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事務用品
 
【考案の名称】帯額装用額縁
【実用新案権者】
【識別番号】523420527
【氏名又は名称】畑谷 妃佐子
【住所又は居所】宮城県多賀城市伝上山2丁目18-20
【代理人】
【識別番号】100095359
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 篤
【考案者】
【氏名】畑谷 妃佐子
【住所又は居所】宮城県多賀城市伝上山2丁目18-20
【要約】
【課題】時間が経ってもしわが寄りにくく美観を保つことができる帯額装用額縁を提供する。
【解決手段】枠状の額縁本体1が額縁開口部11を有し内側に収納部14を有する。透明板2が額縁開口部を裏側から塞ぐ。枠状のマット紙3が着物帯9より巾が短いマット紙開口部31を有し、マット紙開口部を額縁開口部の内側に収めて透明板の裏側に配置される。枠体4が折り畳んだ着物帯を厚み内に収納可能な厚さを有し、マット紙開口部を包囲して収納部内でマット紙の裏側に配置される。保持板5が支持板部51とセット板部52とを有する。保持板は着物帯の額装面の裏側にセット板部を当て、セット板部がマット紙開口部に対応する位置で支持板部により着物帯を支持し、額装面をマット紙開口部にセット可能である。保持板および着物帯は枠体内に収納される。裏板8が収納部を閉じる。
【選択図】図1

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
額縁開口部を有し内側に収納部を有する枠状の額縁本体と、
前記収納部に収納され前記額縁開口部を裏側から塞ぐ透明板と、
前記収納部に収納され、着物帯より巾が短いマット紙開口部を有し前記マット紙開口部を前記額縁開口部の内側に収めて前記透明板の裏側に配置される枠状のマット紙と、
前記収納部に収納され、折り畳んだ前記着物帯を厚み内に収納可能な厚さを有し前記マット紙開口部を包囲して前記マット紙の裏側に配置される枠体と、
前記折り畳んだ着物帯の内側で挟まれて前記着物帯の折返し部で前記着物帯を支持可能な支持板部と、前記マット紙開口部と同一またはやや小さい外形を有し前記支持板部の表側に固定されたセット板部とを有し、前記着物帯の額装面の裏側に前記セット板部を当て前記セット板部が前記マット紙開口部に対応する位置で前記支持板部により前記着物帯を支持し前記額装面を前記マット紙開口部にセット可能に前記枠体に収納される保持板と、
前記収納部を閉じるための裏板とを、
有することを特徴とする帯額装用額縁。
【請求項2】
前記枠体に収納され、前記折り畳んだ着物帯の内側で挟まれて前記保持板で支持される前記折返し部と異なる折返し部で前記着物帯を支持可能な支持材と、前記収納部に収納され前記着物帯と前記裏板との間に設けられる着物保護材とを有することを特徴とする請求項1記載の帯額装用額縁。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、着物の帯を額装するための帯額装用額縁に関する。
【背景技術】
【0002】
着物の帯を裁断することなく額装し鑑賞するための額縁として、フレームと、当該フレームに嵌め込まれる入れ子とを有し、フレームに無色透明のアクリル樹脂板が嵌め込まれており、入れ子は、帯を収容するための四角形の開口部を有する箱体と、当該箱体と外寸法が同じで当該箱体の開口部よりも小さな開口部を有する枠体とから成るものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 実用新案登録第3211258号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の額縁では、時間が経つにつれ帯が自重で下方にずり落ちてきてしわが寄りやすいという課題があった。
【0005】
本考案は、このような課題に着目してなされたもので、時間が経ってもしわが寄りにくく美観を保つことができる帯額装用額縁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本考案に係る帯額装用額縁は、額縁開口部を有し内側に収納部を有する枠状の額縁本体と、前記収納部に収納され前記額縁開口部を裏側から塞ぐ透明板と、前記収納部に収納され、着物帯より巾が短いマット紙開口部を有し前記マット紙開口部を前記額縁開口部の内側に収めて前記透明板の裏側に配置される枠状のマット紙と、前記収納部に収納され、折り畳んだ前記着物帯を厚み内に収納可能な厚さを有し前記マット紙開口部を包囲して前記マット紙の裏側に配置される枠体と、前記折り畳んだ着物帯の内側で挟まれて前記着物帯の折返し部で前記着物帯を支持可能な支持板部と、前記マット紙開口部と同一またはやや小さい外形を有し前記支持板部の表側に固定されたセット板部とを有し、前記着物帯の額装面の裏側に前記セット板部を当て前記セット板部が前記マット紙開口部に対応する位置で前記支持板部により前記着物帯を支持し前記額装面を前記マット紙開口部にセット可能に前記枠体に収納される保持板と、前記収納部を閉じるための裏板とを、有することを特徴とする。
【0007】
