施形態について図を用いて説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る植木鉢1は側面11にハート形の窓12を具備する。窓12の形状は、内部が確認できる程度のものであればどのようなものでも構わないが、本実施形態では、カランコエやミニバラ等の小型植物を植栽するプレゼント品の鉢を想定してハート形とした。さらに、窓枠に蛍光塗料を塗布したり、ビーズ等の装飾品を付けたりして嗜好を凝らすことにより、贈答品としての価値を高めることが可能である。
【0014】
窓11の内側には窓11を覆う程度の大きさの透明板2が接着剤によって側面11に着接されている。また、プラスチック2の内側には白色の吸水布3が、さらに、その内側には高彩度の色布4が着接されており(図2)、窓12を通して吸水布3の湿り具合を確認することにより用土の保水量を判定できる構成となっている。すなわち、用土の保水量が少ないときには乾燥して白色を保持している吸水布3が、補水量が多くなると用土の水分を吸収し、内側に着接する色布4の色彩を透過させる。この色彩の出具合を窓12から確認することにより用土の水分量を確認することができる。
【0015】
透明板2の材質は、本実施形態においてはプラスチックとしたが、高級の鉢では、レリーフ模様を有するガラス等硬質のものも使用可能である。吸水布3は、乾燥時の白色を際立たせるため、レーヨン又はポリエステル等の化学繊維の純白の薄布を使用しているが、水分包含時の色の透過性を優先させる場合には、ガーゼ質のものを使用してもよい。色布4は、保水量の変化が明確に出るように高彩度の化学繊維を使用している。また、吸水布3と色布4は糊付けすることが望ましい。布間に隙間ができて斑にならないようにするためである。
【0016】
以上、本考案の有する特徴及び優れた点を上記実施形態に記載したが、本考案は、本考案の原理の範囲内で、本願の実用新案登録請求の範囲で使用されている言葉を広く一般的な意味にまで広げて実施することが可能である。例えば、頻繁に部材の交換ができる場合には、吸水布3は模様を楽しむことができる和紙としてもよいし、色布4は多くの色を楽しむことができるよう市販の色紙を使用することも可能である。それらについての本実施形態と異なる形態による実施は、本考案の技術的範囲に含まれるものと解する。
【0017】
1 植木鉢
11 側面
12 窓
2 透明板(プラスチック)
3 吸水布
4 色布
【図1】
図1
【図2】
図2
写真1
写真2
水を与えて5〜10秒で色が変わります。 
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