本考案に係る帯額装用額縁により着物帯を額装するとき、額縁本体の裏側に透明板とマット紙と枠体とを順にセットしておく。着物帯の額装面の裏側に保持板のセット板部を当て、セット板部がマット紙開口部に対応する位置で支持板部により着物帯を支持し、枠体の内側で額装面をマット紙開口部にセットする。着物帯は支持板部で支持され、セット板部はマット紙開口部と同一またはやや小さい外形を有するので、額装面のしわを伸ばして額装面の周囲をマット紙開口部に押し付け、しわが寄らないよう額装面をセットすることができる。着物帯をセットした後、裏板を閉じる。額装面はマット紙開口部および透明板を通して額縁本体の内側に表れ、時間が経ってもしわが寄りにくく美観を保つことができる。本考案に係る帯額装用額縁は、着物帯の観賞用のほか着物帯の収納器具および保存器具としての機能も備える。
【0008】
本考案に係る帯額装用額縁は、前記枠体に収納され、前記折り畳んだ着物帯の内側で挟まれて前記保持板で支持される前記折返し部と異なる折返し部で前記着物帯を支持可能な支持材と、前記収納部に収納され前記着物帯と前記裏板との間に設けられる着物保護材とを有することが好ましい。
この場合、支持材により着物帯の支持される位置が増えるので、着物帯をよりしっかりと支持しやすくなる。また、着物保護材により着物を保護することができる。着物保護材としては、吸湿材、防湿材、防カビ材、防虫剤などが挙げられる。
【考案の効果】
【0009】
本考案によれば、時間が経ってもしわが寄りにくく美観を保つことができる帯額装用額縁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本考案の実施の形態の帯額装用額縁を示す分解斜視図である。
【図2】図1の帯額装用額縁の使用状態を示す正面図である。
【考案を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づき本考案の実施の形態について説明する。
図1および図2は、本考案の実施の形態の帯額装用額縁を示している。
帯額装用額縁は、額縁本体1と、透明板2と、マット紙3と、枠体4と、保持板5と、支持材6と、着物保護材7と、裏板8とを有している。
【0012】
額縁本体1は、枠状であって長方形の正面外形を有している。額縁本体1は、長方形の額縁開口部11を有し、額縁開口部11の縁部12が裏側に突出している。額縁本体1は、縁部12の上下左右に回転可能な複数の留め具13を有している。額縁本体1は、縁部12の内側に収納部14を有している。透明板2は、長方形で額縁開口部11よりやや大きく、収納部14に収納されている。透明板2は、額縁開口部11を裏側から塞ぐよう設けられる。透明板2は、アクリル樹脂製の板材から成ることが好ましい。
【0013】
マット紙3は、枠状であって長方形の正面外形を有し、収納部14に収納されている。マット紙3は、着物帯9より巾が短い長方形のマット紙開口部31を有している。マット紙3は、マット紙開口部31を額縁開口部11の内側に収めて透明板2の裏側に配置される。マット紙3により着物帯9の上下左右の端を隠すことができる。また、マット紙3により額装を和風の印象にすることができる。マット紙3の色は、白色、赤色、青色などいかなる色であってもよい。枠体4は、長方形の正面外形を有し、収納部14に収納され、折り畳んだ着物帯9を厚み内に収納可能な厚さを有している。枠体4は、マット紙開口部31を包囲してマット紙3の裏側に配置される。
【0014】
保持板5は、支持板部51とセット板部52とを有している。支持板部51は、枠体4の内側よりやや小さい長方形の板から成る。支持板部51は、例えば厚紙から成る。支持板部51は、折り畳んだ着物帯9の内側で挟まれて着物帯9の折返し部91で着物帯9を支持可能である。セット板部52は、マット紙開口部31と同一またはやや小さい外形を有し、支持板部51の表側に接着剤で貼り付けられている。保持板5は、着物帯9の額装面92の裏側にセット板部52を当て、セット板部52がマット紙開口部31に対応する位置で支持板部51により着物帯9を支持し、額装面92をマット紙開口部31にセット可能である。保持板5および着物帯9は、枠体4の内側で収納部14に収納される。
【0015】
支持材6は、支持板部51と同じ大きさ形状の板から成る。支持材6は、1枚でも複数枚であってもよい。支持材6は、枠体4に収納され、折り畳んだ着物帯9の内側で挟まれて、保持板5で支持される折返し部91と異なる折返し部91で着物帯9を支持可能である。支持材6は、例えば厚紙から成る。着物保護材7は、収納部14に収納され、着物帯9と裏板8との間に設けられる。着物保護材7は、吸湿性・防湿性・防カビ性・防虫性を有する和紙から成る。
【0016】
裏板8は、長方形で透明板2とほぼ同じ大きさであり、透明板2とマット紙3と枠体4と保持板5で支持された着物帯9とを収納部14に収納した状態で収納部14を閉じることができる。裏板8は、収納部14を閉じた状態で留め具13により保持される。
【0017】
帯額装用額縁により着物帯9を額装するとき、額縁本体1の裏側に透明板2とマット紙3と枠体4とを順にセットしておく。着物帯9の額装面92の裏側に保持板5のセット板部52を当て、セット板部52がマット紙開口部31に対応する位置で支持板部51により着物帯9を支持し、枠体4の内側で額装面92をマット紙開口部31にセットする。着物帯9は支持板部51で支持され、セット板部52はマット紙開口部31と同一またはやや小さい外形を有するので、額装面92のしわを伸ばして額装面92の周囲をマット紙開口部31に押し付け、しわが寄らないよう額装面92をセットすることができる。着物帯9をセットした後、裏板8を閉じる。
【0018】
額装面92はマット紙開口部31および透明板2を通して額縁本体1の内側に表れ、時間が経ってもしわが寄りにくく美観を保つことができる。帯額装用額縁は、着物帯9の観賞用のほか着物帯9の収納器具および保存器具としての機能も備える。帯額装用額縁は、支持材6により着物帯9の支持される位置が増えるので、着物帯9がずり落ちにくく、着物帯9をよりしっかりと支持しやすくなっている。また、着物保護材7により着物を保護することができる。
【0019】
なお、帯額装用額縁の寸法の一例を挙げれば、額縁本体1は外寸が59cm×47cm、額縁開口部11が46cm×35cm、縁部12の深さが3.5cm、マット紙3は外寸が46cm×35cm、マット紙開口部31が40cm×28cm、枠体4は外寸が46cm×35cm、内寸が45cm×33cm、厚さ3cm、保持材は支持板部51が45cm×31cm、セット板部52が40cm×28cm、裏板8が46cm×35cmである。着物帯9は、一例で30.5cmの巾を有し、46cmの長さで折り返して収納される。以上の寸法は、一例であって、様々な寸法が可能である。帯額装用額縁は、色、形状その他、種々のバリエーションが可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 額縁本体、2 透明板、3 マット紙、4 枠体、5 保持板、6 支持材、
7 着物保護材、8 裏板、9 着物帯、11 額縁開口部、12 縁部、
13 留め具、14 収納部、31 マット紙開口部、51 支持板部、
52 セット板部、91 折返し部、92 額装面


 美しい日本文化の維持・保存・伝承に貢献するものとして帯を切らずにそのまま額装する[帯額装用額縁(セット)]を考案致しました。帯を額装する事により、虫喰いやカビ等による劣化や汚染を減らす一方で和装としての帯をアートとしても楽しむという生活の質を高めることを推奨する持続可能な取り組みを目指します。
 日本の帯は、大変美しく貴重で高価な物でありながら近年、保管や維持が難しく処分されていく様を見て心苦しく感じておりました。日本の女性は皆多かれ少なかれ思いを同じにしていることでしょう。女性のみならず、様々な晴れの日にお母様の着用された着物姿その背中を見上げ帯のお太鼓柄を印象深く思い出に刻み込まれた方もいらっしゃるでしょう。 入学式、成人式、結婚式など、人生の晴れの日を彩る素晴らしい和装…その高価な帯をタンスに仕舞い込まずに是非部屋に飾ってその"美"と"技"を御堪能いただきたく、そしてそれを世界中に広め額絵のみならずテーブルランナー等様々なインテリアにも活用いただければ「帯」に関わる全ての人々が幸せな気分になれる。
 そんな一助にこの考案が役立ちますように。
We have invented an obi framing set that allows obi to be framed without cutting them as a contribution to the maintenance, preservation, and transmission of beautiful Japanese culture. By framing obi, we aim to reduce deterioration and contamination caused by insects and mold, and at the same time, to encourage people to enjoy obi as art, which is a traditional Japanese garment, as a sustainable way to enhance the quality of life.
 Japanese obis are very beautiful, precious, and expensive objects, but in recent years, we have felt saddened to see them being disposed of due to the difficulty of storing and maintaining them. I am sure that Japanese women feel more or less the same way as I do. Not only women, but there are those who look up at the back of their mothers' kimonos worn on special occasions and remember the obi's drum pattern with deep impressions. I would like you to enjoy the "beauty" and "skill" of these expensive obis by displaying them in your room instead of storing them away in your wardrobe, and I hope that they will spread around the world and be used not only for framed pictures but also for table runners and various other interior decorations.If it should be achieved, all people involved with obi would feel happy. I hope this idea will be of some help in this regard.
【図1】
【図2】
試作品図1
試作品図2
試作品図3
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